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空の雲〜天界の天使の物語シリーズ〜

空の雲 12.雲絵師の仕事内容とその試験

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「ん? 何だ、言ってみな?」

「先輩達はどうして……大変な試験を受けて入った雲絵師部署からお迎え部署に……?」

 雲絵師の部署の仕事は、夜の部と日中の部に分かれているとはいえ、どちらかの部で最低五回の担当をこなさなければならない。

 立て続けに担当することもあり、場合によっては休憩の時間、助っ人に駆り出されることもある。

 彼等も言っていたように、確かに重労働かもしれないが、一年未満での職替えは禁止されているし、スカウトされたというのなら職替えの時期には申請をせず、一年以上は雲絵師だったことになる。

 そして雲絵師になるには指定された分量の雲を、一定のスペースへ時間以内に描く試験を通過しなければならない。

 白と黒のペンキの混ぜ具合と色具合で、その指定された分量で描くのは至難の業だと言われていて、お迎え部署の者達が通過する天使の梯子を、どのように入れるか、という指定が入る事もある。

 描くことが好きでなければまずその試験を受けようとも思えないだろう。

「そうだな……雲絵師の仕事は確かに好きではあるんだが、重労働ってことと休みが取りにくいってところかな……あと計画部署との──」

『軋轢に嫌気がさした』

 その天使達は皆雲絵師だったのか、そこにいた六天使全員の声がハモった。

「あれがなきゃぁなー。オレはまだ少し残ってたかもな」

「おれは残ってたな。今でもエンジェルロード通る時に空見ると描きたくなるからな……」

「ボクはそれがなくともこっちに来てたよ。最初からそのつもりで雲絵師になったからな」

「俺も俺も。お迎え部署はいろんな部署から業務に合いそうな者を厳選すると聞いて、エンジェルロードのことを知るならそれを作り出す雲絵師になるのが一番だろうと思ったからな」

 みんなそれぞれに理由があるのだけれど、計画部署とは昔からあまり仲が良くなかったのだな……とわかった。

「僕は今日大きな失敗してしまったんで……またその軋轢を大きくしてしまったかもしれません…………」

 そう言ってしょんぼりすると、六天使達は一息おいた後、大きな声で笑い出した。

「はーっはっはっはっは!」
「はっはっはっは! 君はまだ知らなかったんだな?」
「エドウィンも教えておいてやれよー!」

 え? 何? 何で? とキョロキョロ彼等の顔を見た後エドウィンを見ると……

「俺は何とも言えないな。そうだとは思ってないから」

 そう言うと、まだ残っているデザートのイチゴをフォークで刺した。
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