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現実を見ようとしない電波との話
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【リリィ視点】
なんで?
私は、こんなに暗くてジメジメしたところに連れてこられたの?
私が何をしたっていうのよ?
ここはゲームの中の話でしょう?
私が何をしたっていいはずよ?
私が全て正しいんだから!
攻略キャラは全部私のいうことを聞くの。
私のものよ!
最初は学院の物置というか、物のほとんどない、重たい椅子だけの部屋に閉じ込められた。
あまり広くもないし、色あせたカーテンの向こうを見ると鉄格子のついた窓になっていて、多分前世で言う座敷牢……全然違う(ツッコミ)。
扉もかちゃかちゃノブを動かしても、外から鍵をかけられているみたいで出られなかったっけ。
しばらくして扉の向こうから鍵を開けるような音がした。
入ってきたのは、前世のゲームでの攻略キャラの一人だったウィンゼニア公爵ブラッドレイ。
妻子ある人だけど、イケメンね!
一緒に来ているのは、あっ!
もう一人の攻略者、サミュエルだわ!
ブラッドレイは王族、準王族に認められた正装で、サミュエルはうふふふ……小さい幾つものポケットにキラキラの薬瓶を入れた白衣!
ゲームの中にもこの格好で登場していたわ!
「やっぱり、助けにきてくれたのね!」
固い表情をしていた二人が、怪訝そうな顔つきになる。
両手を前にして、祈るようなポーズをして上目遣いで二人を見上げる。
「私はリリィです! 私は冤罪です! 突き落とされたのですわ!」
そう!
このセリフに、ウルウルお目目、ポーズはあざと可愛いのは確かアイドルオタクの兄の部屋に貼られたポスターに載っていた子のちょっと同性には嫌われそうな感じを目指すわ!
「悪いのはサーシャです! なんで私がこんな目に……」
震える声でいい、顔を覆って泣いてるフリをしよう……そうしたら……。
「……そうなのか……サーシャが悪いんだね?」
キタァ!
これは、レイ……ブラッドレイのイベント!
成功ね!
ホッとして、涙を拭うフリをして顔を上げると、
「サミュエル? これ、下手な三文芝居を見てるのかな? 私は」
ブラッドレイは、氷のように冷たい目をしていた。
えっ?
どう言うこと?
声、優しくない?
穏やかな声で『サーシャが悪いんだ』って……言ってたよね?
「父上。下町の歌劇場だってこんな下手な役者いませんよ?」
……はぁぁ?
父上?
聞き間違いよね?
この二人、親子なの?
に、似てるとは思っていたけど、姓も同じだけど、キャラデザのイラストレーターが新人だから書き分けができないんだとばかり思ってたわ!
それに、サミュエルって幾つだったかしら?
あ、そうだわ!
多分、奥さんが最初に結婚しているのね!
可哀想~慰めてあげなくちゃ!
【ウィンゼニア公爵家の視点】
目の前でコロコロと妄想にふけるリリィを見つめ……親子は眉を寄せた。
「なんなんだ、これは?」
「殺りましょう」
「待ちなさい」
勘違いリリィは知らないのだが、ブラッドレイとサミュエルは髪と瞳の色以外は瓜二つである。
実はフランツも顔立ちがそっくりなのだが、不摂生でできた吹き出物とむくんだ顔のせいであまり見えない。
それに、ゲーム時のフランツは『自分は母に似ている』とスチルはないがイベントで語っていたため、転生したこの世界でも同じなのだと信じ込んでいる。
このゲームではない世界では、国王の子供はほぼ父親似、唯一王妃に似ているのは第四王子ディアスリード。
ゲームを前世イベントだけがっつりやりこみ、あとの重要でない部分は飛ばして攻略していたリリィは、王妃のスチルやちょっとした小ネタなどもチェックしておらず、フランツの残メンぶりにも『クリアして王妃になればいいんだもんね? 贅沢と逆ハーのためだもん。仕方ないなぁ』としか思ってなかったりする。
ちなみに、同じく転生者……本人はそれを表に出さない……ディアスリードは、
「……なんで、俺だけ母上に似てしまったんだ……筋肉もそんなにつかないし、体重も増えないし、くぅぅ……童顔! 彫りもあさく、目だけが丸い! 垂れ目だなんて!」
と、鏡を見てはぼやいているらしい。
ブラッドレイとサミュエルは歳の差もあるため、ほぼ毎朝ヒゲを剃る……イベントスチルあり……が、18歳のディアスリードはそう言うこともない。
「ところで、ブロック子爵令嬢で、間違い無いかな?」
「リリィと申しますわ!」
「……軽々しく、君を名前で呼ぶことはないよ」
ピシャッと切って捨てる。
社交界に出た女性が、恋人や夫以外に素手や素足を見せびらかせることはない。
それと同じで、名前で呼ぶと言うことは女性に失礼であると言う意味だけでなく、自分と対等でない……好意もないし、仲良くするつもりもないと言う意味である。
「ところで、私の娘のセシリアが大怪我をした。君に階段から突き落とされた……違うかな?」
「違いますわ! 私の方が突き落とされましたの!」
「嘘をつくな!」
サミュエルが大声を上げた。
「クロイツが言っていた。クロイツとサーシャは、書庫から教室に戻っていた。休憩明けの授業も迫っていたし、荷物もあったから遅刻しないようにクロイツがサーシャに先に行くように勧めた。そして後を追っていたら、急に大きな物音がして、駆けつけてみたら落ちていたと言ったんだ」
「ですから、2階から突き落とされたんですの!」
「嘘だね」
ブラッドレイは、やれやれと言いたげに首を竦める。
「突き落とすなんてできないよ」
「何故ですか? 被害者は私なのに!」
「サーシャは、ここ2ヶ月で急激に痩せているんだよ。自分は婚約者だとか言う、自尊心だけの馬鹿と、虚栄心だけの不細工な犯罪者のせいでストレスが溜まって。君のように胸がムチムチ、脳がスカスカの子を突き飛ばす力もない」
「何ですって!」
お気に入りのイケメン攻略キャラとはいえ、バカにされたのにリリィはむかっとする。
「この間、この学院の備品が破損、そして盗まれ街で転売されていた事件や、書庫の本が破られていた件、教室のインク壺が割れてインクが飛び散っていたこと……それは犯人が自分がやっていない……見つからなかったといい、クラスのリーダーだったサーシャが責任を取り、全て自分が立て替え、修繕、もしくは本は同じ本が見つからなければ一つ一つ書き写した」
「ここ最近、リリィは寝る間も惜しんで破れた本を元のページに合わせる作業をして、一ページごとに書き写し、できたものを書庫に収め、また別の破損本を持って帰る。それは、クロイツも手伝っているけれど、それでも、か弱い女の子には酷なことだ」
「私だってか弱いわ!」
「何がか弱い! 嘘つきが! そのテカテカ脂ぎったパンパンの顔で、よく言う! サーシャは、階段を登るのも辛いほど身体が弱っていたんだ!」
サミュエルは怒鳴りつける。
「本だって持って歩けなかった! 階段だって手すりや壁を伝わなくては、上り下りできなかったんだ。クロイツがいくら、荷物を受け取ったりしたとはいえ、早足で後を追いかけたんだ。追いつけるはずだって言ってたよ。サーシャが階段を登っていたって、追いつけないほど遅れてなかった。君を突き飛ばせるものか」
「と、途中で……わたしがおりているときに!」
「ほら、君は嘘を重ねた!」
「嘘じゃないわ! 私は被害者なの!」
「さっき、『2階から突き落とされた』って言ったよね? 舌の根も乾かないうちに、よくもベラベラと嘘を重ねるものだ」
厳しい口調で激しく責められたリリィはキレる。
「何でよ! 私がヒロインなんだから! 私のいうことが正しいのよ! 私をいじめないで、悪役令嬢を断罪しなさいよ!」
「悪役令嬢を? あぁ、君のことか?」
「悪役っていうより、正真正銘の悪人……犯罪者だけどね?」
ブラッドレイは扉を振り返る。
「入れ!」
「はっ!」
入ってきたのは、王宮からやってきたブラッドレイを護衛してきた近衛たち。
「殿下とこの令嬢を捕らえ、王宮に連れて行くように」
「えっ? 王太子妃になれるの?」
やったぁぁ!
ブラッドレイルートは失敗? だったけれど、フランツルートに乗れたのね!
拳を握るリリィを冷たい目で見つめたブラッドレイは、
「連れて行け」
全く話の通じないリリィとの会話に疲れた二人は、いまだ容体のわからないサーシャが無事であることを祈るしかなかったのだった。
なんで?
私は、こんなに暗くてジメジメしたところに連れてこられたの?
私が何をしたっていうのよ?
ここはゲームの中の話でしょう?
私が何をしたっていいはずよ?
私が全て正しいんだから!
攻略キャラは全部私のいうことを聞くの。
私のものよ!
最初は学院の物置というか、物のほとんどない、重たい椅子だけの部屋に閉じ込められた。
あまり広くもないし、色あせたカーテンの向こうを見ると鉄格子のついた窓になっていて、多分前世で言う座敷牢……全然違う(ツッコミ)。
扉もかちゃかちゃノブを動かしても、外から鍵をかけられているみたいで出られなかったっけ。
しばらくして扉の向こうから鍵を開けるような音がした。
入ってきたのは、前世のゲームでの攻略キャラの一人だったウィンゼニア公爵ブラッドレイ。
妻子ある人だけど、イケメンね!
一緒に来ているのは、あっ!
もう一人の攻略者、サミュエルだわ!
ブラッドレイは王族、準王族に認められた正装で、サミュエルはうふふふ……小さい幾つものポケットにキラキラの薬瓶を入れた白衣!
ゲームの中にもこの格好で登場していたわ!
「やっぱり、助けにきてくれたのね!」
固い表情をしていた二人が、怪訝そうな顔つきになる。
両手を前にして、祈るようなポーズをして上目遣いで二人を見上げる。
「私はリリィです! 私は冤罪です! 突き落とされたのですわ!」
そう!
このセリフに、ウルウルお目目、ポーズはあざと可愛いのは確かアイドルオタクの兄の部屋に貼られたポスターに載っていた子のちょっと同性には嫌われそうな感じを目指すわ!
「悪いのはサーシャです! なんで私がこんな目に……」
震える声でいい、顔を覆って泣いてるフリをしよう……そうしたら……。
「……そうなのか……サーシャが悪いんだね?」
キタァ!
これは、レイ……ブラッドレイのイベント!
成功ね!
ホッとして、涙を拭うフリをして顔を上げると、
「サミュエル? これ、下手な三文芝居を見てるのかな? 私は」
ブラッドレイは、氷のように冷たい目をしていた。
えっ?
どう言うこと?
声、優しくない?
穏やかな声で『サーシャが悪いんだ』って……言ってたよね?
「父上。下町の歌劇場だってこんな下手な役者いませんよ?」
……はぁぁ?
父上?
聞き間違いよね?
この二人、親子なの?
に、似てるとは思っていたけど、姓も同じだけど、キャラデザのイラストレーターが新人だから書き分けができないんだとばかり思ってたわ!
それに、サミュエルって幾つだったかしら?
あ、そうだわ!
多分、奥さんが最初に結婚しているのね!
可哀想~慰めてあげなくちゃ!
【ウィンゼニア公爵家の視点】
目の前でコロコロと妄想にふけるリリィを見つめ……親子は眉を寄せた。
「なんなんだ、これは?」
「殺りましょう」
「待ちなさい」
勘違いリリィは知らないのだが、ブラッドレイとサミュエルは髪と瞳の色以外は瓜二つである。
実はフランツも顔立ちがそっくりなのだが、不摂生でできた吹き出物とむくんだ顔のせいであまり見えない。
それに、ゲーム時のフランツは『自分は母に似ている』とスチルはないがイベントで語っていたため、転生したこの世界でも同じなのだと信じ込んでいる。
このゲームではない世界では、国王の子供はほぼ父親似、唯一王妃に似ているのは第四王子ディアスリード。
ゲームを前世イベントだけがっつりやりこみ、あとの重要でない部分は飛ばして攻略していたリリィは、王妃のスチルやちょっとした小ネタなどもチェックしておらず、フランツの残メンぶりにも『クリアして王妃になればいいんだもんね? 贅沢と逆ハーのためだもん。仕方ないなぁ』としか思ってなかったりする。
ちなみに、同じく転生者……本人はそれを表に出さない……ディアスリードは、
「……なんで、俺だけ母上に似てしまったんだ……筋肉もそんなにつかないし、体重も増えないし、くぅぅ……童顔! 彫りもあさく、目だけが丸い! 垂れ目だなんて!」
と、鏡を見てはぼやいているらしい。
ブラッドレイとサミュエルは歳の差もあるため、ほぼ毎朝ヒゲを剃る……イベントスチルあり……が、18歳のディアスリードはそう言うこともない。
「ところで、ブロック子爵令嬢で、間違い無いかな?」
「リリィと申しますわ!」
「……軽々しく、君を名前で呼ぶことはないよ」
ピシャッと切って捨てる。
社交界に出た女性が、恋人や夫以外に素手や素足を見せびらかせることはない。
それと同じで、名前で呼ぶと言うことは女性に失礼であると言う意味だけでなく、自分と対等でない……好意もないし、仲良くするつもりもないと言う意味である。
「ところで、私の娘のセシリアが大怪我をした。君に階段から突き落とされた……違うかな?」
「違いますわ! 私の方が突き落とされましたの!」
「嘘をつくな!」
サミュエルが大声を上げた。
「クロイツが言っていた。クロイツとサーシャは、書庫から教室に戻っていた。休憩明けの授業も迫っていたし、荷物もあったから遅刻しないようにクロイツがサーシャに先に行くように勧めた。そして後を追っていたら、急に大きな物音がして、駆けつけてみたら落ちていたと言ったんだ」
「ですから、2階から突き落とされたんですの!」
「嘘だね」
ブラッドレイは、やれやれと言いたげに首を竦める。
「突き落とすなんてできないよ」
「何故ですか? 被害者は私なのに!」
「サーシャは、ここ2ヶ月で急激に痩せているんだよ。自分は婚約者だとか言う、自尊心だけの馬鹿と、虚栄心だけの不細工な犯罪者のせいでストレスが溜まって。君のように胸がムチムチ、脳がスカスカの子を突き飛ばす力もない」
「何ですって!」
お気に入りのイケメン攻略キャラとはいえ、バカにされたのにリリィはむかっとする。
「この間、この学院の備品が破損、そして盗まれ街で転売されていた事件や、書庫の本が破られていた件、教室のインク壺が割れてインクが飛び散っていたこと……それは犯人が自分がやっていない……見つからなかったといい、クラスのリーダーだったサーシャが責任を取り、全て自分が立て替え、修繕、もしくは本は同じ本が見つからなければ一つ一つ書き写した」
「ここ最近、リリィは寝る間も惜しんで破れた本を元のページに合わせる作業をして、一ページごとに書き写し、できたものを書庫に収め、また別の破損本を持って帰る。それは、クロイツも手伝っているけれど、それでも、か弱い女の子には酷なことだ」
「私だってか弱いわ!」
「何がか弱い! 嘘つきが! そのテカテカ脂ぎったパンパンの顔で、よく言う! サーシャは、階段を登るのも辛いほど身体が弱っていたんだ!」
サミュエルは怒鳴りつける。
「本だって持って歩けなかった! 階段だって手すりや壁を伝わなくては、上り下りできなかったんだ。クロイツがいくら、荷物を受け取ったりしたとはいえ、早足で後を追いかけたんだ。追いつけるはずだって言ってたよ。サーシャが階段を登っていたって、追いつけないほど遅れてなかった。君を突き飛ばせるものか」
「と、途中で……わたしがおりているときに!」
「ほら、君は嘘を重ねた!」
「嘘じゃないわ! 私は被害者なの!」
「さっき、『2階から突き落とされた』って言ったよね? 舌の根も乾かないうちに、よくもベラベラと嘘を重ねるものだ」
厳しい口調で激しく責められたリリィはキレる。
「何でよ! 私がヒロインなんだから! 私のいうことが正しいのよ! 私をいじめないで、悪役令嬢を断罪しなさいよ!」
「悪役令嬢を? あぁ、君のことか?」
「悪役っていうより、正真正銘の悪人……犯罪者だけどね?」
ブラッドレイは扉を振り返る。
「入れ!」
「はっ!」
入ってきたのは、王宮からやってきたブラッドレイを護衛してきた近衛たち。
「殿下とこの令嬢を捕らえ、王宮に連れて行くように」
「えっ? 王太子妃になれるの?」
やったぁぁ!
ブラッドレイルートは失敗? だったけれど、フランツルートに乗れたのね!
拳を握るリリィを冷たい目で見つめたブラッドレイは、
「連れて行け」
全く話の通じないリリィとの会話に疲れた二人は、いまだ容体のわからないサーシャが無事であることを祈るしかなかったのだった。
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