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神聖な閉鎖空間から、現実世界へ帰還です。
アルドリーは、可愛い弟弟子たちに出会いました。
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日当たりの良い平原に面したテラス付きの部屋に、先代カズール伯爵の設置した子供部屋がある。
おもちゃに絵本、お昼寝用に巨大なキングサイズのベッドとベビーベッドも置かれ、着替えもオムツも隣のクローゼットに完備されている。
これは、シエラシールが幼少時最初に準備させたものだが、シエラシールは全く興味を示さず、その他の子供たちが遊んでいた部屋である。
「うわぁ……何て、幸矢に似合わないんだろう」
キングサイズのベッドに、一時的に寝かされた兄を見たアーサーの言葉に、リジーは、
「ここは、私もよく遊んだんです。私は……父が忙しかったので」
「えっ? そうなの?」
「はい。私は2才の時に、父に引き取られたのです。養女ですから」
「えぇ? あ、でもそんなこと気にしなくていいよ?」
微笑む。
「はい。元々、亡くなった両親はマディお兄様の友人で、父の部下だったんです。実父の実家がマルムスティーン領にあって、冬に帰省したんです。その途中の町で雪崩事故があって、両親は救助に。救助が終わったと確認をしていたら、二次雪崩が起こって……」
言葉をなくすアーサー。
しかし、乗り越えた少女は答える。
「両親は間違っていませんでした。騎士として生きました。で、私は、父方は商売をしていました。母方は職人の家系です。どちらも忙しく引き取ることができず、そうすると父たちが迎えに来てくれました。父や兄たちは本当に可愛がってくれました。でも、私も両親と同じ道を……父や兄たちと一緒の道をと告げた時にも、微笑んで送り出してくれました。私は二人の父や兄たちを持てて、本当に誇りに思っています」
「自慢だね。良いなぁ~! 僕の父親って、あれだよ? あれ!」
示すのは、疲労が極限で苛立っているシエラシールにぶん殴られているアレク。
「な、仲良しですね」
「あれは、仲悪いよ? 絶対……あ、ガブリエルちゃんだっけ? ガブリエルちゃんはねんねだけど、セナ君とラファエル君は遊んでくれば?」
弱々しく微笑むアルドリーの問いかけに、
「俺は、王太子殿下をお守りするんだ!」
振り返ったのは、口調は少年だが、顔はどう見ても両親ではなく伯父にうり二つの……女の子である。
「え? えーとラファエル君、だよね? お守りって……」
「俺は、騎士になる! で、王太子殿下をお守りするんだ! それで、ママやおじいちゃんやおばあちゃんを助けるの! おじいちゃんやおばあちゃんが、また倒れたら困るもん! おじいちゃん。老後は俺が見るからね!」
3歳児のお堅い……堅実で優しい夢に、子供たちのお守りをしていた祖父のセインティアは本気で涙ぐむ。
「ラファエル……何て優しい子なんだろう。あの息子の子供とは思えないよ!」
「おじいちゃんの孫だもん! 俺だって一所懸命頑張ったら、絶対に絶対に騎士になる! 頑張るからね! おじいちゃん! 無理しちゃダメだぞ!」
「嬉しいよ……本当にウィンが、嫁に来てくれるなんて思えなかったし、生まれてきたラファエルは本当に本当に良い子に育って……愚息のこの頃は、この屋敷のものを持ち出しては壊したり、売ってお菓子を買っていた……あの頃は……」
号泣するセインティアに、アーサーは本気で不憫に思う。
どう見ても温厚さと賢さ、優しさ全面の彼の息子に、あのエリオットが生まれてしまったのは不幸としか言いようがない。
「で、でも、騎士になると、大変じゃない?」
「ウィリーパパが、なりたいんだったらシエラシール卿にお願いして、剣を教わると良いって! 俺は……ママを助けたいし、ファーママみたいに傷つくレディを無くしたいんだ!」
絶対なる!
なりたいんだもん!
と言いきり、べそをかくラファエルに、目を開けたアルドリーはニコッと笑う。
アルドリーにとって、うるさいのは実の父親。
可愛い年下の子供は、うるさくも何ともないらしい。
「ラファエル……だっけ?」
「うん! ……じゃなくて、はい!」
「偉い偉い。頑張ったらラファエルも騎士になれるよ。ラファエルに君も……」
「初めまして、殿下。僕はエドアルド・フェリオスの息子のセドリシア、セナと言います。年はラファの一つ上です」
「じゃぁ、セナにラファ。お兄ちゃんは幸矢。グランディアの名前で、幸福を運ぶ者になれって言う意味。年は16歳だよ。一緒に頑張ろうね」
二人の頭を撫で、微笑むと、
「じゃぁ、無茶は禁物。焦ってもダメだけど、お兄ちゃんの師匠のシエラシール卿に剣を習おうね?」
「「はい! 殿下」」
「幸矢兄ちゃんで良いよ? 仲良くしたいから」
「じゃ、じゃぁ、幸矢お兄ちゃん!」
その言葉に表情が緩み、ラファには幸せな、セナには目眩がする程の絶世の美貌が姿を見せる。
「ありがとう。元気になったら、一緒に稽古を頑張ろうね? シエラシール卿には伝えておくからね?」
「はい! お兄ちゃん。ありがとう!」
手が伸びて、二人の頭を撫でたアルドリーは再びスゥッと眠ってしまったのだった。
そして、珍しく疲れ極限の不機嫌なシエラシールが、一番に入ってきたのは子供部屋。
アレクサンダーがアルドリーが倒れて運ばれていったのを追いかけようとする為、鬱陶しいので放り投げたばかりである。
「うぅぅ~頭痛い~!」
「大丈夫? 父さん」
「蒼記。幸矢は大丈夫?」
「うん。ほら、幸矢がお友だちになっちゃった」
示すと、アルドリーと一緒に寝ている幼児と、二人の子供。
「うわぁ、可愛い! 幸矢と並ぶともっと可愛い!」
親馬鹿丸出しである。
てててっと転がるように出てきた二人は、ペコンっと頭を下げる。
「初めまして。僕はエドアルド・フェリオスの息子のセドリシアと申します。年は4才です」
「初めまして! お、僕はウィンディアの息子のラファエルと申します。3才です!」
「うわぁ、初めまして。私はシエラシール・クリスティーンです。よろしくね?」
優雅に頭を下げると、ニッコリと、
「幸矢お兄ちゃんと仲良くなったの?」
ラファエルは走るように前に出ていくと、ペコンと頭を下げて、
「シエラシール卿! お、僕は騎士になりたいです! 幸矢お兄ちゃんにもお願いしましたが、自分で言います。どうか、僕に剣術を教えて下さい! 必死に頑張ります! だからお願いします!」
「えっと、セイン兄さま……もしかしてエリオットの借金……そんなに、家を圧迫してるの?」
不憫そうな声に、セインティアは俯き、
「そ、それは、家どころかロイド本家を圧迫する額……ではあるけれど、さっきは『おじいちゃん! 俺はおじいちゃんやおばあちゃんをちゃんと見るからね!』とは言っていたけれど、気を失っていた殿下をご覧になったら『殿下の騎士になりたい!』って、そうしたら一度目を覚ました殿下に『一緒に剣を習おうね』って言って頂いて……そうしたら絶対になるって……」
う~ん……
シエラシールは考えるが、すぐに膝をつき、
「じゃぁ、ラファエルとセナは、おじさんの弟子になって、セナはおじいちゃんやお父さんの名に恥じない、ラファエルは、お父さんよりもおじさんのウィリアム卿のような騎士になろう。良いね? 泣いても良いけれど、やめるとか言うのはなしだよ? 皆、泣きながら頑張ったんだからね? 良いね?」
「はい!」
「よろしい。じゃぁ、二人は後宮騎士団見習いとして、お父さんとおじさんやお母さんと来なさい。剣の練習だけじゃなく、マナーもお勉強だからね?」
「はい!」
と言うことで、史上最年少の後宮騎士団見習いたちが誕生したのだった。
とは言え、まだ3才と4才。
シエラシールは剣の訓練は自分達が、後は遊ばせつつお昼寝に、ちょっとマナーや文字と数字を覚えたりをさせるように手を回したのだった。
おもちゃに絵本、お昼寝用に巨大なキングサイズのベッドとベビーベッドも置かれ、着替えもオムツも隣のクローゼットに完備されている。
これは、シエラシールが幼少時最初に準備させたものだが、シエラシールは全く興味を示さず、その他の子供たちが遊んでいた部屋である。
「うわぁ……何て、幸矢に似合わないんだろう」
キングサイズのベッドに、一時的に寝かされた兄を見たアーサーの言葉に、リジーは、
「ここは、私もよく遊んだんです。私は……父が忙しかったので」
「えっ? そうなの?」
「はい。私は2才の時に、父に引き取られたのです。養女ですから」
「えぇ? あ、でもそんなこと気にしなくていいよ?」
微笑む。
「はい。元々、亡くなった両親はマディお兄様の友人で、父の部下だったんです。実父の実家がマルムスティーン領にあって、冬に帰省したんです。その途中の町で雪崩事故があって、両親は救助に。救助が終わったと確認をしていたら、二次雪崩が起こって……」
言葉をなくすアーサー。
しかし、乗り越えた少女は答える。
「両親は間違っていませんでした。騎士として生きました。で、私は、父方は商売をしていました。母方は職人の家系です。どちらも忙しく引き取ることができず、そうすると父たちが迎えに来てくれました。父や兄たちは本当に可愛がってくれました。でも、私も両親と同じ道を……父や兄たちと一緒の道をと告げた時にも、微笑んで送り出してくれました。私は二人の父や兄たちを持てて、本当に誇りに思っています」
「自慢だね。良いなぁ~! 僕の父親って、あれだよ? あれ!」
示すのは、疲労が極限で苛立っているシエラシールにぶん殴られているアレク。
「な、仲良しですね」
「あれは、仲悪いよ? 絶対……あ、ガブリエルちゃんだっけ? ガブリエルちゃんはねんねだけど、セナ君とラファエル君は遊んでくれば?」
弱々しく微笑むアルドリーの問いかけに、
「俺は、王太子殿下をお守りするんだ!」
振り返ったのは、口調は少年だが、顔はどう見ても両親ではなく伯父にうり二つの……女の子である。
「え? えーとラファエル君、だよね? お守りって……」
「俺は、騎士になる! で、王太子殿下をお守りするんだ! それで、ママやおじいちゃんやおばあちゃんを助けるの! おじいちゃんやおばあちゃんが、また倒れたら困るもん! おじいちゃん。老後は俺が見るからね!」
3歳児のお堅い……堅実で優しい夢に、子供たちのお守りをしていた祖父のセインティアは本気で涙ぐむ。
「ラファエル……何て優しい子なんだろう。あの息子の子供とは思えないよ!」
「おじいちゃんの孫だもん! 俺だって一所懸命頑張ったら、絶対に絶対に騎士になる! 頑張るからね! おじいちゃん! 無理しちゃダメだぞ!」
「嬉しいよ……本当にウィンが、嫁に来てくれるなんて思えなかったし、生まれてきたラファエルは本当に本当に良い子に育って……愚息のこの頃は、この屋敷のものを持ち出しては壊したり、売ってお菓子を買っていた……あの頃は……」
号泣するセインティアに、アーサーは本気で不憫に思う。
どう見ても温厚さと賢さ、優しさ全面の彼の息子に、あのエリオットが生まれてしまったのは不幸としか言いようがない。
「で、でも、騎士になると、大変じゃない?」
「ウィリーパパが、なりたいんだったらシエラシール卿にお願いして、剣を教わると良いって! 俺は……ママを助けたいし、ファーママみたいに傷つくレディを無くしたいんだ!」
絶対なる!
なりたいんだもん!
と言いきり、べそをかくラファエルに、目を開けたアルドリーはニコッと笑う。
アルドリーにとって、うるさいのは実の父親。
可愛い年下の子供は、うるさくも何ともないらしい。
「ラファエル……だっけ?」
「うん! ……じゃなくて、はい!」
「偉い偉い。頑張ったらラファエルも騎士になれるよ。ラファエルに君も……」
「初めまして、殿下。僕はエドアルド・フェリオスの息子のセドリシア、セナと言います。年はラファの一つ上です」
「じゃぁ、セナにラファ。お兄ちゃんは幸矢。グランディアの名前で、幸福を運ぶ者になれって言う意味。年は16歳だよ。一緒に頑張ろうね」
二人の頭を撫で、微笑むと、
「じゃぁ、無茶は禁物。焦ってもダメだけど、お兄ちゃんの師匠のシエラシール卿に剣を習おうね?」
「「はい! 殿下」」
「幸矢兄ちゃんで良いよ? 仲良くしたいから」
「じゃ、じゃぁ、幸矢お兄ちゃん!」
その言葉に表情が緩み、ラファには幸せな、セナには目眩がする程の絶世の美貌が姿を見せる。
「ありがとう。元気になったら、一緒に稽古を頑張ろうね? シエラシール卿には伝えておくからね?」
「はい! お兄ちゃん。ありがとう!」
手が伸びて、二人の頭を撫でたアルドリーは再びスゥッと眠ってしまったのだった。
そして、珍しく疲れ極限の不機嫌なシエラシールが、一番に入ってきたのは子供部屋。
アレクサンダーがアルドリーが倒れて運ばれていったのを追いかけようとする為、鬱陶しいので放り投げたばかりである。
「うぅぅ~頭痛い~!」
「大丈夫? 父さん」
「蒼記。幸矢は大丈夫?」
「うん。ほら、幸矢がお友だちになっちゃった」
示すと、アルドリーと一緒に寝ている幼児と、二人の子供。
「うわぁ、可愛い! 幸矢と並ぶともっと可愛い!」
親馬鹿丸出しである。
てててっと転がるように出てきた二人は、ペコンっと頭を下げる。
「初めまして。僕はエドアルド・フェリオスの息子のセドリシアと申します。年は4才です」
「初めまして! お、僕はウィンディアの息子のラファエルと申します。3才です!」
「うわぁ、初めまして。私はシエラシール・クリスティーンです。よろしくね?」
優雅に頭を下げると、ニッコリと、
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ラファエルは走るように前に出ていくと、ペコンと頭を下げて、
「シエラシール卿! お、僕は騎士になりたいです! 幸矢お兄ちゃんにもお願いしましたが、自分で言います。どうか、僕に剣術を教えて下さい! 必死に頑張ります! だからお願いします!」
「えっと、セイン兄さま……もしかしてエリオットの借金……そんなに、家を圧迫してるの?」
不憫そうな声に、セインティアは俯き、
「そ、それは、家どころかロイド本家を圧迫する額……ではあるけれど、さっきは『おじいちゃん! 俺はおじいちゃんやおばあちゃんをちゃんと見るからね!』とは言っていたけれど、気を失っていた殿下をご覧になったら『殿下の騎士になりたい!』って、そうしたら一度目を覚ました殿下に『一緒に剣を習おうね』って言って頂いて……そうしたら絶対になるって……」
う~ん……
シエラシールは考えるが、すぐに膝をつき、
「じゃぁ、ラファエルとセナは、おじさんの弟子になって、セナはおじいちゃんやお父さんの名に恥じない、ラファエルは、お父さんよりもおじさんのウィリアム卿のような騎士になろう。良いね? 泣いても良いけれど、やめるとか言うのはなしだよ? 皆、泣きながら頑張ったんだからね? 良いね?」
「はい!」
「よろしい。じゃぁ、二人は後宮騎士団見習いとして、お父さんとおじさんやお母さんと来なさい。剣の練習だけじゃなく、マナーもお勉強だからね?」
「はい!」
と言うことで、史上最年少の後宮騎士団見習いたちが誕生したのだった。
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