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俺は入学説明会に来ていた。
来ていたんだが‥‥ここはどこだ?会場に行くまでは他の人と一緒に案内してもらって来たが、その後校舎内を見て回っていいと言われて悠真と一緒に見ていたんだが逸れてしまったらしい。
この学校生徒の人数が多いだけあって校舎も広い。広すぎる。普段は道に迷うと言う事は無いんだが如何せんあの人と同じ学校という事で浮かれていた様だ。
悠真に連絡してもなんか繋がんないし人に道を聞こうにも誰も通らない‥。かれこれ20分程迷いまくって今は諦めて階段に座っている。この階段も何回通った事か‥どうしよう‥帰れない‥もう一回悠真に連絡するか?
「そこの君!なんでここにいるんだ?この階は中学生は入れない筈なんだけど‥」
階段の上から誰かに声をかけられた。
やばい‥やっぱり迷い過ぎて変なとこに来ていたらしい。どうりで全然誰も通らないわけだ‥怖くて顔が見れない‥怒られるかな。
「す、すみません‥校舎を見てまわっていたんですが道に迷って‥」
相手が降りてくる。
「あぁ迷ったのか、まあ中学の校舎と比べたら広いもんな。もう帰るだけだろ?校門の方まで送るよ。」
「ありがとうございます!‥‥えっ」
「ん?」
俺はここで初めて相手の顔を見た。
失礼だと分かっているが俺は少し下を向いていたし、相手の身長が俺より多分20センチ程高いんだろう。見上げないと顔が見えなかったんだ。
相手はあの人‥‥‥もとい須藤さんだった。嘘だろ‥
「どうかした?なんかまだ用事とかあったらその場所に案内するけど‥」
「い、いえ大丈夫です。ちょっと驚いただけなので‥」
「そう?じゃあ校門はこっちだから着いて来て」
憧れの須藤さんだなんて思っても見なかったから驚いた。変なやつだと思われたかな‥やらかした。1人で頭を抱えていたら話しかけてくれた。
「そういやうちに入学するっていうことはなんか部活とかやってるの?」
「一応吹奏楽部に‥」
「そうなのか!俺も吹部なんだ。高校ではやるの?」
「はい!その為に受験した節もあるので‥」
「そっかそっか!入部してくるの待ってるね。話してたらもう着いちゃったな、ここからはもう大丈夫?」
「はい、ありがとうございました!」
もう着いてしまった。恥ずかしいと言う気持ちもあったがもう少し話してたかったな。緊張しすぎてちゃんと話せていたかは分からないが。
「そういえば名前なんて言うの?俺須藤真冬って言うんだ。女の人みたいな名前だろ?」
「いえ素敵な名前だと思います。俺は好きですよ、その名前。俺は結城湊太と言います。今日は本当にありがとうございました。」
「いいよいいよ。 俺が自分で連れて行くって言ったんだし。じゃあまたね、気をつけて。」
「はい。さようなら」
須藤さんと別れた後少し離れたところに悠真が居た。俺を見つけると手を振って近づいて来た。
「もー!何処行ってたんだよ~。気付いたら居ないし見つかんないし!」
「ごめんごめん。でも俺連絡したよ?」
「それは~携帯を家に忘れたと言うかなんと言うか‥‥」
悠真は下手な口笛を吹き始めた。
俺が悪いんだがこいつもこいつだよな‥でもそのおかげで須藤さんに会えたしな。あれは嬉しかった。
「‥なんかいいことでもあったの?」
「えっ‥いや?別になんも無いけど?」
「ふーん」
なんでだ?須藤さんのことは悠真に一言も言ってない筈だが‥こいつニヤニヤしてやがる‥‥こう言う時ばっかり勘がよくてこまる。ここに居ても全部話せと言われそうなので早く帰ろう。
「いいから。早く帰ろう。」
「まあいいけど、今度教えろよ?」
危ない、バレるとこだった。別に隠す必要も無いんだが‥今日の出来事はなんだか秘密にしたかったんだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お待たせしました‥5話目にしてやっと先輩と出会いました。ここからはちゃんと先輩と絡める様にしていきます‥
面白いと思っていただけたら感想やエールなど良かったらお願いします_φ(・_・
読んでいただきありがとうございました♪
来ていたんだが‥‥ここはどこだ?会場に行くまでは他の人と一緒に案内してもらって来たが、その後校舎内を見て回っていいと言われて悠真と一緒に見ていたんだが逸れてしまったらしい。
この学校生徒の人数が多いだけあって校舎も広い。広すぎる。普段は道に迷うと言う事は無いんだが如何せんあの人と同じ学校という事で浮かれていた様だ。
悠真に連絡してもなんか繋がんないし人に道を聞こうにも誰も通らない‥。かれこれ20分程迷いまくって今は諦めて階段に座っている。この階段も何回通った事か‥どうしよう‥帰れない‥もう一回悠真に連絡するか?
「そこの君!なんでここにいるんだ?この階は中学生は入れない筈なんだけど‥」
階段の上から誰かに声をかけられた。
やばい‥やっぱり迷い過ぎて変なとこに来ていたらしい。どうりで全然誰も通らないわけだ‥怖くて顔が見れない‥怒られるかな。
「す、すみません‥校舎を見てまわっていたんですが道に迷って‥」
相手が降りてくる。
「あぁ迷ったのか、まあ中学の校舎と比べたら広いもんな。もう帰るだけだろ?校門の方まで送るよ。」
「ありがとうございます!‥‥えっ」
「ん?」
俺はここで初めて相手の顔を見た。
失礼だと分かっているが俺は少し下を向いていたし、相手の身長が俺より多分20センチ程高いんだろう。見上げないと顔が見えなかったんだ。
相手はあの人‥‥‥もとい須藤さんだった。嘘だろ‥
「どうかした?なんかまだ用事とかあったらその場所に案内するけど‥」
「い、いえ大丈夫です。ちょっと驚いただけなので‥」
「そう?じゃあ校門はこっちだから着いて来て」
憧れの須藤さんだなんて思っても見なかったから驚いた。変なやつだと思われたかな‥やらかした。1人で頭を抱えていたら話しかけてくれた。
「そういやうちに入学するっていうことはなんか部活とかやってるの?」
「一応吹奏楽部に‥」
「そうなのか!俺も吹部なんだ。高校ではやるの?」
「はい!その為に受験した節もあるので‥」
「そっかそっか!入部してくるの待ってるね。話してたらもう着いちゃったな、ここからはもう大丈夫?」
「はい、ありがとうございました!」
もう着いてしまった。恥ずかしいと言う気持ちもあったがもう少し話してたかったな。緊張しすぎてちゃんと話せていたかは分からないが。
「そういえば名前なんて言うの?俺須藤真冬って言うんだ。女の人みたいな名前だろ?」
「いえ素敵な名前だと思います。俺は好きですよ、その名前。俺は結城湊太と言います。今日は本当にありがとうございました。」
「いいよいいよ。 俺が自分で連れて行くって言ったんだし。じゃあまたね、気をつけて。」
「はい。さようなら」
須藤さんと別れた後少し離れたところに悠真が居た。俺を見つけると手を振って近づいて来た。
「もー!何処行ってたんだよ~。気付いたら居ないし見つかんないし!」
「ごめんごめん。でも俺連絡したよ?」
「それは~携帯を家に忘れたと言うかなんと言うか‥‥」
悠真は下手な口笛を吹き始めた。
俺が悪いんだがこいつもこいつだよな‥でもそのおかげで須藤さんに会えたしな。あれは嬉しかった。
「‥なんかいいことでもあったの?」
「えっ‥いや?別になんも無いけど?」
「ふーん」
なんでだ?須藤さんのことは悠真に一言も言ってない筈だが‥こいつニヤニヤしてやがる‥‥こう言う時ばっかり勘がよくてこまる。ここに居ても全部話せと言われそうなので早く帰ろう。
「いいから。早く帰ろう。」
「まあいいけど、今度教えろよ?」
危ない、バレるとこだった。別に隠す必要も無いんだが‥今日の出来事はなんだか秘密にしたかったんだ。
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お待たせしました‥5話目にしてやっと先輩と出会いました。ここからはちゃんと先輩と絡める様にしていきます‥
面白いと思っていただけたら感想やエールなど良かったらお願いします_φ(・_・
読んでいただきありがとうございました♪
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