10 / 50
《心》……大切なもの
しおりを挟む
何でだろう……。
彪流は茫然としていた。
ただ、ツイッターに同級生が彼女らしい女の子……後で気がつくと同級生の観月だった……と子供と歩いていたのをTwitterに、
『同じ学校の不知火が、彼女と子供と歩いてる』
『しかも子供用品売り場に行ってるけど、何買うんだろう?』
と送っただけ。
それなのに、どうして?
今現在、消去すればいいと思っていたがスマホを取り上げられ、何故か、目の前で告白合戦が始まり、テレテレモジモジと二人はしている。
二人がくっついたのならいいではないか……。
と思っていた。
電話を切った祐次の父親と名乗った男性は振り返ると、厳しい表情で、
「……個人情報を悪用したと、君のご家族に連絡したよ。お祖父様かな? 慌てて、ご両親がアメリカにいるから、戻るように連絡するそうだよ」
「えぇぇ? な、何で! 俺は!」
「これを見て言える?」
祐次がテーブルに置いていたスマホを、赤ん坊の父親だと言う青年が操作して見せる。
LINEの文章をスライドさせながら、
「この文章、どう? 『ツイッター見たぜ』『お前、未成年なのに、子供いるのか?』『うわっ! 最低!』『お前……』これ以上は、読むのも嫌になるね。このメッセージを、何も知らない祐次は、受け取ってどう思う? 困惑するし、その上、この何もしていない祐次の名誉を貶めることになるって解らないのかい?」
「だ、だって、普通……」
「普通ってなんだい?」
寛爾は激怒していた。
「私の息子の情報を写真を、安易にネットに流して、Twitterを見てみるといい! きっと、このLINEよりも酷いことが書かれている! それに、LINEは個人を固定できるけれど、Twitterは拡散する!」
「じゃ、今から訂正と削除……」
「出来るか! 馬鹿が! これを見るがいい!」
寛爾がポケットに戻していたスマホのLINEを見せる。
『君の息子、大丈夫か?』
『まだ高校生なんだろう?』
『学校は良いところに行っているのに、辞めるしかないだろうね、残念だけど』
『君も大丈夫か? 仕事に影響は?』
と言った文章が並んでいた。
「君が私の息子のあてずっぽうな情報を、ツイッターで広めるから! こんなことになるんだ! どうしてくれる? 私の息子は何もしていない! それなのに、この偽りの情報で、ここから一歩出てみろ! 何て言われると思う? 家にも戻れない、外にも、学校にも行けない! もし、君が拡散した写真で観月ちゃんのことが分かれば、観月ちゃんが……その家族が同じようになるんだ!」
ダーン!
テーブルを叩く。
「この程度も解らなかったのか? ネットの恐ろしさを、理解できないのか? 君の家族はそんなことを教えないのか?」
「……す、済みません……」
「今更だ! 迎えにこられる君の家族にお伝えする! このことのせいで、私たちの仕事も、家も、全て失ってしまうことになる! 君の安易なこの行為が、私たちの家族を追い込んでいくんだ!」
寛爾は拳を握りしめ、項垂れる。
「私は、愛を愛していて……子供たちには苦しい目を遇わせたくなくて……」
その呟きに、彪流はようやくことの重大さを思い知ったのだった。
しばらくして、6人の男女と、真っ青な顔の彪流の祖父母が姿を見せる。
「も、申し訳ございません!」
「本当に、本当に……!」
頭を下げ続ける彪流の祖父母に、姿を見せた6人のうちの一人が、
「申し訳ありません。私は、大原嵯峨と申します。被害者の弁護士です」
「えぇぇ!」
弁護士まで呼ばれているとは思ってもいなかった彪流は、真っ青になる。
「今回の件は悪質です。祐次くんへの名誉毀損……拡散してしまった偽りの情報の為に、正直に正しいことを述べても、噂は噂を呼び、祐次くんの身に何が起きるか解りませんので、申し訳ありませんが、謝罪では意味がありません」
「で、ですが……」
着物姿の上品な老婆に、嵯峨は繰り返す。
「貴殿方のお孫さんが、被害者の少年にされたのは、いじめよりも卑怯で狡い、最低の行為です。解りませんか? Twitterを調べましたが、祐次くんの名前は一気に広がっていますよ? 祐次くんのお父さんが元武道家として有名で、お父さんの名誉も貶められている! 今更、謝罪をされても……無理なんですよ!」
「Twitter……と言うのは……?」
「お二人はご存知ありませんか……世界中に広がるインターネットのInstagram……無料の情報共有できるシステムと思って下さい。そこには写真を貼り付け、140文字まで文章を書きこみ送ると誰でも情報を見ることができます。まさしく『世界中』です。ある国の大統領や首相などが『呟いています』ね? あれですよ。安易に通称やペンネームで『呟く』ことができ、本名ではないので、誰が言っているのか解らない。でも、情報は一気に広がるでしょう?」
「う、うちの孫がしたと……」
「本人が言いましたよ」
哲哉がうんざりとしたように答える。
「何が悪いの? と言いたげでした。祐次くんのところに届くメールでもLINEにも酷いことを書かれて、解りますか? 私の娘を抱いて、私の知人の娘さんと話している写真です。それを、貴方のお孫さんが送った為に『ツイッター見たぜ』『お前、未成年なのに、子供いるのか?』『うわっ! 最低!』『お前……』と書かれてどう思います? しかも、貴方のお孫さんの通っている学校の同級生ですよ? 二年生で、来年は受験! どう影響すると思うんです!」
「彪流!」
「喧嘩はご自宅でどうぞ。祐次。葵衣もおいで」
前に出てきた一人の青年が、祐次と観月を守るようにして出ていく。
後ろを追いかけて出ようとした葵衣は、
「お兄ちゃんも子供っぽいことするけど、貴方は本当の子供みたい。本当に最低!」
と言い、兄たちを追いかけていったのだった。
彪流は茫然としていた。
ただ、ツイッターに同級生が彼女らしい女の子……後で気がつくと同級生の観月だった……と子供と歩いていたのをTwitterに、
『同じ学校の不知火が、彼女と子供と歩いてる』
『しかも子供用品売り場に行ってるけど、何買うんだろう?』
と送っただけ。
それなのに、どうして?
今現在、消去すればいいと思っていたがスマホを取り上げられ、何故か、目の前で告白合戦が始まり、テレテレモジモジと二人はしている。
二人がくっついたのならいいではないか……。
と思っていた。
電話を切った祐次の父親と名乗った男性は振り返ると、厳しい表情で、
「……個人情報を悪用したと、君のご家族に連絡したよ。お祖父様かな? 慌てて、ご両親がアメリカにいるから、戻るように連絡するそうだよ」
「えぇぇ? な、何で! 俺は!」
「これを見て言える?」
祐次がテーブルに置いていたスマホを、赤ん坊の父親だと言う青年が操作して見せる。
LINEの文章をスライドさせながら、
「この文章、どう? 『ツイッター見たぜ』『お前、未成年なのに、子供いるのか?』『うわっ! 最低!』『お前……』これ以上は、読むのも嫌になるね。このメッセージを、何も知らない祐次は、受け取ってどう思う? 困惑するし、その上、この何もしていない祐次の名誉を貶めることになるって解らないのかい?」
「だ、だって、普通……」
「普通ってなんだい?」
寛爾は激怒していた。
「私の息子の情報を写真を、安易にネットに流して、Twitterを見てみるといい! きっと、このLINEよりも酷いことが書かれている! それに、LINEは個人を固定できるけれど、Twitterは拡散する!」
「じゃ、今から訂正と削除……」
「出来るか! 馬鹿が! これを見るがいい!」
寛爾がポケットに戻していたスマホのLINEを見せる。
『君の息子、大丈夫か?』
『まだ高校生なんだろう?』
『学校は良いところに行っているのに、辞めるしかないだろうね、残念だけど』
『君も大丈夫か? 仕事に影響は?』
と言った文章が並んでいた。
「君が私の息子のあてずっぽうな情報を、ツイッターで広めるから! こんなことになるんだ! どうしてくれる? 私の息子は何もしていない! それなのに、この偽りの情報で、ここから一歩出てみろ! 何て言われると思う? 家にも戻れない、外にも、学校にも行けない! もし、君が拡散した写真で観月ちゃんのことが分かれば、観月ちゃんが……その家族が同じようになるんだ!」
ダーン!
テーブルを叩く。
「この程度も解らなかったのか? ネットの恐ろしさを、理解できないのか? 君の家族はそんなことを教えないのか?」
「……す、済みません……」
「今更だ! 迎えにこられる君の家族にお伝えする! このことのせいで、私たちの仕事も、家も、全て失ってしまうことになる! 君の安易なこの行為が、私たちの家族を追い込んでいくんだ!」
寛爾は拳を握りしめ、項垂れる。
「私は、愛を愛していて……子供たちには苦しい目を遇わせたくなくて……」
その呟きに、彪流はようやくことの重大さを思い知ったのだった。
しばらくして、6人の男女と、真っ青な顔の彪流の祖父母が姿を見せる。
「も、申し訳ございません!」
「本当に、本当に……!」
頭を下げ続ける彪流の祖父母に、姿を見せた6人のうちの一人が、
「申し訳ありません。私は、大原嵯峨と申します。被害者の弁護士です」
「えぇぇ!」
弁護士まで呼ばれているとは思ってもいなかった彪流は、真っ青になる。
「今回の件は悪質です。祐次くんへの名誉毀損……拡散してしまった偽りの情報の為に、正直に正しいことを述べても、噂は噂を呼び、祐次くんの身に何が起きるか解りませんので、申し訳ありませんが、謝罪では意味がありません」
「で、ですが……」
着物姿の上品な老婆に、嵯峨は繰り返す。
「貴殿方のお孫さんが、被害者の少年にされたのは、いじめよりも卑怯で狡い、最低の行為です。解りませんか? Twitterを調べましたが、祐次くんの名前は一気に広がっていますよ? 祐次くんのお父さんが元武道家として有名で、お父さんの名誉も貶められている! 今更、謝罪をされても……無理なんですよ!」
「Twitter……と言うのは……?」
「お二人はご存知ありませんか……世界中に広がるインターネットのInstagram……無料の情報共有できるシステムと思って下さい。そこには写真を貼り付け、140文字まで文章を書きこみ送ると誰でも情報を見ることができます。まさしく『世界中』です。ある国の大統領や首相などが『呟いています』ね? あれですよ。安易に通称やペンネームで『呟く』ことができ、本名ではないので、誰が言っているのか解らない。でも、情報は一気に広がるでしょう?」
「う、うちの孫がしたと……」
「本人が言いましたよ」
哲哉がうんざりとしたように答える。
「何が悪いの? と言いたげでした。祐次くんのところに届くメールでもLINEにも酷いことを書かれて、解りますか? 私の娘を抱いて、私の知人の娘さんと話している写真です。それを、貴方のお孫さんが送った為に『ツイッター見たぜ』『お前、未成年なのに、子供いるのか?』『うわっ! 最低!』『お前……』と書かれてどう思います? しかも、貴方のお孫さんの通っている学校の同級生ですよ? 二年生で、来年は受験! どう影響すると思うんです!」
「彪流!」
「喧嘩はご自宅でどうぞ。祐次。葵衣もおいで」
前に出てきた一人の青年が、祐次と観月を守るようにして出ていく。
後ろを追いかけて出ようとした葵衣は、
「お兄ちゃんも子供っぽいことするけど、貴方は本当の子供みたい。本当に最低!」
と言い、兄たちを追いかけていったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
バイトの時間なのでお先に失礼します!~普通科と特進科の相互理解~
スズキアカネ
恋愛
バイト三昧の変わり者な普通科の彼女と、美形・高身長・秀才の三拍子揃った特進科の彼。
何もかもが違う、相容れないはずの彼らの学園生活をハチャメチャに描いた和風青春現代ラブコメ。
◇◆◇
作品の転載転用は禁止です。著作権は放棄しておりません。
DO NOT REPOST.
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
ざまぁに失敗したけど辺境伯に溺愛されています
木漏れ日
恋愛
天才魔術師セディが自分の番である『異界渡りの姫』を召喚したとき、16歳の少女奈緒はそれに巻き込まれて、壁外という身分を持たない人々が住む場所に落ちました。
少女は自分を異世界トリップに巻き込んだ『異界渡り姫』に復讐しようとして失敗。なぜかロビン辺境伯は少女も『異界渡りの姫』だと言って溺愛するのですが……
陰陽の姫シリーズ『図書館の幽霊って私のことですか?』と連動しています。
どちらからお読み頂いても話は通じます。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
結婚する事に決めたから
KONAN
恋愛
私は既婚者です。
新たな職場で出会った彼女と結婚する為に、私がその時どう考え、どう行動したのかを書き記していきます。
まずは、離婚してから行動を起こします。
主な登場人物
東條なお
似ている芸能人
○原隼人さん
32歳既婚。
中学、高校はテニス部
電気工事の資格と実務経験あり。
車、バイク、船の免許を持っている。
現在、新聞販売店所長代理。
趣味はイカ釣り。
竹田みさき
似ている芸能人
○野芽衣さん
32歳未婚、シングルマザー
医療事務
息子1人
親分(大島)
似ている芸能人
○田新太さん
70代
施設の送迎運転手
板金屋(大倉)
似ている芸能人
○藤大樹さん
23歳
介護助手
理学療法士になる為、勉強中
よっしー課長(吉本)
似ている芸能人
○倉涼子さん
施設医療事務課長
登山が趣味
o谷事務長
○重豊さん
施設医療事務事務長
腰痛持ち
池さん
似ている芸能人
○田あき子さん
居宅部門管理者
看護師
下山さん(ともさん)
似ている芸能人
○地真央さん
医療事務
息子と娘はテニス選手
t助
似ている芸能人
○ツオくん(アニメ)
施設医療事務事務長
o谷事務長異動後の事務長
雄一郎 ゆういちろう
似ている芸能人
○鹿央士さん
弟の同級生
中学テニス部
高校陸上部
大学帰宅部
髪の赤い看護師(川木えみ)
似ている芸能人
○田來未さん
准看護師
ヤンキー
怖い
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる