ストーカーな私は異世界へ行く

もちだもちこ

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異世界へ行く私はやはりストーカーなのか。

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翌日。
神様に爆笑されるという嬉しくない対話のシメから、久しぶりにスッキリとした目覚めで朝を迎えた。
机には120センチくらいの子供用ワンピースとキャミとパンツと短いスパッツと靴下。皮のブーツと厚手のマント、皮の肩掛け鞄の中には紙が二枚入ってて、見たことのない文字が書いてある。これが教会の紹介状かな。

「夢じゃないんだ」

与えられた時間は今日の夜九時まで。
まず行くのは学校。やりたい事があるから中退したいと言うと、単位が足りてるから手続きすれば卒業できると言われた。担任の先生にしつこく食いつかれたので、後日親が行くと伝えた。
親に国際電話をして、働きながら外国を旅したいと伝えると、特に反対されず卒業の手続きもやってくれると言われた。放置気味とはいえ反対されない私って……まぁ好都合だ。結果オーライだね。
マンションはそのまま、帰国した時の居住にするからそのままにしておいて良いとのこと。
「ありがとう」って言うと「頑張りなさい」って言われた。
もしかして放置じゃなくて、信用してくれてるのかな。ありがとうお父さん、お母さん。

問題は沙耶だ。
私は緊張しながら沙耶を呼び出した。
学校休んだ私を心配して、午後早退までさせてしまった。

「ごめん沙耶。早退させちゃって」

「いいよ、どうせ自習なんだから。それでどうしたの?良い事あった?」

なんで分かるんだろう…沙耶はエスパーか?エスパー沙耶…語呂がいい…

「なんか変な事考えたでしょ。麻衣子顔色が良いよ。安心した」

「そか、今日休んじゃったしね……あのね沙耶、私明日から海外に行くの」

「え?卒業は?」

「単位足りてるからギリギリ卒業できるみたい。手続きは親に頼んだ」

沙耶は下を向いた。怒ったかな。怒るよね。
散々世話になってて、恩知らずもいいとこだ。

「…………それが、顔色が良い理由?」

「だと思う。新しい世界に、私の生きる理由があるの」

「…………そっか。寂しいけど応援する」

顔を上げる沙耶。鼻を赤くして涙ぐんでるけど、精一杯笑顔を作ろうとしてるのが分かった。
私も泣きそうになる。グッとこらえて沙耶に問う。

「いいの?」

「その生きる理由っていうのが、麻衣子の幸せにつながるのならいいよ」

「つながるか分からないけど、今のままよりも可能性はあると思う」

「ふふ、麻衣子は正直だなぁ…無理したらダメだよ」

「うん。メールとか手紙は無理かもだけど、絶対に生きる。約束する」

「分かった。信じるよ」

沙耶と私は笑顔で握手して、そのまま抱き合う。
一緒にわんわん泣いた。
きっともう会えない。沙耶も感じてるのかもしれない。でも何も言わなかった。
私達はずっと親友だ。大好きな友達だ。
それは絶対に変わらない。




「別れは済んだかい?」

「はい」

「なら世界を渡るよ。あ、そうそう、僕は渡りの神。加護はどこの世界でも会話と読み書きができるってやつだよ」

「助かります」

「いやいや、助かったのはこっち。渡ってくれてありがとう。それでは良い異世界生活を…彼の居場所を教えられなくてごめんね」

神様ったら…大丈夫だよ。私には絶対分かる。

「あははははははは!!やっぱり君は面白すぎる!!」

またしても不本意な爆笑をされ、私は荷物を抱えたまま意識を失った。





「渡りの」

「なんだいガイア」

「お主、魅了されかかってないか?」

「え!マジで!?……本当だ。すごいなあの子」

「こっちでは、かの者に干渉しない規約を作っていた」

「確かに魂は強かったね」

「うむ。色々と申し訳ないと思ったが、渡りのが来ないことにはどうすることも出来ず…」

「まぁ、僕は唯一の調停者でもあるからね。魂の調整案件が最近多くてさ…あの子には苦しい思いをさせたよ」

「あれは上位世界の魂だ。我らに近い。最近転生した者もそうだが、彼等は神に好かれすぎる」

「純粋なんだよね、魂の光が」

「何事も無ければ良いが…」

「うーん。まぁしばらくは見守るよ」

「頼む」

「堅いなぁ、ガイアは」



黒髪の少年は赤い目を光らせて姿を消した。
それを見送ったガイアと呼ばれた男は、静かに己の守る星…地球に目をやるのであった。



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