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可愛いもの大好き同盟
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リビングに案内すると、一角のチャチャ専用のおもちゃルームにおろし、そしてキッチンに一度入ったものの、顔を出した。
「ヴァーロくん、お菓子出して~」
「はーい。何が良い? クッキー? それともドーナツ? マフィンやスコーンもあるよ?」
ヴァーロが奥の棚からお菓子を載せた皿を持ってくると、真ん中に置く。
「マフィンやスコーンならジャムがあるよ? いくつかのジャムとマーマレード、そしてトマトのも!」
「えっ? トマト?」
「うん。ボク、この間ジャム作ったんだ! 琴葉と一緒に。トマトのジャムなら食べられるようになったよ」
「すごいね! あんなに野菜、頑なに食べたくないって言ってたのに」
バーバラが驚く。
ヴァーロの偏食は有名だったらしい。
ジャムは、自分用ではなく、共用のジャム置き場である飾り棚からベリー、リンゴ、マーマレード、トマト、もも、イチジクを並べる。
「これだけ作ったんだよ」
「えぇぇ! すごくない?」
「へへへっ! って言いたいけど、ボクはコトハの助手で味見と瓶に詰めただけ」
ほらみてよ! と言いたげに、ヴァーロが文字を書き、その横に琴葉がイラストを添えたシール付きのジャムの瓶を見せる。
その間に、琴葉はマグカップにホットロイヤルミルクティーを淹れて持ってくる。
「どうぞ。お砂糖はこちらです」
「うわぁ……お砂糖、ピンク!」
「青いのと黄色もある!」
メリッサとフェリシアが目を輝かせる。
ハートの色違いのコーヒーシュガーと、白の角砂糖をガラスのシュガーポットで出す。
「可愛いでしょ? 実は緑のシュガーもあったけれど、ヴァーロくんが先に使っちゃったの。大体甘いのが好きな方は砂糖二個からどうぞ。ヴァーロくんは白いのを使ってね? いつも使ってるから、メリッサちゃんとフェリシアちゃんに綺麗な色を使ってねって言うのよ?」
「はーい! そのかわり星の形のお菓子ちょうだいね!」
「はいはい、コンフェイトね? これも、お土産に包むから、ヴァーロくんは今日は一個だよ?」
言いながら小さめの籠に何かを詰めて持ってくる。
「あ、これですが、皆さんにです。お菓子の詰め合わせなのですが、昨日作ったものもあるので、数日中に食べていただけるとありがたいです。そしてジャムとコンフェイトもあります」
「コンフェイト?」
「えっと、私のすんでいた世界の異国の言葉で、糖菓と言う意味です。砂糖を使ったお菓子で、飴のようなものですね」
瓶に詰め替えたコンフェイトのキャップの上を色紙で覆い、麻紐で結んでいる。
差し出すと、フェリシアが目をキラキラさせる。
「お星さまみたい! いろいろな色! 綺麗!」
「これは食べられる、身体に害のない色をつけているのです。でも飲み物に入れてもほとんど溶けないので、口に入れて食べてくださいね」
「こんなに貰うのは悪いよ、えっ? 人数分?」
余りにも接待好きというか、準備のいい琴葉に慌てるジョシュ。
「いえ、実は……お恥ずかしい話なのですが……私の体重増加を阻止していただけるとありがたいです」
「……あのさ~、桜智って言う、コトハの知り合いが、ここに引っ越す前に大量にお菓子とか食料を渡してくれたんだって。えっとね……毎日ボクがこれくらいのクッキーの箱一つ食べてるけど、まだまだ出てきてて、その上これくらいの箱5つ分開けてないらしい。で、別の箱にあったのが、今日出してくれた食器で……フェリシアやメリッサの好きそうな可愛い絵でしょ? このコップも二人に持って帰ってだって」
クリーム色の箱に収められたクマのマグカップを籠に入れる。
「この籠バッグに入れて、帰り際にお渡ししますね。フェリシアちゃんとメリッサちゃんの分は小さいぬいぐるみも付いてます。これはしなやかで柔らかな加工しやすい竹と言う木を細く切って編み上げたもので……これは職人が作っているので頑丈ですよ。口が大きいので中身を隠すために、内側に布で作ったバッグを入れています」
「……すごい……」
「お菓子や飲み物以外にも本とか持って行く時に使えますね」
フェリシアは嬉しそうに巾着状の内バッグを確認している。
「そして、あの、確かバーバラさまにはこちらを……」
可愛いもの好きだとヴァーロから聞いた元王女にメリッサとは違う柄だが、ウサギのお皿を見せた。
「えっ! か、可愛い!」
「あはは……この大きさのお皿もたくさんありました……」
ケーキ皿サイズが10枚以上、マグカップは柄色違いで20個はあった。
一応、琴葉も使っていたものもあるのだが、桜智の荷物には未使用のが次々発掘され、マジックバッグに入れておくにしても限度がある。
同じように皿は大きさ違いも相当数、ボウルも大小10個以上……。
友人になる人を呼ぶのに使えそうといくつかは置いておきたいが、気取らない、可愛いものが好きそうな方に使ってもらいたいと思ったのだ。
「え、もらってもいいの? こんなにいいものなのに! しかも可愛い!」
嬉しそうなバーバラにホッとする。
懸賞というかポイント引き換え商品で申し訳ない……。
「ヴァーロくん、お菓子出して~」
「はーい。何が良い? クッキー? それともドーナツ? マフィンやスコーンもあるよ?」
ヴァーロが奥の棚からお菓子を載せた皿を持ってくると、真ん中に置く。
「マフィンやスコーンならジャムがあるよ? いくつかのジャムとマーマレード、そしてトマトのも!」
「えっ? トマト?」
「うん。ボク、この間ジャム作ったんだ! 琴葉と一緒に。トマトのジャムなら食べられるようになったよ」
「すごいね! あんなに野菜、頑なに食べたくないって言ってたのに」
バーバラが驚く。
ヴァーロの偏食は有名だったらしい。
ジャムは、自分用ではなく、共用のジャム置き場である飾り棚からベリー、リンゴ、マーマレード、トマト、もも、イチジクを並べる。
「これだけ作ったんだよ」
「えぇぇ! すごくない?」
「へへへっ! って言いたいけど、ボクはコトハの助手で味見と瓶に詰めただけ」
ほらみてよ! と言いたげに、ヴァーロが文字を書き、その横に琴葉がイラストを添えたシール付きのジャムの瓶を見せる。
その間に、琴葉はマグカップにホットロイヤルミルクティーを淹れて持ってくる。
「どうぞ。お砂糖はこちらです」
「うわぁ……お砂糖、ピンク!」
「青いのと黄色もある!」
メリッサとフェリシアが目を輝かせる。
ハートの色違いのコーヒーシュガーと、白の角砂糖をガラスのシュガーポットで出す。
「可愛いでしょ? 実は緑のシュガーもあったけれど、ヴァーロくんが先に使っちゃったの。大体甘いのが好きな方は砂糖二個からどうぞ。ヴァーロくんは白いのを使ってね? いつも使ってるから、メリッサちゃんとフェリシアちゃんに綺麗な色を使ってねって言うのよ?」
「はーい! そのかわり星の形のお菓子ちょうだいね!」
「はいはい、コンフェイトね? これも、お土産に包むから、ヴァーロくんは今日は一個だよ?」
言いながら小さめの籠に何かを詰めて持ってくる。
「あ、これですが、皆さんにです。お菓子の詰め合わせなのですが、昨日作ったものもあるので、数日中に食べていただけるとありがたいです。そしてジャムとコンフェイトもあります」
「コンフェイト?」
「えっと、私のすんでいた世界の異国の言葉で、糖菓と言う意味です。砂糖を使ったお菓子で、飴のようなものですね」
瓶に詰め替えたコンフェイトのキャップの上を色紙で覆い、麻紐で結んでいる。
差し出すと、フェリシアが目をキラキラさせる。
「お星さまみたい! いろいろな色! 綺麗!」
「これは食べられる、身体に害のない色をつけているのです。でも飲み物に入れてもほとんど溶けないので、口に入れて食べてくださいね」
「こんなに貰うのは悪いよ、えっ? 人数分?」
余りにも接待好きというか、準備のいい琴葉に慌てるジョシュ。
「いえ、実は……お恥ずかしい話なのですが……私の体重増加を阻止していただけるとありがたいです」
「……あのさ~、桜智って言う、コトハの知り合いが、ここに引っ越す前に大量にお菓子とか食料を渡してくれたんだって。えっとね……毎日ボクがこれくらいのクッキーの箱一つ食べてるけど、まだまだ出てきてて、その上これくらいの箱5つ分開けてないらしい。で、別の箱にあったのが、今日出してくれた食器で……フェリシアやメリッサの好きそうな可愛い絵でしょ? このコップも二人に持って帰ってだって」
クリーム色の箱に収められたクマのマグカップを籠に入れる。
「この籠バッグに入れて、帰り際にお渡ししますね。フェリシアちゃんとメリッサちゃんの分は小さいぬいぐるみも付いてます。これはしなやかで柔らかな加工しやすい竹と言う木を細く切って編み上げたもので……これは職人が作っているので頑丈ですよ。口が大きいので中身を隠すために、内側に布で作ったバッグを入れています」
「……すごい……」
「お菓子や飲み物以外にも本とか持って行く時に使えますね」
フェリシアは嬉しそうに巾着状の内バッグを確認している。
「そして、あの、確かバーバラさまにはこちらを……」
可愛いもの好きだとヴァーロから聞いた元王女にメリッサとは違う柄だが、ウサギのお皿を見せた。
「えっ! か、可愛い!」
「あはは……この大きさのお皿もたくさんありました……」
ケーキ皿サイズが10枚以上、マグカップは柄色違いで20個はあった。
一応、琴葉も使っていたものもあるのだが、桜智の荷物には未使用のが次々発掘され、マジックバッグに入れておくにしても限度がある。
同じように皿は大きさ違いも相当数、ボウルも大小10個以上……。
友人になる人を呼ぶのに使えそうといくつかは置いておきたいが、気取らない、可愛いものが好きそうな方に使ってもらいたいと思ったのだ。
「え、もらってもいいの? こんなにいいものなのに! しかも可愛い!」
嬉しそうなバーバラにホッとする。
懸賞というかポイント引き換え商品で申し訳ない……。
応援ありがとうございます!
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