魔王の世界侵略物語

こーとー

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一章 出会い

3話 少年と少女

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 遂に妾は魔界を出た。妾の最初の感想は、
「何処じゃここ・・・?」
だった。
 15000年も時が経てば魔界の外の環境は変わっているだろう。前は森だったはずが今では荒地だった。あの時は森の番人とかいたっけ・・・。少し悲しくなってくる。森が無くなっているということは森の番人は負けたのだ。つまり森にあった村も・・・。
やはり村も無かった。家があったということさえ分からない。15000年の間に何があったか調べておくか。妾はそう思いつつ荒地を歩いて行った。
「しっかし、これは酷いのう。」
妾がそう言った時、何者かの声が聞こえた。
「・・・!」
妾は姿勢を低くし声の聞こえる方向へ歩いて行った。

 「お兄ちゃん・・・私達これからどうするの・・・?」
「安心しろ。お兄ちゃんが付いているからな。」
声の主は人間であった。この二人は兄妹のようだ。妾は子供なら人間だとしても優しい…はずもない。妾の手には魔剣が握られていた。
「忌々しい人間が・・・」
妾は小さな声でそう言った。
だが人間の子供は聴覚が良かったらしく妾に気づいた。
「誰かいるの?」
妹の方は泣きそうな目で妾の方を見ている。
「・・・人間?」
兄の方もそろそろ泣きそうだ。
そんな顔するなよ・・・妾の楽しみが増えていく一方じゃないか!
「ふふふ。妾は魔王じゃ!」
妾はそう名乗った、その瞬間。
「助けて下さい!」
妹の方が妾に抱きついてきた。
「僕からも・・・お願いします・・・。」
兄の方は妾に頭を下げた。
「はっ?妾はお前らを助けんぞ。殺しに来たのじゃ。」
「なら、僕だけ・・・妹は助けて下さい!」
なんじゃこいつは・・・。ここまで言われて殺してしまっても面白くない。こいつらを助けた後に両方殺すか。
「仕方ないのぅ。助けてやる。んで、何をすれば良いのじゃ?」
「僕たちの村を助けて下さい!」
ほお。つまり村を救った後に妾が村を滅ぼせば良いのか。
「・・・」
「魔王さん・・・?」
「良いじゃろう。妾の名前は魔王ではない。アリサだ。」
アリサそれはあまり思い出したくない昔の名前だ。だがこういう時にはそう言っておく。村の中で魔王さんなどと呼ばれては村がパニックになってしまい、面倒くさくなってしまうだろう。それは御免だ。
「アリサさんですね・・・私の村は帝国に強制的に加盟させられ大人は全員帝国兵になってしまいました・・・。帝国は大人がいないのを知っているはずなのに、大量の租を払わえと脅して来たのです・・・。」
想像以上に深刻だった。
「帝国・・・ここまで腐ったか・・・!」
多分今の最高軍事長のせいだろう。だがこのままでは帝国に村を滅ぼされてしまう。此奴らの村は妾が滅ぼすと決めたのだ。
「お主ら、名はなんと申す?」
妾はそう聞いた。
「僕はゲンで、僕の妹は、」
「ミズハです。」
「ゲンにミズハか、お主らの村を救ってやる。だが危険が生じる可能性は大じゃ。それでもいいか?」
妾は最後にそう聞いた。
「どちらにしろ、帝国兵に殺されるんだ。危険なんてどうでもいい!村を救って今までのような平和な過ごしをしたいんだ!」
ゲンは妾にそう言った。妾の目をしっかり見て。どちらにしろ妾が滅ぼすのだがな!
妾はそう思いつつゲンとミズハについて行った。
「それで、えっと・・・アリサさん、今気づいたんですが服を・・・」
「あっ」
忘れていた。今の妾は上半身しか隠してないやばい奴である。
「・・・これ着て・・・」
ミズハは妾に服を渡してきた。ミズハのリュックサックの中に入っていた服だ。妾はそれを着た。サイズは少し小さいが大丈夫だ。だがこれでは妾の褐色の肌がよく見えてしまう。この二人は妾の肌を気にしてないようだが・・・。
まあ、大丈夫であろう。・・・そう信じたい。でも、妾にとってはちょいとした遊びである。だが前言撤回したくなるとはこの時は思いもしなかったのである。
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