悪役転生を望んだが男にしろとは言っていない!

鉛野謐木

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神様のコメント

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「普通神様のコメントっていうのがあったら一番先に読まない?! ねぇ?! 聞いてる?」


どうやら僕は神様に呼び出されたらしい。呼び出しはHey! 君! なんだね。


「えーっと、なんの用事ですか?」


「神様のコメントを先に読んで! お願いだから! っていうのを伝えたかったの! じゃあね!」


まるで嵐が来て一瞬にして去っていったかのような勢いで元の世界に戻された。仕方ないから呼んであげよう。
僕は仕方なく巻末の神様のコメントのページを開いた。

パンパカパーン! このページを開いてくれたんだね! このページを開いてくれた君にはお望みだったチート能力を授けよう! よかったね!それで怪我を治すといいよ!
神様より。

乙女ゲーム関係ねぇ! しかし、もしこのページを開かずに本を閉じてしまっていたならばチート能力は手に入らないままだったのかもしれない。ナイス神様。
いや、そもそも神様がこの仕組みにしなければ……いや、これ以上はやめておこう。
僕が要求したのは想像した病気や怪我を治す薬を作る能力だ。
先程、神様のコメントを見た時にふわりと脳裏に使い方が浮かんでいた。
使い方は至って簡単。どんな効果の薬が欲しいのか想像するだけ。想像したら手のひらに出てくる。はい、おしまい。
簡単すぎて逆に不安になってきたので実際にためしてみることにした。
手のひらを出し、全身の傷が治る薬を想像する。

ぽふん。

可愛らしい音とともに青い液体が入った小瓶が現れた。
これを飲めば本当に全身の傷が治るのだろうか。
少し恐怖はあるが、物は試し。僕は青い液体を一気に飲み干した。
液体を飲み干すと小瓶はが消え、体から青白い光が放たれ、痛みが引いてきた。


「え、すご」


起き上がっても、立ち上がっても痛みは襲ってこない。おそらく青い液体のおかげで傷は完治したのだろう。チート能力、すごい。わーい、攻略本の続き読もう。
僕はベッドにだらしなく寝転がると今度こそ順番通りに読むために神様のコメントから世界観のページに戻った。

第七位世界に存在する国、サシリア王国には魔法が存在する。
魔法には属性があり、それぞれを火、水、風、土、光、闇という。
この世界の住人であれば誰でも魔法を使うことはできるが、サシリア王国においては、庶民は魔法を使うために必要となる魔力が少ないため、威力の小さい初級魔法しか使うことができない。
対して貴族は魔力が多いため、いくら貴族の中で魔力が低くともそこそこ魔力を消費する中級魔法程度なら使うことができる。
しかし、魔法は使い方を間違えると事故につながりかねないため、正しい魔法の使い方を学ぶために、一定の魔力がある者は王立魔法学園に通うことが義務付けられている。
そのため王立魔法学園に通うことはある種のステータスであり、金さえ積めば誰でも入ることができるようになっている。
実際に王立魔法学園に貴族が多いのは貴族に魔力が多い傾向があるからという理由以外に、貴族は10歳の時に神殿で魔力測定を行うが、庶民は神殿にお布施と高い測定料を払うことを嫌がり、測定しない傾向があルため、庶民の中にも現れる魔力の多い者が隠れてしまっているという理由があげられる。
あ、神殿に祀られる神って僕ね。すごいでしょ。
あと全体の雰囲気とかは自分で感じてね! 以上世界観でした!

最後の最後で神様が登場した。自己主張強いなこの神。
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