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演奏会が始まってやっぱり強豪って言うだけあるなと思った。
舞台演出も安定しているし、演奏も上手い。それに部員の一人一人が自信を持って演奏していて楽しんでいるっていう事が伝わってくる。
隣で聞いている悠真も楽しそうだ。やっぱり吹奏楽っていいな。
でもまだ中学の部活での事を引きずっている俺にはいいと思っても自分がその中に入りたいとは思えない。
そんな事を思いながら聞いていたんだ、最初は。
それは突然で、よくあるいろいろなパートがソロを吹く曲だった。
その中でバリトンサックスのソロの番が来たんだがその時はまだただかっこいい人だなぁとあるいて前にでてくるのを眺めていて油断してた。
一音目を聞いた瞬間、頭の中に直接金槌で打たれたみたいな衝撃で一瞬何があったのか理解出来なかった。自分の中であった常識を覆されていくようなソロだった。
俺の今まで聞いていた同年代の演奏とは全然違っていてアマチュアからプロの世界に片足突っ込んでいるみたいな‥でもまだまだ学生らしさもあって‥とにかくこの人の近くで一緒に吹いてみたいと強く思った。
今までも楽しそうとは思っても吹きたいとは思えなかったがこの人とは吹きたいとは思った自分にも驚いた。あんなに部活をもう嫌だと思っていたのに。あの人があんな風に吹ける環境にも興味がでてきた。
その後も演奏会は続いていったが俺はあの人のことばかり見てしまった。
隣にいる悠真が興奮冷めやまぬといった感じで
「めっちゃすごかったね!あんなの初めて聞いたよ!」
そんな事を言ってくるので釣られて俺も話し込んでしまい案内の方に
「間も無く閉場ですのでご退出ください」
と言われてしまった。
帰りの電車でパンフレットを見ていて後ろの方に部員のパートと名前が載っている欄があった。見たところあの人は須藤真冬といってまだ一年らしい。
演奏会を聞く前は清光に行く気はなかったが気が変わった。今の俺には清光に行く以外の選択肢はなくなった。
とりあえず家に帰ったら久しぶりに練習するか。
家に帰ると母さんが玄関まで出てきて
「おかえり、どうだった?」
「‥‥練習してくる。」
後ろから母さんのやっぱりね、みたいなため息が聞こえた気もしたが気にせず俺は自分の部屋に行き楽器ケースの蓋を開けた。
舞台演出も安定しているし、演奏も上手い。それに部員の一人一人が自信を持って演奏していて楽しんでいるっていう事が伝わってくる。
隣で聞いている悠真も楽しそうだ。やっぱり吹奏楽っていいな。
でもまだ中学の部活での事を引きずっている俺にはいいと思っても自分がその中に入りたいとは思えない。
そんな事を思いながら聞いていたんだ、最初は。
それは突然で、よくあるいろいろなパートがソロを吹く曲だった。
その中でバリトンサックスのソロの番が来たんだがその時はまだただかっこいい人だなぁとあるいて前にでてくるのを眺めていて油断してた。
一音目を聞いた瞬間、頭の中に直接金槌で打たれたみたいな衝撃で一瞬何があったのか理解出来なかった。自分の中であった常識を覆されていくようなソロだった。
俺の今まで聞いていた同年代の演奏とは全然違っていてアマチュアからプロの世界に片足突っ込んでいるみたいな‥でもまだまだ学生らしさもあって‥とにかくこの人の近くで一緒に吹いてみたいと強く思った。
今までも楽しそうとは思っても吹きたいとは思えなかったがこの人とは吹きたいとは思った自分にも驚いた。あんなに部活をもう嫌だと思っていたのに。あの人があんな風に吹ける環境にも興味がでてきた。
その後も演奏会は続いていったが俺はあの人のことばかり見てしまった。
隣にいる悠真が興奮冷めやまぬといった感じで
「めっちゃすごかったね!あんなの初めて聞いたよ!」
そんな事を言ってくるので釣られて俺も話し込んでしまい案内の方に
「間も無く閉場ですのでご退出ください」
と言われてしまった。
帰りの電車でパンフレットを見ていて後ろの方に部員のパートと名前が載っている欄があった。見たところあの人は須藤真冬といってまだ一年らしい。
演奏会を聞く前は清光に行く気はなかったが気が変わった。今の俺には清光に行く以外の選択肢はなくなった。
とりあえず家に帰ったら久しぶりに練習するか。
家に帰ると母さんが玄関まで出てきて
「おかえり、どうだった?」
「‥‥練習してくる。」
後ろから母さんのやっぱりね、みたいなため息が聞こえた気もしたが気にせず俺は自分の部屋に行き楽器ケースの蓋を開けた。
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