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そういうものだから大丈夫。
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途端に、自分から何かが吹き出すのが分かる。
やばい。どうしよう。
私ったら散々動いていなかったか?
ふとオルを見ると、私以上に真っ青な顔になっている。そう、彼は己の所業を思い出しているのであろう。ふははははって、言ってる場合じゃない。
「どうしようスクナビコナ!安定期とかそういうのってまだまだだよね!?ね!?」
「お、おい、俺の子って、だ、大丈夫なのかよ!」
「大丈夫なものかオルのバカ!イケメン!毎晩毎晩盛りおってからにぃー!」
「前々から思ってたが、そのイケメンってのは悪口なのか?」
「かっこいいって事だバカモノー!」
慌てる私達を呆れたように見ているスクナビコナとシナトベが、大きなため息を吐く。
「人の子エンリ、神々の加護を得ている人間の子を、神がやすやすと死なすわけなかろう」
「母子共に健康すぎるくらい健康であるぞ」
その言葉を聞いて、へなへなと腰砕けとなる私をオルが慌てて支えてくれる。そんなオルも冷や汗ダラダラだ。
ホッとしたところでオルが大声で叫ぶ。耳元でうるさい。
「今すぐ帰れ!実家に帰れ!」
「もーうるさいオルー。加護があるんだから大丈夫だよー」
オルの過保護モードがレベルMAXで発動している気がする。でも考えても見て欲しい。神様の力を借りまくっているにも関わらず、ここまで諸悪の根源に会えていないんだよ。
「オル一人じゃ荷が重すぎるよ。やっと奴らの近くまで来れたんだよ。私は召喚に集中して動かないようにするから、ついて行かせてよ」
「エンリ……」
オルは私を支えている状態から、向かい合って抱っこ状態にする。あ、降ろしてはもらえないんですね。
「大丈夫だって。日本の神様なめんなよーだから」
「ああ、分かった。ここで一人にするのも心配だしな。追いかけてきそうだし……」
「そうそう。一緒がいいよ。一緒が」
ニコニコご機嫌な私を複雑そうに見るオルは、日が傾き始めているのに気づき野営の準備を始める。そして当たり前のように馬車の中で服を脱ぐオルを見て、その姿をジッと見る。
いつ見ても格好良い。均整のとれた筋肉は鍛え抜かれていて「戦う」ことに特化した状態だ。そしてその全身を余すことなく私に見せつけている。
「オル様」
「何だ急に、その呼び方は久しぶりだな」
「なぜ裸なのですか」
「いつものことだろ?」
ニヤリと笑うオルの笑顔から漏れ出る色香に、一瞬意識が朦朧とする私だけどブルブル頭を振って立て直す。あかん。今寝たらあかん。
「いつもって、ダメだからね!子供がいるんだから!」
「分かってる。ほらこっち来い。冷えるだろう」
抗えぬ筋肉様の誘惑に逆らえるはずもなく、ふらふらポスーンとオルの胸筋に頬をすり寄せクンカクンカしながら布団に入る。高等技術だ。
「あのね、オル。なんか私イヤな予感がするの」
「お前の予感は当たる……だろうな。神子っつーくらいだしな」
「イヤっていうか、壮大な面倒臭い案件を押し付けられている気がするの。日本にいる時にもそういうのがあった」
「ニホンで、だと?どんな事だ。命に関わる事か?」
「友達の彼氏が私を好きだとか言ってきて、私はその人の顔も知らないと言ったら怒り狂った友達に部屋をメチャクチャにされて、その彼氏とやらは私を好きだっていう嘘をついていたという事が判明して、そこまでは良かったんだけど、実は友人の弟と二股されていたっていうオチで、実家を飛び出すわ男嫌いになるわの、友人のケアに五年かかったときくらいのイヤな予感がする」
「それは……どんな予感なんだ?」
「ごめん。よく分からない」
「もう寝とけ」
喉の奥でクックッと笑うオルは、私のつむじに音を立ててキスをすると抱き寄せる腕に力が入った。
「何でも来やがれ、だ。エンリは俺が守る」
その甘く掠れたバリトンボイスに蕩かされた私は、オルの香りに包まれてゆっくりと眠りに入っていった。
やばい。どうしよう。
私ったら散々動いていなかったか?
ふとオルを見ると、私以上に真っ青な顔になっている。そう、彼は己の所業を思い出しているのであろう。ふははははって、言ってる場合じゃない。
「どうしようスクナビコナ!安定期とかそういうのってまだまだだよね!?ね!?」
「お、おい、俺の子って、だ、大丈夫なのかよ!」
「大丈夫なものかオルのバカ!イケメン!毎晩毎晩盛りおってからにぃー!」
「前々から思ってたが、そのイケメンってのは悪口なのか?」
「かっこいいって事だバカモノー!」
慌てる私達を呆れたように見ているスクナビコナとシナトベが、大きなため息を吐く。
「人の子エンリ、神々の加護を得ている人間の子を、神がやすやすと死なすわけなかろう」
「母子共に健康すぎるくらい健康であるぞ」
その言葉を聞いて、へなへなと腰砕けとなる私をオルが慌てて支えてくれる。そんなオルも冷や汗ダラダラだ。
ホッとしたところでオルが大声で叫ぶ。耳元でうるさい。
「今すぐ帰れ!実家に帰れ!」
「もーうるさいオルー。加護があるんだから大丈夫だよー」
オルの過保護モードがレベルMAXで発動している気がする。でも考えても見て欲しい。神様の力を借りまくっているにも関わらず、ここまで諸悪の根源に会えていないんだよ。
「オル一人じゃ荷が重すぎるよ。やっと奴らの近くまで来れたんだよ。私は召喚に集中して動かないようにするから、ついて行かせてよ」
「エンリ……」
オルは私を支えている状態から、向かい合って抱っこ状態にする。あ、降ろしてはもらえないんですね。
「大丈夫だって。日本の神様なめんなよーだから」
「ああ、分かった。ここで一人にするのも心配だしな。追いかけてきそうだし……」
「そうそう。一緒がいいよ。一緒が」
ニコニコご機嫌な私を複雑そうに見るオルは、日が傾き始めているのに気づき野営の準備を始める。そして当たり前のように馬車の中で服を脱ぐオルを見て、その姿をジッと見る。
いつ見ても格好良い。均整のとれた筋肉は鍛え抜かれていて「戦う」ことに特化した状態だ。そしてその全身を余すことなく私に見せつけている。
「オル様」
「何だ急に、その呼び方は久しぶりだな」
「なぜ裸なのですか」
「いつものことだろ?」
ニヤリと笑うオルの笑顔から漏れ出る色香に、一瞬意識が朦朧とする私だけどブルブル頭を振って立て直す。あかん。今寝たらあかん。
「いつもって、ダメだからね!子供がいるんだから!」
「分かってる。ほらこっち来い。冷えるだろう」
抗えぬ筋肉様の誘惑に逆らえるはずもなく、ふらふらポスーンとオルの胸筋に頬をすり寄せクンカクンカしながら布団に入る。高等技術だ。
「あのね、オル。なんか私イヤな予感がするの」
「お前の予感は当たる……だろうな。神子っつーくらいだしな」
「イヤっていうか、壮大な面倒臭い案件を押し付けられている気がするの。日本にいる時にもそういうのがあった」
「ニホンで、だと?どんな事だ。命に関わる事か?」
「友達の彼氏が私を好きだとか言ってきて、私はその人の顔も知らないと言ったら怒り狂った友達に部屋をメチャクチャにされて、その彼氏とやらは私を好きだっていう嘘をついていたという事が判明して、そこまでは良かったんだけど、実は友人の弟と二股されていたっていうオチで、実家を飛び出すわ男嫌いになるわの、友人のケアに五年かかったときくらいのイヤな予感がする」
「それは……どんな予感なんだ?」
「ごめん。よく分からない」
「もう寝とけ」
喉の奥でクックッと笑うオルは、私のつむじに音を立ててキスをすると抱き寄せる腕に力が入った。
「何でも来やがれ、だ。エンリは俺が守る」
その甘く掠れたバリトンボイスに蕩かされた私は、オルの香りに包まれてゆっくりと眠りに入っていった。
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