一目惚れならぬ一聴き惚れ

ぺんぺんぐさ

文字の大きさ
4 / 5

4

しおりを挟む
 1の内容を少し書き直したので最初から読んでいただいた方がわかりやすいかもしれません。
読んでいただきありがとうございます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





 部活を辞めてから楽器を吹くのは久しぶりで毎日のように吹いていたあの頃と比べ、少し感覚が鈍ってしまっていた。リードも放置し過ぎて全部もうダメだな‥。
 仕方ないので楽器屋に行くことにした。ついでにチェロの弦も買おうかな‥。

 なんだかいろいろな事をやりたい気分だ。こんな前向きな気持ち久しぶりだった。

 とりあえず母さん達に高校は清光に行きたいと伝えると母さんはやっぱりねと言った反応で、父さんに関してはなんだかそわそわ嬉しそうにしている。なんでだ?
 ‥‥あっそういえば父さんは清光の卒業生だったな‥息子が自分と同じ高校に行くと言い出して嬉しいのか。別に父さんに憧れて~とかそんな感じではないんだが。それに憧れている人は別にいるし‥‥‥まあいっか、夢を壊すのも可哀想だ。

 一応悠真にも伝えたがこちらも清光に決めたようだ。
 なんでもオープンキャンパスに行った時、顧問の先生にうちに来ないかと言われたらしい。悠真も部の雰囲気が好みだったようで先輩とも既に連絡先交換済みだそうだ。

「いや~湊太が清光に決めてくれて良かったよ~俺らの学年あんまり清光行くって人いなかったからちょっと心細かったんだよね」

「お前の事だからなんやかんや図太くやって行けそうだけど」

「そんな事言うなよ~‥‥でも湊太が前向きになって良かった。一緒に入学できるように受験勉強頑張ろうな。なんだったら勉強教えて欲しい」
 
 少し安堵した様な笑いを浮かべて一緒に頑張ろうと言ってくれているこの幼馴染は本当にいい奴だ。高校では俺にしてくれたみたいに悠真が頼れる様になりたいな‥まあまずは受験に受からないとだけども。

「教えてもいいけど休憩とか言っていつもみたいにゲームし始めるのは無しな。収集つかなくなってゲームばっかになるし」

「えぇ‥まあ、受験だしなぁゲームは諦める。」

「受験じゃなくてもだよ」

 まさかと思って言ったが図星だった様だ、危ない危ない。悠真は一回ゲームやり始めたらずっとやっちゃうタイプだからな事前に止めとかないと。
 あの人の近くに行くためにも頑張らねば‥。 

 俺たちは親の支えもあり受験を無事終えた。おれは元々普通に受かる範囲内だし悠真も分からない所は俺が教えて着々と成績を伸ばしていたので思っていたよりも手ごたえがあったらしい。二人とも受かる事ができて良かった。
 あの人に憧れて頑張ったが、なんやかんやこの幼馴染とまた同じ学校に通えるかもしれないと言うのも頑張れた理由だと思う。幼稚園から一緒なので今更離れるのも少し寂しいからな‥本人に言ったら面倒くさいから言わないけど。

 兎に角入学が決まったので通い始めるまでに楽器の練習も頑張らねば。


 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケメン大学生にナンパされているようですが、どうやらただのナンパ男ではないようです

市川
BL
会社帰り、突然声をかけてきたイケメン大学生。断ろうにもうまくいかず……

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

幼馴染みに告白したら、次の日オレ当て馬になってたんですけど!?

曲がる定規
BL
登場人物 慎太郎 (シンタロウ) ユキ 始 (ハジメ) あらすじ  慎太郎とユキ、始の三人は幼馴染で、隣同士に住んでいる。  ある日、慎太郎がユキの部屋でゲームをしていると、ユキがポツリと悩みを口にした。『友達の好きと恋愛の好きって、何が違うの?』と。  密かにユキに想いを寄せていた慎太郎。ここは関係を一歩進められるチャンスだと思い、ユキに想いを告げる。  唇を近づけた慎太郎。そこに偶然やって来た始に、慎太郎は思いっきり殴られてしまう。慎太郎は何がなんだかわからないと混乱する。しかし、ユキと始に帰るよう言われ渋々帰宅した。  訳のわからないまま翌日になると、ユキと始は付き合い始めたと言われてしまう。 「この作品は『KADOKAWA×pixiv ノベル大賞2024』の「BL部門」お題イラストから着想し、創作したものです。 そちらに加筆、修正を加えています。  https://www.pixiv.net/novel/contest/kadokawapixivnovel24」

ヴァレンツィア家だけ、形勢が逆転している

狼蝶
BL
美醜逆転世界で”悪食伯爵”と呼ばれる男の話。

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

処理中です...