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リースづくり
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土曜日、京は少し早めに『モリス』に着いた。ビーズのケースを開ける。
ほうかちゃんに話そう。またビーズ楽しめるようになったよ、ほうかちゃんのおかげだよ、と。
そんな風に思いながら、ビーズを編んでいるとほうかちゃんがやってきた。
「京ちゃん、お待たせ」
「ううん、だいじょうぶだよ」
ほうかちゃんはいつものように座ると、京の手元を見て「あっ」と声を上げた。
「今までやってなかったやつ、つくってる」
「うん。……ほうかちゃんのおかげなんだ」
「へ? わたし?」
目を丸くするほうかちゃんに、京はうなずいた。
「ほうかちゃんがテディベアつくろうとしなかったら、ずっと簡単なものばっかりつくってたと思う。だから、ありがとう」
ほうかちゃんは「え、えへへ」とほほをかいた。
「今、なにつくってるの?」
ほうかちゃんがのぞきこんできた。京はつくっているとちゅうのビーズと、つくり方がのっている本のページを見せた。
「ぶどう?」
「うん。もう秋だから」
「いいねっ」
「そうだ。ほうかちゃんはテディベア、完成したの?」
京がそう尋ねると、ほうかちゃんは手提げかばんの中から首がかたむいているテディベアが出てきた。目は黒いビーズがぬいつけられていて、首には青いリボンが結ばれており、かわいらしい。
「すごいっ、完成したんだ」
「うん、なんとかね。難しかったけど、楽しかった」
ほうかちゃんは笑顔で言った。京も笑顔を浮かべた。
「わたしも、今がんばってるの、楽しい。来年の夏休みはね、ビーズでなにかつくりたいんだ」
「いいね、いいね。わたし、京ちゃんとなにかつくってみたい。前のガーランドみたいに」
京は紙にむかいながら、ああでもない、こうでもないと言いながら完成図を考えているのを想像した。
「すごく楽しそうっ」
「でしょ? なにかいっしょにつくろう。なにがいいかな?」
京と京ちゃんは考えはじめた。ぬいぐるみにアクセサリーを身に着けさせるのは、それぞれの作業をくっつけただけで、なにかちがうような気がした。
「ねえ、好きなモチーフとかある? 花とか、動物とか」
ほうかちゃんの質問に、京はうでを組んで考えたがなにも思い浮かばないので、首を横にふる。そんな風にうんうんうなりながら考えていると、店長さんが上がってきた。
「あ、そうだ。店長さんに、ちょっと相談してみようよ」
「いいかも」
京とほうかちゃんはいすから立ち上がり、店長さんに相談した。店長さんはうなずきながら聞いてくれた。
「それならこれからの季節にむけて、クリスマスリースとかどうだい? ぼくの家だと段ボールやフェルトでつくるよ」
京とほうかちゃんは顔を見合わせて、表情を明るくした。
「京ちゃんとわたしで一個ずつ、つくろうよ」
「いいねっ」
京とほうかちゃんは店長さんにお礼を言って、作業場にもどった。
「どんなリースにする?」
ほうかちゃんが先に口を開いた。京は「うーん」と考えた。
「まずリースの色を決めるのはどう?」
京が提案すると、京ちゃんは首をかしげた。
「リースって緑じゃないの?」
「お母さんがパッチワークでつくるときは、黄色やピンクも使ってたよ」
「へえ、意外といろんな色にしていいんだ。でもわたしはやっぱり緑がいいなあ」
「いいね。わたしはどうしようかな」
京は頭の中に色を思い浮かべた。赤、青、黄色、銀色。せっかくのクリスマスのリースなら、赤は使いたい。しかし真っ赤だとちょっとこわい気がするので、リースの土台は金色にすることにした。
京はほうかちゃんに金色と赤をメインの色にすることを伝える。するとほうかちゃんは「すっごく特別感あって、いいと思う」と言ってくれた。
今度は二人でいっしょにデザインを考える。
「ほうかちゃんはどんなものにしたいっていう、イメージはある?」
「うーん、つえみたいなキャンディあるでしょ? あれは入れたいなあ」
ほうかちゃんは持っている紙の裏に、完成したときのイメージ図を描きはじめる。
「土台はドーナッツ状のほうが、かざりがつけやすいと思うんだよね」
ほうかちゃんの言葉に京はうなずいた。
「土台の色はちがう状態で、かざりのデザインはいっしょにしない? そのほうがおそろい感があると思う」
「さすが京ちゃん、いいこと言うー」
そんな風に話し合っていくと、イメージ図が完成した。リースの頂点には大きなリボンを、そのほかの場所につえのキャンディ、星、ベルを散らし、サンタさんの顔を左端につけることにした。つえのキャンディ、星、ベルは京がビーズでつくり、大きなリボンとサンタさんはほうかちゃんがフェルトでつくることになった。リースの大きさは二十センチ。リボンの色は二人とも赤にした。
「でも金色のフェルトってあるかなあ?」
ほうかちゃんが心配そうに言った。
「それなら黄色のフェルトにしようかな。金っぽく見えると思うし」
京がそう言うと「そうだね。そうしよう」とほうかちゃんはうなずいた。
結局どちらも早くリースづくりをはじめたくなったので、家に帰って自分がつくるものについて、調べることになった。
星のつくり方はのっている。しかしベルとつえのキャンディは、どの本にもつくり方が書かれてない。どうしようか。
学校の図書室には手芸の本は置いていなかった。前の家では電車で一駅行けば図書館があったが、ここから図書館まで電車で三十分もゆられなくてはいけない。
「そうだ、インターネット」
京はリビングに行き、お母さんからスマートフォンを借りた。まずはベルのつくり方を調べる。
山のような形をつくってから、中に小さい鈴を入れるようだ。ビーズだけでなく、鈴も用意しなくてはいけない。
次につえのキャンディのつくり方を調べる。しかしなかなか見つからなかった。
「こうなったら、自分で一からつくってみよう」
京はお母さんに鈴のつくり方の部分だけ、専用の機械でプリントアウトしてもらった。
それから京はリースのかざりをつくりはじめた。まずは星から。本にのっている手順で、ワイヤーを使ってビーズを編んでいく。星はそれぞれのリースに五つずつ使うので、全部で十個つくる必要がある。学校と宿題を終えてからビーズを触るので、どうしてもまとまった時間がとれず、進みが悪かった。それでもなんとか少しずつ星を完成させた。
そして作りはじめて三週間、九月が終わりに近づいてきたころ。
「よし、これをほうかちゃんに渡そう」
次の日の土曜日、京は『モリス』につくった星を持って行った。ほうかちゃんに渡す。
「わあ、きれいっ。じゃあこれ、つけるね」
ほうかちゃんはそう言って、綿がつめられて十二時の位置にリボンがつけられたリースを二つ、手提げかばんからとり出した。ほうかちゃんはまずリースの上に星を置いた。
「うーん……わたしのはいいんだけど、京ちゃんのリースは黄色のフェルトだから、黄色のビーズだと目立ちにくくて、もったいないかも」
「あー、そこまで考えてなかった」
京はくやしかった。残り五つの星を回収する。
「星だからってなにも考えずに黄色でつくっちゃった……。何色でつくり直そうかな?」
京はケースの中のビーズを一つぶ手にとり、リースと合わせてみる。すると真っ白なビーズだと、星の形もわかりつつ、リースの黄色も台無しにならないことがわかった。
「よし、この白のビーズでつくり直そう」
京は黄色いビーズの星を切ろうとした。するとほうかちゃんが「待って」と声をかけてきた。
「せっかくつくったのにもったいないよ」
「でも、これじゃあ私のリースには合わないし、ほうかちゃんのリースに全部つけちゃうと、そのほかのかざりがつけられないし……」
京がそう言うとほうかちゃんは、なにか思いついたような顔をした。
「ねえ、ここにそれぞれ一個ずつ、つけよう」
ほうかちゃんは赤いリボンの結び目にあたる位置に星をそれぞれ一個ずつ置いた。しかし星はまだ三つある。
「それでね、残りの三つでアクセサリーをつくるの。イヤリングだと二つ使えるから、すごくいいんじゃないかな。あと一つはネックレスとかブレスレットにしたら、とってもいいと思う」
ほうかちゃんの提案はとてもすてきに思えた。先ほどまで解こうとしていた星が急に輝いて見えてくる。
「うんっ、そうしてみる」
京は残り三つの星を、手提げかばんの内側についているポケットに入れた。
「よし、アクセサリーにするのは家に帰ってからにする。まずは白のビーズで星つくらなくっちゃ」
京はそう言って、新たに星をつくりはじめた。
少しすると、ほうかちゃんに小さく肩をたたかれた。
「じゃーん」
緑のリース本体と黄色の星が、おたがいのいいところを引き出しており、これだけでもすてきなリースに思えた。
「すごくいいっ」
京は思わず小さく拍手をした。
「ねっ。ほうかちゃんのもいいリースにするね」
ほうかちゃんがそう言って笑うと、京はやる気がみがきってきたのを感じた。
京は手を動かしはじめた。
ほうかちゃんに話そう。またビーズ楽しめるようになったよ、ほうかちゃんのおかげだよ、と。
そんな風に思いながら、ビーズを編んでいるとほうかちゃんがやってきた。
「京ちゃん、お待たせ」
「ううん、だいじょうぶだよ」
ほうかちゃんはいつものように座ると、京の手元を見て「あっ」と声を上げた。
「今までやってなかったやつ、つくってる」
「うん。……ほうかちゃんのおかげなんだ」
「へ? わたし?」
目を丸くするほうかちゃんに、京はうなずいた。
「ほうかちゃんがテディベアつくろうとしなかったら、ずっと簡単なものばっかりつくってたと思う。だから、ありがとう」
ほうかちゃんは「え、えへへ」とほほをかいた。
「今、なにつくってるの?」
ほうかちゃんがのぞきこんできた。京はつくっているとちゅうのビーズと、つくり方がのっている本のページを見せた。
「ぶどう?」
「うん。もう秋だから」
「いいねっ」
「そうだ。ほうかちゃんはテディベア、完成したの?」
京がそう尋ねると、ほうかちゃんは手提げかばんの中から首がかたむいているテディベアが出てきた。目は黒いビーズがぬいつけられていて、首には青いリボンが結ばれており、かわいらしい。
「すごいっ、完成したんだ」
「うん、なんとかね。難しかったけど、楽しかった」
ほうかちゃんは笑顔で言った。京も笑顔を浮かべた。
「わたしも、今がんばってるの、楽しい。来年の夏休みはね、ビーズでなにかつくりたいんだ」
「いいね、いいね。わたし、京ちゃんとなにかつくってみたい。前のガーランドみたいに」
京は紙にむかいながら、ああでもない、こうでもないと言いながら完成図を考えているのを想像した。
「すごく楽しそうっ」
「でしょ? なにかいっしょにつくろう。なにがいいかな?」
京と京ちゃんは考えはじめた。ぬいぐるみにアクセサリーを身に着けさせるのは、それぞれの作業をくっつけただけで、なにかちがうような気がした。
「ねえ、好きなモチーフとかある? 花とか、動物とか」
ほうかちゃんの質問に、京はうでを組んで考えたがなにも思い浮かばないので、首を横にふる。そんな風にうんうんうなりながら考えていると、店長さんが上がってきた。
「あ、そうだ。店長さんに、ちょっと相談してみようよ」
「いいかも」
京とほうかちゃんはいすから立ち上がり、店長さんに相談した。店長さんはうなずきながら聞いてくれた。
「それならこれからの季節にむけて、クリスマスリースとかどうだい? ぼくの家だと段ボールやフェルトでつくるよ」
京とほうかちゃんは顔を見合わせて、表情を明るくした。
「京ちゃんとわたしで一個ずつ、つくろうよ」
「いいねっ」
京とほうかちゃんは店長さんにお礼を言って、作業場にもどった。
「どんなリースにする?」
ほうかちゃんが先に口を開いた。京は「うーん」と考えた。
「まずリースの色を決めるのはどう?」
京が提案すると、京ちゃんは首をかしげた。
「リースって緑じゃないの?」
「お母さんがパッチワークでつくるときは、黄色やピンクも使ってたよ」
「へえ、意外といろんな色にしていいんだ。でもわたしはやっぱり緑がいいなあ」
「いいね。わたしはどうしようかな」
京は頭の中に色を思い浮かべた。赤、青、黄色、銀色。せっかくのクリスマスのリースなら、赤は使いたい。しかし真っ赤だとちょっとこわい気がするので、リースの土台は金色にすることにした。
京はほうかちゃんに金色と赤をメインの色にすることを伝える。するとほうかちゃんは「すっごく特別感あって、いいと思う」と言ってくれた。
今度は二人でいっしょにデザインを考える。
「ほうかちゃんはどんなものにしたいっていう、イメージはある?」
「うーん、つえみたいなキャンディあるでしょ? あれは入れたいなあ」
ほうかちゃんは持っている紙の裏に、完成したときのイメージ図を描きはじめる。
「土台はドーナッツ状のほうが、かざりがつけやすいと思うんだよね」
ほうかちゃんの言葉に京はうなずいた。
「土台の色はちがう状態で、かざりのデザインはいっしょにしない? そのほうがおそろい感があると思う」
「さすが京ちゃん、いいこと言うー」
そんな風に話し合っていくと、イメージ図が完成した。リースの頂点には大きなリボンを、そのほかの場所につえのキャンディ、星、ベルを散らし、サンタさんの顔を左端につけることにした。つえのキャンディ、星、ベルは京がビーズでつくり、大きなリボンとサンタさんはほうかちゃんがフェルトでつくることになった。リースの大きさは二十センチ。リボンの色は二人とも赤にした。
「でも金色のフェルトってあるかなあ?」
ほうかちゃんが心配そうに言った。
「それなら黄色のフェルトにしようかな。金っぽく見えると思うし」
京がそう言うと「そうだね。そうしよう」とほうかちゃんはうなずいた。
結局どちらも早くリースづくりをはじめたくなったので、家に帰って自分がつくるものについて、調べることになった。
星のつくり方はのっている。しかしベルとつえのキャンディは、どの本にもつくり方が書かれてない。どうしようか。
学校の図書室には手芸の本は置いていなかった。前の家では電車で一駅行けば図書館があったが、ここから図書館まで電車で三十分もゆられなくてはいけない。
「そうだ、インターネット」
京はリビングに行き、お母さんからスマートフォンを借りた。まずはベルのつくり方を調べる。
山のような形をつくってから、中に小さい鈴を入れるようだ。ビーズだけでなく、鈴も用意しなくてはいけない。
次につえのキャンディのつくり方を調べる。しかしなかなか見つからなかった。
「こうなったら、自分で一からつくってみよう」
京はお母さんに鈴のつくり方の部分だけ、専用の機械でプリントアウトしてもらった。
それから京はリースのかざりをつくりはじめた。まずは星から。本にのっている手順で、ワイヤーを使ってビーズを編んでいく。星はそれぞれのリースに五つずつ使うので、全部で十個つくる必要がある。学校と宿題を終えてからビーズを触るので、どうしてもまとまった時間がとれず、進みが悪かった。それでもなんとか少しずつ星を完成させた。
そして作りはじめて三週間、九月が終わりに近づいてきたころ。
「よし、これをほうかちゃんに渡そう」
次の日の土曜日、京は『モリス』につくった星を持って行った。ほうかちゃんに渡す。
「わあ、きれいっ。じゃあこれ、つけるね」
ほうかちゃんはそう言って、綿がつめられて十二時の位置にリボンがつけられたリースを二つ、手提げかばんからとり出した。ほうかちゃんはまずリースの上に星を置いた。
「うーん……わたしのはいいんだけど、京ちゃんのリースは黄色のフェルトだから、黄色のビーズだと目立ちにくくて、もったいないかも」
「あー、そこまで考えてなかった」
京はくやしかった。残り五つの星を回収する。
「星だからってなにも考えずに黄色でつくっちゃった……。何色でつくり直そうかな?」
京はケースの中のビーズを一つぶ手にとり、リースと合わせてみる。すると真っ白なビーズだと、星の形もわかりつつ、リースの黄色も台無しにならないことがわかった。
「よし、この白のビーズでつくり直そう」
京は黄色いビーズの星を切ろうとした。するとほうかちゃんが「待って」と声をかけてきた。
「せっかくつくったのにもったいないよ」
「でも、これじゃあ私のリースには合わないし、ほうかちゃんのリースに全部つけちゃうと、そのほかのかざりがつけられないし……」
京がそう言うとほうかちゃんは、なにか思いついたような顔をした。
「ねえ、ここにそれぞれ一個ずつ、つけよう」
ほうかちゃんは赤いリボンの結び目にあたる位置に星をそれぞれ一個ずつ置いた。しかし星はまだ三つある。
「それでね、残りの三つでアクセサリーをつくるの。イヤリングだと二つ使えるから、すごくいいんじゃないかな。あと一つはネックレスとかブレスレットにしたら、とってもいいと思う」
ほうかちゃんの提案はとてもすてきに思えた。先ほどまで解こうとしていた星が急に輝いて見えてくる。
「うんっ、そうしてみる」
京は残り三つの星を、手提げかばんの内側についているポケットに入れた。
「よし、アクセサリーにするのは家に帰ってからにする。まずは白のビーズで星つくらなくっちゃ」
京はそう言って、新たに星をつくりはじめた。
少しすると、ほうかちゃんに小さく肩をたたかれた。
「じゃーん」
緑のリース本体と黄色の星が、おたがいのいいところを引き出しており、これだけでもすてきなリースに思えた。
「すごくいいっ」
京は思わず小さく拍手をした。
「ねっ。ほうかちゃんのもいいリースにするね」
ほうかちゃんがそう言って笑うと、京はやる気がみがきってきたのを感じた。
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