姉妹の愚痴〜心身障害者への理解を〜

刹那玻璃

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第2章〜承

今日は自分をもっともっと大事にしようと思えた日

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 最初は心療内科。
 ここはとても忙しいので、先生はあまり話を聞いてくれない。

 到着後、人の多さにめまい。
 点滴室で順番を待つ。
 頭痛に吐き気は昔から。
 悪化したのは最近。

 順番が来たものの、自殺未遂のことは話せず、一応ストレスの悪化の原因を一つ説明する。

 自分の宝物を捨てて行く家族。

 薬は変わらず、でもちゃんと飲むように念を押される。

 薬を受け取り、主治医の内科に行く。



 呼吸困難感と、頭痛とめまい、そして家族との距離がうまく取れず、自殺未遂……異物服用に、薬の過剰服用、過食、拒食などを伝えた。

 先生に、

「心療内科の先生に相談した?」
「話を3分でまとめなさいなので……」
「うーん、先生に相談した方がいいよ」
「あの……距離の出来た家族に今の状態を伝えても……」
「うーん。理解できないと思うね。君の気持ちを優先できない」

ときっぱり。

 先生優しい……。

と涙が出そうになった。
 最後に、

「君のお父さんには、伝えないよ」
「はい。私も伝えません。辛いって言ってもダメだったので」
「……でも、よう頑張っとるよ?それは先生、解っとる。無理はせられんで」

と言っていただき、ホッとした。

 解ってくださる先生もいる。

 無理はしないで私らしくあろう。

 薬を受け取り、午後からの病院に向かう為、一駅分値段を安くするため歩いて行くことにした。
 心臓はドキドキとする。
 周囲は怖い……。

 でも、

「私は生きたいし前に進みたい。だから2度も同じことは繰り返したくない。だから、重石で邪魔なものは全部切り捨てたいんだ……」

と胸を押さえマスクの下でなんども呟いた。
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