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オパールの龍の目4
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第九章 はしご山
夜の空を写す滝のそばで、しずくはイリムを待っていた。オパールはどこも傷ついていない。傷がついたせいで、宝石龍の目が見えなくなっては大変だ。
しばらくするとイリムが小さな姿のままでもどってきた。すぐにイヤリングをつけると、しずくよりも大きくなった。
「おまたせしました。行きましょう」
イリムはそう言って、見張りの精霊に滝の入口を開けてもらった。二人はかけ足で夜光キノコの道を抜けた。イリムは走る速さを変えずに説明した。
「この奥にも出入り口があります。そこから出ればはしご山に近いですよ」
近道を教えてもらってしずくは喜んだ。少しでも早く宝石龍に目を返してあげたい。きっと宝石龍もしずくを信じて待ってくれているだろう。どこまで信じてくれているかはわからないけれど、自分にできることはやりきるつもりだ。
しばらく進むと大きな木の扉があり、つり橋がかかっている。ゆらゆらゆれるつり橋をなんとか渡ると自然にできた、つたのアーチが二人を見送った。
外に出ると空が白みはじめていた。二人は少し休むことにした。イリムはしずくに地図を見せてほしいとたのんだ。しずくが地図を渡すとイリムはその場で広げた。
「この滝をまっすぐ出てきたことになるので、たいぶ近道になっているはずです。それで今この岩場の入口にいます。足場の状態も考えて二日もあればふもとに着くでしょう」
イリムはすらすらと説明してくれた。たしかに地図上の距離ではそれくらいの日数で行けそうだ。
「あとはクオーツがあきらめて、なにもしてこなければいいけど……」
「追ってくるでしょうね。けれど、クオーツがきてもその前に宝石龍に目を返せれば問題ありませんよ」
「そうだけど、なんだかこれで終わりじゃない気がするの」
しずくは胸騒ぎがしていた。そういうときは近いうちに必ずなにかが起こるのだ。
一方そのころ。しおり村の盗賊団宝石箱のアジトでは、クオーツがオパールをとり返されていらついていた。
「くそっ」
クオーツは玉を怒りにまかせて投げつけた。かーんっと壁にぶつかる音が響いた。ころころと正面にいる、オブシディアンの足元に転がった。
「どうするんだ?」
玉を拾いながらオブシディアンは、クオーツに尋ねた。
「その玉から出てくるやつらに、あいつらを探させて追いかける!こうなったらなにがなんでも、おれのものにしてやる。
オブシディアン、お前もこい。エメルディアは留守をたのむ」
オブシディアンはにやりと笑い、クオーツのそばにいたエメルディアは「かしこまりました」と静かに頭を下げた。
「ずいぶんとオパールにこだわってんなあ」
「あんなに見事なオパール、二度とお目にかかれないだろう。一度手にした宝石は、すべておれのものだ」
クオーツは玉から悪い精霊を呼びだし、しずくたちを探しに行かせた。クオーツとオブシディアンはいつでも出発できるように、準備をはじめた。
しずくたちはひたすら歩き続けた。昼には少し休憩するけれど、夜は一歩も立ち止まらず進んだ。イリムは夜にも少し休もうと言ってくれたが、しずくは一刻も早く宝石龍に目を返したかった。もしも自分がその立場なら、早く返してほしいからだ。
オパールをとりもどして二日目の朝。はしご山のふもとに着いた。はしご山はてっぺんが雲にかくれて見えないくらい大きい。まるで空へのはしごのようだ。二人は気を引きしめて登りはじめた。先頭はしずくだ。
しばらくすると、しずくはふとポシェットの中が温かくなっていることに気がついた。立ち止まって熱の正体を探し出す。急に止まったのでイリムとぶつかりそうになった。
温かくなっていたのはオパールだった。今二人ははしご山の中腹に近づいている。もしかすると宝石龍に近づいているから反応しているのかもしれない。イリムもそれを見て気持ちが引きしまった。
「急ぎましょう」
イリムがそう言って再び歩き出そうとしたときだった。イリムは後ろから気配を感じた。槍を構えてふりむいた。
「出てこいっ、なにものだ!」
すうっと木の陰から出てきたのはクオーツとオブシディアンだった。二人は悪い精霊にしずくたちを見つけさせると、あとをつけながらオパールを奪うチャンスをうかがっていたのだ。
「クオーツ!」
しずくはオパールが入ったポシェットをかばうように力強く抱いた。クオーツはしおり村でぶつかったときのようなやさしい顔ではなく、盗賊団宝石箱のリーダーとして獲物をねらっている目をしていた。
「しずく、先に行ってください。ここはぼくが引きつけておきます」
「でも……」
「いいから早く!そのためにぼくはともに来たんです」
「……わかった。気をつけてね」
しずくは走り出した。木が多いところではぶつかるのでほうきには乗れない。全速力で走る。クオーツとオブシディアンはしずくを追いかけようとしたが、そこにイリムが立ちふさがった。
「どけ」
「いやだと言ったら?あのオパールは宝石龍のものだ!お前らなんかに渡さない!」
「宝石龍?……なるほど。伝説の龍の宝石か。どうりでこの世のものとは思えないほど美しいはずだ。ますますほしくなった」
クオーツはにやりと笑った。
たがいににらみ合う。じりじりと平行に移動する。合図のようにさあっと風が吹いた。三人は同時に動いた。
イリムの槍はごおっと炎をまとった。クオーツにむかって突こうとするが、オブシディアンが攻撃してきているのを目の端でとらえた。槍のむきを変え攻撃を防いだ。真っ黒な剣と真っ赤な槍がぶつかる。
「へえ、なかなかやるじゃないか。なあ?」
「将来は騎士になるんでね!」
イリムとオブシディアンが戦っているスキに、クオーツはしずくを追いかけた。
「しまった!」
クオーツの足を止めようと炎を出そうとした。けれどオブシディアンが剣をふり下ろしたので、イリムはなにもできなかった。イリムとオブシディアンはとり残されてしまった。クオーツはしてやったりといった顔でしずくを追った。
しずくは息が切れても、足が痛くなっても決して走ることをやめなかった。このままではクオーツに追いつかれてしまうかもしれない。なんとかしてほうきに乗りたい。上に近づくにつれて木が少なくなっていく。そしてちょうど人ひとりが通れるくらいの間隔で木が生えている。
「このあたりなら……」
しずくはポシェットから魔法で小さくしたほうきをとりだし、元の大きさに戻した。そのときだった。足元にナイフが二本飛んできた。ふり返るとそこにはクオーツがいた。
「追いついたぞ。さあ、そのオパールをよこせ」
クオーツはポケットから新たにナイフをとりだした。しずくはまっすぐ見つめながらクオーツに尋ねた。
「なんでそこまでして宝石がほしいの?」
クオーツはお前にはわからないだろう、と言いたそうな顔で答えた。
「宝石はきれいだ。いろんな色があってきらきらしていて……。乾いた地面の色がないからだ」
「どういうこと?なにを言っているの?」
「ふん……お前なんかにわかるか。おれがどれだけ宝石を求めているか」
クオーツが生まれたところは貧しい村だった。作物も育たず水は雨に頼るしかなかった。動物もおらず、水がなくても耐えられる虫くらいしかいなかった。竜巻に成長するほどの強い風に、赤茶色の地面に舞う砂ぼこり。クオーツは鮮やかな色のない故郷が大きらいだった。地盤が弱っていたせいか故郷が崩れ落ちてから、クオーツは住む場所を探していろんなところを転々とした。そのとき、ある大きな町で宝石の存在を知った。鮮やかな色できらきらと輝く美しさに心が奪われ、あこがれた。きっとこれだけ美しい色や輝きを手に入れることができれば、乾いた大地にいた昔の自分は消えて、いろんな色に囲まれて幸せになれる。そう信じた。しかし買えるようなお金はない。そして彼は心をうるおすために宝石を求めるようになった。
「そのオパールは、どんなことをしてでもおれのものにする。おれはもう色のない世界になんて戻りはしない。色鮮やかな、美しい世界に生きるんだ!」
しずくはあわれむようにクオーツを見た。そんな目つきがクオーツは気にいらなかった。
「あなたかわいそう」
「なに?」
「なんで宝石を持っておくことだけが、幸せだと思うの?どれだけ大きくて珍しい宝石を身につけたり飾ったとしても、光に反射したきれいな輝きに囲まれたとしても、あなた自身がえらくなったわけでもない。きれいになったわけでもないのに。あなたの心はあなた自身でしかうるおし、磨くことができないのに。心の荒れた大地に美しい花を咲かせることは、あなたにしかできないのよ。
それに気がついていないあなたがすごくかわいそう」
クオーツはかあっと頭がふっとうした。
「うるさい!」
ナイフを振り回した。しずくは必死にそれを避ける。そして自分の前に三枚の水の壁を作った。すべての水の壁をナイフで切りさくと、すでにしずくが少しよろめきながら空を飛んでいた。
「くそ!」
クオーツは小さくなるしずくの背中をにらみ、オブシディアンの元に戻ることにした。しずくは必ず仲間であるイリムのところに戻ってくる。ならばイリムをつかまえておけばいいのだ。そのときにオパールを奪うことにした。まだチャンスはある。
第十章 最後の決戦
どんどんオパールが熱くなってきた。もしかするとポシェットが燃えてしまうのではないかというくらいだ。それだけ宝石龍に近づいてきているのだろう。見下ろしながら探していると人間の集落があった。しかし小屋などは雨や風でぼろぼろになっている。土に埋もれているところもある。
「なんでだれもいなくなっちゃったんだろう?」
そのとき、まるで地響きのような大きな鳴き声がした。驚いた鳥たちがばさばさと逃げるように飛び去っていく。こんなにも大きな声を出せるのはただ一匹、宝石龍だろう。そしてすぐにしずくの前に分身たちが現れた。
『スミカマデ連レテ行ク。分身ニツイテコイ』
それだけ告げると分身たちはくるりと旋回ししずくを案内した。オパールは宝石から目へと戻っているのかどくんどくんっと生きているかのように脈を打っていた。
そこはとても広い洞窟だった。奥では夜光きのこがところどころぽうっと光っている。天井は高く大きな龍でもゆったり眠れそうだ。分身がろうそくの火を吹くように消えた。しずくはその洞窟の中にためらいなく入った。少し進むと、もぞもぞとなにかが動く気配がした。そこから出てきたのは全身がくすんだ黒いオパールにおおわれ、右目のない龍だった。
「あなたが……宝石龍?」
『そうだ。どうやらほんとうに目を持ってきたようだな。さっきから片目が熱くなってたまらん』
「もちろん。だって約束したじゃない。約束を守るのは当然のことだもん」
宝石龍は残っている左目を丸くした。彼にとって人間は自分をねらってくる、わがままで自己中心的な生き物だった。しかし今の目の前にいる魔女、しずくはちがった。途中で手放すこともできたし、売れば大金になっただろう。けれどそんなことはせず目を届けるためだけに旅をしてきたのだ。
「はい。待たせてしまってごめんなさい」
しずくはポシェットからオパールをとりだした。やけどしそうなくらい熱いけれど決して手を離さなかった。それを見て宝石龍は自分の心がゆっくりほぐれていくように感じた。この魔女はかつて自分を傷つけてきた人間たちとはちがう、と気がついた。
『その目を口に入れてくれ』
「え、口に?」
『ああ』
「わかった」
宝石龍は大きな口を開けた。まるでつららのようにするどく大きな歯。このまま口をがぶりっと閉じられたら、という恐怖が一瞬生まれた。けれどすぐに宝石龍はそんなことをしないと考え直し、おそるおそるオパールを舌の上に乗せた。しずくが離れたのを確認すると宝石龍はオパールを飲みこんだ。すると全身が熱くなった。体のくすみは水しぶきにように飛び散り、その熱は右目に集まった。ぽっかり空いた穴がどんどん埋まっていく。そして視界が広がった。虹色にゆらめく真っ白な目が現れた。
「わあ、きれい!よかった、目が戻って」
宝石龍は顔をしずくに近づけた。
『幼い魔女よ、感謝する。主が目を持ってきてくれなければこんなにも世界がはっきり見えることはなかっただろう』
「いいえ。わたしだけの力じゃないの。あとイリムという仲間がいるの。彼のおかげでもあるわ」
しずくはほっとしたのもつかの間、イリムが心配になった。早く宝石箱たちにオパールをあきらめさせなければいけない。
「ごめんなさい。わたし戻らなくっちゃ」
『どういうことだ?』
しずくは事情を説明した。状況がわかった宝石龍は前足で、しずくの服の後ろを器用につまみ自分の背中に乗せた。
『そのものたちのところへ送ってやろう。我も今ではひとりだ。だから仲間の大切さはよくわかる。主もそれをよく覚えておくのだぞ。
それに仲間の主と仲間は目を届けてくれただけではなく、敵から守っていてくれたのだから。しっかりつかまっていろ』
そう言うと宝石龍は翼を大きく広げ、ばさばさと羽ばたき空を飛んだ。ごおっと風を切る音がする。しずくはとっさにうろこをつかんだ。ほうきで飛ぶよりも高い位置で飛んでいるため、手をのばせば雲に届きそうだ。
「わあ!」
見下ろすとさっききたごつごつとした道と抜けた森の緑がくっきりと線をひいたように分かれていた。さっきの集落らしきところも見えた。
「ねえ、あの集落にはだれもいないの?」
『ああ。もういない。土砂くずれが起こって多くの人間がこの世を去り、生き残ったものも別のところへ移ってしまった』
その声はなんだかさみしそうだった。しずくは宝石龍をなぐさめるようになでながら言った。
「でも、あの洞窟から離れずにずっとひとりで住んでいた。……あなたほんとうはそこに住んでいた人のことも、ううん人間のことが大好きだったんでしょう?でも目を奪ったのも人間で信じられなくなって大きらいになった。だから洞窟から出るのもこわくなってしまったの?」
宝石龍は一瞬だまった。けれどすぐにかろうじて聞きとれる声で『そうだ』と答えた。
『あの村はいつも子どもたちの笑い声が聞こえていた。我のところにも遊びにきて動物たちともなかよくしていた。そんな人間たちが大好きだった。しかし……三百年前に王の軍隊が我の目を奪ってから今まで恨み続けてきた。
けれど主のおかげで少しずつだがまた人間のことを好きになれそうだ。感謝する』
「ううん、ごめんなさい。三百年も前とはいえ、わたしたち人間があなたを傷つけてしまった。あなたは心のやさしい龍なんだね」
もう一度しずくは宝石龍の背中をなでた。
そのとき前から黒く細い煙がのぼっていた。もしかするとイリムの炎かもしれない。
「あそこ!あの煙のところに仲間がいるの!」
『わかった』
宝石龍は煙のそばに着地した。ミシミシっと音を立てながら木々が折れるがさほど気にしていないようだ。
突然現れた龍にその場にいた全員は驚いて動きが止まった。そしてその背中にしずくの姿をとらえると、イリムはほっとした。
意外とくやしそうにしていないクオーツに、オブシディアンは尋ねた。
「おい、どうする?」
「生きたままでも目を奪えばいい!あのオパールはおれのものだ!」
宝石箱の二人が同時に走り出したことにしずくと宝石龍は気がついた。しずくは水の矢を出して放った。宝石龍も水でできた竜巻を生み出し二人に当てた。
「うがっ」
クオーツとオブシディアンは一瞬で後ろに吹き飛んだ。
『我は今ようやく目をとり戻したところで興奮していて加減ができん。命がおしければさっさと去るがいい』
宝石龍は背後で無数のかまいたちをつくりながら言った。クオーツはちっと舌打ちをしてくやしそうにしずくをにらんだ。
「くそっ!この借りはきっちり返してやる」
目をとり戻した宝石龍には悪い精霊はもちろん人間もかなわない。クオーツとオブシディアンはくやしそうに言い残すと、その場を走り去った。
「やったああ!」
二人は喜びの声をあげた。しずくはゆっくり宝石龍の背中から下りてイリムの元にかけ寄った。二人はたがいに抱き合い、喜びを分かち合った。
「やりましたね、しずく!」
「うん!イリムのおかげだよ。ありがとう!」
「そんな。ぼくは手伝うことしかできていません。目を返したのはしずくです。無事でよかった」
しずくは宝石龍のほうをむいて紹介した。
『二人とも目を守ってくれて感謝する』
そう言って宝石龍は自分でうろこを一枚抜きとった。それをしずくに渡す。
『礼に我のうろこを一枚やろう。売るのも飾るのも主らの自由だ』
「もらえないよ。元は人間のせいなんだから」
『かまわん。あの軍隊のやつらと主らは別の人間だ。受けとってくれ。もう一度、人間を信じることができそうだ。暗い洞窟ではなく、日のあたる子どもたちの笑顔であふれていた、あのころに帰りたいものだ。あの村が元に戻ればどれだけいいだろう』
「きっと戻るわ。いつか、必ず」
『そうか。……そうだな。人間の心は強い。それを我はあの村で、何度も見てきた』
宝石龍のなつかしむような眼差しが、とてもやさしかった。
しずくは考えた。お礼がほしくて目を返したわけではないからだ。それはイリムも同じだった。そこで二人は話し合った。そしてその結果を宝石龍に伝えた。
「じゃあ、もしも困っている人に出会ったらその人たちにうろこをあげて。たとえばあの村を建て直すために、とか。それがお礼でいい」
予想していなかった言葉に宝石龍は目をぱちくりとして、そして大きな声でゆかいそうに笑った。
『まさか自分のためではなく、見知らぬだれかのためにうろこを使うか。わかった、いいだろう。
さあ乗れ。送ってやろう』
宝石龍は体をふせて、乗りやすい体勢になった。
「わたしはここからまた別の町に行くことにする。……お別れになっちゃうね」
「そうですか。さみしいですが……。ああ、そうだ。しずく、これを受けとってください」
そう言ってイリムが手渡したのは、真っ白ですべすべした小石だった。
「これは?」
「精霊の憩い場に入るためのパスポートです。いつでもきてください」
「ありがとうっ。
わたし、ようやくほんとうの旅の魔女になれた気がする。イリムのおかげよ」
「そんな、お礼を言うのはこちらのほうです。だれかを守るために戦うことができた。わたしもほんとうの騎士に近づけた気がします。ありがとう」
しずくは大事そうにポシェットにしまった。別れのあいさつをすませ、イリムは宝石龍の背中に乗った。
「じゃあね。気をつけてね」
「しずくもお気をつけて」
イリムを背中に乗せて宝石龍は飛び立った。しずくは姿が見えなくなるまで大きく手をふった。
手をふるのをやめてしずくは、次の町はどんなところか考えてわくわくしながら、ほうきに乗った。
「次の町にも助けを求めている人がいるかな?もしいたら、どれだけあぶないことでも力になろう。だって、それが旅の魔女の使命なんだから」
そしてしずくは宝石龍たちと反対のほうに飛んだ。
風の精霊たちはあまりからかわなかったためか、いつもよりふらつかないような気がした。
終わり
夜の空を写す滝のそばで、しずくはイリムを待っていた。オパールはどこも傷ついていない。傷がついたせいで、宝石龍の目が見えなくなっては大変だ。
しばらくするとイリムが小さな姿のままでもどってきた。すぐにイヤリングをつけると、しずくよりも大きくなった。
「おまたせしました。行きましょう」
イリムはそう言って、見張りの精霊に滝の入口を開けてもらった。二人はかけ足で夜光キノコの道を抜けた。イリムは走る速さを変えずに説明した。
「この奥にも出入り口があります。そこから出ればはしご山に近いですよ」
近道を教えてもらってしずくは喜んだ。少しでも早く宝石龍に目を返してあげたい。きっと宝石龍もしずくを信じて待ってくれているだろう。どこまで信じてくれているかはわからないけれど、自分にできることはやりきるつもりだ。
しばらく進むと大きな木の扉があり、つり橋がかかっている。ゆらゆらゆれるつり橋をなんとか渡ると自然にできた、つたのアーチが二人を見送った。
外に出ると空が白みはじめていた。二人は少し休むことにした。イリムはしずくに地図を見せてほしいとたのんだ。しずくが地図を渡すとイリムはその場で広げた。
「この滝をまっすぐ出てきたことになるので、たいぶ近道になっているはずです。それで今この岩場の入口にいます。足場の状態も考えて二日もあればふもとに着くでしょう」
イリムはすらすらと説明してくれた。たしかに地図上の距離ではそれくらいの日数で行けそうだ。
「あとはクオーツがあきらめて、なにもしてこなければいいけど……」
「追ってくるでしょうね。けれど、クオーツがきてもその前に宝石龍に目を返せれば問題ありませんよ」
「そうだけど、なんだかこれで終わりじゃない気がするの」
しずくは胸騒ぎがしていた。そういうときは近いうちに必ずなにかが起こるのだ。
一方そのころ。しおり村の盗賊団宝石箱のアジトでは、クオーツがオパールをとり返されていらついていた。
「くそっ」
クオーツは玉を怒りにまかせて投げつけた。かーんっと壁にぶつかる音が響いた。ころころと正面にいる、オブシディアンの足元に転がった。
「どうするんだ?」
玉を拾いながらオブシディアンは、クオーツに尋ねた。
「その玉から出てくるやつらに、あいつらを探させて追いかける!こうなったらなにがなんでも、おれのものにしてやる。
オブシディアン、お前もこい。エメルディアは留守をたのむ」
オブシディアンはにやりと笑い、クオーツのそばにいたエメルディアは「かしこまりました」と静かに頭を下げた。
「ずいぶんとオパールにこだわってんなあ」
「あんなに見事なオパール、二度とお目にかかれないだろう。一度手にした宝石は、すべておれのものだ」
クオーツは玉から悪い精霊を呼びだし、しずくたちを探しに行かせた。クオーツとオブシディアンはいつでも出発できるように、準備をはじめた。
しずくたちはひたすら歩き続けた。昼には少し休憩するけれど、夜は一歩も立ち止まらず進んだ。イリムは夜にも少し休もうと言ってくれたが、しずくは一刻も早く宝石龍に目を返したかった。もしも自分がその立場なら、早く返してほしいからだ。
オパールをとりもどして二日目の朝。はしご山のふもとに着いた。はしご山はてっぺんが雲にかくれて見えないくらい大きい。まるで空へのはしごのようだ。二人は気を引きしめて登りはじめた。先頭はしずくだ。
しばらくすると、しずくはふとポシェットの中が温かくなっていることに気がついた。立ち止まって熱の正体を探し出す。急に止まったのでイリムとぶつかりそうになった。
温かくなっていたのはオパールだった。今二人ははしご山の中腹に近づいている。もしかすると宝石龍に近づいているから反応しているのかもしれない。イリムもそれを見て気持ちが引きしまった。
「急ぎましょう」
イリムがそう言って再び歩き出そうとしたときだった。イリムは後ろから気配を感じた。槍を構えてふりむいた。
「出てこいっ、なにものだ!」
すうっと木の陰から出てきたのはクオーツとオブシディアンだった。二人は悪い精霊にしずくたちを見つけさせると、あとをつけながらオパールを奪うチャンスをうかがっていたのだ。
「クオーツ!」
しずくはオパールが入ったポシェットをかばうように力強く抱いた。クオーツはしおり村でぶつかったときのようなやさしい顔ではなく、盗賊団宝石箱のリーダーとして獲物をねらっている目をしていた。
「しずく、先に行ってください。ここはぼくが引きつけておきます」
「でも……」
「いいから早く!そのためにぼくはともに来たんです」
「……わかった。気をつけてね」
しずくは走り出した。木が多いところではぶつかるのでほうきには乗れない。全速力で走る。クオーツとオブシディアンはしずくを追いかけようとしたが、そこにイリムが立ちふさがった。
「どけ」
「いやだと言ったら?あのオパールは宝石龍のものだ!お前らなんかに渡さない!」
「宝石龍?……なるほど。伝説の龍の宝石か。どうりでこの世のものとは思えないほど美しいはずだ。ますますほしくなった」
クオーツはにやりと笑った。
たがいににらみ合う。じりじりと平行に移動する。合図のようにさあっと風が吹いた。三人は同時に動いた。
イリムの槍はごおっと炎をまとった。クオーツにむかって突こうとするが、オブシディアンが攻撃してきているのを目の端でとらえた。槍のむきを変え攻撃を防いだ。真っ黒な剣と真っ赤な槍がぶつかる。
「へえ、なかなかやるじゃないか。なあ?」
「将来は騎士になるんでね!」
イリムとオブシディアンが戦っているスキに、クオーツはしずくを追いかけた。
「しまった!」
クオーツの足を止めようと炎を出そうとした。けれどオブシディアンが剣をふり下ろしたので、イリムはなにもできなかった。イリムとオブシディアンはとり残されてしまった。クオーツはしてやったりといった顔でしずくを追った。
しずくは息が切れても、足が痛くなっても決して走ることをやめなかった。このままではクオーツに追いつかれてしまうかもしれない。なんとかしてほうきに乗りたい。上に近づくにつれて木が少なくなっていく。そしてちょうど人ひとりが通れるくらいの間隔で木が生えている。
「このあたりなら……」
しずくはポシェットから魔法で小さくしたほうきをとりだし、元の大きさに戻した。そのときだった。足元にナイフが二本飛んできた。ふり返るとそこにはクオーツがいた。
「追いついたぞ。さあ、そのオパールをよこせ」
クオーツはポケットから新たにナイフをとりだした。しずくはまっすぐ見つめながらクオーツに尋ねた。
「なんでそこまでして宝石がほしいの?」
クオーツはお前にはわからないだろう、と言いたそうな顔で答えた。
「宝石はきれいだ。いろんな色があってきらきらしていて……。乾いた地面の色がないからだ」
「どういうこと?なにを言っているの?」
「ふん……お前なんかにわかるか。おれがどれだけ宝石を求めているか」
クオーツが生まれたところは貧しい村だった。作物も育たず水は雨に頼るしかなかった。動物もおらず、水がなくても耐えられる虫くらいしかいなかった。竜巻に成長するほどの強い風に、赤茶色の地面に舞う砂ぼこり。クオーツは鮮やかな色のない故郷が大きらいだった。地盤が弱っていたせいか故郷が崩れ落ちてから、クオーツは住む場所を探していろんなところを転々とした。そのとき、ある大きな町で宝石の存在を知った。鮮やかな色できらきらと輝く美しさに心が奪われ、あこがれた。きっとこれだけ美しい色や輝きを手に入れることができれば、乾いた大地にいた昔の自分は消えて、いろんな色に囲まれて幸せになれる。そう信じた。しかし買えるようなお金はない。そして彼は心をうるおすために宝石を求めるようになった。
「そのオパールは、どんなことをしてでもおれのものにする。おれはもう色のない世界になんて戻りはしない。色鮮やかな、美しい世界に生きるんだ!」
しずくはあわれむようにクオーツを見た。そんな目つきがクオーツは気にいらなかった。
「あなたかわいそう」
「なに?」
「なんで宝石を持っておくことだけが、幸せだと思うの?どれだけ大きくて珍しい宝石を身につけたり飾ったとしても、光に反射したきれいな輝きに囲まれたとしても、あなた自身がえらくなったわけでもない。きれいになったわけでもないのに。あなたの心はあなた自身でしかうるおし、磨くことができないのに。心の荒れた大地に美しい花を咲かせることは、あなたにしかできないのよ。
それに気がついていないあなたがすごくかわいそう」
クオーツはかあっと頭がふっとうした。
「うるさい!」
ナイフを振り回した。しずくは必死にそれを避ける。そして自分の前に三枚の水の壁を作った。すべての水の壁をナイフで切りさくと、すでにしずくが少しよろめきながら空を飛んでいた。
「くそ!」
クオーツは小さくなるしずくの背中をにらみ、オブシディアンの元に戻ることにした。しずくは必ず仲間であるイリムのところに戻ってくる。ならばイリムをつかまえておけばいいのだ。そのときにオパールを奪うことにした。まだチャンスはある。
第十章 最後の決戦
どんどんオパールが熱くなってきた。もしかするとポシェットが燃えてしまうのではないかというくらいだ。それだけ宝石龍に近づいてきているのだろう。見下ろしながら探していると人間の集落があった。しかし小屋などは雨や風でぼろぼろになっている。土に埋もれているところもある。
「なんでだれもいなくなっちゃったんだろう?」
そのとき、まるで地響きのような大きな鳴き声がした。驚いた鳥たちがばさばさと逃げるように飛び去っていく。こんなにも大きな声を出せるのはただ一匹、宝石龍だろう。そしてすぐにしずくの前に分身たちが現れた。
『スミカマデ連レテ行ク。分身ニツイテコイ』
それだけ告げると分身たちはくるりと旋回ししずくを案内した。オパールは宝石から目へと戻っているのかどくんどくんっと生きているかのように脈を打っていた。
そこはとても広い洞窟だった。奥では夜光きのこがところどころぽうっと光っている。天井は高く大きな龍でもゆったり眠れそうだ。分身がろうそくの火を吹くように消えた。しずくはその洞窟の中にためらいなく入った。少し進むと、もぞもぞとなにかが動く気配がした。そこから出てきたのは全身がくすんだ黒いオパールにおおわれ、右目のない龍だった。
「あなたが……宝石龍?」
『そうだ。どうやらほんとうに目を持ってきたようだな。さっきから片目が熱くなってたまらん』
「もちろん。だって約束したじゃない。約束を守るのは当然のことだもん」
宝石龍は残っている左目を丸くした。彼にとって人間は自分をねらってくる、わがままで自己中心的な生き物だった。しかし今の目の前にいる魔女、しずくはちがった。途中で手放すこともできたし、売れば大金になっただろう。けれどそんなことはせず目を届けるためだけに旅をしてきたのだ。
「はい。待たせてしまってごめんなさい」
しずくはポシェットからオパールをとりだした。やけどしそうなくらい熱いけれど決して手を離さなかった。それを見て宝石龍は自分の心がゆっくりほぐれていくように感じた。この魔女はかつて自分を傷つけてきた人間たちとはちがう、と気がついた。
『その目を口に入れてくれ』
「え、口に?」
『ああ』
「わかった」
宝石龍は大きな口を開けた。まるでつららのようにするどく大きな歯。このまま口をがぶりっと閉じられたら、という恐怖が一瞬生まれた。けれどすぐに宝石龍はそんなことをしないと考え直し、おそるおそるオパールを舌の上に乗せた。しずくが離れたのを確認すると宝石龍はオパールを飲みこんだ。すると全身が熱くなった。体のくすみは水しぶきにように飛び散り、その熱は右目に集まった。ぽっかり空いた穴がどんどん埋まっていく。そして視界が広がった。虹色にゆらめく真っ白な目が現れた。
「わあ、きれい!よかった、目が戻って」
宝石龍は顔をしずくに近づけた。
『幼い魔女よ、感謝する。主が目を持ってきてくれなければこんなにも世界がはっきり見えることはなかっただろう』
「いいえ。わたしだけの力じゃないの。あとイリムという仲間がいるの。彼のおかげでもあるわ」
しずくはほっとしたのもつかの間、イリムが心配になった。早く宝石箱たちにオパールをあきらめさせなければいけない。
「ごめんなさい。わたし戻らなくっちゃ」
『どういうことだ?』
しずくは事情を説明した。状況がわかった宝石龍は前足で、しずくの服の後ろを器用につまみ自分の背中に乗せた。
『そのものたちのところへ送ってやろう。我も今ではひとりだ。だから仲間の大切さはよくわかる。主もそれをよく覚えておくのだぞ。
それに仲間の主と仲間は目を届けてくれただけではなく、敵から守っていてくれたのだから。しっかりつかまっていろ』
そう言うと宝石龍は翼を大きく広げ、ばさばさと羽ばたき空を飛んだ。ごおっと風を切る音がする。しずくはとっさにうろこをつかんだ。ほうきで飛ぶよりも高い位置で飛んでいるため、手をのばせば雲に届きそうだ。
「わあ!」
見下ろすとさっききたごつごつとした道と抜けた森の緑がくっきりと線をひいたように分かれていた。さっきの集落らしきところも見えた。
「ねえ、あの集落にはだれもいないの?」
『ああ。もういない。土砂くずれが起こって多くの人間がこの世を去り、生き残ったものも別のところへ移ってしまった』
その声はなんだかさみしそうだった。しずくは宝石龍をなぐさめるようになでながら言った。
「でも、あの洞窟から離れずにずっとひとりで住んでいた。……あなたほんとうはそこに住んでいた人のことも、ううん人間のことが大好きだったんでしょう?でも目を奪ったのも人間で信じられなくなって大きらいになった。だから洞窟から出るのもこわくなってしまったの?」
宝石龍は一瞬だまった。けれどすぐにかろうじて聞きとれる声で『そうだ』と答えた。
『あの村はいつも子どもたちの笑い声が聞こえていた。我のところにも遊びにきて動物たちともなかよくしていた。そんな人間たちが大好きだった。しかし……三百年前に王の軍隊が我の目を奪ってから今まで恨み続けてきた。
けれど主のおかげで少しずつだがまた人間のことを好きになれそうだ。感謝する』
「ううん、ごめんなさい。三百年も前とはいえ、わたしたち人間があなたを傷つけてしまった。あなたは心のやさしい龍なんだね」
もう一度しずくは宝石龍の背中をなでた。
そのとき前から黒く細い煙がのぼっていた。もしかするとイリムの炎かもしれない。
「あそこ!あの煙のところに仲間がいるの!」
『わかった』
宝石龍は煙のそばに着地した。ミシミシっと音を立てながら木々が折れるがさほど気にしていないようだ。
突然現れた龍にその場にいた全員は驚いて動きが止まった。そしてその背中にしずくの姿をとらえると、イリムはほっとした。
意外とくやしそうにしていないクオーツに、オブシディアンは尋ねた。
「おい、どうする?」
「生きたままでも目を奪えばいい!あのオパールはおれのものだ!」
宝石箱の二人が同時に走り出したことにしずくと宝石龍は気がついた。しずくは水の矢を出して放った。宝石龍も水でできた竜巻を生み出し二人に当てた。
「うがっ」
クオーツとオブシディアンは一瞬で後ろに吹き飛んだ。
『我は今ようやく目をとり戻したところで興奮していて加減ができん。命がおしければさっさと去るがいい』
宝石龍は背後で無数のかまいたちをつくりながら言った。クオーツはちっと舌打ちをしてくやしそうにしずくをにらんだ。
「くそっ!この借りはきっちり返してやる」
目をとり戻した宝石龍には悪い精霊はもちろん人間もかなわない。クオーツとオブシディアンはくやしそうに言い残すと、その場を走り去った。
「やったああ!」
二人は喜びの声をあげた。しずくはゆっくり宝石龍の背中から下りてイリムの元にかけ寄った。二人はたがいに抱き合い、喜びを分かち合った。
「やりましたね、しずく!」
「うん!イリムのおかげだよ。ありがとう!」
「そんな。ぼくは手伝うことしかできていません。目を返したのはしずくです。無事でよかった」
しずくは宝石龍のほうをむいて紹介した。
『二人とも目を守ってくれて感謝する』
そう言って宝石龍は自分でうろこを一枚抜きとった。それをしずくに渡す。
『礼に我のうろこを一枚やろう。売るのも飾るのも主らの自由だ』
「もらえないよ。元は人間のせいなんだから」
『かまわん。あの軍隊のやつらと主らは別の人間だ。受けとってくれ。もう一度、人間を信じることができそうだ。暗い洞窟ではなく、日のあたる子どもたちの笑顔であふれていた、あのころに帰りたいものだ。あの村が元に戻ればどれだけいいだろう』
「きっと戻るわ。いつか、必ず」
『そうか。……そうだな。人間の心は強い。それを我はあの村で、何度も見てきた』
宝石龍のなつかしむような眼差しが、とてもやさしかった。
しずくは考えた。お礼がほしくて目を返したわけではないからだ。それはイリムも同じだった。そこで二人は話し合った。そしてその結果を宝石龍に伝えた。
「じゃあ、もしも困っている人に出会ったらその人たちにうろこをあげて。たとえばあの村を建て直すために、とか。それがお礼でいい」
予想していなかった言葉に宝石龍は目をぱちくりとして、そして大きな声でゆかいそうに笑った。
『まさか自分のためではなく、見知らぬだれかのためにうろこを使うか。わかった、いいだろう。
さあ乗れ。送ってやろう』
宝石龍は体をふせて、乗りやすい体勢になった。
「わたしはここからまた別の町に行くことにする。……お別れになっちゃうね」
「そうですか。さみしいですが……。ああ、そうだ。しずく、これを受けとってください」
そう言ってイリムが手渡したのは、真っ白ですべすべした小石だった。
「これは?」
「精霊の憩い場に入るためのパスポートです。いつでもきてください」
「ありがとうっ。
わたし、ようやくほんとうの旅の魔女になれた気がする。イリムのおかげよ」
「そんな、お礼を言うのはこちらのほうです。だれかを守るために戦うことができた。わたしもほんとうの騎士に近づけた気がします。ありがとう」
しずくは大事そうにポシェットにしまった。別れのあいさつをすませ、イリムは宝石龍の背中に乗った。
「じゃあね。気をつけてね」
「しずくもお気をつけて」
イリムを背中に乗せて宝石龍は飛び立った。しずくは姿が見えなくなるまで大きく手をふった。
手をふるのをやめてしずくは、次の町はどんなところか考えてわくわくしながら、ほうきに乗った。
「次の町にも助けを求めている人がいるかな?もしいたら、どれだけあぶないことでも力になろう。だって、それが旅の魔女の使命なんだから」
そしてしずくは宝石龍たちと反対のほうに飛んだ。
風の精霊たちはあまりからかわなかったためか、いつもよりふらつかないような気がした。
終わり
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