夜が長いこの世界で

柿沼 ぜんざい

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-第25夜- アルヴァロア・リカード

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  そう優しく出迎えてくれたのは不運にも狼の殺害対象として選ばれてしまった。アルヴァロア議員だった。新聞やチラシで何回か見たことがあるが、こうして直接、目に入れるのは私も初めてであった。

 (……新聞で見るよりもずっと若く、ご自慢の白髪の方もまだ頭に多く残っているな。写真写りが悪いかたなのか?実物の方がよっぽど素敵な人だ)

 議員の見た目に少々気になる点が幾つがあったが。実物は実物。写真は写真と。自分の中で割り切ることにした。

「これはどうもアルヴァロア・リカード議員。お目にかかれて光栄です。私の名前はイアン・トルコ……」

 イアンが右手を前に出そうとしたが彼はそれを見向きもせず、私の前へと立った。

「……あの、何か?」

 私の問いに彼はとても機嫌が良さそうな表情かおで答えた。

「君が噂の“赤ずきん”君か。その活躍は私も聞いている。まさか、こうして直接、お会い出来るとは思わなかった……お目にかかれて光栄だよ“赤ずきん”」

 私は差し出された彼の手を嫌々ながらもしっかりと強く握り、こう返した。

「”赤ずきん”では無く、サテライト。サテライト・ヴィル=アストレア。教会本部の聖職者プリーストです。こちらこそ議員にお会い出来て恐縮に存じます」

 すると議員は少し驚いた顔で「これは済まないなアストレア。明日はよろしく頼むよ。所で君の階級は何なのかね?君程の器ならさぞ、高位の位置を確立している筈だ」と言ってきた。

 そう、変に期待されては答えられるものも答えられない。口を開くのが少し重かったが私は正直にそのことを告げた。

「私には階級なんて大層なものはありませんよ議員。下民の出身です故……」

 察しの良い議員は「そうか、それは悪かった」とだけ言って、我々を私室へと案内してくれた。

 彼の部屋のソファへと腰を下ろすと議員は「何か冷たい物でも飲むかね?それとも温かい物にでもしておくか?」と尋ねてきた。

 私は「いえ、お構いなく」と言ったが即座にイアンが「せっかくなんだ、頂かないと失礼だろ」と私に小声で言うとレーネが「そうですよ!先輩!ここはアルヴァロア議員の言葉に甘えておくべきです!」と言い、「ホットミルクココアかキャラメルたっぷりのロイヤルミルクティー、それとメープルシロップがいっぱいかかったホットケーキを4枚下さい!!」と大きな声で言った。

「おい、!」

 私よりも先にイアンが彼女を叱ろうとしたが議員は「まぁまぁ、いいでしょう。良しとしましょう」と微笑みながら彼を宥めた。この間、先程の2人のカラスはこの部屋の窓際で立ちながら、こちらを冷ややかな目で見つめていた。

「イアン、議員のお言葉に甘えるのではなかったか?失礼に当たるんだろ?」

 私の言葉に彼は口を閉ざした。レーネはと言うと、私のフォローにも特に気付く訳もなく無邪気に喜んでいる。

 不思議なものだ。普段、こんなにも子供みたいな彼女が、いざ狼を前にし戦闘へとなると一人の狩人へとなるのだから。

 まぁ、私も他人ひとのことを言えんのだがな。

 議員は彼女の要求通り、メープルシロップがたっぷりとかけられたホットケーキを4枚、部下に焼かせた。私とイアンは紅茶と軽い茶菓子だけ頂くことになった。

「すまんね、どうやらホットミルクココアは切らしてるようだ、ロイヤルミルクティーで良かったかい?」

 彼の言葉にレーネは「ノープロブレムです!議員」とだけ答えた。

「それは結構」

 議員は微笑みながらティーカップをすくう。

 それから私達は暫く談笑をした。それはとても、明日、人狼オオカミが襲撃をしに来るとは思えない程に。

 議員もまるで、人狼やつらから殺害予告を受けているとは思えないくらいに堂々としていた。

 話を切り出したのは彼からだった。それは彼の秘書であるエリッサ氏が空になったホットケーキの皿を下げ、紅茶のおかわりを持って来た頃だった。

「少し余談が過ぎたようだ。では、本題に入ろうか。皆も知っての通り、私は人狼から殺害予告を受けている。最初はよくあるイタズラの手の物かと思った。ほら、最近、そういうの流行ってるだろ?まぁ、イタズラならイタズラでいいんだ。それに越したことは無い。ならば、手紙の差出人を警務局に捜させればいいだけの話だからな」

 彼は再度、カップを手に取り口へと運んだ。一口それを飲むと話を続ける。

「だが君達も知っているだろう。ここ数日、似たような手口で政界の関係者や各業界の頂点トップに君臨するものが次々に殺されているのを……。奴らは根絶賛成派の要人にだけ目をつけ、大胆にも犯行予告を送り付けた後、殺害に至っている……まぁ、対象が対象だ。殆どの要人は殺された事を密かに隠蔽され、その事が外部に漏れることはなかったがな……」

彼はまた茶をすすった後、それを皿の上へと戻した。

「近頃、似たような手口で要人らが葬られていることは私も知っています。しかし、まさかこれが人狼の仕業とは思いもしませんでした……」

 どうやらイアンは知っていたようだ。

 私と隣で座っていたレーネが私の赤い裾を引っ張る。

「どうした?」

 小声で彼女に尋ねるとレーネも私に合わせた声で「この一件、全く知らなかったんですけど、先輩はしってたんですか?」と訊いて来た。『なんだそんなことか』と思いつつも私は「あぁ」とだけ静かに嘘を吐いた。

 勿論、私も知る由もない。一体、イアンはどこでそんな噂を知ったんだろうか?

 まぁ、さして興味など無いがな……。

 私もいでもらったお茶を一口飲むとそっとそれを皿に戻した。

「しかし、このていたらく。教会の意識の低さがとても分かりやすく見受けられますな」

 相変わらず白銀シルバーの男は嫌味ばかりを言ってくる。彼の近くにいるショタ野郎も静かに頷いていて、妙に腹ただしい。

「どういうことだ?」

 私が彼に問うと彼は笑いながら「この様子だと噂の赤ずきんも大したことは無さそうだな。まぁ、君達、聖職者プリーストは精々、我々の邪魔にならないように屋敷内を巡回していてくれ。このパーティー会場にお前達の席なんて無いからな」と嘲笑うかの様な表情で言ってきたのだ。



 * * *


「空きのティーカップをお下げ致します」

「あぁ、頼んだ」

 話が終わるまで席を外していた秘書のエリッサが、タイミングを見計らっていたのか話合いが終わると同時に空きとなったカップの回収にやって来た。

「では明日はよろしく頼むよ君達」

「任せてください」

「はーい!」

 同時に肩をポンと置かれた白銀の2人は勇ましく、とても朗らかな声で返事をする。

「ちっ、なんだよ……結局、俺達は補欠かよ……」

 負け犬みたいなことを言うイアンの声を聞き、議員は「とんでもない。勿論、教会の君達にも大いに期待しているよ……」とフォローを入れた。

 しかし、すぐに「まぁ、君達に出番があるといいがね」と付け足したのだ。

 イアンは小さく舌打ちすると、私達と共に彼の部屋を後にし、秘書に案内された待機室へと共に移動をした。

「ったく、白銀の連中もこの国の政治家もあんなのにしかいないのかよ……二重契約を結んどいて全く腹ただしいぜ」

 一人ベッドを占有しながら言う彼に対し私は「それよりもこの部屋にお前がいることの方が腹ただしいのだが?何故、女性2人の部屋に男のお前がいるんだ?悪いがお前に抱かれるつもりはないぞ?私もレーネも」と強く言い放った。

「知るかよ、んなの。俺はあの議員の秘書に着いてっただけだ。お前らとな。そしたら、この部屋だった……たまたま同じ部屋だった。ただそれだけだ」

「もしかしたら、あの議員って案外ケチなんですかね?二部屋に分けるのケチって私達の部屋を一纏めにしちゃったとか?んも~どうせ用意するならそこら辺はちゃんとしっかりして、最高級のスイートルームに泊まりたかったですね!待遇もより最上のもので!」

 レーネに関してはもう、どっから突っ込んでいいか分からなかった。

「まぁ、いい。私はこう見えても結構、睡眠にはこだわっていてな……眠りの妨げだけは絶対するなよ?」

「あぁ……」


 しかし、ここで新たな問題が発覚した。なんと私達に用意された部屋はシャワールームがなかったのだ。その上、トイレも1つで、洗面台もちっぽけなもの。オマケに鏡も汚れ傷付いていて、とても政治家が住んでいるような豪邸とは思えない部屋であった。

「なんだよこれは……蜘蛛の巣が張ってるじゃないか、ここ」

 イアンが天井の角っこを指さした。

「蜘蛛……?」

 またしても私はその言葉に無意識に反応してしまう。何故だか、最近になってが妙に懐かしくて仕方ない……。何かが……頭の片隅に詰まっていて、それがなんというか、あと少しで綺麗に取れそうな……そんな感覚に陥ってしまう。

 ボーッとしている私を心配の思ったのかイアンは「どうした?赤ずきん。ボーッとして」と近付いてくる。

「え?、な、なんでもない……」

 不意に視線を彼から床へと落としてしまった。

 (一体、なんなんだこの感覚は……あの日、あのトルグレムの友人の家に行って以来だ……蜘蛛に変な感覚を覚えるのは……一体、一体、なんなんだ?この気持ち悪さは……)

 得体の知れない気持ち悪さに襲われているとレーネが大きな声で私を呼んだ。

「ちょっと!先輩!こっち来てください、こっち!こっち!」

「?どうした?レーネ」

 私とイアンが彼女の元へと向かうとレーネは3段ベッドの方を指さして佇んでいた。

「どうした?」

「こ、この3段ベッド……1番上のベッドの底が抜けてるんです!穴が空いているんです!!!」

「「は?」」

 1番上のベッドをイアンに見に行かせた。梯子はしごの昇り降りが面倒だからだ。

「どうだ?イアン」

 イアンはこちらへと視線を落とすと何も言わず、ただ首を横にだけ振った。

「そうか……分かった」

「ど、どうするんですか?先輩!これじゃあ今夜、誰か一人は……」

「案ずるでないレーネ。簡単なことだ。誰か一人が床で寝ればいいだけの話だ。例えば……今、そこで梯子を降りてきている若いお兄さんとか、がな」

 彼の方を見ながらそう言うとその男は動かしていた手足を止め、首だけこちらに向けると「はっ?」と低いトーンで言った。

「冗談だイアン」

 そうは言うがあながち嘘でも無い。若干、本気だった……なんて言おうか迷ったが、面倒臭いことになりそうだから口をつぐんだ。

 それで結局、ベッドの問題は私とレーネが1段目で寝る事で解決した。イアンは私達の上の2段目だ。

 
 就寝時間、隣でレーネは静かな寝息を立てて寝ている。私はと言うと、何故だがすんなりと眠れずにいた。

 それもその筈だ。何故ならば、先程のについて一人考え混んでいたからだ。漠然とした何処か懐かしい様な記憶、あの感覚。それがどうしても気掛かりですぐに寝付けずにいたのだった。

 (前にもあったな……あれは確か、トルグレムの旧友の家の地下室での事だったか……?あの時も確か、ふと黒い蜘蛛を視界に入れた瞬間、見知らぬ記憶が脳裏あたまぎり、まるで走馬灯の様に、朧気ながらもフラッシュバックした……一体、なんなんだ?この気持ち悪い感覚は。この異様な感覚は……。それにあの記憶は一体……?) 


 この記憶が私の抜けている幼少期の記憶に関係しているのか、それは定かでは無かった。だが、その記憶の中で、2つ分かったことがある。

 1つは蜘蛛だ。黒い蜘蛛。それを潰している白い服装の女の子がいた。顔はボヤけていて分からなかったが、身体の大きさ的に5~8歳ぐらいであろう子であった。それをしている場所は多分、誰かの家の居間であろう。恐らくは彼女の家だ。
 そして、もう1つは対となる黒い服装の女の子が出てきたことだ。そちらも顔がボヤけていてハッキリとは分からなかったが、何やら蜘蛛を潰している白い服装の子に親しく話し掛けていた。

 会話はちゃんと聞き取れなかったが、何やら仲良さそうに話していた。その光景だけが第三者の視点で私に見えてきたのだった。

 (あの記憶は私に何を伝えようとしているんだ?あの2人の女の子は私が記憶を失った事と何か関係があるのだろうか?)

 こんな事を真剣に考えていると、2段目うえから声を掛けられる。

「おい。おい、赤ずきん。起きているか?」

 別に狸寝入りを決め込む事も出来た。だがどうせ寝られない上にそんなことを考えるのも時間の無駄だ。だから私は正直に「あぁ起きてる。なんだ?何か用か?」と彼に返した。すると彼は「やっぱりお前も寝付けなかったか……そうだよな、明日の事が気掛かり過ぎるよな」と勝手に分かった気になっている。

 声を大にして「明日の事よりも私はこの異様な感覚の方が気になる」と言ってやりたかった。けど私は「あぁ」と彼に合わせた。(まぁ本当は他にも理由があって、その理由がただただこのベッドの寝心地があまりにも悪過ぎるからってのもあるんだが……)

 腰を痛めながらも私はレーネを起こさぬよう、体勢を変え、抑えた声で上の住人に尋ねる。

「それで?何用?私は早く寝たいんだけど?」

「相変わらずツレねー奴だな」

「御託は良い」

 少しを間を開けて彼は「あぁそうかい」と仕切り直し、用件を話し始めた。

「さっき、黎鳥カラスが言ってた件だ」

「あぁ、って言ってたか?」

「あぁ」

「しかし、彼らは私達にその秘策について何も話さなかった。何分なにぶん、彼らは聖職者私達を信用していないからな」

「そんなこと別に今に始まったことじゃないだろ……先代の歴史が白銀彼らとの軋轢を物語ってくれている……」

「それもそうだな……」

 そう、私が最後に返してから暫く沈黙の時が流れた。静かな時が流れる中、隣でレーネが口を大きく開けながら馬鹿デカいイビキき始める。

 その余りの大きさにイアンも驚いたのか笑いながら「すげぇ鼾だなレーネ」と口を開いた。

「立て続けの任務で疲弊が蓄積していたんだろう。彼女の眠りを妨げぬよう、我々も寝るとしよう。どうせ、考えたって仕方ないんだ。秘策がなんなのか分からないが私達は私達で最善を尽くしかないだろう?」

「あぁ、そうだな」

 即答だった。

「ではなイアン。明日の検討を祈る。良い夢を」

「あぁ友よ。明日の活躍を期待している」

 こうして私達の互いに顔が見えない会話が終わる。正直、明日(今日)の任務ことは不安しか無いが、今は全てが上手くい事を祈る事しかなかった。


 今も尚、デカい鼾を掻いている部下を起こさぬよう、衣類が彼女の頬に触れないように細心の注意を払いながらベッドの置きスペースにあるランプを消灯して、私は眠りに就いた……筈だった。

「ぐあぁぁぁ~ふぎゅ~ぎゅあががががが~ぐぇぇぇ~」


 部下が私の眠りを妨げたのだ。

 流石にこれは私も頭に来た。上体を一気に起こした私は髪の毛を思い切り、掻きむしり、「レーネうるさい」と言ったのだ。

 だが勿論、彼女は起きることは無かった。私はランプに再び、明かりを灯し気持ち良さそうに寝ている彼女の顔を眺めながら鼻を思い切り摘んだ。

 (これで少しは……)

 そう思ったのはどうやら見通しが甘かったらしい。彼女は再び、その不快な音を発し始めた。

「……他に空き部屋無いかな?」

 本音が声として漏れてしまった。


 
 

 
 


 

 
 

 
 




 
 
 
 

 
 



 

 

 

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