冥界の日記帳

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【 第一章 】

 冥界から来た者。

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 異世界で深淵を渡る強者が居た。
 其れは漆黒の衣服を身に纏い暗い闇に溶け込む様に魔法で異界から出て来た。
 正しく暗闇が似合う装いで、異様な長身で上から人を見下ろす様な感じで在ったが、足元は宙に浮く感じでも在る。
 そのまま歩くのでは無く、浮遊して進む
 姿勢は右足を前に、そのままで在る。
 そしてピタッと立ち止まる。
 手には何も無いのだが、手を上にかざすと、背後から4人の異様な集団が同じく出て来る。
 1人1人は小柄で有るが、周囲を威圧する様な(オウラ)を醸し出す風貌、明らかに先に来た者より※不意粋ふいいきが悪く、今にも人を襲い掛かる様で、側には行きたく無い様子で在った。

  先頭に歩く【キル・ギス】と呼ばれる若者が此処のリーダーで在ろう事が覗える。
 顔は黒く見えて、普通の人では無いと、ひと目で分かる者で有る。
 ただ、腰から短剣が付き出て居るのにもかからず、そのままの姿で此処まで来た様子に、仲間たちは話し掛ける。
 最初に【エルスト♡】獣人の女が1言。
「キル、ギス大丈夫、此処まで来たのなら、もう追っても巻けた筈、なのでその腰の短剣抜いた方が良いわよ。
 そろそろ先程の魔法の影響で、
痛みが増すはずよ。」
 【バルサ】ドワーフの漢が。
「ぞうじゃ、やせ我慢せずに、消毒して治して貰え。」
 【ポッカ】は横に座り食事の準備を仕出す為、釜戸を簡単に作り、薪でフライパンに魔法で火を 点け、狩りで採った魔物肉を焼きつつ、その横では細長い円筒の筒に革袋から水を注ぎ、乾燥した葉束の物を布に入れ、湯を沸かす中に投入して何度か上下に動かして取り出す作業をして居る。
 もう一人【ハイド】は焚き火を集め円形に組み立て、火をポッカに頼み薪をくべる。
 ポッカの荷物からエルスト♡が細長い鉄の棒をそのまま焚き火に入れる。
 いつの間にかキル・ギスは横に成り、短剣の刺さる傷を上に寝ている。
 ハイドは布をキル・ギスに咥えさせ、素早く短剣を引き抜くと、エルスト♡が傷を先程の棒で、短剣の場所に突き刺し引き抜く。
 そしてそのまま魔法治癒をかける。
 傷口は跡形も無く塞がるが、何故火で熱せれた棒を差し込んだのかがこの後語れた。
 バルサが話す。
「良く知ってたなぁ、短剣に毒が塗られて居た事が。」
 エルスト♡が微笑みながら語る。
「其れはそうよ、だって、異界の兵士が使う武器は、嫌がらせの様に、猛毒を刃物に塗る手練が多いと言われてるわっ、しかも城下で気おつけて見ても、兵士達が自身に毒が回らない様に、互いに相手との距離を取って、投げ付けるのだもん。」
 バルサが話す。
「その通り、良く気が付いた。
 有れを喰らえば、短剣と言えど引き抜くと毒の周りを加速する。
 毒だけでも厄介なのに、出血大サービスまで付くからのぅ。
 一旦組織を破壊して治す方が、荒っぽいが治りも早い訳だ。
 しかしあ奴らも、荒っぽい事をする、まぁ、儂らも人の城に侵入するのだからお互い様なのだがなぁ。」
 焚き火を挟んでハイドが話す。
「何故隊長は、あの城へ行くと言い出したんだ。
 あんな城、幾ら調べても何も旨味が無い筈なのに。」
 ハイドの後ろからポッカも賛同の様に話す。
「そうだ、やたらと警戒だけは厳重で、侵入路は複雑なのに対して良い物は無い、まるで監獄の様な作りで至る所に罠だらけだった。
 まぁ罠を解体、その部品は全部頂いたけど。」
 皆一様に笑う。
「ワッハは。」
 バルサが今回の事を語る。
「まぁ、何だな…。
 今回は相手も悪かったが、あの警戒は奥にお宝が眠ると、また隊長が聞いて来たのでは。」
 長い事押し黙る隊長のキル、ギスが顔を上げ、話す者達に言う‥
「彼処には、少し因縁絡みでなぁ、その昔俺が捕まった時に隠した、宝剣が有るんだよ、そのまま似しては勿体ないので、取りに向かったんだが、手前で敵に見つかって仕舞った訳さ。」
 バイトが関心した様に。
「へぇ隊長、彼処に何で居たんだ。」
 バルサが茶化す。
「ばかぁ、女に決まってるだろ。」
 エルスト♡がキル・ギスの手を抓る。
 声さえあげぬが、痛がるキル・
ギスだった。
 ポッカが出来た食事と煎じ茶を各々に出す。
 そのまま空いた席に座る様に、自身の食事、煎じ茶を地面に置き、話の和に加わる。
「そして隊長本当は、何なんだ。」
 キル・ギスは煎じ茶を口に、飲み干し、手元にコップを置いて、また静かに眠りに付いた。

 若かりし頃のキル・ギス。
 冒険者ギルドの前に1人立ち、ギルドを眺める様に、辺りに居る人からは避けられた様に遠巻きにして過ぎて行く人達。
「初めが肝心だなぁ、今日から冒険者として頑張らねば。」
 冒険者ギルドの入口から中に入って中に居る人達から、値踏みされる様に、見られているのだろう。
 複数のチームを組んだ冒険者達が、テーブルを囲み、あるいは椅子に腰掛け、異様な『オオラ』を醸し出す、独特な不意息で空気が読めない。
 だが徐々に新人を見る人達は、又互いに仲間との語らいに戻る。
 ギルは逸れらの人達を見ないまま、ギルドカウンターに向かって歩みを進める。
 受付の者は比較的小柄な女性で、穏やかな人…の様に感じた。
「こんにちは、今日は何を。」
 ギルはカウンターの上に載せられた受付嬢の手を掴み1言。
「可愛い、俺の嫁になってくれ。」
 受付嬢の人は、1枚の紙をテーブル下から取り出しにこやかに。
「此処にご記入をお願い致します、そして此処を出て、2度と立ち寄らないでください。」
 と軽く話題を交わす。
 書類には葬儀場所が書いて在った。
 ギルを取り囲む様に、他の漢達が腕を抑え、引き摺る様に出口に向おうとする。
 腕を振り解き、ギルは受付嬢に言う。
「いやいやいや、本当に綺麗な受付嬢だ、私は………。」
(いやいやいや冒険者やるんやん。)
「私は冒険者になる為…。」
 他の冒険者達に外に出されました。
 可成り大きな漢が、1人残りギルを上から覗き見る様に言い放つ。
「我々の受付嬢に手を出しただけでは無く、受付嬢を誘惑するとは不届き者目、此処より早々に立ち去れ。」
 ギルは立ち上がり、その漢の言葉を無視する様に、又ギルドに入るが、ギルの首筋から肩に漢が手をかけた。
 ギルは指先で摘むと、そのまま漢を薙ぎ払う様に、倒してしまった。
 ギルド中から仲間の声。
「どうした『ゴドウイン』大丈夫かぁ。」
 漢は受け身を取らなかった為、その場で脳震盪のうしんとうを起こして口から泡を吹いて倒れた。
 ギルドから慌てて出て来る仲間と、ギルに対して手を出す者。
 ギルはそのまま手を出す者の襟首を摘むと同じ様に、投げ飛ばす。
 二人目も同じ様に泡を吹いて倒された。
 他の仲間はギルの顔を見て、捨て台詞の様に。
「お前の顔は覚えたからなぁ、今度有ったら覚えておけ。」
 その後2度と絡んで来る事は無かった冒険者達であった。
 他の冒険者達は、もう一度入って来るギルを見て入るが手を出す者は居なかった。
 受付嬢は男性に変わって、カウンターに立って居た。
 
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