気ままに…スライムの冒険…

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 本編【第四章】 集う者達………。

 ナスだけに困ったナス。

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 勇者とは、何故にナスと今更ナスを誇張しても余り締まらないナス勇者。
 キリュウが帰って来るまで待つしか手立てが無いので在る。
 仕方ない此処に攻めて来る敵も少なく無いので、そろそろ人を増やす算段を致しましょうと、街の中逸れらしい人々に声を駆け回るナス勇者とアッィー達が探索してました。
 そして賢者の話を耳にする。
 何でも賢者と呼ばれる人が此処には昔から居たのだと、それは遥か昔に遡る事、数百年前に古の力と名声を持って生まれたが、国王が言う事には。
「お前要らないや、だって賢者ってアレだろ、嘘で人を操り人形の様に欺く人種の称号で、出来ない時は他の人の性にしたり、出来たら出来たで自身の功績って言う人だろ。
 その様な人を見下す人は、我の部下には相応しく無いし、幾ら有能でも使われる人も嫌だろ。
 困った時はハイそれまでって逃げられても、敵に寝返らないとも言えないし。
 言う事聞かなければ王が非難を受けるでは無いか。」
 玉座の下で賢者と呼ばれる者は、王の言動を聴きながら、腸が煮えくり返る様に、憤慨して王座の間寄り出て行った。
 その後この国には、賢者と呼ばれる者はひっそり暮らす事であった。
 と賢者本人が言うので在った。
 賢者と言う寄りは単なるお年を召したお年寄りで、人族の中では既に還暦を済ました様な人であった。
 杖はくねった物を使い、立ってるだけでもやっとと言う有様で、白髪でよぼよぼな成りをする。
 ナス勇者は明らかに相手にする事を拒む様子だが、アッチーはこの者の本来の有り様に気が付いて居る様で在る。
 「私を呼んだのは貴方達で、なんぞ御用が在るのだ………。」
 アッチーは事の明細をはなす。
 「なるほどのぉ~。
 じゃが我は既に年老いた、若手の育成もして居らぬ故に、我の代わりになる様な若者でも居ればなぁ。」
 アッチーは愕然としたが、ナスの勇者は魔法使いを思い出す。
「あっ、居るかも知れない。
 でもなぁあの魔法使いは、醸すオオウラが、半端なく怖いんだよねぇ。」
 アッチーは藁おも掴む気持ちで、勇者に問い質す。
「其れは何処の魔法使い。」
「私と魔王を倒す時にはぐれて、今は、何処に居るかは分からない。」
 賢者はアッチーとナスの勇者に後を任せ、自身の家で昔の魔法書物を探してました。
 勇者とアッチーは、魔法使いを探しに、事情を知りそうな人々に会う為、隣街まで出掛けた。
 隣街までの道中、魔物に襲われ爆発に巻き込まれ、槍や矢に追い立てられつつどうにか、隣街に到達。
 街では城門から領主館まで、金品を毟り取る人達がわんさかと出て。
 勇者がポツリと呟く。
「な、何なんだ此の街特有の盗賊達は、少し歩けば棒に当たる以上に当たるんですけど…。」
 アッチーは無言で進む、右手から盗賊、左手から殺人鬼風の山賊、前からはならず者の騎士崩れが迫って来る。
 しかも騎士崩れは複数の隊列を組んで、向かって来るのが見て取れる。
 其れ等を、軽く捻る勇者とアッチーでは在るのだが、流石に数が多く、しかも此方にはメリットが無い事で、気力も失せるのであった。
 勇者が言う。
「切りが無いでは無いだろうか、このままでは、じり貧で…。」
 と言うその時、黒い影の集団が、あっさりと山賊、盗賊、ならず者などを倒してしまった。
 そして何も言わず立ち去る。
 アッチーはポツリと言わずにおられなかった。
「か、格好良すぎやんか。」
 勇者と、アッチーは顔を見合わせ、しつぜんと笑い出した。
「ワッハはは。」
 魔物達がならず者達を倒す姿に、込み上げる笑いである。
 それだけなら良いが、ならず者達はスタコラサッサと、間抜けにも逃げる姿が笑いを誘った。
  領主邸まで来たアッチーと勇者は、広大に広がる邸宅内の敷地を眺めつつ、屋敷に向かう。
 屋敷では奇麗に剪定された木々や、庭木、噴水など豪華絢爛に贅の極みとも云われぬ程、贅沢な作りであった。
「何処から集めるんだよ、こんな贅沢品。」
 まだ観えぬ邸宅を他所に、庭を見ただけで、その贅沢差がうかがえる。
 既に3ヶ所の犬小屋魔物ハウス召使い住み込みで働く人の家を見て中から魔物ケルベロス風の魔物に襲われつつ、本宅まで進む。
  小高い山を思わせる、邸宅居城が見えて来た。
 アッチー、勇者はただ驚くばかりであった。
 入口には暴漢撃退様に、棘の様な外壁で覆われ、生々しい血溜まりまで有り、人の侵入を阻む様式で、堅固な要塞を思わせる。
 地面にはそこかしこに落とし穴が配置され、沼の様な城池が巡っていた。
 壁には何か落とした様な気配で、異様な臭気も漂う。
 アッチー、勇者は此処に入るのかと懸念する様に、入口に向かう。
 重厚な門の前、異様な入口が前を塞ぐ。
 勇者は喉を鳴らす様に、唾を飲み込み、その緊張がアッチーにも伝わる。
 今直ぐでも帰りたいアッチー・勇者の心と裏腹に、意を決めて突き進む。
 入口に人影が見えた。
 鎧をまとい、手には長槍を携え、門を守る様に居た人物にアッチーが話しかけた。
「あの、申し訳ないのですけど、領主に…。」
 話し途中で門を守る人が槍を構え直し、淡々と話す。
「領主様に何かご御用ですか。」
 今度は勇者が話しかけた。
「領主に聴きたい事が有るんだが。」
「なんだ、我が領主に対して不遜な口の聴き方は、その様な態度で、我が領主に話しとは、無礼千万では無いか。」
(いやいや無礼千万は貴方だろう。)
 勇者は怒って話を、切り辞めた。
 残るアッチーが渋々話す。
「連れが無礼な事を言いました、私達は領主に……様に…。」
(なんだろう面倒だねぇ。)
「聴きたい事が在りまして。」
「分かったから要件を言え。」
(上から目線だなぁ。)
 不貞腐れる勇者を他所にアッチーは事情を何とか話し、領主には会えずとも、魔法使いの情報は聞けた。
 そのまま領主屋敷を後に、アッチー・勇者は、賢者弟子を求めて魔物の砦に向う事になった、その為一旦ワープで元賢者邸に戻って来た。
 アッチーは元賢者と話す。
「場所は分かりました、で賢者様の方は何か掴めましたか。」
 元賢者は手に古ぼけた杖と、書物をアッチーに手渡して。
「此れをアッチー、ソナタが認めた者に託してくれ。
 杖は常人の2倍、いや5倍の魔法力で攻撃出来る杖だ、書物は魔法を極めし者に新たな希望を授ける事が書かれている。
 其れ等を授けるので、使ってくれ。」
「はい、有り難く使わさせて貰います。
 新たな希望の賢者を求めて、魔物の城に行ってみます。」
「うむ、その粋きじゃ、頑張る事じゃよ。」
 元賢者はそのまま掘りごたつで背を丸くして寛ぐのであった。
 逸れを見ながらアッチーは元賢者の家を後に、勇者と共魔物の城へ向かって行った。

 その頃トンちゃんは、大規模魔法を使い、仲間の魔物達を回復していた。
 その規模は小高い山城を覆う程、広範囲に展開され、周囲の草花達まで回復していた、だけでは無く攻撃力アップ、防御力アップ、デバフと魔法力回復など様々であった。
 逸れを無詠唱で、軽々とする光景に、仲間達はトンちゃんを拝み奉ったので在る。
 魔王の手先達は、苛立ちと混乱で攻防が繰り広げられています。
 

 
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