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06. 封印の術と抑制装置
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こんな突拍子もない話、本来ならもっと警戒した方が良いのだろう。
俺だって術師の術を全て知るわけではないし。
けど――。鬼であるこの二人を……信じてみたい――。そう感じた俺は正直に問うた。
「どうこうするどころか。ぜひ協力を求めたい!」
「協力――?」
「あぁ!」
食いつくような勢いで、紺は続けた。
「俺たちはここで鬼の力に関する研究をしている。何故かというと、この時代では鬼の力を抑制することで人と共に暮らしているからだ」
「力の抑制――?」
術師の封印のようなものか……?
「コレだよ」
青柳が隣で左手首に付けている金色の腕輪を見せてきた。
確かに、何か力の流れを感じる……。
目を細めてよく視ると、それは術師の封印と似た力だとわかった。
なるほど……封印の術を込めた道具を作り、術師が直接封印を施さずとも良いような仕組みを作ったんだな――
「現在の、この抑制装置は解錠するのに数日かかる。そして鬼達の身体の負担も大きい……」
「負担――?」
術師の封印は、負担にならないどころか、封印できているのは“力の暴走”のみ――。
「鬼は常に、ある特殊な病に侵される危険がある。それがこの抑制装置の副作用だということはまでは判明しているんだ……。
あと、記録によると鬼は本来人間より体が丈夫で、病にかかることも極端に少ない。
そして何より寿命が長い――はずなんだ。ある文献によると、人の二倍は長生きだったらしい」
「二倍――⁈」
黒鬼以外の鬼の里があることは知っている。
けれど、黒鬼の存在……鬼と人との交配が禁忌で、秘匿されている関係で、交流がないことも――。
「他の鬼のことは知らないが、黒鬼の里では――寿命は人とそう変わりはない。だが、病になった鬼は見たことがないし、怪我の治りも人の数倍は早い」
「記録通り、だな! すごい。本当に過去から飛んできたんだなぁ、あんた――」
妙に感動しながらいう青柳。
「では封印の術で力を制限されていたというのも事実か?」
「あぁ。だが実際は、幼い子供の力の暴走を抑える程度の効果しかなかった」
「――それは本当か⁉︎」
「あぁ」
そこは記載されていないのか……そうすると、その記録は――
「そういう情報は見たことがないな。ということは……現存しているのは、人の側でまとめられた記録だったということだな」
「――!――」
紺は何を気にすることもなく、俺が思ったことと同じことを言い放った。
だがちょっと待て……この場所でそんな話をして良いのか――?
「まぁしょうがないんじゃないか? 常に時代の勝者とは、自分に都合の悪い情報は残さないものだろう?」
青柳はもっと際どいことを――!
「ちょっと待ってくれ――。
俺が言うのも何なんだが……人の術の気配のするここでそんな話して大丈夫なのか――?」
長といい、コイツらといい、鬼ってのは通常こういうものなのか⁈
俺が身を縮めて言うと、再び二人が驚愕の顔をして俺を見てきた。
「――黒炎、ソレがわかるのか⁉︎」
「どうやってだ⁉︎ その目に何か見えてるってこと⁉︎ それとも気配とか何かか⁉︎」
人の術なんかより、二人の今の勢いの方がコワイぞ。
「両方……だな」
何にしても時すでに遅しだろう……俺はため息を一つついて、返答した。
俺だって術師の術を全て知るわけではないし。
けど――。鬼であるこの二人を……信じてみたい――。そう感じた俺は正直に問うた。
「どうこうするどころか。ぜひ協力を求めたい!」
「協力――?」
「あぁ!」
食いつくような勢いで、紺は続けた。
「俺たちはここで鬼の力に関する研究をしている。何故かというと、この時代では鬼の力を抑制することで人と共に暮らしているからだ」
「力の抑制――?」
術師の封印のようなものか……?
「コレだよ」
青柳が隣で左手首に付けている金色の腕輪を見せてきた。
確かに、何か力の流れを感じる……。
目を細めてよく視ると、それは術師の封印と似た力だとわかった。
なるほど……封印の術を込めた道具を作り、術師が直接封印を施さずとも良いような仕組みを作ったんだな――
「現在の、この抑制装置は解錠するのに数日かかる。そして鬼達の身体の負担も大きい……」
「負担――?」
術師の封印は、負担にならないどころか、封印できているのは“力の暴走”のみ――。
「鬼は常に、ある特殊な病に侵される危険がある。それがこの抑制装置の副作用だということはまでは判明しているんだ……。
あと、記録によると鬼は本来人間より体が丈夫で、病にかかることも極端に少ない。
そして何より寿命が長い――はずなんだ。ある文献によると、人の二倍は長生きだったらしい」
「二倍――⁈」
黒鬼以外の鬼の里があることは知っている。
けれど、黒鬼の存在……鬼と人との交配が禁忌で、秘匿されている関係で、交流がないことも――。
「他の鬼のことは知らないが、黒鬼の里では――寿命は人とそう変わりはない。だが、病になった鬼は見たことがないし、怪我の治りも人の数倍は早い」
「記録通り、だな! すごい。本当に過去から飛んできたんだなぁ、あんた――」
妙に感動しながらいう青柳。
「では封印の術で力を制限されていたというのも事実か?」
「あぁ。だが実際は、幼い子供の力の暴走を抑える程度の効果しかなかった」
「――それは本当か⁉︎」
「あぁ」
そこは記載されていないのか……そうすると、その記録は――
「そういう情報は見たことがないな。ということは……現存しているのは、人の側でまとめられた記録だったということだな」
「――!――」
紺は何を気にすることもなく、俺が思ったことと同じことを言い放った。
だがちょっと待て……この場所でそんな話をして良いのか――?
「まぁしょうがないんじゃないか? 常に時代の勝者とは、自分に都合の悪い情報は残さないものだろう?」
青柳はもっと際どいことを――!
「ちょっと待ってくれ――。
俺が言うのも何なんだが……人の術の気配のするここでそんな話して大丈夫なのか――?」
長といい、コイツらといい、鬼ってのは通常こういうものなのか⁈
俺が身を縮めて言うと、再び二人が驚愕の顔をして俺を見てきた。
「――黒炎、ソレがわかるのか⁉︎」
「どうやってだ⁉︎ その目に何か見えてるってこと⁉︎ それとも気配とか何かか⁉︎」
人の術なんかより、二人の今の勢いの方がコワイぞ。
「両方……だな」
何にしても時すでに遅しだろう……俺はため息を一つついて、返答した。
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2021/05/29 公開
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