姉妹の愚痴〜心身障害者への理解を〜

刹那玻璃

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第1章〜起

昨日から……

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 昨日から度々めまいがし、座っていても目が回ります。



 あの後のことは父がやってきた兄に怒鳴りつけたということらしいです。

『お前らのせいで病気が悪化して自殺未遂を繰り返しとった玻璃が、ようやく安定してきたのに!お前の泥棒扱いに意識喪失とめまいで寝込んどるわ!たったのゲーム一つごときで妹を泥棒やと?よういうたな!冗談じゃない!お前らの方が泥棒や!』
『あいつがとっとんや!泥棒猫や!寅年やけん虎か!』
『はぁ?お前らはどうぞ?玻璃にもひなにも、キーにもたかっとる。ほんなら、泥棒猫どころか、ハゲワシか!ハイエナか!これ以上玻璃を苦しめるなら縁を切るわ!出て行け!あぁ、もう、向こうの家に二世帯たてとったな?もう出て行っとる人間が、度々帰って親にたかるな!お前が、玻璃が悩んどった、パラなんとかやろが!しばらく来るな!』

 父はカタカナ語が苦手で、言いたかったのは例の『パラサイトフォーティー』。
 実家には住んでいないものの、同居していた弟妹よりも度々甥姪名目でたかるので、キレたようです。

 で、兄の後ろで甥と姪が、隣室の扉をガバッと開いたそうです。
 そして、

『キー(甥姪は叔父の弟を呼び捨てです)。お年玉!』

と手を出すのを、実家の巨大で持ち出すのが困難な家具を、正月早々仕事用工具で解体していた弟が、冷たく、

『お前らに誰がやるかや。姉ちゃんに代わりに返せ!ついでに泥棒扱いに、姉ちゃんがお前らの家に行った時にされた仕打ち、聞いたけんな。わの姉貴に何が泥棒や!お前らの親やろが!向こう行け!バール持っとんのに危なかろが!』
『ケチ~』
『パパがキーが一万円くれるって』
『わは、一言も言うとらん!それに、お前らにやるなら、倒れとる玻璃ねぇにやるわ!向こう行かんか!ボケ!』



と、追い出したそうです。



 それはともかく、私は頭痛もするので頭痛鎮静剤を服用し、薬を飲んで横になっていますが、寝ているのか起きているのかわからず、胸の痛みと言うか全身のだるさ、意識が度々途切れるのが耐えられないので、かかりつけの病院に電話をかけようとしましたが、個人病院は最低でも三日まで休みが多く、市の保健所に電話をかけると、内科の専門救急外来のみと、救急病院を二つ教えてもらったのでした。

 即、一応内科の緊急救急外来にかけて事情を説明したものの、外来では内科で出せる薬のみと点滴程度で、やはり救急病院か明日まで待って自分の通院している病院に行く方がオススメですよとのこと。
 で、救急病院を確認していただいたものの、やはりどちらとも心療系のない病院……というか、どちらとも、5年前に薬の過剰服用の自殺未遂をした時に、胃の洗浄に行った救急病院でした。

 ため息をつくと、心配してくれた電話応対をしてくれた看護師さんが一言。

「あの、体調不良と言われていますが、外まで出られますか?救急車で家の前まで」
「……重病人の方のために、救急車じゃなくてタクシー呼びます……で、でも、目が回ります……」
「あの、お辛いとは思いますが、救急病院は人が多くて、患者様はストレスで倒れたそうですので、お辞めになられて、明日、病院に行かれてはいかがですか?一日我慢されて、お休みください。病院に行って、インフルエンザとか他の病気をもらう可能性もあります。安静に……おやすみになってください」

 一瞬考え、

「そうします。ありがとうございました」

と電話を切った。
 ストレスとイライラというか不安でソワソワが酷い状態なのだが、きっと救急病院で倒れるか、トイレに駆け込むかである……一日安静にしていようと思ったのだった。



 そして、的確に優しく説明してくれた看護師さんに感謝しようと思ったのでした。
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