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許された私達
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村長にお礼を言い、お土産とお昼などを貰い私達は馬に乗り戻る事にした。
たわいもない会話や途中で休憩しながらゆっくり帰る。
なんとなくお祖父様の邸が近づくに連れ不安になるニルス様。
「きっと俺はたぶんレオポルト様に半殺しにされると思う、いや全殺し?」
とかブツブツ言っている。
「大丈夫ですよ、そんな事をしたら私お祖父様と口を聞きませんから!」
と慰める。
とうとう邸が見えて門で待っていたサラとハンさんが駆け寄ってきた!!
「お嬢様ああああああ!!!」
「ニルス様ああああああ!!!」
と二人とも私達に抱きついてきた。ニルス様はハンさんをゲシっと肘で殴っていたけど。
「心配かけた。無事だ。良い村で匿って貰っていた…」
と言うとハンさんは
「ああっ!!ニルス様!ちょっと筋肉ついてますよ!それに手に豆潰れた後ありますよ!?」
と言われてサアっと青ざめるニルス様は
「いや…きき筋肉なんてついてない…やめてくれ…」
と頭を抱えた。
「お嬢様元気そうで良かったです!妊娠はしましたか!?」
と言われ真っ赤になる。
「そ、そんな!私達まだそんなことしてないわ!!もう!サラッたら!!」
と言うとサラが一気に冷めた目でニルス様を見て
「え?手出ししてないと!?嘘でしょ?こんなに可愛いお嬢様に指一つ!?嘘でしょ?子供を作っていればまだ…」
と言う目で見られてしまうニルス様。
「は、はあ!?そんなことしたらレオポルト様に殺されるから!!」
と言うニルス様の後ろに音もなく
「おや、お帰り…イサベル…婚約者どの。元気だ良かった!」
とレオポルトお祖父様が現れ
「ひぃっ!」
とニルス様が背筋を震わせた。
「おやどうしたんじゃね?婚約者どの?よくイサベルに手を出さんかったのう。そこは褒めてやろう?手を出していたなら…」
とお祖父様がニルス様の首を掴み締め出した!!
「グエ!」
「お祖父様!!やめて死んじゃう!!ダメです!!許してくれたのではないのですか!?お祖父様はイサベルに嘘をつくのですか!?」
と言うとお祖父様は手を離し
「スキンシップじゃよ!?イサベル…わしは長年この顔が気に入らなくてな!何せ若い頃のアルトゥールにそっくりでのぅ…嫌いな顔じゃが本当にお前が好きなら婚約も認めよう」
すると横からお祖母様も現れた。
「イサベル…ごめんなさいね。色々と誤解していたわ。全てはあの娘が来なかったら…とね」
「あの娘?」
「修道女のアンナとか言ったわね…。必死で事情を説明してくれたのよ…。そして罪を償うべきと言い自らラグナ修道院へ戻ったそうよ…」
そんなアンナ先輩がここへ来たの?そしてお祖父様達に説明してくれた…。
「クリストフ王子にはお帰りいただいた。あのアンナとか言うのが証言した。騙してイサベルを襲ったのは王子の方だと…王子も最初こそ否定していたがだんだんボロがでてきおっての?詳しくその事情を調べさせるのに何日かかかりようやく真実を知った。直ぐに信じてあげられなくて済まなかったの…」
とレオポルトお祖父様は涙した。
「さあ、とりあえず中へお入りなさい。今日だけは泊まらせてあげるわ。ニルス様。もちろんイサベルとは別々の部屋で遠くの部屋にするけどね」
とお祖母様がにっこり言う。
「あ、ありがとうございます…あ、あの祖父は…」
と言うとレオポルトお祖父様もにっこりして
「ああ、気が済むまで骨を折っていいから婚約を認めてくれとうるさいからボキボキ折ってやったがまだ死なんのじゃ。しつこいジジイじゃな?」
と言い笑いニルス様は青ざめて何も言えなくなった。
ともあれようやく晴れて私達は普通の婚約者同士に戻れたのだ!とても嬉しい。透明薬のこともお祖父様達にバレてしまい私は少し怒られたが
「うちの孫は天才じゃの!これさえあればいつでも憎い奴を暗殺しに行けるのう!のう!婚約者殿!」
と言われ夕飯の席でニルス様は吹き出す所だった。
結局ニルス様が身の安全から開発したのは自分という事にして私を守ってくれると言う事を説明するとお祖父様は
「ま、当然じゃの。孫に何かあったらわしが殺すからの」
と険しい顔をしていた。
結局ニルス様は透明薬の開発者として後日登録を行う事になり少し社交界で話題になったそうだ。
私達の復学後も少し話題が広がっていた。
今後、いろいろな機関から依頼が来るようになるだとか将来有望だとか色々あるがニルス様は公爵家の跡取りをメインに全うすると決めている。
アンナ先輩はレオポルトお祖父様がまともな修道院に斡旋され移動になった。逆にラグナ修道院はこの機会に取り調べを受ける事になり色々と不正が見つかってきている。
*
そうして月日は経ち、とうとうニルス様卒業時になる。卒業パーティーでは私も招待されて一緒にダンスを踊った。
人前が嫌いだったけどこの日ばかりは気合いを入れて私は耐えた。いろんな人の視線を感じてとにかく大変だ。
「大丈夫か?イサベル?気持ち悪いなら休もう」
と風通りのいいバルコニーに連れて行かれて背中をさすられる。
今日のニルス様は大変素敵な格好をして目の毒とはこの事でもちろん女生徒は全員と言うくらいポーっとしていた。
ヘルベルト様も格好良かったのでそちらにほとんど女生徒を預けてニルス様は私とばかり踊ってくれた。
「ありがとうございます。ニルス様が居なかったら参加して無かったです…はぁ…」
「大丈夫か?真っ青だぞ?少し休めほら」
と椅子に座らせ冷たいお水を飲んだ。
少し落ち着いてきた。
「見られているのはイサベルがあんまり綺麗だからだ…」
と言う。
「いえ、ニルス様でしょ?私なんて大したことないです」
と言うがニルス様はため息を吐き
「まぁ…俺は卒業しても時々学園に来るけどな!お前が卒業するまでは心配だから……」
「まぁ…すみません。公爵家の方も大変なのに…」
「ああ、いいんだ、立派な薬師を目指してくれ」
と言うので私は
「ニルス様…私…薬師はやめます」
と言うと驚かれた。
「はあ!?なんでだ?夢だったんだろう?」
「はい…でも…最近はもういいかなって思えて。私卒業したらニルス様と結婚したいです!」
と言うと顔を押さえられた。
「…まぁ結婚しても資格は取れるし好きなだけ研究してもいい…から」
「はい!ありがとうございます!!」
と微笑むと綺麗な碧色の瞳と目が合い私達はキスを交わす。
*
そうして一年後…とうとう私は学園を卒業した。この一年は学業と公爵家夫人となるべくの勉強などが叩き込まれ結構ハードであった。
ニルス様も時々学園に視察に来て私に想いを寄せる男子生徒に睨みを聞かせて
「俺の婚約者に手を出したものはこの世から永遠に消す!」
と壇上で演説したりしていたので私は苦笑いし親友のマリーにもニヤニヤされていた。
*
そうしてようやく鐘の鳴る教会で結婚式を挙げることができた。
レオポルトお祖父様はまだまだ憎らしい顔で参列していた。アルトゥールお祖父様はまた全身どこか怪我を負っていたがニコニコと涙を流し祝福され痛いのか嬉しいのかわからない涙を流していた。
アンナ先輩には手紙を書いて知らせた。彼女は更生し今は立派な修道女として生きている。合わせる顔がないと言うから代わりに手紙のやり取りをしている。
クリストフ王子もようやく私を諦め他の国の王女を娶ったらしい。どうにも女好きらしく、側室をいくつも用意しているらしい。
サラとハンさんも、結婚し、今はお腹に赤ちゃんがいる。
青い空を見ていると昔引きこもっていた自分を思い出す。何故世界から消えたいと思ってしまったのか。私の弱さからか。
人のいる空間は今でも苦手だけど…隣には私の大好きな人が居てくれるので大丈夫だと思える。
鐘の鳴る中私達はもう一度キスを交わした。祝福の花びらが空に舞い上がった。
たわいもない会話や途中で休憩しながらゆっくり帰る。
なんとなくお祖父様の邸が近づくに連れ不安になるニルス様。
「きっと俺はたぶんレオポルト様に半殺しにされると思う、いや全殺し?」
とかブツブツ言っている。
「大丈夫ですよ、そんな事をしたら私お祖父様と口を聞きませんから!」
と慰める。
とうとう邸が見えて門で待っていたサラとハンさんが駆け寄ってきた!!
「お嬢様ああああああ!!!」
「ニルス様ああああああ!!!」
と二人とも私達に抱きついてきた。ニルス様はハンさんをゲシっと肘で殴っていたけど。
「心配かけた。無事だ。良い村で匿って貰っていた…」
と言うとハンさんは
「ああっ!!ニルス様!ちょっと筋肉ついてますよ!それに手に豆潰れた後ありますよ!?」
と言われてサアっと青ざめるニルス様は
「いや…きき筋肉なんてついてない…やめてくれ…」
と頭を抱えた。
「お嬢様元気そうで良かったです!妊娠はしましたか!?」
と言われ真っ赤になる。
「そ、そんな!私達まだそんなことしてないわ!!もう!サラッたら!!」
と言うとサラが一気に冷めた目でニルス様を見て
「え?手出ししてないと!?嘘でしょ?こんなに可愛いお嬢様に指一つ!?嘘でしょ?子供を作っていればまだ…」
と言う目で見られてしまうニルス様。
「は、はあ!?そんなことしたらレオポルト様に殺されるから!!」
と言うニルス様の後ろに音もなく
「おや、お帰り…イサベル…婚約者どの。元気だ良かった!」
とレオポルトお祖父様が現れ
「ひぃっ!」
とニルス様が背筋を震わせた。
「おやどうしたんじゃね?婚約者どの?よくイサベルに手を出さんかったのう。そこは褒めてやろう?手を出していたなら…」
とお祖父様がニルス様の首を掴み締め出した!!
「グエ!」
「お祖父様!!やめて死んじゃう!!ダメです!!許してくれたのではないのですか!?お祖父様はイサベルに嘘をつくのですか!?」
と言うとお祖父様は手を離し
「スキンシップじゃよ!?イサベル…わしは長年この顔が気に入らなくてな!何せ若い頃のアルトゥールにそっくりでのぅ…嫌いな顔じゃが本当にお前が好きなら婚約も認めよう」
すると横からお祖母様も現れた。
「イサベル…ごめんなさいね。色々と誤解していたわ。全てはあの娘が来なかったら…とね」
「あの娘?」
「修道女のアンナとか言ったわね…。必死で事情を説明してくれたのよ…。そして罪を償うべきと言い自らラグナ修道院へ戻ったそうよ…」
そんなアンナ先輩がここへ来たの?そしてお祖父様達に説明してくれた…。
「クリストフ王子にはお帰りいただいた。あのアンナとか言うのが証言した。騙してイサベルを襲ったのは王子の方だと…王子も最初こそ否定していたがだんだんボロがでてきおっての?詳しくその事情を調べさせるのに何日かかかりようやく真実を知った。直ぐに信じてあげられなくて済まなかったの…」
とレオポルトお祖父様は涙した。
「さあ、とりあえず中へお入りなさい。今日だけは泊まらせてあげるわ。ニルス様。もちろんイサベルとは別々の部屋で遠くの部屋にするけどね」
とお祖母様がにっこり言う。
「あ、ありがとうございます…あ、あの祖父は…」
と言うとレオポルトお祖父様もにっこりして
「ああ、気が済むまで骨を折っていいから婚約を認めてくれとうるさいからボキボキ折ってやったがまだ死なんのじゃ。しつこいジジイじゃな?」
と言い笑いニルス様は青ざめて何も言えなくなった。
ともあれようやく晴れて私達は普通の婚約者同士に戻れたのだ!とても嬉しい。透明薬のこともお祖父様達にバレてしまい私は少し怒られたが
「うちの孫は天才じゃの!これさえあればいつでも憎い奴を暗殺しに行けるのう!のう!婚約者殿!」
と言われ夕飯の席でニルス様は吹き出す所だった。
結局ニルス様が身の安全から開発したのは自分という事にして私を守ってくれると言う事を説明するとお祖父様は
「ま、当然じゃの。孫に何かあったらわしが殺すからの」
と険しい顔をしていた。
結局ニルス様は透明薬の開発者として後日登録を行う事になり少し社交界で話題になったそうだ。
私達の復学後も少し話題が広がっていた。
今後、いろいろな機関から依頼が来るようになるだとか将来有望だとか色々あるがニルス様は公爵家の跡取りをメインに全うすると決めている。
アンナ先輩はレオポルトお祖父様がまともな修道院に斡旋され移動になった。逆にラグナ修道院はこの機会に取り調べを受ける事になり色々と不正が見つかってきている。
*
そうして月日は経ち、とうとうニルス様卒業時になる。卒業パーティーでは私も招待されて一緒にダンスを踊った。
人前が嫌いだったけどこの日ばかりは気合いを入れて私は耐えた。いろんな人の視線を感じてとにかく大変だ。
「大丈夫か?イサベル?気持ち悪いなら休もう」
と風通りのいいバルコニーに連れて行かれて背中をさすられる。
今日のニルス様は大変素敵な格好をして目の毒とはこの事でもちろん女生徒は全員と言うくらいポーっとしていた。
ヘルベルト様も格好良かったのでそちらにほとんど女生徒を預けてニルス様は私とばかり踊ってくれた。
「ありがとうございます。ニルス様が居なかったら参加して無かったです…はぁ…」
「大丈夫か?真っ青だぞ?少し休めほら」
と椅子に座らせ冷たいお水を飲んだ。
少し落ち着いてきた。
「見られているのはイサベルがあんまり綺麗だからだ…」
と言う。
「いえ、ニルス様でしょ?私なんて大したことないです」
と言うがニルス様はため息を吐き
「まぁ…俺は卒業しても時々学園に来るけどな!お前が卒業するまでは心配だから……」
「まぁ…すみません。公爵家の方も大変なのに…」
「ああ、いいんだ、立派な薬師を目指してくれ」
と言うので私は
「ニルス様…私…薬師はやめます」
と言うと驚かれた。
「はあ!?なんでだ?夢だったんだろう?」
「はい…でも…最近はもういいかなって思えて。私卒業したらニルス様と結婚したいです!」
と言うと顔を押さえられた。
「…まぁ結婚しても資格は取れるし好きなだけ研究してもいい…から」
「はい!ありがとうございます!!」
と微笑むと綺麗な碧色の瞳と目が合い私達はキスを交わす。
*
そうして一年後…とうとう私は学園を卒業した。この一年は学業と公爵家夫人となるべくの勉強などが叩き込まれ結構ハードであった。
ニルス様も時々学園に視察に来て私に想いを寄せる男子生徒に睨みを聞かせて
「俺の婚約者に手を出したものはこの世から永遠に消す!」
と壇上で演説したりしていたので私は苦笑いし親友のマリーにもニヤニヤされていた。
*
そうしてようやく鐘の鳴る教会で結婚式を挙げることができた。
レオポルトお祖父様はまだまだ憎らしい顔で参列していた。アルトゥールお祖父様はまた全身どこか怪我を負っていたがニコニコと涙を流し祝福され痛いのか嬉しいのかわからない涙を流していた。
アンナ先輩には手紙を書いて知らせた。彼女は更生し今は立派な修道女として生きている。合わせる顔がないと言うから代わりに手紙のやり取りをしている。
クリストフ王子もようやく私を諦め他の国の王女を娶ったらしい。どうにも女好きらしく、側室をいくつも用意しているらしい。
サラとハンさんも、結婚し、今はお腹に赤ちゃんがいる。
青い空を見ていると昔引きこもっていた自分を思い出す。何故世界から消えたいと思ってしまったのか。私の弱さからか。
人のいる空間は今でも苦手だけど…隣には私の大好きな人が居てくれるので大丈夫だと思える。
鐘の鳴る中私達はもう一度キスを交わした。祝福の花びらが空に舞い上がった。
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