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悪役令嬢学園編
悪役令嬢はAクラスⅡ
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私は入学してから初めてのホームルームを受けるために教室に向かった。
悲しいことに一年生の教室は三階にあるため、私は一段一段が高い上に長い階段を上る羽目になった。
教室に入ると私が一番乗りだったようで誰もいなかった。先ほどまでは私の前を歩く人がたくさんいたのだが、私は教室を間違えたのだろうか。
黒板に席は自由と書いてあったので私は窓際の一番後ろの席を陣取り、他の人が来るのを待った。
「あの、お隣いいですか? 私、あまり勉強ができないので教えて欲しくて……」
「自由席ですし隣は別にいいですけど勉強は私も苦手なのでちょっと……って、えぇ!!」
私に話しかけてきたのはふわふわした薄いピンク色の髪をハーフアップにして、人形のようにぱっちりとした大きなピンク色の瞳をキラキラと輝かせてこちらを見る美少女。
「えぇと、あなたは確か校門で」
「ぶつかったフローラ=ブランです! あの時はうっかりしててすみませんでした! えーと、その」
「エルヴェラール=フィオン=インヴ……」
「そう! エルヴェラールちゃん! 実技試験もすごかったけど勉強もできてAクラスの一番なんてすごいです!」
ヒロイン怖い。何この子会うのは二回目だとはいえほぼ初対面の相手だというのにとてもテンションが高い。
私がヒロインに圧倒され、固まり、目を泳がせるといつの間にか教室の入り口には私たちの様子をじっと観察する人だかりができていた。見せ物じゃないぞ私は。
「あ、ありがとうございます」
フローラが席に着くと教室に人が流れ込み、男子はフローラを囲むように自分の席をとっていった。
反対に女子はフローラから距離のあるところに席をとっている。
「エル、俺が前でも大丈夫か? ここしか空いていないのだがエルが黒板が見えないのは困る」
「ヴォルグおはようございます。私のことはお気になさらず。黒板は斜め前からよく見えますから」
「それって遠回しに僕が小さいと言っているの」
私の前にはヴォルグ様、斜め前にはウィルム、その後ろつまりフローラの隣にレオン殿下が席をとっている。
ちなみにアルムは私の対角線上の一番前の席だ。一度目があったがすぐにそらされてしまった。
「いいえ? ウィルム=ドーラ=マクレーン様は別に小さくはありませんわ。高いヒールを履かなければウィルム=ドーラ=マクレーン様の方が私よりも大きくてよ」
「フルネームで呼ぶのとその気味の悪い宮廷言葉やめてもらえる?」
「ヘイウィルム!」
「そういうことじゃない!」
このお嬢様口調は宮廷言葉というのか。覚えておこう。
「ねぇインヴ」
「はいはいみんな席に着いたねー?」
レオン殿下が私に話しかけようとしたようだが先生の登場により阻止され、レオン殿下は不満げな顔をした。
「今日から君たちの担任になることになったアレンディスト=ソーロンです。専門は経済学で趣味は経済学について研究すること。よろしく」
出た。アレン先生。乙女ゲームではただの経済学の先生だと思っていたのだがまさかこちらでは担任になるとは。
「あ、そうそうSクラスの四人組は経済学とマナー以外の授業は必修じゃないから好きなクラスの好きな授業を見に行ってもいいし自分の進路に合わせた勉強をしてもいいからね。あ、でもエルヴェラールは演習場出禁ね」
「はい?」
「あ、今反応したのがエルヴェラールでいいのかな? いやぁなんか演習場で君を野放しにするのは危険だから同伴者がいない場合は出禁ってこの紙に書いてあるんだよね。まあ、どうしても行きたければSクラス面子を誘うかカールについて来て貰えばいい話だからさ」
そんなにいい顔でサムズアップするのはやめてください先生。
悲しいことに一年生の教室は三階にあるため、私は一段一段が高い上に長い階段を上る羽目になった。
教室に入ると私が一番乗りだったようで誰もいなかった。先ほどまでは私の前を歩く人がたくさんいたのだが、私は教室を間違えたのだろうか。
黒板に席は自由と書いてあったので私は窓際の一番後ろの席を陣取り、他の人が来るのを待った。
「あの、お隣いいですか? 私、あまり勉強ができないので教えて欲しくて……」
「自由席ですし隣は別にいいですけど勉強は私も苦手なのでちょっと……って、えぇ!!」
私に話しかけてきたのはふわふわした薄いピンク色の髪をハーフアップにして、人形のようにぱっちりとした大きなピンク色の瞳をキラキラと輝かせてこちらを見る美少女。
「えぇと、あなたは確か校門で」
「ぶつかったフローラ=ブランです! あの時はうっかりしててすみませんでした! えーと、その」
「エルヴェラール=フィオン=インヴ……」
「そう! エルヴェラールちゃん! 実技試験もすごかったけど勉強もできてAクラスの一番なんてすごいです!」
ヒロイン怖い。何この子会うのは二回目だとはいえほぼ初対面の相手だというのにとてもテンションが高い。
私がヒロインに圧倒され、固まり、目を泳がせるといつの間にか教室の入り口には私たちの様子をじっと観察する人だかりができていた。見せ物じゃないぞ私は。
「あ、ありがとうございます」
フローラが席に着くと教室に人が流れ込み、男子はフローラを囲むように自分の席をとっていった。
反対に女子はフローラから距離のあるところに席をとっている。
「エル、俺が前でも大丈夫か? ここしか空いていないのだがエルが黒板が見えないのは困る」
「ヴォルグおはようございます。私のことはお気になさらず。黒板は斜め前からよく見えますから」
「それって遠回しに僕が小さいと言っているの」
私の前にはヴォルグ様、斜め前にはウィルム、その後ろつまりフローラの隣にレオン殿下が席をとっている。
ちなみにアルムは私の対角線上の一番前の席だ。一度目があったがすぐにそらされてしまった。
「いいえ? ウィルム=ドーラ=マクレーン様は別に小さくはありませんわ。高いヒールを履かなければウィルム=ドーラ=マクレーン様の方が私よりも大きくてよ」
「フルネームで呼ぶのとその気味の悪い宮廷言葉やめてもらえる?」
「ヘイウィルム!」
「そういうことじゃない!」
このお嬢様口調は宮廷言葉というのか。覚えておこう。
「ねぇインヴ」
「はいはいみんな席に着いたねー?」
レオン殿下が私に話しかけようとしたようだが先生の登場により阻止され、レオン殿下は不満げな顔をした。
「今日から君たちの担任になることになったアレンディスト=ソーロンです。専門は経済学で趣味は経済学について研究すること。よろしく」
出た。アレン先生。乙女ゲームではただの経済学の先生だと思っていたのだがまさかこちらでは担任になるとは。
「あ、そうそうSクラスの四人組は経済学とマナー以外の授業は必修じゃないから好きなクラスの好きな授業を見に行ってもいいし自分の進路に合わせた勉強をしてもいいからね。あ、でもエルヴェラールは演習場出禁ね」
「はい?」
「あ、今反応したのがエルヴェラールでいいのかな? いやぁなんか演習場で君を野放しにするのは危険だから同伴者がいない場合は出禁ってこの紙に書いてあるんだよね。まあ、どうしても行きたければSクラス面子を誘うかカールについて来て貰えばいい話だからさ」
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