もう行き詰まったので、逃亡したい私〜異世界でこの中途半端な趣味を活かしてお金を稼ぎたいと思います〜

刹那玻璃

文字の大きさ
100 / 102

【番外編】猫っぽい何か[猫の日に間に合わなかった……その1]

しおりを挟む
 猫の日に間に合わなかったのですが、投稿します。


~*~~*~~*~~*~~*~

 ヴァーロくんがまだ体調不良になる前のこと……。
 アルスたちと庭で畑を作り、種を蒔いた数日後、水を撒こうと外に出た琴葉は、猫っぽい何かを見つけた。
 いや、ネコ科だろうと思う……。
 しかし、デカイ!
 デカイのである。
 一応大型の馬サイズの、巨大なシェルムほどではないが、豹サイズのモフモフ猫。
 見た目はメインクーンっぽい。
 ラグドールはぬいぐるみで可愛いのだが、顔立ちはヤマネコっぽいキリッとした猫。
 ちなみに琴葉の知る猫は一般の日本猫サイズ。
 メインクーンは飼い猫種の中で最大級の猫らしい。
 で、この猫がどこにいたかだが、作ったばかりの庭のハーブ畑の土の上だったりする。
 そこは一番日当たりが良く、周囲が木々に囲まれた中で一番暖かい場所だ。
 先日蒔いたハーブの種が心配になった琴葉は、目を閉じて気持ちよさそうに眠る猫に近づくと、声をかけた。

「あの……猫さん、気持ちいいですか?」

 時々ぽふんぽふんと太い尾を振りながらお昼寝中のニャンコは、薄く片目を開けた。
 何? と言いたらしい。
 大きな瞳は、初めて見るダイクロイックアイ。
 鼻側の方がコッパーで、耳側にはヘーゼルだろうか。
 オッドアイよりも珍しい、一つの目の中に多色が現れるダイクロイックアイは、貴重で珍しいらしい。
 そして毛色はお腹の方は淡いグレーで、背中にかけて濃くなっている。
 グラデーションカラーという感じらしい。
 美しい生きた宝石のような眼差しに魅入られそうになりつつ、伝えるだけはしておこうと口を開く。

「あの……私はコトハと言います。えっと……トイレは、これから用意しますので、なるべくここを使わないでくださいね。先日ハーブの種を植えたばかりなので」
『……我は、このようなところでトイレはせんぞ。ふかふかなので休ませてもらっとるのだ』
「あ、そうでしたか。えっと、もしかしてお疲れですか? うちで休みますか?」
『見ず知らずの生き物を、そう簡単に信用して良いのか?』

 面白がるようにチラッと、閉じていたもう片方の目が開かれる。
 左の目とは反対……ではなく、対称的な鼻側がコッパー、外側がヘーゼルだ。
 キラキラとした不可思議な、それでいて楽しげに揺れている宝石のような瞳の生命体に、琴葉は頷いた。

「はい! ここは害をなす存在は近づけないそうです。それに、ニャンコさんはキラキラで綺麗です。お嫌でなければ、このドアからお入り下さい」
『……ふむ……面白い。邪魔をする』

 体を起こした猫……はゆったり太いモフモフの尾を揺らせながら扉に入ってくれたのだった。


~*~~*~~*~~*~~*~

ダイクロイックアイ……猫に現れやすい、一つの目に2種類の色が現れた瞳のこと。多い色の順でコッパー、ヘーゼル、ブルー。

コッパー……copper。銅色。赤みを帯びた色。

ヘーゼル……イメージ的に黄色みを帯びた緑。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています

空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。 『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。 「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」 「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」 そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。 ◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

神スキル【絶対育成】で追放令嬢を餌付けしたら国ができた

黒崎隼人
ファンタジー
過労死した植物研究者が転生したのは、貧しい開拓村の少年アランだった。彼に与えられたのは、あらゆる植物を意のままに操る神スキル【絶対育成】だった。 そんな彼の元に、ある日、王都から追放されてきた「悪役令嬢」セラフィーナがやってくる。 「私があなたの知識となり、盾となりましょう。その代わり、この村を豊かにする力を貸してください」 前世の知識とチートスキルを持つ少年と、気高く理知的な元公爵令嬢。 二人が手を取り合った時、飢えた辺境の村は、やがて世界が羨む豊かで平和な楽園へと姿を変えていく。 辺境から始まる、農業革命ファンタジー&国家創成譚が、ここに開幕する。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...