小文草紙【しょうぶんそうし】

月輪 相 [つきのわ そう]

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寝て起きて

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 変な感じがするな、とは、思っていた。背中がぞわぞわするなあ、とか。節々がずきずきするなあ、とか。あっという間に熱が上がり、のどがひりつき、寝床から起き上がれなくなった。

 厳密に言えば、生活はできていた。だが、寝て起きて最低限のことをするのがやっと。昼夜を問わず熱にうかされながら思った。ああ、これが「寝つく」ってことかあ。確かにこれは、辛い。辛いぞ。

 なんやかんやの事情があって、寝ついた本人も苦しいだろうが、周囲で見ている人たちも辛いだろう。快復してほしいと思うのが人情だ。お見舞いには避けるべきものがあるという言い伝えの意味が、体にしみてくるようだった。

 楽に動けるようになるまで、約1か月ほどの時間がかかった。ひとつだけ、いいことがあった。きっちり熱を出したせいか、疲れがすうっと抜けていた。風邪の菌と闘った体のおかげだ。ありがたいことだ。

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