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第二章
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うどん屋の駐車場と同じように、カンナを座席から引っ張り上げると
「ほんとうにありがとね。帰りの運転気をつけてね」と言ってカンナはターミナルビルに入っていった。
琢磨を見送りもせずに、一度も振り向きもせずにだ。
「お前も気をつけて行けよ」と琢磨が言った言葉には、何も言わずに頷いただけだ。
あっさりした奴だったよな昔も、そう思いながら琢磨はシートベルトを締めた。
煙草を手にしたものの、車内に漂う柔らかな匂いも悪くないかと火をつけるのはやめた。
そして、来た道を半分の時間で帰ろうと決めて、ニヤリとした。
それから10日経っても、カンナは実家に帰ってなかった。
東京での打ち合わせの後、友達と一度食事に行っただけで、関西の祖母のお見舞いに行きそのまま旅行に出ていた。
東京では元旦那の会社からの営業妨害に、傘下会社の社長たちが集まって対応を練っていた。
営業妨害といえばまだ聞こえは良い。露骨な嫌がらせということだ。
具体的なことはすでに取りまとめられていたので、それに一件づつ目を通してから緊急会議を行った。
カンナは被害の詳細報告を忘れずに届けるようにということと、顧客に辛抱強くそして真摯に振舞うようにと告げることが精一杯だった。
社員の不安を取り除き、顧客対応を徹底させなければならない。
そのためにはTOPの姿勢が重要だった。
数日のうちに対応策の効果が出始めること、今後約一ヶ月で収拾することをほのめかして、一応解散とした。
社長のなかでも特に重要な数人とはその会議の後、さらに秘密の会合をした。
カンナが定宿にしているホテルのスイートで、盗聴、盗撮などのセキュリティーチェックをした部屋での会合が始まった。
今回はマスコミを使うこと。その結果としてカンナもマスコミへの露出は避けられないこと。
スキャンダルになるので、沈静化するまではカンナには直接連絡を取らないこと。
その間、田所弁護士とカンナの秘書たちが連絡係りになることなどを伝え、
スキャンダルの影響で、もしかしたら元旦那のところに査察が入るかもしれないと告げた。
これには皆が驚いて顔を見合わせていた。
その場合、風評の影響が考えられ、株価にも一時的に反映されるかもしれないが、
あくまでも一時的なものであることを説明して、株主への対応も伝授した。
「それでだったのですね。会長に就任された後、会計を全部見直していたのは」と一人が言った。
「はい。そうなんです。今私たちの会社は全部クリーンですから安心してください。
相手が査察に入られても私たちは安全です。ですが・・・」とカンナは続けた。
「元は一緒の資金源と見られて、検査が入るかもしれません。
事情徴収されることになるかもしれません。でも動揺しなくてもいいですからね」
「はい」
「その場合は田所弁護士にすぐに連絡してください。会計士の方も準備はできてますから。
そして今ここに出席してない社長たちが不安を感じたときは支えてあげてください」
「わかりました」と全員が頷いた。
「ほんとうに申し訳ないです。私が筆頭株主ということで皆さんを巻き込んでしまって」とカンナは立ち上がって深く頭を下げた。
「よしてください」と全員が言ったので、「その代わり、次の戦略をここに用意しています」とリストを提示した。
「これは皆さんに差し上げるわけにはいかないので、一緒に見てください」とプロジェクターに大写しにする。
「相手の保有する会社一覧です」
皆が顔を上げたので、カンナは説明を始めた。
「次の戦略を開始するときはまたここに戻ってきます。
それまでは少し大人しく田舎にでも篭っておりますので、不在中はみなさんでよろしくお願いします」そうカンナが言うと、「お戻りをお待ちしています」と全員が言ってくれた。
IT企業なのでそのTOPたちも若い。
カンナが心配しなくても秀でた頭脳と体力があるのでなんとか乗り切るだろう。
その後、カンナが関西の祖母を訪ねた日に、元旦那のスキャンダル記事が週刊誌に掲載された。
まず皮切りが、IT長者の若い新妻に関する結婚前の交際疑惑だ。
「A子さんは、当時妻の居た現在の夫と不倫関係にあった同時期に他の男性とも付き合っていたらしい」という内容の控えめな記事だ。生まれたばかりの子は誰の子だ?というニュアンスのある記事になっていた。
カンナは祖母の看病をしている母にそっと「ごめんね。始まったから」と耳打ちした。
「うん。わかった。こっちのことは気にしないでいいよ」
「家に当分帰れないかもしれない」
「旅行でもして楽しんでおいで」と母は物分りの良いところを見せた。
次にカンナは神戸の兄のところにも立ち寄った。
兄は県庁の職員だ。妹のスキャンダルは頭が痛いに違いない。
お昼休みに近くのレストランで食事をしながらかいつまんで状況を説明すると、
「別れるってたいへんだな」とため息を吐かれた。
「父さんからも聞いているよ。心配するな。人の噂もなんとやらだ」
「ごめんね、ほんとに」
「いやいや、うちはそれごころじゃないからな。2人の育ち盛りの子供に振り回されてる」
「元気でいいじゃない。お義姉さんはどうしてるの?」
「元気だよ。元気で困る。またちょっと太ったと毎日言ってる」
「実家がケーキ屋さんだもんね。仕方ないよ」と言って兄と一緒に笑った。
「お義姉さんのとろにケーキを買いに寄ってもいいかな?」と聞くと、
「喜ぶよ、それは」と兄は笑って言ってくれた。
「じゃ、ちょっこっと寄ります」
「あぁ。それからこっちのことは気にするな。大丈夫だからな」
「はい。ほんとごめんね」と言って兄と別れた後、義姉の実家に立ち寄った。
そこでも事情を話して謝ると、「いいよ。もう全然気にしないで!いっそことここにも取材とか来てくれないかな~。そうすれば行列店になるから、それもいいなぁ」とのんびりした口調で言っている。
「今でもすごく忙しいのに・・・」とカンナは思わず苦笑した。
義姉の実家は関西で有名な洋菓子店だ。
老舗の上に義姉の弟が継いでからさらに人気が出ている。
義姉は実家を手伝っていた。
車を待たせているからと、お茶を断って義姉のところを出た。
その後はまっすぐ空港へ行き、飛行機の空席に座って北海道の別荘に到着したのだ。
関西でも北海道でもうかつにタクシーには乗れない。
関西では関西支社の社用車を一日借りて、北海道ではレンタカーだ。
北海道はまだ寒かった。
管理人が暖炉に火を入れてくれていたので、到着したのは夜にも係わらず部屋は暖かく、その夜は疲れもあってぐっすりと眠れた。
次の日には、その日発売の週刊誌が一斉に取り上げていた。
まだ不倫中の時代にA子と元旦那との2ショット、当時付き合っていて本命と予想されていたプロゴルファーやタレントなどとの2ショットが効果的に並べられていた。
A子の同時の友達が語る「どっちの子かわかんない」発言なども盛り込まれている。
もちろんスポーツ新聞にも面白ろ可笑しく記事になっている。
お昼にはワイドショーでも取り上げた。
カンナの写真も少しずつ出始めた。
A子の旦那の元妻という扱いである。
昔の写真で不鮮明で目隠しも入っているが、どうみてもカンナだとわかる写真だ。
報告として送られてくる週刊誌とスポーツ新聞にざっと目を通す以外には他にすることもない。
散歩をしたり、車を運転してスーパーに行ったり、DVDを観て過ごしていた。
カンナが別荘に来て5日目だったか、散歩をしていると隣の別荘のオーナーを見かけた。
「あ、カンナ!来てたの?」と気軽に声を掛けてくれたのは、華僑の人だ。
今、中国人の間で日本に別荘を持つのが流行っている。
2~3ヶ月に1度くらいの割合で数日滞在して楽しむのが彼ら流らしい。
カンナに声を掛けたのは、その火付け役ともなった人で、貿易商らしかった。
日本語が話せるのが嬉しいのか、顔を見るとこうやって話しかけてくれる。
「あら、楊さんはいついらしたの?」
「僕はね、昨日来ました」
「また専用ジェットで?」
「時は金なり!です。あっと言う間に着きますからね」
「楊さんらしい・・・」とカンナが笑うと、
「ちょうどよかったです。カンナ、ちょっと話があります」
「はい、なんでしょうか?」
「散歩の途中でしょ?僕も一緒に少し歩きますよ」と言ってカンナを促して歩き出した。
「僕の友達が別荘を欲しがっているんです」
「そうなんですか。この辺も楊さんのお友達が増えましたね」
「僕が良い場所を勧めますからね。で、カンナの家を売るつもりはありませんか?」
「ここの別荘のこと?」
「はい。カンナのところ、眺めが良いでしょ?」
「楊さんのところほどではないとは思うけど・・・」
「いけません。こういう時は、この別荘地で一番眺めが良いと言いなさい」と言ってカラカラと笑った。
「ん~。良い値段で買ってくれる人なの?」
「はい。彼は金持ちですからね」
「楊さん、高く売ってくれるなら考えてみようかな?」
「ほんとですか?」
「面倒だから、家具も一緒に売りたいな」
「あとで、彼を連れて見に行ってもいいですか?」
「はい。でももしも売買となったら弁護士に話します。それが条件です」
「あぁ、よかった。カンナが来ていて助かったよ」
午後にでも訪ねるよと言って、楊は嬉々として自分の別荘に帰って行った。
カンナが別荘に帰ってテレビをつけると、元旦那が記者たちにマイクを突きつけれてている場面が大写しになった。
どうやら子供のDNA鑑定をすることにしたらしい。その情報はカンナも事前に掴んでいたが、リークした人が居たのだろう。
それだけではない。カンナは子供が元旦那の子である可能性が低いのを知っていた。
「ほんとうにありがとね。帰りの運転気をつけてね」と言ってカンナはターミナルビルに入っていった。
琢磨を見送りもせずに、一度も振り向きもせずにだ。
「お前も気をつけて行けよ」と琢磨が言った言葉には、何も言わずに頷いただけだ。
あっさりした奴だったよな昔も、そう思いながら琢磨はシートベルトを締めた。
煙草を手にしたものの、車内に漂う柔らかな匂いも悪くないかと火をつけるのはやめた。
そして、来た道を半分の時間で帰ろうと決めて、ニヤリとした。
それから10日経っても、カンナは実家に帰ってなかった。
東京での打ち合わせの後、友達と一度食事に行っただけで、関西の祖母のお見舞いに行きそのまま旅行に出ていた。
東京では元旦那の会社からの営業妨害に、傘下会社の社長たちが集まって対応を練っていた。
営業妨害といえばまだ聞こえは良い。露骨な嫌がらせということだ。
具体的なことはすでに取りまとめられていたので、それに一件づつ目を通してから緊急会議を行った。
カンナは被害の詳細報告を忘れずに届けるようにということと、顧客に辛抱強くそして真摯に振舞うようにと告げることが精一杯だった。
社員の不安を取り除き、顧客対応を徹底させなければならない。
そのためにはTOPの姿勢が重要だった。
数日のうちに対応策の効果が出始めること、今後約一ヶ月で収拾することをほのめかして、一応解散とした。
社長のなかでも特に重要な数人とはその会議の後、さらに秘密の会合をした。
カンナが定宿にしているホテルのスイートで、盗聴、盗撮などのセキュリティーチェックをした部屋での会合が始まった。
今回はマスコミを使うこと。その結果としてカンナもマスコミへの露出は避けられないこと。
スキャンダルになるので、沈静化するまではカンナには直接連絡を取らないこと。
その間、田所弁護士とカンナの秘書たちが連絡係りになることなどを伝え、
スキャンダルの影響で、もしかしたら元旦那のところに査察が入るかもしれないと告げた。
これには皆が驚いて顔を見合わせていた。
その場合、風評の影響が考えられ、株価にも一時的に反映されるかもしれないが、
あくまでも一時的なものであることを説明して、株主への対応も伝授した。
「それでだったのですね。会長に就任された後、会計を全部見直していたのは」と一人が言った。
「はい。そうなんです。今私たちの会社は全部クリーンですから安心してください。
相手が査察に入られても私たちは安全です。ですが・・・」とカンナは続けた。
「元は一緒の資金源と見られて、検査が入るかもしれません。
事情徴収されることになるかもしれません。でも動揺しなくてもいいですからね」
「はい」
「その場合は田所弁護士にすぐに連絡してください。会計士の方も準備はできてますから。
そして今ここに出席してない社長たちが不安を感じたときは支えてあげてください」
「わかりました」と全員が頷いた。
「ほんとうに申し訳ないです。私が筆頭株主ということで皆さんを巻き込んでしまって」とカンナは立ち上がって深く頭を下げた。
「よしてください」と全員が言ったので、「その代わり、次の戦略をここに用意しています」とリストを提示した。
「これは皆さんに差し上げるわけにはいかないので、一緒に見てください」とプロジェクターに大写しにする。
「相手の保有する会社一覧です」
皆が顔を上げたので、カンナは説明を始めた。
「次の戦略を開始するときはまたここに戻ってきます。
それまでは少し大人しく田舎にでも篭っておりますので、不在中はみなさんでよろしくお願いします」そうカンナが言うと、「お戻りをお待ちしています」と全員が言ってくれた。
IT企業なのでそのTOPたちも若い。
カンナが心配しなくても秀でた頭脳と体力があるのでなんとか乗り切るだろう。
その後、カンナが関西の祖母を訪ねた日に、元旦那のスキャンダル記事が週刊誌に掲載された。
まず皮切りが、IT長者の若い新妻に関する結婚前の交際疑惑だ。
「A子さんは、当時妻の居た現在の夫と不倫関係にあった同時期に他の男性とも付き合っていたらしい」という内容の控えめな記事だ。生まれたばかりの子は誰の子だ?というニュアンスのある記事になっていた。
カンナは祖母の看病をしている母にそっと「ごめんね。始まったから」と耳打ちした。
「うん。わかった。こっちのことは気にしないでいいよ」
「家に当分帰れないかもしれない」
「旅行でもして楽しんでおいで」と母は物分りの良いところを見せた。
次にカンナは神戸の兄のところにも立ち寄った。
兄は県庁の職員だ。妹のスキャンダルは頭が痛いに違いない。
お昼休みに近くのレストランで食事をしながらかいつまんで状況を説明すると、
「別れるってたいへんだな」とため息を吐かれた。
「父さんからも聞いているよ。心配するな。人の噂もなんとやらだ」
「ごめんね、ほんとに」
「いやいや、うちはそれごころじゃないからな。2人の育ち盛りの子供に振り回されてる」
「元気でいいじゃない。お義姉さんはどうしてるの?」
「元気だよ。元気で困る。またちょっと太ったと毎日言ってる」
「実家がケーキ屋さんだもんね。仕方ないよ」と言って兄と一緒に笑った。
「お義姉さんのとろにケーキを買いに寄ってもいいかな?」と聞くと、
「喜ぶよ、それは」と兄は笑って言ってくれた。
「じゃ、ちょっこっと寄ります」
「あぁ。それからこっちのことは気にするな。大丈夫だからな」
「はい。ほんとごめんね」と言って兄と別れた後、義姉の実家に立ち寄った。
そこでも事情を話して謝ると、「いいよ。もう全然気にしないで!いっそことここにも取材とか来てくれないかな~。そうすれば行列店になるから、それもいいなぁ」とのんびりした口調で言っている。
「今でもすごく忙しいのに・・・」とカンナは思わず苦笑した。
義姉の実家は関西で有名な洋菓子店だ。
老舗の上に義姉の弟が継いでからさらに人気が出ている。
義姉は実家を手伝っていた。
車を待たせているからと、お茶を断って義姉のところを出た。
その後はまっすぐ空港へ行き、飛行機の空席に座って北海道の別荘に到着したのだ。
関西でも北海道でもうかつにタクシーには乗れない。
関西では関西支社の社用車を一日借りて、北海道ではレンタカーだ。
北海道はまだ寒かった。
管理人が暖炉に火を入れてくれていたので、到着したのは夜にも係わらず部屋は暖かく、その夜は疲れもあってぐっすりと眠れた。
次の日には、その日発売の週刊誌が一斉に取り上げていた。
まだ不倫中の時代にA子と元旦那との2ショット、当時付き合っていて本命と予想されていたプロゴルファーやタレントなどとの2ショットが効果的に並べられていた。
A子の同時の友達が語る「どっちの子かわかんない」発言なども盛り込まれている。
もちろんスポーツ新聞にも面白ろ可笑しく記事になっている。
お昼にはワイドショーでも取り上げた。
カンナの写真も少しずつ出始めた。
A子の旦那の元妻という扱いである。
昔の写真で不鮮明で目隠しも入っているが、どうみてもカンナだとわかる写真だ。
報告として送られてくる週刊誌とスポーツ新聞にざっと目を通す以外には他にすることもない。
散歩をしたり、車を運転してスーパーに行ったり、DVDを観て過ごしていた。
カンナが別荘に来て5日目だったか、散歩をしていると隣の別荘のオーナーを見かけた。
「あ、カンナ!来てたの?」と気軽に声を掛けてくれたのは、華僑の人だ。
今、中国人の間で日本に別荘を持つのが流行っている。
2~3ヶ月に1度くらいの割合で数日滞在して楽しむのが彼ら流らしい。
カンナに声を掛けたのは、その火付け役ともなった人で、貿易商らしかった。
日本語が話せるのが嬉しいのか、顔を見るとこうやって話しかけてくれる。
「あら、楊さんはいついらしたの?」
「僕はね、昨日来ました」
「また専用ジェットで?」
「時は金なり!です。あっと言う間に着きますからね」
「楊さんらしい・・・」とカンナが笑うと、
「ちょうどよかったです。カンナ、ちょっと話があります」
「はい、なんでしょうか?」
「散歩の途中でしょ?僕も一緒に少し歩きますよ」と言ってカンナを促して歩き出した。
「僕の友達が別荘を欲しがっているんです」
「そうなんですか。この辺も楊さんのお友達が増えましたね」
「僕が良い場所を勧めますからね。で、カンナの家を売るつもりはありませんか?」
「ここの別荘のこと?」
「はい。カンナのところ、眺めが良いでしょ?」
「楊さんのところほどではないとは思うけど・・・」
「いけません。こういう時は、この別荘地で一番眺めが良いと言いなさい」と言ってカラカラと笑った。
「ん~。良い値段で買ってくれる人なの?」
「はい。彼は金持ちですからね」
「楊さん、高く売ってくれるなら考えてみようかな?」
「ほんとですか?」
「面倒だから、家具も一緒に売りたいな」
「あとで、彼を連れて見に行ってもいいですか?」
「はい。でももしも売買となったら弁護士に話します。それが条件です」
「あぁ、よかった。カンナが来ていて助かったよ」
午後にでも訪ねるよと言って、楊は嬉々として自分の別荘に帰って行った。
カンナが別荘に帰ってテレビをつけると、元旦那が記者たちにマイクを突きつけれてている場面が大写しになった。
どうやら子供のDNA鑑定をすることにしたらしい。その情報はカンナも事前に掴んでいたが、リークした人が居たのだろう。
それだけではない。カンナは子供が元旦那の子である可能性が低いのを知っていた。
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