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第1章〜起

あぁ、テディベアは癒しである。

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 テディベアのためなら生きていける。
 家族のためにはもう生きない。

 今年の目標である。

 ついでに、去年、せっかく毒舌と疲れたを言うのやめると決めたけど、復活してしまった。

 言うか、出版社さまの熱意と私の体温というか、体感温度の差が絶対15度は違うなと思う。
 中途半端な数字は、自分の体温の35度に、今更だと思うけれど必死にされている担当さんとの温度差。
 本当にあの置き去りにされた超長編を10巻にする……つまり、一冊約13万文字程度にまとめていなかったらしく、来週末までに何とか表紙と一冊分の原稿を送ります。と半泣きで書かれていた。

 私は想像しながら読むが、想像力と気力がないと……速読では読めない。
 はっきり言って三国志マニアでなければ読みづらいと思う。

 頑張れ。
 と応援しておいた。

 ちなみに、応援以上はしない。
 手を貸すことは、自分のプライドというか、今まで苦しんできた自分が可哀想だからである。

 今日、カウンセリングと、体調を確認に来る看護師さんに、

「……体の調子が悪いって聞いたけれど……それに、薬を過剰に服用したそうだけれど、そのせいで悪化したんじゃないの?」

と静かに聞かれた。

 はい、とも、いいえとも言えず、ただ黙り込んだ。

「何かあったの?」

 自分は……分かっていたし、過剰服用で自分の状況が改善なんてされないことも理解していた。
 でも、睡眠導入剤で眠れない……国営放送の言葉は未だに突き刺さる。
 それに、私の作品は、未婚で子供のいない私にはテディベアたちと同じ子供で、出版社に独り立ちさせたはずが一年あまり放置され、メールを送っても返事がなく、なろうの運営にメールを送って、そこからようやく返事が帰ってきたと思ったら、楽観的な返事に、別の方に送っていた文章をそのまま名前だけ変えて送ってきたり……2700冊売れましたって、こっちはまだ発売もされていないのに、予約でもしてるのか?……あまりにも杜撰で、キャラクターの名前を呟いて毎日泣いていた。

 そのせいで熱は出るし、鼻も詰まるし、声もおかしくなる。
 でも、自分のはっきり言えば命を削って書いた……小説である。
 向こうの対応に怒りが爆発するよりも、温度が下がっていくのは仕方がない。
 頭は熱で氷枕、途中で意識が途切れ、目を覚ますと真っ暗はしょっちゅう。

 なろうに一年放置しておいて今更電子書籍にします。
 多分来年には紙媒体になるでしょうと言われて信じられるか、この戯(たわ)け者!

 ちなみに、『戯け者』は、元々『田分け』からである。
 小さい島国で、平地が少ない日本では開墾して得た土地は大切であり、長男が後を継ぎ、次男以下は養子に行くか、兄、もしくはその近くの庄屋から土地を借り、生計を立てた。
 しかし、親が死んでも今のように財産として土地の分割はするのは先祖の財産を失うような愚か者……、そこから田分け、そして戯け者となったのである。

 人生、伯母が亡くなった年を過ぎ、その間に色々な経験をした。
 もう、厄介ごとに関わるのは金輪際お断り。

と書いておけばよかっただろうか?
 もう、いい加減……か、勝手にしてくれと思う。

 ニャンコ先生の抱き枕は妹の家に預けてきた。
 だからセオドア・ルーズベルトと名付けたテディベアを抱きしめる。

 テディベアの名前の由来のアメリカ大統領である。
 セオドアの愛称がテディなのだ。

 夢は、テディベアを家中に飾った家に、一階で喫茶店をしたい。
 テディベアを作ったり、家庭菜園やハーブ園……。



 ……泡沫(うたかた)の如く六花(りっか)は消えにけり(季語:六花 、冬)

 泡沫……水面に浮かぶ泡。
 泡沫の如く消える。
 六花は散るか迷いましたが、泡沫は消えるので……。
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