トゥルードリーム〜努力と掴んだ夢〜

saiha

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40話:最愛なる青春

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 帰宅途中痛みに悶えながらも前宮は山本と話をしながら帰宅した。

「一嶋…あいつ一体何を企んでたことやら…。また山本の応援団潰してきたら殺そうかな」

「そんな体じゃ涼太君が潰されるよ。その前にまずは縫合してくれた城島先生に感謝しなさいよ!涼太君はいつも無理ばかりするんだから」

 筋肉が衰えている腕を突きながら山本は車椅子を押す。

 いつものコンビニを見ると意外な人物がいた。大山と鶴海がアイスを食べながらゲームをしていたのだった。

「鶴海ちゃんに大山君!こんなとこで会うのなんか珍しいね」

「そんな前宮と山本もここで両カップルが揃うなんて学校以外では初めてだなぁ」

 2つのカップルはそれぞれ談笑する。未来の夫と未来の妻がそれぞれ話す姿は、近所に住む人たちの会話の様。

「お前は、山本のこと幸せにできんの?」

「約束したからにはそれは初志貫徹しないとね、怒られちゃう」

「まゆっちは涼太君のこと守るの?」

「守るっていうより支えるって言った方が正解かな…」

 質問攻めの大山カップルに受ける前宮カップル。

 話すうちに時間となり、そのまま帰宅する。前宮と山本の首にはデートで用意したネックレスを常時着用していた。

「帰宅しちゃった…。この体育祭までにどれだけ多くの問題が起きたのかな、数え切れないな…。涼太君もたまに胸押さえてたりしてたから嫌な予感がするな。様子見るとして、まずは自分の事を頑張らないとね」

 入念な確認をした後、1人遅めの夕飯を食べる。

 夕飯の横には無造作に置かれたクッキーがあった。奇遇なのかそのクッキーの味はあの時前宮が作ったチョコレート味と抹茶味だった。

「このクッキー…違うものって分かっても涼太君が心も体もキツい中作ってくれたんだっけ?文字まで書いていたし、良い子だよね。食べてみようかな」

 チョコレート味のクッキーを1枚手に取り、一口食べた。あの時のことを思い出したのか、噛む度に涙が止まらなかった。

「あの時の味の方が美味しい…でも私の心を治してくれたのは涼太君…。私は1人なんかじゃない、彼もそうだしなみや高部さんに鶴海さんもいる。それに黒岩ちゃんや嘉藤さんも…どんな苦難でも乗り越えれたのはこんな良い人たちがいたからなんだ!最後まで頑張ろう真由!」

 自分に言い聞かせたこの言葉は涙ながらの決意でもある。

 1年目2年目はただ青春になれば良い、自分にとって人生の糧になれば良いとしか思っていなかった。前宮涼太の出会いや女子応援団という機会、全てが彼女の心と体を支え大切にしていたと言える。山本にとっての青春は本当の姿へと変貌しかけていた。

 食べ終わった食器を洗った後、ぐっすり眠った。隣に置いたネックレスは山本の顔を写していた。それも、前宮が近くに看病していた時のような姿を彷彿としていた。朝になると山本は起きていつもの支度をしたが、胸の騒めきを感じた。

「気持ち悪い朝だな…。でも、行かなきゃな…彼を迎えに行かないと!」

 前宮と合流してそのまま強引に学校へ向かうと、マスコミがまた校門の前で溢れかえっている。

 一嶋による、銃乱発事件が誰かによって内部告発されたようだ。

「一嶋人気になったなぁ、ダメな意味だけど…。良い光景だね」

「それは言えてる!発砲したという事実とこの場合は銃刀法違反だよね。白石さんや大山君にも発砲したし、なみにも銃弾を打ち込んだから許さない!」

「さて…そろそろ練習行かないと守山やその仲間が心配するぞ?僕も早く勉強しなきゃ…痛っ」

 高らかに話した後、前宮はまたあの時のように胸を押さえた。痛かったのか息遣いが相当荒い。

「大丈夫?前も胸押さえてたけど体力的な問題なのかな…」

「多分そうかもしれない…。遅れを取り戻さないといけないという考えに焦らされてるかもな…」

 それぞれの場所へ向かって山本は練習をした。本番までの期間も短いため、失敗より挑戦する心を大切に演舞を行った。熱くなりすぎたのか、大量の汗をかいて水を上から被る団員まで続出する。

「朝なのにすごい暑いね…。燃えてきた!最後まで悔いを残さないように頑張ろう」

「そうだねまゆっち!私たちで後輩に良い思い出を作ってあげないと指導してきた意味がない。存続の危機を救った前宮のためにも頑張ろうよ!」

 団員に向けてエールを送った。大山率いる男子応援団もその声が聞こえたのか、ほとんどの団員は上半身裸で練習していた。鍛えられた腹筋が割れており、その形は見るもの全てを魅了する。

 特に三國の腹筋と胸筋は、練習中の女子副団長の嘉藤を昇天させた。

「三國カッコ良すぎる…尊すぎる…マジでヤバいヨォ~」

 言語がカタコトになり、覚えたての日本語になっていた。両応援団の青春も良い仕上がりを見せる。

 最後まで切磋琢磨する団員の姿は、誰もが見ても神々しいものだった。
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