31 / 42
安倍晴明の章
四神は方角の神です……これでも。
しおりを挟む
こぎつねの蓮と一緒に、赤ん坊のおしめを替えた桃桃は、
「初めまして。玄武ちゃんね? はい、キレイキレイになりましたよ?」
首が座っていないのか、無表情で目をぱちぱちとする。
「あら? 綺麗な瞳ですね? 漆黒。髪の毛もふわふわ……」
「あーう」
「あら、ありがとうっていってくれたのかしら? いいえ、どういたしまして、ね? 私は……本当に久しぶりに赤ちゃんを抱っこしたわ……。賢子には、何も出来なかった……」
賢子……父は藤原宣孝と言われている、桃桃の桃子時代の娘である。
「あの子には……申し訳ないことをしたわ……。何も言えない……許されない……忘れて、逃げ出したんだもの」
悲しげに目を伏せる。
『紫式部』の娘は誰ですか? と言われてもすぐに返事はできないだろうが、『大弐三位』はと言われると、あぁ、と言われる人は多いだろう。
『大弐三位』は、『小倉百人一首』の一首に選ばれた歌を詠んだ歌人であり、母と同じ女房として仕えた職業女人である。
名前は賢子だと言われている。
女性の名前は、かなり名前が残っていないことが多い。
それに読み方も、訓読み、音読みもはっきりしていない。
例を取ると、桃桃の仕えた人は『藤原彰子』と呼ばれているが、『ふじわら』は訓読み、『しょうし』は音読み……違和感を覚えることが多い。
これは、『安倍晴明』も同じで、もしどちらともの名前が訓読みなら『あきこ』、『はるあき』になる。
一応これは説があり、『藤原道長』は全て訓読みであるが、中国と同じ『実名敬避俗』が日本でもあり、姓と役職で呼ばれることが多かった。
だが平安時代は、藤原氏が権勢を振るった為、ほぼ藤原氏が権威を集中した。
その為、『藤原中納言』と言われても誰か解らない。
時々は広大な屋敷に住まうような有力な貴族は、その地域の『三条の大臣』などと言うこともあったが、それはまれである。
その為に、ある方法を用いたと言う。
時代が下がると『源九郎義経』のように幼名や、親に付けられた通称で呼ばれるが、平安時代はそういった幼名や通称ではなく、同じ漢字で、公には音読みで出仕し、本名は訓読みで呼ばれたと言う説がある。
『道長』は本名は『みちなが』でも、職場で呼ばれるのが『どうちょう』だったと言うものである。
その為、桃桃の出仕の時、公には『とうこ』、本名は『ももこ』。
『藤原彰子』は公には『しょうし』、本名は『あきこ』。
『安倍晴明』は公には『せいめい』で本名は『はるあき』だったと言う説である。
「……もう、会えないわね。いいえ、会ってくれないわ……母親失格ですもの……。あら、玄武ちゃん、お手手たっちしてくれるの? ありがとう」
微笑んだ。
ところでこちらは、やんちゃ坊主の朱雀が、
「兄ちゃん! 強いんだって? 俺さぁ、騰蛇より強くなるんだ! だから剣教えてくれよ!」
「いや、剣は接近戦だ。私は主に馬上で矛や戟を用いていた。まぁ、身に帯びてはいたが、刀になる」
「刀剣は一緒だろ?」
「違うな。身近なもので例えてはなんだが、料理に使う包丁は刀に近い。片方が研がれている。刀も同じ。片刃なのだ。剣は両刃と言い、もし包丁なら、切っている人間の方にも刃が向けられる。力が弱かった場合、もし、相手の鎧に剣を振りかざしてみよ、弱ければ反動で自分に向かう。『両刃之剣』はこの意味を言う」
子龍は丁寧に説明する。
「それに、その体で、いきなり刃を持つのはいけない。短い棒で日々訓練を重ね、自分の身を守る術を得よ。……私は、自分の子にそう教えている。……昔は、全く言葉を伝えきれなかった……愚かな親だ。桃桃が必死に繋ぎ止めようとしてくれたのに……」
「おーい、子龍さんだっけ?」
現れたのは、しなやかな体を持つ猫のような青年……白虎。
抱えて連れてきたのは、朱雀や傍で見ている青龍と年頃の変わらない女の子。
「この子も、遊んでやってくれない? 朱雀は後で怒っておくから。青龍も遊びたがってるし、おいかけっこでも」
「だが、この私では……」
「あぁ、青龍と朱雀は俺と一緒で頑丈。朱雀が我が儘言ったら、拳でいいから。でも、賢子は普通の子だから」
「いやっ!」
下ろしてくれた白虎の後ろに隠れ、白虎と子龍を睨み付けるのは……。
「桃桃?」
「たおたお……って、もしかして、母上が来たの? じゃぁ帰る!」
身を翻そうとする少女を捕まえ、
「ほい、賢子。お前の親父。で、子龍さん、娘よろしく」
と手渡される。
想像以上に軽く、幼い少女に、
「……可愛い」
「母上に似てるから? じゃぁ、いらない!」
「それは桃桃に似ているのもあるけれど、私は、娘が欲しかったんだ! 何故か家には息子が二人! しかも、周囲が口を揃える程私に顔が似ていて……」
顔を覆う。
賢子は、じっと見て、
「良いじゃない。お父様にそっくりなんて……」
「良くないんだ! 上の息子は腹黒! 下は、乱暴者までは行かないが、いたずら好きでやんちゃで……私は、可愛い娘が欲しかった!」
告げる子龍にポツンと呟いた。
「……私はいらない子だったんだって。お父様は私が生まれてすぐ死んだけど、本当は私はお父様の娘じゃないんだって。お祖父様やおじさまたちは、違うっていってくれたけど、母上は私を置いて出ていっちゃった。で、義理のお兄様に聞いたわ。母上は浮気したって」
「違う! 桃桃はそんなことはしない!」
「じゃぁ、私の本当のお父様は誰よ? 母上! そこにいるんでしょ?」
子龍が振り返ると、人の姿の蓮と共に玄武を抱いて立ち尽くしていた。
「賢子……」
「私の名前、覚えていたのね? もうすっかり忘れてると思ったわ。生まれて物心ついた頃にはいなかった。私が裳着をして出仕したのと入れ替わるように出ていって、地方に下ったじゃない!」
「そ、それは……あ、あの……」
「母上なんか、大嫌い!」
「ご、ごめんなさい……ごめっ、ごめんなさい……!」
玄武を抱いたまま走り去る。
それを白虎がひらっと身を翻し追いかけ、残された4人の中で青龍が近づき、子龍が抱き上げている賢子を見上げた。
「賢子。お子様。それ、八つ当たりだよ? それに、桃子さまは私の父達が代々主さまに仕えていた時に、何度かお会いしたことがあるって。優しくて賢くて、良く私たちのいる一条戻り橋にお菓子を持ってきてくれて、『再び、賢子に会えますように……あの子が幸せになりますように……私のせいで、苦しい思いをしませんように……』って泣きながら橋を渡ってたって。泣く程、会いたいのに会えない苦しい思いをしているのは一緒! そんな風になったか、何で聞かないの?」
「あ、俺も、兄ちゃんに聞いた! 賢子の名前は『賢くて、それでいて強く聡く優しい子』って付けたんだって。それに、難産で生んだって言ってたぞ」
「それと……賢子? お前のお母さんである、桃桃の話を聞いてくれるかな? それでも……許せないなら、それでいいから……」
子龍の声に、賢子は頷いた。
そして、泣き止ませ、玄武を抱き取って、桃桃を連れて戻った白虎が見た光景は、3人の子供が泣きじゃくるのをおろおろあやしている子龍の姿だった。
「桃桃! な、何とか出来ないか? どうしよう!」
「お、お母さん……お母さん!」
賢子は泣きじゃくりながら駆け寄る。
「ごめんなさい……さ、寂しかったの……お母さんがいないの、哀しかった……」
「賢子……ご、ごめんなさい……ごめんね。こ、こんなお母さんで……」
「ううん! お、お母さん……賢子……好き?」
真っ赤な目の娘を、抱き締める。
「当たり前でしょう! 貴方は私の可愛い娘。会いたかった……」
母と娘は1000年余りの時を経て、固く抱き合ったのだった。
「初めまして。玄武ちゃんね? はい、キレイキレイになりましたよ?」
首が座っていないのか、無表情で目をぱちぱちとする。
「あら? 綺麗な瞳ですね? 漆黒。髪の毛もふわふわ……」
「あーう」
「あら、ありがとうっていってくれたのかしら? いいえ、どういたしまして、ね? 私は……本当に久しぶりに赤ちゃんを抱っこしたわ……。賢子には、何も出来なかった……」
賢子……父は藤原宣孝と言われている、桃桃の桃子時代の娘である。
「あの子には……申し訳ないことをしたわ……。何も言えない……許されない……忘れて、逃げ出したんだもの」
悲しげに目を伏せる。
『紫式部』の娘は誰ですか? と言われてもすぐに返事はできないだろうが、『大弐三位』はと言われると、あぁ、と言われる人は多いだろう。
『大弐三位』は、『小倉百人一首』の一首に選ばれた歌を詠んだ歌人であり、母と同じ女房として仕えた職業女人である。
名前は賢子だと言われている。
女性の名前は、かなり名前が残っていないことが多い。
それに読み方も、訓読み、音読みもはっきりしていない。
例を取ると、桃桃の仕えた人は『藤原彰子』と呼ばれているが、『ふじわら』は訓読み、『しょうし』は音読み……違和感を覚えることが多い。
これは、『安倍晴明』も同じで、もしどちらともの名前が訓読みなら『あきこ』、『はるあき』になる。
一応これは説があり、『藤原道長』は全て訓読みであるが、中国と同じ『実名敬避俗』が日本でもあり、姓と役職で呼ばれることが多かった。
だが平安時代は、藤原氏が権勢を振るった為、ほぼ藤原氏が権威を集中した。
その為、『藤原中納言』と言われても誰か解らない。
時々は広大な屋敷に住まうような有力な貴族は、その地域の『三条の大臣』などと言うこともあったが、それはまれである。
その為に、ある方法を用いたと言う。
時代が下がると『源九郎義経』のように幼名や、親に付けられた通称で呼ばれるが、平安時代はそういった幼名や通称ではなく、同じ漢字で、公には音読みで出仕し、本名は訓読みで呼ばれたと言う説がある。
『道長』は本名は『みちなが』でも、職場で呼ばれるのが『どうちょう』だったと言うものである。
その為、桃桃の出仕の時、公には『とうこ』、本名は『ももこ』。
『藤原彰子』は公には『しょうし』、本名は『あきこ』。
『安倍晴明』は公には『せいめい』で本名は『はるあき』だったと言う説である。
「……もう、会えないわね。いいえ、会ってくれないわ……母親失格ですもの……。あら、玄武ちゃん、お手手たっちしてくれるの? ありがとう」
微笑んだ。
ところでこちらは、やんちゃ坊主の朱雀が、
「兄ちゃん! 強いんだって? 俺さぁ、騰蛇より強くなるんだ! だから剣教えてくれよ!」
「いや、剣は接近戦だ。私は主に馬上で矛や戟を用いていた。まぁ、身に帯びてはいたが、刀になる」
「刀剣は一緒だろ?」
「違うな。身近なもので例えてはなんだが、料理に使う包丁は刀に近い。片方が研がれている。刀も同じ。片刃なのだ。剣は両刃と言い、もし包丁なら、切っている人間の方にも刃が向けられる。力が弱かった場合、もし、相手の鎧に剣を振りかざしてみよ、弱ければ反動で自分に向かう。『両刃之剣』はこの意味を言う」
子龍は丁寧に説明する。
「それに、その体で、いきなり刃を持つのはいけない。短い棒で日々訓練を重ね、自分の身を守る術を得よ。……私は、自分の子にそう教えている。……昔は、全く言葉を伝えきれなかった……愚かな親だ。桃桃が必死に繋ぎ止めようとしてくれたのに……」
「おーい、子龍さんだっけ?」
現れたのは、しなやかな体を持つ猫のような青年……白虎。
抱えて連れてきたのは、朱雀や傍で見ている青龍と年頃の変わらない女の子。
「この子も、遊んでやってくれない? 朱雀は後で怒っておくから。青龍も遊びたがってるし、おいかけっこでも」
「だが、この私では……」
「あぁ、青龍と朱雀は俺と一緒で頑丈。朱雀が我が儘言ったら、拳でいいから。でも、賢子は普通の子だから」
「いやっ!」
下ろしてくれた白虎の後ろに隠れ、白虎と子龍を睨み付けるのは……。
「桃桃?」
「たおたお……って、もしかして、母上が来たの? じゃぁ帰る!」
身を翻そうとする少女を捕まえ、
「ほい、賢子。お前の親父。で、子龍さん、娘よろしく」
と手渡される。
想像以上に軽く、幼い少女に、
「……可愛い」
「母上に似てるから? じゃぁ、いらない!」
「それは桃桃に似ているのもあるけれど、私は、娘が欲しかったんだ! 何故か家には息子が二人! しかも、周囲が口を揃える程私に顔が似ていて……」
顔を覆う。
賢子は、じっと見て、
「良いじゃない。お父様にそっくりなんて……」
「良くないんだ! 上の息子は腹黒! 下は、乱暴者までは行かないが、いたずら好きでやんちゃで……私は、可愛い娘が欲しかった!」
告げる子龍にポツンと呟いた。
「……私はいらない子だったんだって。お父様は私が生まれてすぐ死んだけど、本当は私はお父様の娘じゃないんだって。お祖父様やおじさまたちは、違うっていってくれたけど、母上は私を置いて出ていっちゃった。で、義理のお兄様に聞いたわ。母上は浮気したって」
「違う! 桃桃はそんなことはしない!」
「じゃぁ、私の本当のお父様は誰よ? 母上! そこにいるんでしょ?」
子龍が振り返ると、人の姿の蓮と共に玄武を抱いて立ち尽くしていた。
「賢子……」
「私の名前、覚えていたのね? もうすっかり忘れてると思ったわ。生まれて物心ついた頃にはいなかった。私が裳着をして出仕したのと入れ替わるように出ていって、地方に下ったじゃない!」
「そ、それは……あ、あの……」
「母上なんか、大嫌い!」
「ご、ごめんなさい……ごめっ、ごめんなさい……!」
玄武を抱いたまま走り去る。
それを白虎がひらっと身を翻し追いかけ、残された4人の中で青龍が近づき、子龍が抱き上げている賢子を見上げた。
「賢子。お子様。それ、八つ当たりだよ? それに、桃子さまは私の父達が代々主さまに仕えていた時に、何度かお会いしたことがあるって。優しくて賢くて、良く私たちのいる一条戻り橋にお菓子を持ってきてくれて、『再び、賢子に会えますように……あの子が幸せになりますように……私のせいで、苦しい思いをしませんように……』って泣きながら橋を渡ってたって。泣く程、会いたいのに会えない苦しい思いをしているのは一緒! そんな風になったか、何で聞かないの?」
「あ、俺も、兄ちゃんに聞いた! 賢子の名前は『賢くて、それでいて強く聡く優しい子』って付けたんだって。それに、難産で生んだって言ってたぞ」
「それと……賢子? お前のお母さんである、桃桃の話を聞いてくれるかな? それでも……許せないなら、それでいいから……」
子龍の声に、賢子は頷いた。
そして、泣き止ませ、玄武を抱き取って、桃桃を連れて戻った白虎が見た光景は、3人の子供が泣きじゃくるのをおろおろあやしている子龍の姿だった。
「桃桃! な、何とか出来ないか? どうしよう!」
「お、お母さん……お母さん!」
賢子は泣きじゃくりながら駆け寄る。
「ごめんなさい……さ、寂しかったの……お母さんがいないの、哀しかった……」
「賢子……ご、ごめんなさい……ごめんね。こ、こんなお母さんで……」
「ううん! お、お母さん……賢子……好き?」
真っ赤な目の娘を、抱き締める。
「当たり前でしょう! 貴方は私の可愛い娘。会いたかった……」
母と娘は1000年余りの時を経て、固く抱き合ったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる