英傑は腫れ物扱いで、場内から煙たがられ産まれ出た。

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 序章

 魔王・産声

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 其れは在る、晴れた夕刻時で在る。
魔王城に勇者達が攻め込んで来たのだった
 勇者は有りとあらゆる戦闘魔法と、剣技を駆使して、魔王城王宮の魔王の間に迄攻め込んで来た。
 其れはこの世の未来を暗示する戦いで有ったと、後の書物に記載されて要るが、今現在では、やや魔王が1歩リードして、戦闘を繰り返す。
 勇者は雷鳴魔法を剣に纏わせ、自身には加速ブーストセンティブブースト身体強化アクティブブースト魔法防御マジックブースト攻撃無効アタックインヴァリド一定時間体力回復魔法リジェネレージョンとバフなどを駆使して、魔王に迫り来る。
 だが漆黒のマントに顔も隠された魔王は未だに、王座の上に座り、其れを見ているだけだった。
 王座の前に出て来る、四天王と呼ばれる『ニャン吉』・『ニャン丸』・『ニャン五郎』・『ニャン助』の四天王は、勇者達4人と対峙する。
 全員が猫の姿をした、四天王達は、人型の者達をまるで、蝿や蚊が来た程度で、対峙するのだ。
 勇者達は、戦士系『ヒグラシ茅蜩敬司』・モンク系『マエノ前之真希』・勇者『タンノ堪能没地』・ヒーラー系『ルイ』瑠衣紗代子と呼ばれる、モブ系勇者達で有った。
 本来ならその強さは、明らかに次元の違う強さで、有ろうが、此処に至っては、小動物程度の様に思える。
 どんなに頑張っても超えられぬ壁の様に、明らかに違う攻撃力と途方も無い防御力を纏わせ、少量の戦力アップでは、太刀打ち出来ない戦力差が、目に見えて有った。
 本来なら此処の魔王など、戦闘はしないので、勇者一行は来なくても、他の魔王を倒し、世界平和を考えた方が、良かった様に思える。
 だが勇者は、強い魔王に挑んでしまったのだ。
 そう、瞬殺と云うか、相手に一撃も入らず、そのまま帰還して行ったのだ。
 そして二度と戻って来る事は無かった勇者達で有る。
 最初頃は、その強さに奢り、勝ち進む勇者達だが、魔王四天王と、対峙したら、勇者達はボコボコにボコられ、そのまま帰還魔法に寄って帰る道を選んだ。
 勇者タンノは、帰り際に1言。
「次こそは、魔王よお前を倒す。」
 などと息巻くが、次の勇者達はまた違う者を、勇者として襲って来るのだが、其れはまだの話で有った。
 全く息を乱さない、四天王達は、勇者が消えた事を見、そのままひる帰って、魔王の王座を見ながら、膝を折り魔王に向かって、頭を垂れる。
 魔王は1言。
「今回ご苦労で有った、皆の者達労をねぎらい、戦勝会を…。」
 食堂の料理長が、後の扉から出て来て、言うのだった。
「魔王様、四天王の皆様、戦勝会の御準備が整いました。」
 まるで戦闘が、直ぐにも終わる事を、分かっていた可の様に、料理長が皆を呼びに来たのだ。
 魔王は、話の腰を折られ、顔に手で拭う様な仕草をする。
 既に魔王城の食堂では、戦勝の為の料理が用意され、今まで戦った者達も揃って、既に宴が模様されて居た。
 魔王は他の四天王達と共に食堂へ向かって行った。
 戦闘で傷を追った者達者、全員食堂に詰め掛け、まるで単なる料理を堪能する可の様に、揃いテーブルに出てる料理を、むしゃぶりつく姿は、流石猫達で有った。
 魔王が宴席に座ると、皆グラスを掲げて、一層大きな声で、祝事を言うのだった。
「おめでとうございます、流石魔王様」
「戦勝おめでとう、流石魔王様」
 その他の者達も、笑みを浮かべ、戦勝を祝った。
 グラスを片手に、魔王は浮かない顔をして、周囲を見回す。
 周囲には、猫の魔物達が、至る所て談笑を楽しむ、周囲の壁はひび割れ、調度品なども壊れて、壁の四隅に放置されていた。
 天井もあちらこちらに、穴が空き、見渡す限り、戦闘の痕跡が残ってて痛ましい。
 テーブルも在る場所は良いが、潰れた場所も少なく無い。 

 勇者達が残した、戦闘の傷跡を一生懸命治す猫達、魔王はその中王座に座って、指示を出して居た、そんなある日。
 文官の1人が、魔王に陳情をしてきた。
「私は官僚の部武官、政務職、執務次官ですが。」
(やけに長い名前だなぁ。)
「で、執務次官が何用か。」
「では失礼ですが、魔王様、今は太平な時期です、人材が少なく、復興の人手が足りません。
 魔王様も、復興をお手伝い出来ないてしょうか。」
「我がか。」
「魔王様程の、力をお持ちなら、復興も早く終わると、思うのですが、如何な物でしょう。」
「我寄り最適な人材は、居よう、我が手伝ってのメリットも少なかろう。」
「いいえ、魔王様は庶民に称えられ、その為庶民のやる気を向上します。
 出来る範囲のお手伝いで、他の人達のお手本に成られたら、復興も捗る事と思います。」
 などと魔王は文官に言いくるめられた。
 魔王が魔物の城下町で、仕事を探す事に成った。
 始めの頃は、皆一様に魔王様と、簡単な仕事に声掛けたが、徐々に皆の手を引っ張る事で、魔王の評価が、株価の様に、滑り落ちて行くのだった。
 至る所で、魔王がやらかした、被害が持ち上がる。
 家の扉半壊が10件・家の棚を崩壊6件・家の納屋半火2件・露天商揉め事12件・居酒屋から冒険者と被害報20件などと、落ち込む魔王で有った。
 事件はその後、1人の農民から持ち上がる。
 魔物が魔物集落農村部に侵入、それの駆除を冒険者に頼むが、冒険者が太刀打ち出来ず、暇な魔王に話が舞い込んで来た。
 魔王は話を聞いて、魔物の駆除に駆り出された。
 猫の戦闘員が、数十匹魔王と共に現場検証。
 猫の戦闘員1人が何かを発見。
(ネズミ獣の足型かなぁ。)
「隊長~ネズミ獣の足跡の様な、物を発見致しました。
 食料品を根こそぎ食べてる形跡と、食い散らかした食料品が散乱してます。」
 「よし、空かさず周囲を探索。」
 空き家の1角、壊れて打ち捨てられた農機具小屋に、無数の足跡と、何かを引きずる痕跡を確認。
 その中には、大きなお腹を見せた、巨大野鼠が、数十匹のネズミ達を引き連れ、我が物顔で、食料品を食い散らかしてる。
 如何見ても魔王配下では、無い事も確認した一同は、巨大野鼠を囲む様に、周囲に魔王配下の猫達を配置する。

 さてその頃王国内では、時期王女出産で、途方も無い時間が、女王は体力を減らし、複数の魔術師と回復師が王女の体力を、回復する為に、奔走していた。
 だが何時間経っても、1項に生まれる気配が無い、ほぼ全員が王女の出産は絶望的と、判断をする程の、気配を漂わせるのであった。
 その頃別次元では、1人の女性が神の御膳で、毒舌を巻く仕立てる。
「私は…って此処は何処よ、何故この様な場所に、確か映画館で映画を見た後、家に帰る前にトイレに向かっていた筈、で此処は何処よ。」
 目の前に見知らぬ人が、話し掛けて来た。
『貴方は異世界転移致しました。』
「えっ、何言ってるの、この人、頭可笑しいんでは無い。」
『私は至って平常ですよ。』
「全く、そんな事を言う、ソレ自体、イカれてる証拠よ」
『貴方、不敬罪でそのまま消し去りますよ。』
「又、良く分からない事を云う。」
 主人公は周囲を見渡す。
 白い空間、見知らぬ人以外は、丸で何処までも続く、空間と思える場所、2人だけで見つめ合う。
 主人公は降参の姿勢で、もう一度聴き直す。
「私、死んだの。」
『いいえ、そのまま此処に来て貰いましたが、その肉体は此処に置いて行って貰います、そして新しい世界で、暮らして貰います。』
(なんで私なのよ。)
『其れは、偶然今日貴方が、この時間、私の目に触れたから、選んで見ただけよ。』
「何がみただけなのよ。」
『其れは、ほんの些細な出来事、他の神々と、昼食中にって、此れは言わなくても。』
「何なのよ気になるんだけど。」
『貴殿には関係ない事よ、で、異世界行くの、行かないの。』
「既に行く流れで、話進んで無い。」
『そうねぇ、ではスキルを色々、私が見繕って、貴方の魂に刻んでおきます、後は貴方次第で、頑張ってねぇ。』
(なんだろ、この人、自身の事は何も言わず、トントン進んでしまったけど。)
「で、私は何をしたら良いの。」
『何でも好きにして、くださいねぇ、但し王国の…まぁ良いわ、したい事をしてください。
 では魂にして、と、肉体はこちらで預かるので、安心してくださいねぇ。』
 浮遊する魂が、光り輝くと何処かに消え去る。
「あれは誰だったのだろか、しかし釈然としない、私の身体如何するのよ、こんな場所に置き去りにされても、困るのに。」

 その後新たな魂の器に入る。
 魔法師達と、回復師達に見守られ。
 王国内では、女王から産まれ出たと同時に、母になる女王は帰らぬ者に成った。
 魔法師達と回復師達は泣き崩れる者や、抱き合う者と賛否両論で有った。
 医薬師達が主人公を高々と。
 主人公は産声を上げるのだった。
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