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第一章
甦りの魔法は二人の命じゃ足りないけれど、遡りの魔法は足りそうだよ。
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すぐに家よりも近い王宮に運ばれて、王宮医師に国王ダリミル自身が頼み込み、診てもらう。
リリーは全身は強く打って、手足の骨折に肋骨も折れていたが、頭と顔は奇跡的に無傷だった。
ただ、ギリギリ生きている。
いや、命の糸は繋がっているが、いつ断たれてもおかしくないと医師に告げられる。
「お前! なんでそばについてなかったんだ!」
従兄で王太子のグスタフに胸ぐらを掴まれ、容赦なく拳で数発殴られるが、返答はできない。
「ごめん……あいつらがいて……早く馬車を呼んで帰ろうと……一緒に行けばよかったんだ! ごめん、ごめん!」
号泣するラディスラフに、父のイェレミアーシュは青ざめたまま声をかける。
「ラディスラフ。あいつらと言うのは、誰のことだ?」
「……アルチョム男爵とダグマル子爵令嬢。令嬢は、なんでリリーを傷物にしておかなかったのかと叫んでた。男爵はイヤイヤ、ここまで噂になったんだからと……これ以上リリーを置いておきたくなくて……俺のせいだ!」
泣き続ける弟を、長男のマティアーシュが支える。
ラディスラフは勤勉で真面目な人間だ。
騎士と言っても脳筋のみもいるが、ラディスラフは国王家族の警護を担うだけあり、剣の腕だけではなく知識や勘も冴えている。
もしかしたら、ついでに二人の捕縛を頼んでいたのだろう。
それが妹を失うことになるとは、死んでも死に切れない痛恨のミスとしか言いようがない。
扉がノックされ、姿を見せたのは、イェレミアーシュの妻のマグダレーナと、昨日留学先から一時的に領地に帰ってきていた次男のカシュパル。
その後ろからヨタヨタと姿を見せたのは、何かを背負ったスラヴォミール。
マグダレーナは王都で生活する夫に代わり領地を切り盛りする女領主として、普段より王都から離れて暮らしている。
次男のカシュパルも18歳で学園卒業後は、外交スキルを磨くべく他国に留学したり、母のサポートで領地の見回り等をしている。
スラヴォミールはイェレミアーシュの四男で19歳だが、魔法の天才。
魔力も相当内包されているらしく、魔力切れを起こしてしまうことも、逆に暴走することもなく、将来は天才大魔法使いの名を欲しいままにするだろうと言われている。
すでに昔に失われた魔法のいくつかは彼の手で再現、もしくはそれ以上の作用を起こすように洗練され、新しい書籍に詳しく書き残され、又、新規に幾つもの現実不可能とされていた魔法も生み出されている。
「リリーは!」
「リリー!」
屈強で普段はおおらかで図太いラディスラフが頬を腫らし、泣き続ける姿にカシュパルとスラヴォミールは引く。
21歳の男の涙は暑苦しい。
「リリー! お母様よ? 起きてちょうだい? あなたに似合う素敵な髪飾りを作って貰ったわ。ガブリエラとも一緒に考えたのよ?」
マグダレーナは娘に近づき、青白い頰に触れ、包帯の巻かれた手を握る。
「リリー……可愛いわたくしのリリーに、誰がこんなことをしたの?」
唇を震わせるマグダレーナに夫が答える。
「……ダグマル子爵令嬢とアルチョム男爵。今日、ラディスラフと出かけた先で、リリーを貶める言葉を吐いていたらしい」
「……そいつらを捕まえて殺しなさい」
「マグダレーナ!」
「いえ、わたくしたちの公爵家の名前、お父様やお兄様の名前を表に出して結構よ! 串刺しにして、まず目をえぐり取り、動けないように足の腱を切ってしまいましょう。そしてじょうごを用意して水を延々飲ませ、吐き出させないようにしたり、トイレにも行かせないようにするべきね。そのあと手足を引っ張る、正座させその上に石を乗せる……手足が潰れても良いじゃない。この子は骨が折れて苦しんでいるのよ? 何も悪くない私の娘を貶める言葉を……嘘を言った喉を焼きなさい! 他にもありとあらゆる拷問をするべきです。リリーを苦しめた罪は、自分で償うことだわ!」
顔は娘を大人にしたような美貌だが、その唇から飛び出すのは恐ろしい拷問方法の数々。
青ざめる夫と息子たち。
「あ、母上。お願いがあるのですが」
「なあに? スラヴォミール」
「あのクズ男爵と尻軽子爵令嬢ですが、他に余罪があるみたいですよ。子爵令嬢の家は、他家を脅して金を集めているみたいですね。そして、アルチョム男爵家は、違法な賭博、酒の醸造、粗悪な酒を高額で売り払っていました。それを子爵家に強請られたとか。でも、僕が思うに、グスタフも悪いんだよ? 自分が悪いって自分を責めてる、苦しんでるラディ兄さんに八つ当たりするくらいなら、もっと早くリリーは自分の婚約者だって発表するなり、あの女にリリーに近づくなって牽制するなりできたのにしもしないで、兄さん殴る?」
「ぐっ!」
グスタフは口ごもる。
その通りである。
自分がまず動けばよかったのだ。
「いいや! 俺が全部悪いんだ……リリー……ごめん! 俺が死んでも良い! だからリリーをなんとか助けてやってくれないか? スラヴォミール。リリーにもしものことがあったら、俺はもう、生き……もしがだな……だ、がら……」
涙で声も潰れ、頬もかなり腫れているせいで途中からなんと言っているのかわからないのだが、三兄の悲痛な声にスラヴォミールは妹とそっくりな長い金髪をかきあげる。
「……じゃぁ、国王陛下と先王陛下と正妃様に許可をもらおう」
「元気になるのか?」
「……今の状態だったら、急変してしまうと思う。甦りは何が起こるかわからないし、リリーは心の傷も身体も弱ると思う。それに、どれだけの牲が必要か……」
「俺がなる!」
鼻をかみながらラディスラフは宣言するが、スラヴォミールは、
「兄さん? 兄弟の中で一番強いのは兄さんだよ? 次こそリリーを守ろうね?」
「……守らせてくれるのか?」
「当然だよ。それに使うなら、バカどもに決まってるし、甦りより、もっと確かな時間逆行を選ぶよ」
「時間逆行?」
「元の時間に戻るんだ。リリーを誘拐される前まで。そうすれば何も起こらない。簡単な、短時間のものはすでに数回成功させた。でも、大掛かりなものは初めてだし、成功しないかもしれない……どうする?」
背中に背負ったものを下ろしながら、確認する。
「許可するわ」
マグダレーナは息子をじっと見る。
「わたくしは、あなたたちも大事な子供だけど、遅くに生まれた末の娘であるリリーを……愛しているの。本当は、離れて暮らすのは辛かったわ……でも、わたくしのように命の危険と隣り合わせの生活をさせたくなくて、リリーは武器を持たないように育てたの……それに、汚いものを見せないように……だって、女の子ですもの。心優しいこの子に、深謀遠慮の類は教えても、闇は見せたくなかった……母親として失格ね……わたくしが見せたくないと言わず、心を鬼にして守るために見せるべきだった」
「それは違う! マグダレーナ。君は悪くない!」
イェレミアーシュは、孤高の薔薇のような妻を抱きしめる。
「私もおっとりとして、はにかむ笑顔が可愛い、スティファーリアを愛している。私も同じだよ。私たちの仕事を知られたくない。表向きは温厚な宰相としての顔。裏では断罪者として罪を裁く。自分の手が血に染まり、罵詈雑言を吐かれようとも、気にならなかった。でも、君を愛し、家族を守るために生きることができるのならと思っていた。だが、今回は許せない! 私たちの可愛い、大事なスティファーリアにありもしない中傷を流して、ここまで追い詰めるなんて!」
妻と自分の涙を拭いながら、ベッドに横たわる娘に近づく。
「スティファーリア……私は愚かな父親だ。でも、何度でも言う。お前は……お前だけは光を浴びて生きて欲しい。そのためなら時を遡ろうが、神を欺こうが、誰かの命を奪おうが後悔しない! お前を取り戻し、そのあと私は神の裁きを受けることになっても!」
「あなた!」
「一緒にと言わないでくれ。そうすれば、スティファーリアを誰が守り支えるんだ? 母親がそばにいることが一番良い」
「あなた!」
嫌々と首を振るマグダレーナ。
夫婦は言葉もなく目だけでやりとりをするが、それを断ち切ったのは学者馬鹿の四男。
「えっと、手が離せないから言うけど。父さん、母さん、兄さん。一応、時間逆行や遡行して記憶が曖昧か、消えていたら繰り返す可能性もある。それに大規模なんだ。成功するかどうかすらわからないからね? 今までのことを何かに書きつけて、ここにいる全員に持たせておいて。それで少しでもリリーが救えるように手を尽くしたいんだ」
「分かった!」
家族は手分けして机のペンと紙に何かを書きつけたり、別室にいる先王陛下と国王夫妻のもとに許可を得るために向かうのだった。
リリーは全身は強く打って、手足の骨折に肋骨も折れていたが、頭と顔は奇跡的に無傷だった。
ただ、ギリギリ生きている。
いや、命の糸は繋がっているが、いつ断たれてもおかしくないと医師に告げられる。
「お前! なんでそばについてなかったんだ!」
従兄で王太子のグスタフに胸ぐらを掴まれ、容赦なく拳で数発殴られるが、返答はできない。
「ごめん……あいつらがいて……早く馬車を呼んで帰ろうと……一緒に行けばよかったんだ! ごめん、ごめん!」
号泣するラディスラフに、父のイェレミアーシュは青ざめたまま声をかける。
「ラディスラフ。あいつらと言うのは、誰のことだ?」
「……アルチョム男爵とダグマル子爵令嬢。令嬢は、なんでリリーを傷物にしておかなかったのかと叫んでた。男爵はイヤイヤ、ここまで噂になったんだからと……これ以上リリーを置いておきたくなくて……俺のせいだ!」
泣き続ける弟を、長男のマティアーシュが支える。
ラディスラフは勤勉で真面目な人間だ。
騎士と言っても脳筋のみもいるが、ラディスラフは国王家族の警護を担うだけあり、剣の腕だけではなく知識や勘も冴えている。
もしかしたら、ついでに二人の捕縛を頼んでいたのだろう。
それが妹を失うことになるとは、死んでも死に切れない痛恨のミスとしか言いようがない。
扉がノックされ、姿を見せたのは、イェレミアーシュの妻のマグダレーナと、昨日留学先から一時的に領地に帰ってきていた次男のカシュパル。
その後ろからヨタヨタと姿を見せたのは、何かを背負ったスラヴォミール。
マグダレーナは王都で生活する夫に代わり領地を切り盛りする女領主として、普段より王都から離れて暮らしている。
次男のカシュパルも18歳で学園卒業後は、外交スキルを磨くべく他国に留学したり、母のサポートで領地の見回り等をしている。
スラヴォミールはイェレミアーシュの四男で19歳だが、魔法の天才。
魔力も相当内包されているらしく、魔力切れを起こしてしまうことも、逆に暴走することもなく、将来は天才大魔法使いの名を欲しいままにするだろうと言われている。
すでに昔に失われた魔法のいくつかは彼の手で再現、もしくはそれ以上の作用を起こすように洗練され、新しい書籍に詳しく書き残され、又、新規に幾つもの現実不可能とされていた魔法も生み出されている。
「リリーは!」
「リリー!」
屈強で普段はおおらかで図太いラディスラフが頬を腫らし、泣き続ける姿にカシュパルとスラヴォミールは引く。
21歳の男の涙は暑苦しい。
「リリー! お母様よ? 起きてちょうだい? あなたに似合う素敵な髪飾りを作って貰ったわ。ガブリエラとも一緒に考えたのよ?」
マグダレーナは娘に近づき、青白い頰に触れ、包帯の巻かれた手を握る。
「リリー……可愛いわたくしのリリーに、誰がこんなことをしたの?」
唇を震わせるマグダレーナに夫が答える。
「……ダグマル子爵令嬢とアルチョム男爵。今日、ラディスラフと出かけた先で、リリーを貶める言葉を吐いていたらしい」
「……そいつらを捕まえて殺しなさい」
「マグダレーナ!」
「いえ、わたくしたちの公爵家の名前、お父様やお兄様の名前を表に出して結構よ! 串刺しにして、まず目をえぐり取り、動けないように足の腱を切ってしまいましょう。そしてじょうごを用意して水を延々飲ませ、吐き出させないようにしたり、トイレにも行かせないようにするべきね。そのあと手足を引っ張る、正座させその上に石を乗せる……手足が潰れても良いじゃない。この子は骨が折れて苦しんでいるのよ? 何も悪くない私の娘を貶める言葉を……嘘を言った喉を焼きなさい! 他にもありとあらゆる拷問をするべきです。リリーを苦しめた罪は、自分で償うことだわ!」
顔は娘を大人にしたような美貌だが、その唇から飛び出すのは恐ろしい拷問方法の数々。
青ざめる夫と息子たち。
「あ、母上。お願いがあるのですが」
「なあに? スラヴォミール」
「あのクズ男爵と尻軽子爵令嬢ですが、他に余罪があるみたいですよ。子爵令嬢の家は、他家を脅して金を集めているみたいですね。そして、アルチョム男爵家は、違法な賭博、酒の醸造、粗悪な酒を高額で売り払っていました。それを子爵家に強請られたとか。でも、僕が思うに、グスタフも悪いんだよ? 自分が悪いって自分を責めてる、苦しんでるラディ兄さんに八つ当たりするくらいなら、もっと早くリリーは自分の婚約者だって発表するなり、あの女にリリーに近づくなって牽制するなりできたのにしもしないで、兄さん殴る?」
「ぐっ!」
グスタフは口ごもる。
その通りである。
自分がまず動けばよかったのだ。
「いいや! 俺が全部悪いんだ……リリー……ごめん! 俺が死んでも良い! だからリリーをなんとか助けてやってくれないか? スラヴォミール。リリーにもしものことがあったら、俺はもう、生き……もしがだな……だ、がら……」
涙で声も潰れ、頬もかなり腫れているせいで途中からなんと言っているのかわからないのだが、三兄の悲痛な声にスラヴォミールは妹とそっくりな長い金髪をかきあげる。
「……じゃぁ、国王陛下と先王陛下と正妃様に許可をもらおう」
「元気になるのか?」
「……今の状態だったら、急変してしまうと思う。甦りは何が起こるかわからないし、リリーは心の傷も身体も弱ると思う。それに、どれだけの牲が必要か……」
「俺がなる!」
鼻をかみながらラディスラフは宣言するが、スラヴォミールは、
「兄さん? 兄弟の中で一番強いのは兄さんだよ? 次こそリリーを守ろうね?」
「……守らせてくれるのか?」
「当然だよ。それに使うなら、バカどもに決まってるし、甦りより、もっと確かな時間逆行を選ぶよ」
「時間逆行?」
「元の時間に戻るんだ。リリーを誘拐される前まで。そうすれば何も起こらない。簡単な、短時間のものはすでに数回成功させた。でも、大掛かりなものは初めてだし、成功しないかもしれない……どうする?」
背中に背負ったものを下ろしながら、確認する。
「許可するわ」
マグダレーナは息子をじっと見る。
「わたくしは、あなたたちも大事な子供だけど、遅くに生まれた末の娘であるリリーを……愛しているの。本当は、離れて暮らすのは辛かったわ……でも、わたくしのように命の危険と隣り合わせの生活をさせたくなくて、リリーは武器を持たないように育てたの……それに、汚いものを見せないように……だって、女の子ですもの。心優しいこの子に、深謀遠慮の類は教えても、闇は見せたくなかった……母親として失格ね……わたくしが見せたくないと言わず、心を鬼にして守るために見せるべきだった」
「それは違う! マグダレーナ。君は悪くない!」
イェレミアーシュは、孤高の薔薇のような妻を抱きしめる。
「私もおっとりとして、はにかむ笑顔が可愛い、スティファーリアを愛している。私も同じだよ。私たちの仕事を知られたくない。表向きは温厚な宰相としての顔。裏では断罪者として罪を裁く。自分の手が血に染まり、罵詈雑言を吐かれようとも、気にならなかった。でも、君を愛し、家族を守るために生きることができるのならと思っていた。だが、今回は許せない! 私たちの可愛い、大事なスティファーリアにありもしない中傷を流して、ここまで追い詰めるなんて!」
妻と自分の涙を拭いながら、ベッドに横たわる娘に近づく。
「スティファーリア……私は愚かな父親だ。でも、何度でも言う。お前は……お前だけは光を浴びて生きて欲しい。そのためなら時を遡ろうが、神を欺こうが、誰かの命を奪おうが後悔しない! お前を取り戻し、そのあと私は神の裁きを受けることになっても!」
「あなた!」
「一緒にと言わないでくれ。そうすれば、スティファーリアを誰が守り支えるんだ? 母親がそばにいることが一番良い」
「あなた!」
嫌々と首を振るマグダレーナ。
夫婦は言葉もなく目だけでやりとりをするが、それを断ち切ったのは学者馬鹿の四男。
「えっと、手が離せないから言うけど。父さん、母さん、兄さん。一応、時間逆行や遡行して記憶が曖昧か、消えていたら繰り返す可能性もある。それに大規模なんだ。成功するかどうかすらわからないからね? 今までのことを何かに書きつけて、ここにいる全員に持たせておいて。それで少しでもリリーが救えるように手を尽くしたいんだ」
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