姉妹の愚痴〜心身障害者への理解を〜

刹那玻璃

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第2章〜承

夢だったんだけどなぁ

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 長い髪が夢だった。
 まぁ、自分は化粧も苦手、それに汗かぶれとあせもで湿疹が首や頭皮にできる。
 手抜きということなかれ……シャンプーの後のコンディショニングや他のものが汗に反応してしまうのである。
 まぁドライヤーが苦手なのも原因で、ベビーソープ、ベビーシャンプーか、オリーブオイル石鹸にベビー乳液に厄介になる。

 今年はおかしな天気で、大雨の土砂崩れに川の決壊、猛暑に火山の噴火、台風と次々と忙しなく変わる。
 そのせいもあってか、例年以上に頭皮の湿疹に顔や首、胸元の痛みを伴うあせもか汗かぶれに病院で処方された塗り薬を身体中に塗る。
 でも背中は塗れないので、かゆいのを我慢してベビーパウダーをはたく。
 そのベビーパウダー用のはたくものも、汗のため途中でベタベタになり、毎日洗っては日陰干しである。

 薬を首筋に塗った自分が、肩よりも短い酷い天然パーマの髪を見てため息をついた。
 年ごとに天然パーマは悪化して、今日のように天気の悪い日は髪は爆発する。
 自分自身は頑固だが、髪の毛は自由気ままらしい。
 その自由さで伸びてくれればいいのに、伸ばすと髪の毛の色が抜ける。
 毛先の色が抜けて金色になるのである。
 栄養が毛先にいかない。
 こしやつやもなく枝毛や切れ毛になり、最後には切ってしまう。
 肩まで伸ばすとすぐそれである。

 いいなぁ……。
 パーマをあててくるくる縦ロール。
 地毛がそうなので爆発するのだが、全部ではなく一部分でいい伸ばして、楽しんで見たい。

 と、100円ショップでカールのヘアエクステを見つけた。
 髪が長く見えるかも。
 しかも簡単に取り外せる。

 左右につけるため二つ買った。
 つけて見たが、あまり似合うものじゃないのかもしれない……と鏡の向こうの自分に呟いた。

 昔はまっすぐで、綺麗な黒髪だったのに……円形脱毛症で変わってしまった。
 ショックである。
 それ以上に、この歳で鏡の中の自分を見ているのは滑稽としか言えない。

 鏡よ鏡、この世界で……。

 私は悪役王妃がお似合いかもしれない。
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