【鬼シリーズ:第四弾】黄鬼の子孫の物語 〜忘れられた大切なコト〜

河原由虎

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06. 異端の者

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 遠い昔、僕の一族の先祖たちも角を持っていたという。その頃の記録が多少残っているし、子供たちは皆、昔話や絵本でそのことを知る。
 けれど、そこから角なしの者たちが一般的になるまでの記録は、戦乱で焼失してしまっていた。

 血が交わり薄まるにつれ、角を持つ者は産まれなくなり。それと比例するように力を持つ者も減っていったのだろう、というのが通説だった。

 僕は一族の中でも力が強い方なのだけれど、ここではきっと無意味なほど小さな力になるんだろうな……。

 聞こえてくる彼らの会話から『黄色い髪』というより、自分達と違う毛色が珍しく感じているらしいことがわかった。
 あと、僕の背は彼らと比べるとかなり高いらしい。見るとほとんど……いや、そこにいる全員が僕よりも背が低い。朱夫よりも大きい、という驚きの声が沢山聞こえた。ほんの少し高いだけなのだけど。

 洞窟内の街のずっと奥、警備の者が立ち、特別な者しか入れなさそうな道に入るまで、人垣が途切れることはなかった。
 これだけのものに目撃されていれば、そう簡単に殺されることはあるまい……と、僕は少し安心する。

 さらに奥へと進み、いくつかの部屋らしき扉の前を通り過ぎた所にその牢はあった。

「ここに入っていてもらおう」

 ギィィイ、と音を立てて開かれる鉄格子。その向こうには、壁から伸びる二本の鉄の鎖にそれぞれ手枷がついている。

「ただの人間には不要かもしれんが、つけさせてもらうぞ」

 ここは……本来鬼たちの中で捕えられた者が入れられる場所なのか……
 
 朱夫は僕を壁のところまで連れて行き、手に枷をつけた。

「お前のことはこれから会議にかける。どういう取り調べがなされるかはそこで決まる」

 意外と慎重にやるんだな……と、少し意外に感じた。何故なら乗り込んできて布団を踏みつけたその様子から、気性の荒い者だと思っていたから。

「本当ならこのまま直接、その体に聞きたいところだがな」

 目の前に立ち、僕を見上げながら朱夫は言った。

 前言撤回――彼を抑止している『何か』があるらしい……その証拠に、ここにくるまで隠していたらしい、怒り、憎悪といった感情の嵐を、彼の目からも体全体からも感じた――――
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