4 / 4
「推し」×「依存」
しおりを挟む
僕は彼女を殺してやりたい。
そのステージで輝く笑顔を、ぐちゃぐちゃに歪められたらどれだけ幸せだろう。
彼女の曇りのない眼が曇ってしまう瞬間はどんな時だろう。
そんな妄想をしながら、僕は黙ってペンライトを振り続ける。
いつかこの手で彼女を殺めてしまわぬように、心を落ち着かせるように彼女からのファンサを受け止めた。
彼女は僕の全てだった。
彼女の笑顔は曇った僕の表情を和らげる。
歌の歌詞でも、ファンサでもなんでもいい。
『好き』って言ってもらえることが本当に嬉しかった。
僕も好きだよ、彼女に向かって囁く。
好きだ好きだ好きだ。本当に好き。
好きすぎて殺してやりたい。
そんなことを思いすぎてバチが当たったのだろう。
僕はある日突然彼女に裏切られた。
ライブの帰り、男と歩く彼女を見た。
彼氏がいるのはいい。
だけどバレないように変装すればいいのに、そんなことも出来ない彼女のプロ意識の低さに、堪らなく嫌気がさした。
このまま殺してやりたかった。
もう訳が分からなくなって僕は走って逃げた。
家に帰ると僕の部屋には彼女のポスターやチェキ、アクリルスタンドがあって凄く凄く汚く見えた。
ポスターを破った。
アクリルスタンドを折った。
ぐちゃぐちゃになった彼女は、相変わらず僕の目には輝いて見えたが何故かとてもお似合いに見えた。
ぐちゃぐちゃでも彼女は綺麗だった。
綺麗なのが腹立たしい。
僕を狂わせた責任を取ってよ。
僕に向けた笑顔を返してよ。
僕の大好きな彼女を返してよ。
最後のチェキを握りしめた。
ふと中学生の時に読んだ文章を思い出す。
クジャクヤママユをこなごなに潰した彼はどんな気持ちだったのだろう。
苦しいか?辛いか?
なんでだよ、全部自業自得だろうが。
彼女も僕の手でぐちゃぐちゃになってしまった。
僕今でも彼女を殺してやりたい。
でもそんなことはできないから、
こっそり隠し撮りした彼女の逢瀬を、僕は彼女の事務所宛に送信した。
僕は彼女を殺してやりたい。
あのね、ずっとずっと僕だけが君のこと大好きだからね。
だから君は、
もっと歌って。
もっと踊って。
もっと笑って。
もっと好きって言って。
お願い、僕の好きを受け止めてよ。
そのステージで輝く笑顔を、ぐちゃぐちゃに歪められたらどれだけ幸せだろう。
彼女の曇りのない眼が曇ってしまう瞬間はどんな時だろう。
そんな妄想をしながら、僕は黙ってペンライトを振り続ける。
いつかこの手で彼女を殺めてしまわぬように、心を落ち着かせるように彼女からのファンサを受け止めた。
彼女は僕の全てだった。
彼女の笑顔は曇った僕の表情を和らげる。
歌の歌詞でも、ファンサでもなんでもいい。
『好き』って言ってもらえることが本当に嬉しかった。
僕も好きだよ、彼女に向かって囁く。
好きだ好きだ好きだ。本当に好き。
好きすぎて殺してやりたい。
そんなことを思いすぎてバチが当たったのだろう。
僕はある日突然彼女に裏切られた。
ライブの帰り、男と歩く彼女を見た。
彼氏がいるのはいい。
だけどバレないように変装すればいいのに、そんなことも出来ない彼女のプロ意識の低さに、堪らなく嫌気がさした。
このまま殺してやりたかった。
もう訳が分からなくなって僕は走って逃げた。
家に帰ると僕の部屋には彼女のポスターやチェキ、アクリルスタンドがあって凄く凄く汚く見えた。
ポスターを破った。
アクリルスタンドを折った。
ぐちゃぐちゃになった彼女は、相変わらず僕の目には輝いて見えたが何故かとてもお似合いに見えた。
ぐちゃぐちゃでも彼女は綺麗だった。
綺麗なのが腹立たしい。
僕を狂わせた責任を取ってよ。
僕に向けた笑顔を返してよ。
僕の大好きな彼女を返してよ。
最後のチェキを握りしめた。
ふと中学生の時に読んだ文章を思い出す。
クジャクヤママユをこなごなに潰した彼はどんな気持ちだったのだろう。
苦しいか?辛いか?
なんでだよ、全部自業自得だろうが。
彼女も僕の手でぐちゃぐちゃになってしまった。
僕今でも彼女を殺してやりたい。
でもそんなことはできないから、
こっそり隠し撮りした彼女の逢瀬を、僕は彼女の事務所宛に送信した。
僕は彼女を殺してやりたい。
あのね、ずっとずっと僕だけが君のこと大好きだからね。
だから君は、
もっと歌って。
もっと踊って。
もっと笑って。
もっと好きって言って。
お願い、僕の好きを受け止めてよ。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる