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むかしむかし、あるところに……
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「んー……約1000年前、また聞きですが、このアシール大陸の幾つもの公国が滅びに向かっていました。すでに一つの国は神に憎まれ姿を消していました。グランディア……黒い髪と瞳の民の暮らす公国です。この民は穏やかで大人しくただ祈り神の声を聞くとされていました。ただ一度、眠り続ける創始の女神……の言葉を聞き取り、それを口にしたことで全能の神に妬まれ憎まれこの世界を追放されたのです。その時、色は違いますが、創始の女神に瓜二つと言われる風の女神がただ武器も持たず、神の如き力もなくただ優しく神に語るのみの民を憐れみ、風の守護を与え、異空間とこの世界を繋ぐ門の向こうに逃しました」
歌うように悲しむように辿るように……不思議な音階を追いかけるような伸びやかな声でヴァーロは続ける。
「風の鳥と呼ばれし一族。彼らは風の民。逃がしてくれた風の女神を讃え信じ、そして全能の神がこの世界に戻ってもいいと言う時まで門を守るのです」
「あの……前にヴァーロくん、フェリシアちゃんのご先祖は、風の神とドラゴンと結婚して生まれた子だって……」
「あぁ、この世界には風の神って二人いるんだ。このアシエルと言う世界、創造の女神と全能神の間に生まれたのが大地の神でありアシエルの神。幼い姿のアシエルの神を全能神から守るために生まれたのが、創造の女神の姿に瓜二つの風の女神アーヤ・シールと言う名前だと言うよ。他に太陽と光の神、闇と月の女神……こちらは一対で兄妹神、彼らがアシエルの神を守り育てた三対。成長してアシエルの神とアーヤ・シール女神の間に生まれたのが大地の神、炎の女神、水の神、風の神、裁きの女神、浄化と癒しの神、最後に破壊の神。最後の神が目覚めるとこの世界はアシエルの神は滅ぶとされているんだ。で、全能の神はその最後の神を待っている」
その言葉に、息をのむ琴葉。
「……なんで? 滅ぶって言っても、自分の子供……でしょ?」
「だから狭量な神なんだよ。元々混沌の空間を漂っていた善悪併せ持つ存在だったんだ。その時、蒼く澄んだ輝きに引き寄せられるようにうごめき、辿り着いたのがこの空間。その輝きは創造の女神そのもので、近づいて触れたいと思った存在が形作ったのが全能の神。だから、美しく清麗で凄絶なまでの強い輝きを独占したいと想い……片方は安定していない世界を整えて、混沌の中迷い苦しむ魂をすくいあげ、自分の作る世界に住まわせたいと必死になる女神は……まぁ、真面目すぎたんでしょね~。最初に作った世界は土の星、でもすぐに壊れ、次は強い力をと火の星、次は水の星、次は風、次は荒れ狂う大気の星、それらを癒すつぎはぎの星……それらが全部砕け散り……まぁ、自分を見ず星につきっきりの女神に腹を立て壊したのは全能神とも言われているけどね……最後に作ったのはこの星……アシエル。しかも、これも壊そうとした全能神から女神が守り通し……神に言った。『この星とあなたとの子を、あなたに預けます。私は深い眠りにつきます。私が目覚める時は、この星が滅んだ時……もし、目が覚めた時は……私はあなたを憎むかもしれませんよ』」
「……えっ? えっと……女神が目が覚める時は……世界は……」
「おしまいです」
にっこり……いや、底の見えない微笑みで告げる長命のドラゴン。
ゾッとする……
「で、全能神は二度と目覚めないと宣言したような女神を愛し憎み……一度ならずもアシエルの神を手にかけようとし、傷ついたアシエルの神は側近であり守り手と共にここの西にある迷いの原に構える神殿でうとうとと起きたり眠ったりを続けている。痛みにうめく時に地震が起こり、その苦しみに寄り添う風の女神が流す涙が傷を癒し……歌う歌が世界をめぐり、ドラゴンを生んだ。兄妹神が四季を告げ、そして生まれた上の子供たちは父を癒す術を探すために旅立つ……末っ子の破壊の神は目覚めないように母女神がずっと眠らせている」
歌うように悲しむように辿るように……不思議な音階を追いかけるような伸びやかな声でヴァーロは続ける。
「風の鳥と呼ばれし一族。彼らは風の民。逃がしてくれた風の女神を讃え信じ、そして全能の神がこの世界に戻ってもいいと言う時まで門を守るのです」
「あの……前にヴァーロくん、フェリシアちゃんのご先祖は、風の神とドラゴンと結婚して生まれた子だって……」
「あぁ、この世界には風の神って二人いるんだ。このアシエルと言う世界、創造の女神と全能神の間に生まれたのが大地の神でありアシエルの神。幼い姿のアシエルの神を全能神から守るために生まれたのが、創造の女神の姿に瓜二つの風の女神アーヤ・シールと言う名前だと言うよ。他に太陽と光の神、闇と月の女神……こちらは一対で兄妹神、彼らがアシエルの神を守り育てた三対。成長してアシエルの神とアーヤ・シール女神の間に生まれたのが大地の神、炎の女神、水の神、風の神、裁きの女神、浄化と癒しの神、最後に破壊の神。最後の神が目覚めるとこの世界はアシエルの神は滅ぶとされているんだ。で、全能の神はその最後の神を待っている」
その言葉に、息をのむ琴葉。
「……なんで? 滅ぶって言っても、自分の子供……でしょ?」
「だから狭量な神なんだよ。元々混沌の空間を漂っていた善悪併せ持つ存在だったんだ。その時、蒼く澄んだ輝きに引き寄せられるようにうごめき、辿り着いたのがこの空間。その輝きは創造の女神そのもので、近づいて触れたいと思った存在が形作ったのが全能の神。だから、美しく清麗で凄絶なまでの強い輝きを独占したいと想い……片方は安定していない世界を整えて、混沌の中迷い苦しむ魂をすくいあげ、自分の作る世界に住まわせたいと必死になる女神は……まぁ、真面目すぎたんでしょね~。最初に作った世界は土の星、でもすぐに壊れ、次は強い力をと火の星、次は水の星、次は風、次は荒れ狂う大気の星、それらを癒すつぎはぎの星……それらが全部砕け散り……まぁ、自分を見ず星につきっきりの女神に腹を立て壊したのは全能神とも言われているけどね……最後に作ったのはこの星……アシエル。しかも、これも壊そうとした全能神から女神が守り通し……神に言った。『この星とあなたとの子を、あなたに預けます。私は深い眠りにつきます。私が目覚める時は、この星が滅んだ時……もし、目が覚めた時は……私はあなたを憎むかもしれませんよ』」
「……えっ? えっと……女神が目が覚める時は……世界は……」
「おしまいです」
にっこり……いや、底の見えない微笑みで告げる長命のドラゴン。
ゾッとする……
「で、全能神は二度と目覚めないと宣言したような女神を愛し憎み……一度ならずもアシエルの神を手にかけようとし、傷ついたアシエルの神は側近であり守り手と共にここの西にある迷いの原に構える神殿でうとうとと起きたり眠ったりを続けている。痛みにうめく時に地震が起こり、その苦しみに寄り添う風の女神が流す涙が傷を癒し……歌う歌が世界をめぐり、ドラゴンを生んだ。兄妹神が四季を告げ、そして生まれた上の子供たちは父を癒す術を探すために旅立つ……末っ子の破壊の神は目覚めないように母女神がずっと眠らせている」
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