44 / 52
42話:本番前の試練
しおりを挟む
あれからどれだけ経過したのか分からないが、気づけば葬式場へ来ていた。ほとんどの友人は泣いていたが恨んでいた人やいじめていた人などにおいては笑うばかり。
山本は、前宮に最後のメッセージを送った。
「涼太君へ。私との出会いはこの中高一貫へ進学して中学3年生の時に家族とのトラブルで話をしてくれましたね。その後、自律神経失調症になっていた事に今も驚いています。応援演舞について色々ありましたが、私たちの応援団を守ってくれてありがとう。告白した時、とても緊張したけどあの時のデートも楽しかったよ。最後まで守り守られ続けると思いましたが、こんな最後になるなんて…思っていなかった。私にとって涼太君は最愛の夫でもあり、恩人です。時間を戻せるのなら出会った時に戻ってちゃんと治療をした上で人生を共にしたいです。男子応援団大山君や女子応援団のなみや高部、鶴海をここまで伸ばせたのもあなたのおかげです。お疲れ様でした。ゆっくり休んで下さい…。最後の言葉だけど、涼太。愛してるよ」
涙ながらに亡骸へ話す。この日、山本だけでなく大山や守山姉妹、応援団の団員全員が参加していた。
特に山本は最後の火葬まで付き合った。
「まゆっち大丈夫かな…。流石にあの様子だと嫌な予感しかしないな。大山君はどう思う?」
「奇跡を起こすしかないな。本当に病んでる心を立ち直らせるまでに時間はかかるもの。でも、仕方ないって一言に片付けられるのが周りの人。前宮の場合、俺たち応援団という関係のない団体を1人で教育委員会に立ち向かって倒した男でもある。そのようにして山本も乗り越えなければならない壁が今出来たわけだよ」
珍しく大山は名言を飛ばす。ずっと2人きりでいる時間が長い山本で、最後まで付き添ったのも山本であった。夜も更けて朝を迎える。
「眠れなかった…。涼太君失うってこんなにツラいんだね。何を思って頑張ればいいのかな…。もう分からない!私なんか生きてて良いの?それじゃ、自殺しようとした涼太君を止めずに一緒に自殺すれば良かったの?本当の幸せ、私の本当の夢って何なの…」
とち狂ったように山本は大泣きした。火葬の後、前宮の両親から山本に3つの遺品を託された。
1つは遺書、1つはペアルックのネックレス、1つは何も書かれていない4枚の紙。何をすれば良いのか分からない山本は練習の時も1人泣くばかり。
「先輩…」
「黒岩、今は自分の練習に集中して。後5日で体育祭だから!山本のことは私と後の2人に任せて」
心配している黒岩に安心を求めるかのように守山は震えながら話す。守山も事実、亡くなってしまったことに驚きを隠しきれていない1人だ。放課後の練習が終わると守山は高部、鶴海を含めて山本と一緒に話をした。
「まゆっち、大丈夫?って言っても今は心にぽっかりと穴が空いちゃったからツラいよね…」
「…」
守山の問いかけに答えるそぶりを見せなかった。山本はその後誰にも話す事なく帰宅する。1人部屋に閉じこもって泣いた。後悔までした。
写真まで撮った前宮との思い出を見ては目が赤くなるまで泣き続けた。そんな中、電話がきた。
「もしもし、なみだよ。気になって電話した。大丈夫?って言いたいけど過呼吸なところがあるから相当泣いたんだね…」
「何の用なの?今になって応援団抜けてとか言うの?あの人がいない限り頑張っても意味がないよ!何のために頑張れば良いのさ…」
悲しむ山本に守山は、女子応援団団長として厳しく怒った。
「まゆっち!いい加減にしろよ!1人死んでクヨクヨするのは分かるよ。でもね、進まないとダメなんだよ?なのにそうやって泣いて付き合ってた人とのことを思って何もできませんでした、結果演舞も今後の受験もダメでしたって通用するわけないでしょ。無理しすぎと言うよりも今回の場合は乗り越えなきゃ始まらない。次泣いたら強制的に抜けてもらうから」
守山はそのまま電話を切る。通話終了後も山本は悲しく泣いていた。守れなかった申し訳なさと失った穴が大きかった。
その後いつものルーティーンはする事なく眠る。夢の中で前宮に出会うなんてその時は思う事はなかった。
「体は焼かれたけど魂はまだここに来れるから最後に話をしようかなと思って夢の中へ来た。少し驚かせたな…」
「涼太君!これが最後なのね…。分かった」
「遺書の続きを話すよ。ネックレス受け取ったと思うけど、飾りをまゆっちの方に共に付けてほしい。僕が一生懸命守るから。ずっと泣いてたみたいだけど、もう泣かないで!守山との通話の内容も魂だから見れたけど最後の演舞頑張ってほしい。もう時間だね…。遺書の続きは僕の書斎の机に入れてある。それが、僕の演舞紹介文だから。天から森田先生と共に見守るよ。可愛いまゆっちの顔が台無しだぜ?嫌なことあったらこのネックレス付けてほしい。それじゃ、さらばだ…」
光と共に消える前宮に追いかける山本だが、目が覚めた。目覚まし時計の時刻は午前5時を回っていた。
「ネックレスの飾りってこれのことか…」
取り出したネックレスについていた2人のトレードマークの色である青と赤の縁取りに銀色であしらえた、合わせるとハートになるもの。
そして、太陽の光が昇るにつれて遺書に続きが写し出されていた。
「この文字はなかったはず…これって男女共用の応援団紹介文書?最後まで辛い中書いてくれたんだね…ありがとう」
涙を堪えながら山本は天に向けて感謝を述べる。
最後の体育祭応援演舞に全てを尽くす事を山本は誓った。
山本は、前宮に最後のメッセージを送った。
「涼太君へ。私との出会いはこの中高一貫へ進学して中学3年生の時に家族とのトラブルで話をしてくれましたね。その後、自律神経失調症になっていた事に今も驚いています。応援演舞について色々ありましたが、私たちの応援団を守ってくれてありがとう。告白した時、とても緊張したけどあの時のデートも楽しかったよ。最後まで守り守られ続けると思いましたが、こんな最後になるなんて…思っていなかった。私にとって涼太君は最愛の夫でもあり、恩人です。時間を戻せるのなら出会った時に戻ってちゃんと治療をした上で人生を共にしたいです。男子応援団大山君や女子応援団のなみや高部、鶴海をここまで伸ばせたのもあなたのおかげです。お疲れ様でした。ゆっくり休んで下さい…。最後の言葉だけど、涼太。愛してるよ」
涙ながらに亡骸へ話す。この日、山本だけでなく大山や守山姉妹、応援団の団員全員が参加していた。
特に山本は最後の火葬まで付き合った。
「まゆっち大丈夫かな…。流石にあの様子だと嫌な予感しかしないな。大山君はどう思う?」
「奇跡を起こすしかないな。本当に病んでる心を立ち直らせるまでに時間はかかるもの。でも、仕方ないって一言に片付けられるのが周りの人。前宮の場合、俺たち応援団という関係のない団体を1人で教育委員会に立ち向かって倒した男でもある。そのようにして山本も乗り越えなければならない壁が今出来たわけだよ」
珍しく大山は名言を飛ばす。ずっと2人きりでいる時間が長い山本で、最後まで付き添ったのも山本であった。夜も更けて朝を迎える。
「眠れなかった…。涼太君失うってこんなにツラいんだね。何を思って頑張ればいいのかな…。もう分からない!私なんか生きてて良いの?それじゃ、自殺しようとした涼太君を止めずに一緒に自殺すれば良かったの?本当の幸せ、私の本当の夢って何なの…」
とち狂ったように山本は大泣きした。火葬の後、前宮の両親から山本に3つの遺品を託された。
1つは遺書、1つはペアルックのネックレス、1つは何も書かれていない4枚の紙。何をすれば良いのか分からない山本は練習の時も1人泣くばかり。
「先輩…」
「黒岩、今は自分の練習に集中して。後5日で体育祭だから!山本のことは私と後の2人に任せて」
心配している黒岩に安心を求めるかのように守山は震えながら話す。守山も事実、亡くなってしまったことに驚きを隠しきれていない1人だ。放課後の練習が終わると守山は高部、鶴海を含めて山本と一緒に話をした。
「まゆっち、大丈夫?って言っても今は心にぽっかりと穴が空いちゃったからツラいよね…」
「…」
守山の問いかけに答えるそぶりを見せなかった。山本はその後誰にも話す事なく帰宅する。1人部屋に閉じこもって泣いた。後悔までした。
写真まで撮った前宮との思い出を見ては目が赤くなるまで泣き続けた。そんな中、電話がきた。
「もしもし、なみだよ。気になって電話した。大丈夫?って言いたいけど過呼吸なところがあるから相当泣いたんだね…」
「何の用なの?今になって応援団抜けてとか言うの?あの人がいない限り頑張っても意味がないよ!何のために頑張れば良いのさ…」
悲しむ山本に守山は、女子応援団団長として厳しく怒った。
「まゆっち!いい加減にしろよ!1人死んでクヨクヨするのは分かるよ。でもね、進まないとダメなんだよ?なのにそうやって泣いて付き合ってた人とのことを思って何もできませんでした、結果演舞も今後の受験もダメでしたって通用するわけないでしょ。無理しすぎと言うよりも今回の場合は乗り越えなきゃ始まらない。次泣いたら強制的に抜けてもらうから」
守山はそのまま電話を切る。通話終了後も山本は悲しく泣いていた。守れなかった申し訳なさと失った穴が大きかった。
その後いつものルーティーンはする事なく眠る。夢の中で前宮に出会うなんてその時は思う事はなかった。
「体は焼かれたけど魂はまだここに来れるから最後に話をしようかなと思って夢の中へ来た。少し驚かせたな…」
「涼太君!これが最後なのね…。分かった」
「遺書の続きを話すよ。ネックレス受け取ったと思うけど、飾りをまゆっちの方に共に付けてほしい。僕が一生懸命守るから。ずっと泣いてたみたいだけど、もう泣かないで!守山との通話の内容も魂だから見れたけど最後の演舞頑張ってほしい。もう時間だね…。遺書の続きは僕の書斎の机に入れてある。それが、僕の演舞紹介文だから。天から森田先生と共に見守るよ。可愛いまゆっちの顔が台無しだぜ?嫌なことあったらこのネックレス付けてほしい。それじゃ、さらばだ…」
光と共に消える前宮に追いかける山本だが、目が覚めた。目覚まし時計の時刻は午前5時を回っていた。
「ネックレスの飾りってこれのことか…」
取り出したネックレスについていた2人のトレードマークの色である青と赤の縁取りに銀色であしらえた、合わせるとハートになるもの。
そして、太陽の光が昇るにつれて遺書に続きが写し出されていた。
「この文字はなかったはず…これって男女共用の応援団紹介文書?最後まで辛い中書いてくれたんだね…ありがとう」
涙を堪えながら山本は天に向けて感謝を述べる。
最後の体育祭応援演舞に全てを尽くす事を山本は誓った。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる