29 / 72
第ニ章
day.29
しおりを挟む
結局、誰かもう1人を探す羽目になってしまった俺は、途方に暮れながら、トボトボと自宅の最寄り駅周辺を歩いていた。
そもそも、女子で、しかも冬悟とも知り合いでっていったら、1人しか思い浮かばない。
ただ、連絡先も知らなければ、もちろん、住所も知らない。
ってか、立場上、どの面下げて会えばいいのかもわからない相手を、誘えるはずがない。
「はあ~ぁ。何でこんなことに…。」
がっくりと項垂れていた顔をふと上げると、視界の端に、見知った人物が飛び込んできた。
ま、まさか!?
「さ、小百合さん!?」
「あら、純也さん、ごきげんよう。お久しぶりですわ。」
偶然だとは思うが、まさかこのタイミングで会うなんて。
小百合さんは、自身の車に乗り込もうとしていたところだったようだ。
とりあえず、気乗りはしないが、当たって砕けとこ。
誘った既成事実を作ってさえおけば、最悪浩二も3人で諦めるだろうし。
だけど、やっぱりまだ小百合さんと話すのは、緊張してしまう。
あまり近づき過ぎないようにしながら、なんとかいい感じに誘える会話を考える。
「あ、うん、久しぶり。あのさ、小百合さん。突然なんだけど、ネズミーランドとかって、好き?」
しかし、俺の脳みそでは、気の利いた話題なんて思い付かなかった。
ド直球で聞いてしまい、小百合は何事かと不思議そうにしている。
「えぇ、好きですけど……?」
これ、次の言葉を発して大丈夫なのだろうか。
ゴクッと息を呑んでから、えぇい!と無理やり本題に入った。
「あのさ、もし、よかったらなんだけど、俺と冬悟と俺の友達と一緒に行かない?」
「フフッ。まぁ、純也さんったら。私をお誘いになられるなんて、いい度胸ですこと。」
ニコッと顔は微笑んでいるのに、その少し低くなった声に、身体がガタガタと震え出す。
恐すぎて、視線を合わせられず、あっちこっちに泳がせる。
「ご、ご、ごめんなさい。でも、あの、そのぉ…。」
「冗談ですわ。何か理由がおありなのでしょう?お聞かせくださる?」
ひどく狼狽えた俺を見て、小百合さんはクスクスと笑った。
その怒ってなさそうな様子に、ほっと胸を撫で下ろす。
「うん。それが、かくかくしかじかで」
マジで、何でこんなことになっているんだろう。
元婚約者に、相手を横取りした今妻が相談とか、完全に頭おかしいだろ。
だけど、上手い嘘も思いつかなくて、今までの経緯をありのまま話した。
ただ、話している間中ずっと、変な汗が止まらなかったのは、言うまでもない。
「…なるほど。お話よくわかりましたわ。」
最後まで何も言わず聞いてくれた小百合さんは、俺が話し終えると、そっと頷いた。
「でも、やっぱり、嫌ですよね。俺らと行くなんて。」
「嫌ですわね。」
ズバッと真顔で、かつド正面から断られた俺は、思わず心にダメージをくらい、うっとよろめく。
「ですよね~。ごめんなさい…。」
やっぱり無理じゃん!と心の中で泣いていると、クスクスと楽しそうな笑い声が聞こえてきて、ちらっと小百合さんの方を見る。
「冗談ですわ。ご一緒しても構いませんわよ。」
「えっ!?本当に!!??」
まさか本当に来てくれるなんて、思ってもみなかった。
驚いている俺に、但し、と付け加えられる。
「勘違いなさらないでくださいね。これは、この前の非礼のお詫びですから。」
「は、はぁ~い。」
最後にしっかりと釘を刺されてしまった。
だけど、来てくれるだけでもありがたい。
しかし、大きな問題は残ったままだ。
「あの、誘っておいてなんですが、冬悟が来てくれるかどうかは、まだわからないです。あんまり行きたくないみたいなんで。」
申し訳なさそうにそう言うと、小百合さんは驚いたような顔をした。
「あら?本当にそう思ってらっしゃるの?」
「えっ?」
間抜けな声を出してしまい、クスッと悪戯に笑われる。
「純也さんもまだまだですわね。」
「?」
「そのうちきっと、おわかりになられますわ。」
そう言った小百合さんは、それ以上を教えてくれることはなく、ただ優しくニコッと微笑んだ。
小百合さんも無事に誘えたし、残すは冬悟だけとなった。
浩二も小百合さんも、当然冬悟は来るみたいに思っているが、冬悟は本当に行きたくないのかもしれない。
もし来ないなら、2人に謝って、3人で行こうなどと考えていると、カチャと玄関の扉が開いた。
昨日の今日のため、遠巻きに顔をそっと覗かせる。
「おかえり、冬悟。」
「…あぁ。」
返事はしてくれる。
だけど、やっぱり気まずい。
この感じだと、答えは昨日と同じなんじゃないかと思い、話をなかなか切り出せない。
「純也。」
俯いていると、突然名前を呼ばれ、ぱっと顔を上げる。
すると、何やら紙袋を押し付けられた。
何だろうと中身を見ると、それは以前、俺が冬悟と買い物をしていた時に、食べたいと思って見ていた、お高いフルーツタルトだった。
その時も、欲しいのかと聞かれたが、買ってもらってばかりも悪いと思い、断ったものだった。
思わず、冬悟の顔を見る。
「えっ?これ…。」
「…昨日は悪かった。浩二クンと行くのが、お前が楽しめる最善だと思ったんだが、どうやら、お前の気持ちを踏み躙ってしまっていたようだ。」
伏せられた瞳にかかる長い睫毛が、僅かに揺れる。
冬悟のその申し訳なさそうにしている表情と、いつも俺のことをちゃんと見ててくれていたこと、そして、俺が欲しがっていたものをずっと覚えていてくれたことに、キュンと胸がときめき、じわっと心が温かくなっていく。
こんなことされたら、許さないヤツなんていない。
「俺もごめん。でも、俺の気持ちをわかってもらえなくて、悲しかった。」
紙袋を机に置いて、そっと手を伸ばし、冬悟の首に腕を回す。
「俺は浩二じゃなくて、“冬悟と”楽しいを共有してぇの。俺らはああいうテーマパークは初めて同士かもしれねぇけど、冬悟と一緒なら、俺は何でも楽しめる自信しかねぇよ?だから、一緒に行こ?お願い。」
ぎゅっとそのまましがみつくと、優しく抱き締め返してくれた。
「…わかった。」
「やった!嬉しい!!」
へへっと笑い、じっと冬悟を見つめる。
そして、そっと顔を近づけ、唇が触れようとする寸前で、ピタッと動きを止めた。
こんな時に限って、すごく大事なことを思い出してしまったのだ。
「あのさ、言い忘れてたんだけど、その、4人で行くことになったから。俺と冬悟と、浩二と、それに小百合さんの…。」
「おい、どうして1日も経たない内にそんなに人数が増えているんだ?…それはいいとして、どうして小百合さんが来ることになっている?」
さっきの甘い雰囲気はどこへやら、途端に不機嫌そうにピクッと眉を顰められる。
そして、しがみついている俺を、冬悟はべりっと剥がした。
冬悟とキスできるチャンスなんて、滅多にねぇから、さっさとキスしておけばよかったと後悔したが、もう遅い。
「え~っと、その、かくかくしかじかで…」
事の経緯を説明すると、はあぁっと長い溜息を吐かれ、頭を抱えられた。
「…わかった。もういい、好きにしろ。」
「勝手に決めて、ごめん。でも、俺、冬悟と行きたいのは、本当で…!」
やっぱり行かないと言われるんじゃないかと不安になり、必死に引き留めようとする俺の頬に、そっと大きな手が触れる。
「…別に悪いとは言っていない。それに、だから行かないとも言わんから、そんな顔をするな。」
その言葉にほっとして、コクッと頷くと、その手はゆっくりと離れていった。
「後はお前達で適当に決めろ。」
それだけを言い残して、冬悟はスタスタと俺から離れていった。
やった!!
冬悟と一緒に行けるの、すっげぇ嬉しい!
こうなったら、絶対に冬悟を楽しませてみせるからな!
そう気合いを入れ、わくわくしながら指折り数えて、その日を待ち焦がれた。
そもそも、女子で、しかも冬悟とも知り合いでっていったら、1人しか思い浮かばない。
ただ、連絡先も知らなければ、もちろん、住所も知らない。
ってか、立場上、どの面下げて会えばいいのかもわからない相手を、誘えるはずがない。
「はあ~ぁ。何でこんなことに…。」
がっくりと項垂れていた顔をふと上げると、視界の端に、見知った人物が飛び込んできた。
ま、まさか!?
「さ、小百合さん!?」
「あら、純也さん、ごきげんよう。お久しぶりですわ。」
偶然だとは思うが、まさかこのタイミングで会うなんて。
小百合さんは、自身の車に乗り込もうとしていたところだったようだ。
とりあえず、気乗りはしないが、当たって砕けとこ。
誘った既成事実を作ってさえおけば、最悪浩二も3人で諦めるだろうし。
だけど、やっぱりまだ小百合さんと話すのは、緊張してしまう。
あまり近づき過ぎないようにしながら、なんとかいい感じに誘える会話を考える。
「あ、うん、久しぶり。あのさ、小百合さん。突然なんだけど、ネズミーランドとかって、好き?」
しかし、俺の脳みそでは、気の利いた話題なんて思い付かなかった。
ド直球で聞いてしまい、小百合は何事かと不思議そうにしている。
「えぇ、好きですけど……?」
これ、次の言葉を発して大丈夫なのだろうか。
ゴクッと息を呑んでから、えぇい!と無理やり本題に入った。
「あのさ、もし、よかったらなんだけど、俺と冬悟と俺の友達と一緒に行かない?」
「フフッ。まぁ、純也さんったら。私をお誘いになられるなんて、いい度胸ですこと。」
ニコッと顔は微笑んでいるのに、その少し低くなった声に、身体がガタガタと震え出す。
恐すぎて、視線を合わせられず、あっちこっちに泳がせる。
「ご、ご、ごめんなさい。でも、あの、そのぉ…。」
「冗談ですわ。何か理由がおありなのでしょう?お聞かせくださる?」
ひどく狼狽えた俺を見て、小百合さんはクスクスと笑った。
その怒ってなさそうな様子に、ほっと胸を撫で下ろす。
「うん。それが、かくかくしかじかで」
マジで、何でこんなことになっているんだろう。
元婚約者に、相手を横取りした今妻が相談とか、完全に頭おかしいだろ。
だけど、上手い嘘も思いつかなくて、今までの経緯をありのまま話した。
ただ、話している間中ずっと、変な汗が止まらなかったのは、言うまでもない。
「…なるほど。お話よくわかりましたわ。」
最後まで何も言わず聞いてくれた小百合さんは、俺が話し終えると、そっと頷いた。
「でも、やっぱり、嫌ですよね。俺らと行くなんて。」
「嫌ですわね。」
ズバッと真顔で、かつド正面から断られた俺は、思わず心にダメージをくらい、うっとよろめく。
「ですよね~。ごめんなさい…。」
やっぱり無理じゃん!と心の中で泣いていると、クスクスと楽しそうな笑い声が聞こえてきて、ちらっと小百合さんの方を見る。
「冗談ですわ。ご一緒しても構いませんわよ。」
「えっ!?本当に!!??」
まさか本当に来てくれるなんて、思ってもみなかった。
驚いている俺に、但し、と付け加えられる。
「勘違いなさらないでくださいね。これは、この前の非礼のお詫びですから。」
「は、はぁ~い。」
最後にしっかりと釘を刺されてしまった。
だけど、来てくれるだけでもありがたい。
しかし、大きな問題は残ったままだ。
「あの、誘っておいてなんですが、冬悟が来てくれるかどうかは、まだわからないです。あんまり行きたくないみたいなんで。」
申し訳なさそうにそう言うと、小百合さんは驚いたような顔をした。
「あら?本当にそう思ってらっしゃるの?」
「えっ?」
間抜けな声を出してしまい、クスッと悪戯に笑われる。
「純也さんもまだまだですわね。」
「?」
「そのうちきっと、おわかりになられますわ。」
そう言った小百合さんは、それ以上を教えてくれることはなく、ただ優しくニコッと微笑んだ。
小百合さんも無事に誘えたし、残すは冬悟だけとなった。
浩二も小百合さんも、当然冬悟は来るみたいに思っているが、冬悟は本当に行きたくないのかもしれない。
もし来ないなら、2人に謝って、3人で行こうなどと考えていると、カチャと玄関の扉が開いた。
昨日の今日のため、遠巻きに顔をそっと覗かせる。
「おかえり、冬悟。」
「…あぁ。」
返事はしてくれる。
だけど、やっぱり気まずい。
この感じだと、答えは昨日と同じなんじゃないかと思い、話をなかなか切り出せない。
「純也。」
俯いていると、突然名前を呼ばれ、ぱっと顔を上げる。
すると、何やら紙袋を押し付けられた。
何だろうと中身を見ると、それは以前、俺が冬悟と買い物をしていた時に、食べたいと思って見ていた、お高いフルーツタルトだった。
その時も、欲しいのかと聞かれたが、買ってもらってばかりも悪いと思い、断ったものだった。
思わず、冬悟の顔を見る。
「えっ?これ…。」
「…昨日は悪かった。浩二クンと行くのが、お前が楽しめる最善だと思ったんだが、どうやら、お前の気持ちを踏み躙ってしまっていたようだ。」
伏せられた瞳にかかる長い睫毛が、僅かに揺れる。
冬悟のその申し訳なさそうにしている表情と、いつも俺のことをちゃんと見ててくれていたこと、そして、俺が欲しがっていたものをずっと覚えていてくれたことに、キュンと胸がときめき、じわっと心が温かくなっていく。
こんなことされたら、許さないヤツなんていない。
「俺もごめん。でも、俺の気持ちをわかってもらえなくて、悲しかった。」
紙袋を机に置いて、そっと手を伸ばし、冬悟の首に腕を回す。
「俺は浩二じゃなくて、“冬悟と”楽しいを共有してぇの。俺らはああいうテーマパークは初めて同士かもしれねぇけど、冬悟と一緒なら、俺は何でも楽しめる自信しかねぇよ?だから、一緒に行こ?お願い。」
ぎゅっとそのまましがみつくと、優しく抱き締め返してくれた。
「…わかった。」
「やった!嬉しい!!」
へへっと笑い、じっと冬悟を見つめる。
そして、そっと顔を近づけ、唇が触れようとする寸前で、ピタッと動きを止めた。
こんな時に限って、すごく大事なことを思い出してしまったのだ。
「あのさ、言い忘れてたんだけど、その、4人で行くことになったから。俺と冬悟と、浩二と、それに小百合さんの…。」
「おい、どうして1日も経たない内にそんなに人数が増えているんだ?…それはいいとして、どうして小百合さんが来ることになっている?」
さっきの甘い雰囲気はどこへやら、途端に不機嫌そうにピクッと眉を顰められる。
そして、しがみついている俺を、冬悟はべりっと剥がした。
冬悟とキスできるチャンスなんて、滅多にねぇから、さっさとキスしておけばよかったと後悔したが、もう遅い。
「え~っと、その、かくかくしかじかで…」
事の経緯を説明すると、はあぁっと長い溜息を吐かれ、頭を抱えられた。
「…わかった。もういい、好きにしろ。」
「勝手に決めて、ごめん。でも、俺、冬悟と行きたいのは、本当で…!」
やっぱり行かないと言われるんじゃないかと不安になり、必死に引き留めようとする俺の頬に、そっと大きな手が触れる。
「…別に悪いとは言っていない。それに、だから行かないとも言わんから、そんな顔をするな。」
その言葉にほっとして、コクッと頷くと、その手はゆっくりと離れていった。
「後はお前達で適当に決めろ。」
それだけを言い残して、冬悟はスタスタと俺から離れていった。
やった!!
冬悟と一緒に行けるの、すっげぇ嬉しい!
こうなったら、絶対に冬悟を楽しませてみせるからな!
そう気合いを入れ、わくわくしながら指折り数えて、その日を待ち焦がれた。
6
あなたにおすすめの小説
有能副会長はポンコツを隠したい。
さんから
BL
2.6タイトル変更しました。
この高校の生徒会副会長を務める僕・東山 優真は、普段の仕事ぶりから次期生徒会長の最有力候補と言われている。……んだけど、実際は詰めの甘さやうっかりミスを根性論でカバーしてきたポンコツだ。
こんなに頑張れているのは、密かに思いを寄せている安西生徒会長のため。
ある日、なんの奇跡か会長に告白され晴れて恋人同士となった僕は、大好きな人に幻滅されないためにポンコツを隠し通すと決めたけど……!?(内容は他サイト版と同じですが、こちらの方がちょっと読みやすいはずです)
地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛
中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。
誰の心にも触れたくない。
無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。
その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。
明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、
偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。
無機質な顔の奥に隠れていたのは、
誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。
気づいてしまったから、もう目を逸らせない。
知りたくなったから、もう引き返せない。
すれ違いと無関心、
優しさと孤独、
微かな笑顔と、隠された心。
これは、
触れれば壊れそうな彼に、
それでも手を伸ばしてしまった、
不器用な男たちの恋のはなし。
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
【16+4話完結】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
【完結】俺とあの人の青い春
月城雪華
BL
高校一年の夏、龍冴(りょうが)は二つ上の先輩である椰一(やいち)と付き合った。
けれど、告白してくれたにしては制限があまりに多過ぎると思っていた。
ぼんやりとした不信感を抱いていたある日、見知らぬ相手と椰一がキスをしている場面を目撃してしまう。
けれど友人らと話しているうちに、心のどこかで『椰一はずっと前から裏切っていた』と理解していた。
それでも悲しさで熱い雫が溢れてきて、ひと気のない物陰に座り込んで泣いていると、ふと目の前に影が差す。
「大丈夫か?」
涙に濡れた瞳で見上げると、月曜日の朝──その数日前にも件の二人を見掛け、書籍を落としたのだがわざわざ教室まで届けてくれたのだ──にも会った、一学年上の大和(やまと)という男だった。
溺愛極道と逃げたがりのウサギ
イワキヒロチカ
BL
完全会員制クラブでキャストとして働く湊には、忘れられない人がいた。
想い合いながら、…想っているからこそ逃げ出すしかなかった初恋の相手が。
悲しい別れから五年経ち、少しずつ悲しみも癒えてきていたある日、オーナーが客人としてクラブに連れてきた男はまさかの初恋の相手、松平竜次郎その人で……。
※本編完結済。アフター&サイドストーリー更新中。
二人のその後の話は【極道とウサギの甘いその後+ナンバリング】、サイドストーリー的なものは【タイトル(メインになるキャラ)】で表記しています。
魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由
スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの少年二人は、15歳になり神の祝福でスキルを得た事で道をたがえる。彼らはやがて青年となり、片方は魔王討伐に旅立つ勇者として華々しい活躍をし、もう片方はただ彼の帰還を待つ相変わらずスラム暮らしの存在となる。
これは何も持たない青年がただ勇者の帰りを待つ日常を描いた作品です。
無自覚両片想いの勇者×親友。
読了後、もう一度だけ読み直して頂けると何か見える世界が変わるかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる