待ち合わせはモリスで

翼 翔太

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プールとガーラント

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 六月に入ると、クラスにもずいぶんなじんできた。今では京がビーズでいろいろつくることも、クラスのほとんどの子が知っている。からかってくる子はいなかった。
 終わりの会でプリントが配られる。そこには『プール開きのお知らせ』と書かれていた。
「来週からプールが始まるからなー。ちゃんと用意しておくんだぞー」
 京はプールが好きだ。前の学校でも、夏休みに生徒以外でも入れる、開放プールには一人でも行った。
 この学校でも宝探しをするのだろうか、と京はわくわくした。
宝探しとは、みんなが目を閉じているあいだに、プールの底に先生たちがしずめたスーパーボールなどを探すゲームだ。本当の冒険家になった気分を味わえるので、京はあの遊びが大好きだった。京はプール開きが待ち遠しかった。

 次の週の水曜日。この学校にきて初めてのプール授業だ。空はまるで「いっぱい楽しんでおいで」と言っているかのように、快晴だった。
 しばらくは自由に泳ぐ。京はほうかちゃんといっしょにビート板の上に乗ろうとしては、水中にしずんで遊んだ。プールの授業は全クラスで行なわれるので、ふだんは同じ授業を受けられない、別のクラスのほうかちゃんとも過ごせるのはうれしかった。
 そのとき一組の担任の先生がピピーッと笛をふいた。
「はーい、今日は洗濯機しますよー」
 みんなが喜びの声を上げているが、京は先生の言った意味がよくわからなかった。
「ねえ、ほうかちゃん。洗濯機ってどういうこと?」
「あれ、京ちゃんのところはしなかった? こう、右に回ったり左に回ったりするの。最後には流れるプールみたいになるんだよ」
 京は「やったことない」と首を横にふった。一組の先生がまた笛を鳴らした。
「じゃあ、まずは右から行きますよー。笛がなったら左に行ってくださいねー」
 先生のピッという笛の合図で、みんな右回りに走りはじめた。
「京ちゃん、走ろう」
 ほうかちゃんにそう言われ、京はとまどいながらも足を動かし始める。どんどん流れに勢いがついてきて、走るスピードが上がる。するとピーッと笛が鳴った。みんなが今度は左回りに走りはじめた。
「次こっち回り。これを何回もするんだよ」
 左回りに進もうとすると、水がじゃまをしてきたが、そのうち軽々と進めるようになった。右回りと左回りに進むのを何度もくり返すと、一組の先生がまた笛を鳴らした。
「はーい、もういいですよー」
 みんな、きゃっきゃっと声を上げながら、流されていた。
「京ちゃんも、ほらっ」
 ほうかちゃんは体の力を抜いて、浮いていた。京も同じようにすると、体が勝手に水の流れに乗って進む。
「すごいっ。ただ走っただけなのにっ」
「ねー、すごいよねっ」
 京は初めての体験に興奮した。ほうかちゃんのとなりで泳ぎ、二人で笑い合いながら流れを楽しんだ。
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