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逃げれない旅の始まり
【閑話】ルークの正体
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ルークは馬車を止めて車輪の点検などをしていた。反対側は崖だ。馬が落ちても車輪が外れても行けない。他の人たちは落ちても良いけどメイカ姉さんは困るなぁ。
思っていると視線を感じる。
交代でどうやら僕のことを見張っているね?
シグルが降りてきて僕を監視していた。
僕なんかよりもっと他を見ていなよ?
ほら、落ちそうな人がー…
そしてハッとした…あの女魔法使いがメイカ姉さんの服を掴んでいることに。このままでは二人とも落ちる!しかし…監視の目がある以上下手に動けないけど…
視線に気づいたのかシグルも二人が落ちそうになっているのに気付いて駆け寄り手を伸ばす。
「リリイさん!勇者さん!」
シグルは叫ぶが二人は崖下に落ちていく。
ちっ!のろまめ!だがメイカ姉さんは無事だろう…。あの女勇者が簡単に死ぬくらいなら千年に一度の勇者召喚に選ばれないはず。
他の二人も何だとメイカ姉さんと女魔法使いの方を見た。今だ!
僕は幌馬車の横にそっと隠れてメイカ姉さんと女魔法使いが地面に激突しようとする瞬間の頃合いを見計らって
「はいストップー」
と時を止めた。
三人の男は崖下に注目したまま止まっている。
ルークはスタスタとシグルの方に歩いていき、その悲痛な顔を見てクスリと笑った。
「必死だなこいつ」
そして崖下に躊躇なくトンと飛びだした。
そしてストンと地面に着地すると
今まさに地面に激突しようとしている二人を見つめ
「このまま女勇者だけ助けても良いけどそれじゃつまんないかな…とりあえず女魔法使いの片足くらいは折っておかないと不自然かな?」
とルークはリリイの足を硬い木に当たって折れたように見せかけるよう木を拾って力一杯叩いた。
ボキリと音がした。
「こんなもんか」
時が止まってるので血はまだか。
「よし次は…」
とルークはメイカを抱えて地面にそっと下ろし申し訳程度にかすり傷をつけていく。
「ああ…ごめんなさいメイカ姉さん!でもすぐ治るからきっと大丈夫!」
そしてリリイを抱えてメイカよりちょっと酷いかすり傷を作り側の茂みに放り込む。
「これでいいね、そろそろ戻るか」
とルークは今度は上に向かってジャンプして崖上まで飛ぶ。元の位置に戻ると
パチンと指を鳴らし時間を動かす。
時が動くとシグルは
「ああ…そんな…間に合わなかった…僕がちゃんと見ていれば……リリイさん…すぐに側に行きます」
とシグルは身を乗り出した。
「やめろシグル!」
「そうよやめて!二人ならきっときっと大丈夫よ!」
「ああああっっ!!」
シグルは泣き叫んでいる。
思わず吹き出してしまった。
それにシグルが反応して
「何がおかしいんだ!お前何なんだよ!仲間が落ちたのにっ!」
完全にシグルがキレてる。
シグルはルークを掴み上げ殴ろうとしているが二人は必死に止めた。
「シグル!落ち着け!こんなんでもこいつ子供だ!」
「そうですよぉー、子供に手を上げるのですかぁ?それより早く下に降りて二人を探しに行きましょう?」
ウィルは違和感を感じた。
「お前…何故そんなに余裕なんだ?メイカも落ちたんだぞ?心配しないのか?」
「してますよぉ!でも絶対生きてるって信じてるだけですー!魔法使いの人は知りませんけど?」
と言うとシグルに睨まれた。
おお、怖い顔ー。安心しなって生きてるんだし一応。足は折ったけどね。
「こんな子ほっときましょ!ウィルちゃん、ロープある?」
「ロープならここにあります。魔法のロープですからどこまでも長くなりますよ、それに丈夫です!お代はいいですよ、シグルさんとウィルさんは下に降りて二人を助けに行ってください、アリアさんは残ってロープを見てましょう」
とハンスが馬車から顔を出してロープを投げた。
シグルとウィルはスルスルとロープを降りていく。
「大丈夫かしら…」
アリアは心配して覗き込んでいる。
とそこで商人のハンスがルークを恐ろしい顔で睨んだ。
ん?何だこいつ?
「ルークくんでしたか…今はその身体にいるんだね…探したよ…」
「どこかで会いましたっけ?」
「さつきのね、君が時間を止めたの全部影から見てたんだよね」
と言うハンスにルークはギクリとした。
「何?何の話なの?ハンスちゃん」
アリアが不思議がった。
「こいつの正体はね、アリアさん…時間を止める悪魔ですよ!しかし、力を使い続けると肉体が脆くなる為に他の身体に乗り換えないといけないんです。今はこの少年の身体を使ってるんだな?で、次は勇者さんの身体狙いか」
「お前…何?」
とルークはナイフを取り出して時を止めようとしたがその前にハンスは
「良い子だルビィ」
と言い、いつの間にかルークは白蛇に首を巻きつけられ喋ることができない。
「かっ!」
苦しそうに呻くルークに近寄りその口にハンスは封じの札をべたりと貼り、さらに悪魔縛りのロープでルークを縛り上げ地面に転がした。
「な…何がどうなってるのぉ?」
アリアはついていけなかった。
「こいつはね、昔俺の村の時を止めて村人を惨殺した悪魔なんだ。俺はその時対悪魔避けのアイテムを身につけていたから悪魔の時間を止める術が効かなくて影からずっと見ていたんだ。子供だった俺は隠れることしかできなかった。で、村人の一人の身体を乗っ取り、今まで使っていた身体を捨てて村に出て行った…制限があるんだと思ったよ」
ハンスの言葉にルークは目だけで睨んだ。
ハンスはいつもの笑みを消して
「こんな子供に…可哀想に…」
と哀れな目を向けた。
「ルークが悪魔なんて…」
アリアは驚きつつも目を離さない。
「アリアさん…シグルさんが戻ってきたらこいつの魂を引きずり出してこの人形に入れてください。悪魔ってのはね、人間の身体を乗っ取り生気を吸い取りつくしたら次の身体を求めるんです。だからこの人形に入れましょうね」
とハンスは可愛らしい猫のぬいぐるみを取り出した。首には封じの呪文が書かれている。
「こいつをこの中に入れて勇者さんの聖剣で斬ってもらえば魂ごと消滅だ」
「んーんー!」
ルークは暴れた。
だが縛られたロープから電流みたいなのが流れてルークは大人しくなったのだった。
思っていると視線を感じる。
交代でどうやら僕のことを見張っているね?
シグルが降りてきて僕を監視していた。
僕なんかよりもっと他を見ていなよ?
ほら、落ちそうな人がー…
そしてハッとした…あの女魔法使いがメイカ姉さんの服を掴んでいることに。このままでは二人とも落ちる!しかし…監視の目がある以上下手に動けないけど…
視線に気づいたのかシグルも二人が落ちそうになっているのに気付いて駆け寄り手を伸ばす。
「リリイさん!勇者さん!」
シグルは叫ぶが二人は崖下に落ちていく。
ちっ!のろまめ!だがメイカ姉さんは無事だろう…。あの女勇者が簡単に死ぬくらいなら千年に一度の勇者召喚に選ばれないはず。
他の二人も何だとメイカ姉さんと女魔法使いの方を見た。今だ!
僕は幌馬車の横にそっと隠れてメイカ姉さんと女魔法使いが地面に激突しようとする瞬間の頃合いを見計らって
「はいストップー」
と時を止めた。
三人の男は崖下に注目したまま止まっている。
ルークはスタスタとシグルの方に歩いていき、その悲痛な顔を見てクスリと笑った。
「必死だなこいつ」
そして崖下に躊躇なくトンと飛びだした。
そしてストンと地面に着地すると
今まさに地面に激突しようとしている二人を見つめ
「このまま女勇者だけ助けても良いけどそれじゃつまんないかな…とりあえず女魔法使いの片足くらいは折っておかないと不自然かな?」
とルークはリリイの足を硬い木に当たって折れたように見せかけるよう木を拾って力一杯叩いた。
ボキリと音がした。
「こんなもんか」
時が止まってるので血はまだか。
「よし次は…」
とルークはメイカを抱えて地面にそっと下ろし申し訳程度にかすり傷をつけていく。
「ああ…ごめんなさいメイカ姉さん!でもすぐ治るからきっと大丈夫!」
そしてリリイを抱えてメイカよりちょっと酷いかすり傷を作り側の茂みに放り込む。
「これでいいね、そろそろ戻るか」
とルークは今度は上に向かってジャンプして崖上まで飛ぶ。元の位置に戻ると
パチンと指を鳴らし時間を動かす。
時が動くとシグルは
「ああ…そんな…間に合わなかった…僕がちゃんと見ていれば……リリイさん…すぐに側に行きます」
とシグルは身を乗り出した。
「やめろシグル!」
「そうよやめて!二人ならきっときっと大丈夫よ!」
「ああああっっ!!」
シグルは泣き叫んでいる。
思わず吹き出してしまった。
それにシグルが反応して
「何がおかしいんだ!お前何なんだよ!仲間が落ちたのにっ!」
完全にシグルがキレてる。
シグルはルークを掴み上げ殴ろうとしているが二人は必死に止めた。
「シグル!落ち着け!こんなんでもこいつ子供だ!」
「そうですよぉー、子供に手を上げるのですかぁ?それより早く下に降りて二人を探しに行きましょう?」
ウィルは違和感を感じた。
「お前…何故そんなに余裕なんだ?メイカも落ちたんだぞ?心配しないのか?」
「してますよぉ!でも絶対生きてるって信じてるだけですー!魔法使いの人は知りませんけど?」
と言うとシグルに睨まれた。
おお、怖い顔ー。安心しなって生きてるんだし一応。足は折ったけどね。
「こんな子ほっときましょ!ウィルちゃん、ロープある?」
「ロープならここにあります。魔法のロープですからどこまでも長くなりますよ、それに丈夫です!お代はいいですよ、シグルさんとウィルさんは下に降りて二人を助けに行ってください、アリアさんは残ってロープを見てましょう」
とハンスが馬車から顔を出してロープを投げた。
シグルとウィルはスルスルとロープを降りていく。
「大丈夫かしら…」
アリアは心配して覗き込んでいる。
とそこで商人のハンスがルークを恐ろしい顔で睨んだ。
ん?何だこいつ?
「ルークくんでしたか…今はその身体にいるんだね…探したよ…」
「どこかで会いましたっけ?」
「さつきのね、君が時間を止めたの全部影から見てたんだよね」
と言うハンスにルークはギクリとした。
「何?何の話なの?ハンスちゃん」
アリアが不思議がった。
「こいつの正体はね、アリアさん…時間を止める悪魔ですよ!しかし、力を使い続けると肉体が脆くなる為に他の身体に乗り換えないといけないんです。今はこの少年の身体を使ってるんだな?で、次は勇者さんの身体狙いか」
「お前…何?」
とルークはナイフを取り出して時を止めようとしたがその前にハンスは
「良い子だルビィ」
と言い、いつの間にかルークは白蛇に首を巻きつけられ喋ることができない。
「かっ!」
苦しそうに呻くルークに近寄りその口にハンスは封じの札をべたりと貼り、さらに悪魔縛りのロープでルークを縛り上げ地面に転がした。
「な…何がどうなってるのぉ?」
アリアはついていけなかった。
「こいつはね、昔俺の村の時を止めて村人を惨殺した悪魔なんだ。俺はその時対悪魔避けのアイテムを身につけていたから悪魔の時間を止める術が効かなくて影からずっと見ていたんだ。子供だった俺は隠れることしかできなかった。で、村人の一人の身体を乗っ取り、今まで使っていた身体を捨てて村に出て行った…制限があるんだと思ったよ」
ハンスの言葉にルークは目だけで睨んだ。
ハンスはいつもの笑みを消して
「こんな子供に…可哀想に…」
と哀れな目を向けた。
「ルークが悪魔なんて…」
アリアは驚きつつも目を離さない。
「アリアさん…シグルさんが戻ってきたらこいつの魂を引きずり出してこの人形に入れてください。悪魔ってのはね、人間の身体を乗っ取り生気を吸い取りつくしたら次の身体を求めるんです。だからこの人形に入れましょうね」
とハンスは可愛らしい猫のぬいぐるみを取り出した。首には封じの呪文が書かれている。
「こいつをこの中に入れて勇者さんの聖剣で斬ってもらえば魂ごと消滅だ」
「んーんー!」
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だが縛られたロープから電流みたいなのが流れてルークは大人しくなったのだった。
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