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第二章
第17話 アルフレッドとの交渉
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翌日、イスマイール伯爵家の使用人がアンネローゼからの手紙を届けてくれた。
手紙には、カインには自分が弁明するから心配しないで、巻き込んでごめんね、といった内容が綴られていた。どうするべきかしばらく一人で考えてみる、とも。
アンネローゼの心中も心配だったが、かといって彼女にかける言葉も見つからず。マリアヴェル自身どうするのが正しいのかわからないまま、とにかくフローリアに謝らなくてはという想いから公爵邸に行くことを決めた。
そうして、あの騒動から六日後。
マリアヴェルは現在、アルフレッドの書斎の前で深呼吸をしていた。気合を入れて、コンコン、と扉を叩く。
「お兄様、お話があるの」
応答まで少しの間があった。
「……どうぞ」
扉を開け、部屋に足を踏み入れたマリアヴェルは息を呑んだ。
マリアヴェルが気落ちしている時のアルフレッドはいつだって優しく、慈しみに満ちた眼差しで見守ってくれる。
だが、今日は違った。
執務机に寄りかかり、佇むアルフレッドから漂う雰囲気は悠然としたもの。ランプの明かりを孕んで輝く瞳の静謐さは、心の内すべてを暴いてしまいそうな魔性を秘めている。
目が合えば、第一王子と対面した時とは異なる緊張感に見舞われた。意志をしっかり保たないと、あっという間に呑まれてアルフレッドの意のままに流されてしまいそう。
「話って?」
促し方まで普段と異なった。いつもの柔らかさからは程遠い、ぴんと張った声音。
マリアヴェルは理解した。アルフレッドはこちらの用件を察している。だからこうなのだ、と。
今から行われるのは無条件に甘やかしてもらえる兄妹の会話ではなく――交渉だ。
意を決して、口を開く。
「フローリア様のお見舞いを、お兄様にお願いしたいの」
「どうして僕が?」
「わたしは、門前払いだから……」
しゅん、とマリアヴェルは肩を落とす。
五日間、マリアヴェルは毎日公爵邸に通った。だが、フローリアには取り次いでもらえなかった。手紙だけでもと思っても、公爵家の使用人に困り顔で首を横に振られてしまう。フローリアは外出しないから、部屋に招き入れてもらわないと会う手段は皆無。
謝罪どころか、マリアヴェルはフローリアと顔を合わせることすら叶わなかったのだ。
門前払いの状況をどう打破すべきか。悩んだ末に至った結論がこれだった。
「お兄様なら、フローリア様も無下にはしないと思うの」
今ならわかる。
アンネローゼとカインの結婚準備を進めるため、フローリアは自身の婚約を急いでいた。だが、そうであるならアルフレッドにこだわる必要などない。結婚に意欲的でないアルフレッドは、寧ろフローリアの望む条件には見合わない。それでも彼女はアルフレッドがいいと言い張った。
綺麗な顔は周りの自慢になると口にしていたが。たぶん、そうじゃないのだ。
「フローリア様は、お兄様ならわかってくれると思ったからお兄様にこだわったんじゃないかしら」
アルフレッドならば、フローリアの心に土足で踏み込んだりしない。彼女はそう感じたのではないだろうか。
公爵家の令嬢なら、アルフレッドの名声は十分に聞き及んでいるだろう。彼女の父親もアルフレッドの手腕を娘に説いていたみたいだし。
聡明なアルフレッドなら余計な詮索をせず、フローリアの想いを踏み躙ることなく尊重したまま、理想の結婚相手でいてくれる。そんな期待をしていたのではないだろうか。
「お兄様もそれがわかっていたから、フローリア様のことを気にかけていた――違う?」
「……」
アルフレッドは何も言わない。正解なのか不正解なのかすらも。
「お兄様はフローリア様が唯一頼った人。だから、あの……」
沈黙に耐えかねて、マリアヴェルはおずおずと尋ねた。
「お兄様は、フローリア様が心配じゃない?」
「その聞き方はずるいと思うけど」
「う……」
その通りだった。心配か心配じゃないかと問われれば、人でなしでもない限り答えは決まっている。
アルフレッドが嘆息した。
「……いいよ、答えておこうか。心配かと聞かれれば、特には」
天使もかくやな美貌から、悪魔みたいな発言が飛び出した。マリアヴェルの不服な眼差しを受けても、アルフレッドは涼しい顔で肩を竦める。
「このあいだマリィがぼやいていた通り、僕はお人好しじゃないからね。彼女自身が招いた結果だし、自業自得だとしか思わない。拗れた最大の要因は、フローリア嬢がアンネローゼ嬢に吐いた嘘だ。その過ちをどうにかしようと契約結婚を画策し、失敗した流れまで含めて、ね」
確かに、カインを好きだと仄めかしたりしなければ、ここまで拗れたりしなかっただろう。だが、事実が明らかとなった今ならその時のフローリアの胸中も想像がつく。
本当の気持ちを口にできなかったフローリアがアンネローゼから逃げるには、その嘘に縋るしかなかったのだ。少なくとも、当時のフローリアにとっては。
「きっかけがなんであっても、わたしが引っ掻き回してしまったのは事実だわ。フローリア様を追い詰めてしまった過ちはなかったことになったりしないもの……」
「僕は君の保護者だよ。君に非があるなら責めを負うけど……この件に関してその必要性は感じないな。他愛ない喧嘩だ。僕の出る幕はないよ」
「他愛ない?」
反感を、アルフレッドは微笑み一つで流す。
「命が懸かっているわけでもなんでもない。想いが一方通行なんて、珍しい話じゃない」
「世の中には、失恋がきっかけで命を絶つ人だっているわ」
「彼女にそれだけの思い切りの良さがあるなら、事はここまで拗れなかっただろうね」
駄目だ。何を言ってもアルフレッドには響きそうにない。どうすれば兄の助力が得られるのか。まったく動じないアルフレッドの厄介さを、マリアヴェルは痛感した。
「失意のどん底なのも、今だけだ。フローリア嬢が懸念する親友の婚約騒動に関しても同じ。いずれアンネローゼ嬢は周囲の声に押され、話を進めることになるよ」
やけに確信的な物言いだった。アルフレッドが意味ありげに笑む。
「マリィはすっかり失念しているみたいだけれど。君はアンネローゼ嬢に一杯食わされ、破談計画の進行に一役買った。といっても、これに関しては君がしくじったわけじゃないよ。マリィはやるべきことはきちんとやっていたからね。アンネローゼ嬢に協力する前、僕に意見を求めただろう?」
先見の明に優れたアルフレッドが反対するなら、アンネローゼに協力はできないと思っていた。
「僕がアンネローゼ嬢の行動を視野に入れていなかったと思うかい?」
「お兄様は、アンネ様が強行するとわかっていた……?」
「そうだよ。そして、アンネローゼ嬢がどれだけ抵抗しても破談には至らないであろうことも、わかっていた」
どういう意味だろう。
アルフレッドが首を傾げる。
「根も葉もない僕の記事だけれど、フローリア嬢が単独でできたと思うかい? 僕はその手の噂とは無縁なのに、新聞社も随分と危険を冒したものだ。フローリア嬢個人に、それだけの権力があるものかな?」
「公爵家が、フローリア様に手を貸しているの……?」
マリアヴェルの回答に、アルフレッドが満足げに微笑む。あっ、と気づいた。
「だからお兄様は、フローリア様がお兄様との交際をご両親に打ち明ける気でいるって聞いた時、困惑していたのねっ」
「そういうことだね。僕の不興を買うだけで不発に終わる脅し文句を公爵が容認したのは意外だったから。シュタットノイン公は人格者だけれど、愛娘は別格らしい」
情報量が多くて、話についていくのがやっとだ。自分の意見を述べる隙もない。これもアルフレッドの術中なのだろうか。
「婚約の解消が現実味を帯びたら、公爵家が両家の仲を取り持つよ。アンネローゼ嬢とカイン殿の婚姻がフローリア嬢の望みである限りはね。フローリア嬢が抱えている悩みをどこまで打ち明けているのかは知らないけれど、社交を免除している時点で娘をかなり気遣っているのは察せる。公爵家に仲裁されたら、伯爵家も子爵家も婚約を白紙になんてできない」
アンネローゼがどんなに躊躇しても、カインとの結婚は決定事項ということ。
「放っておけば、この件は収まるところに収まるよ。二人の友情が戻るかどうかは別として、ね。アルバレス家の次男坊が少々不憫だけれど……これまで随分とフローリア嬢に割を食わせていたようだし、多少苦労した方が天秤の釣り合いも取れるんじゃないかな」
無情にも、アルフレッドはそう締め括った。
手紙には、カインには自分が弁明するから心配しないで、巻き込んでごめんね、といった内容が綴られていた。どうするべきかしばらく一人で考えてみる、とも。
アンネローゼの心中も心配だったが、かといって彼女にかける言葉も見つからず。マリアヴェル自身どうするのが正しいのかわからないまま、とにかくフローリアに謝らなくてはという想いから公爵邸に行くことを決めた。
そうして、あの騒動から六日後。
マリアヴェルは現在、アルフレッドの書斎の前で深呼吸をしていた。気合を入れて、コンコン、と扉を叩く。
「お兄様、お話があるの」
応答まで少しの間があった。
「……どうぞ」
扉を開け、部屋に足を踏み入れたマリアヴェルは息を呑んだ。
マリアヴェルが気落ちしている時のアルフレッドはいつだって優しく、慈しみに満ちた眼差しで見守ってくれる。
だが、今日は違った。
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目が合えば、第一王子と対面した時とは異なる緊張感に見舞われた。意志をしっかり保たないと、あっという間に呑まれてアルフレッドの意のままに流されてしまいそう。
「話って?」
促し方まで普段と異なった。いつもの柔らかさからは程遠い、ぴんと張った声音。
マリアヴェルは理解した。アルフレッドはこちらの用件を察している。だからこうなのだ、と。
今から行われるのは無条件に甘やかしてもらえる兄妹の会話ではなく――交渉だ。
意を決して、口を開く。
「フローリア様のお見舞いを、お兄様にお願いしたいの」
「どうして僕が?」
「わたしは、門前払いだから……」
しゅん、とマリアヴェルは肩を落とす。
五日間、マリアヴェルは毎日公爵邸に通った。だが、フローリアには取り次いでもらえなかった。手紙だけでもと思っても、公爵家の使用人に困り顔で首を横に振られてしまう。フローリアは外出しないから、部屋に招き入れてもらわないと会う手段は皆無。
謝罪どころか、マリアヴェルはフローリアと顔を合わせることすら叶わなかったのだ。
門前払いの状況をどう打破すべきか。悩んだ末に至った結論がこれだった。
「お兄様なら、フローリア様も無下にはしないと思うの」
今ならわかる。
アンネローゼとカインの結婚準備を進めるため、フローリアは自身の婚約を急いでいた。だが、そうであるならアルフレッドにこだわる必要などない。結婚に意欲的でないアルフレッドは、寧ろフローリアの望む条件には見合わない。それでも彼女はアルフレッドがいいと言い張った。
綺麗な顔は周りの自慢になると口にしていたが。たぶん、そうじゃないのだ。
「フローリア様は、お兄様ならわかってくれると思ったからお兄様にこだわったんじゃないかしら」
アルフレッドならば、フローリアの心に土足で踏み込んだりしない。彼女はそう感じたのではないだろうか。
公爵家の令嬢なら、アルフレッドの名声は十分に聞き及んでいるだろう。彼女の父親もアルフレッドの手腕を娘に説いていたみたいだし。
聡明なアルフレッドなら余計な詮索をせず、フローリアの想いを踏み躙ることなく尊重したまま、理想の結婚相手でいてくれる。そんな期待をしていたのではないだろうか。
「お兄様もそれがわかっていたから、フローリア様のことを気にかけていた――違う?」
「……」
アルフレッドは何も言わない。正解なのか不正解なのかすらも。
「お兄様はフローリア様が唯一頼った人。だから、あの……」
沈黙に耐えかねて、マリアヴェルはおずおずと尋ねた。
「お兄様は、フローリア様が心配じゃない?」
「その聞き方はずるいと思うけど」
「う……」
その通りだった。心配か心配じゃないかと問われれば、人でなしでもない限り答えは決まっている。
アルフレッドが嘆息した。
「……いいよ、答えておこうか。心配かと聞かれれば、特には」
天使もかくやな美貌から、悪魔みたいな発言が飛び出した。マリアヴェルの不服な眼差しを受けても、アルフレッドは涼しい顔で肩を竦める。
「このあいだマリィがぼやいていた通り、僕はお人好しじゃないからね。彼女自身が招いた結果だし、自業自得だとしか思わない。拗れた最大の要因は、フローリア嬢がアンネローゼ嬢に吐いた嘘だ。その過ちをどうにかしようと契約結婚を画策し、失敗した流れまで含めて、ね」
確かに、カインを好きだと仄めかしたりしなければ、ここまで拗れたりしなかっただろう。だが、事実が明らかとなった今ならその時のフローリアの胸中も想像がつく。
本当の気持ちを口にできなかったフローリアがアンネローゼから逃げるには、その嘘に縋るしかなかったのだ。少なくとも、当時のフローリアにとっては。
「きっかけがなんであっても、わたしが引っ掻き回してしまったのは事実だわ。フローリア様を追い詰めてしまった過ちはなかったことになったりしないもの……」
「僕は君の保護者だよ。君に非があるなら責めを負うけど……この件に関してその必要性は感じないな。他愛ない喧嘩だ。僕の出る幕はないよ」
「他愛ない?」
反感を、アルフレッドは微笑み一つで流す。
「命が懸かっているわけでもなんでもない。想いが一方通行なんて、珍しい話じゃない」
「世の中には、失恋がきっかけで命を絶つ人だっているわ」
「彼女にそれだけの思い切りの良さがあるなら、事はここまで拗れなかっただろうね」
駄目だ。何を言ってもアルフレッドには響きそうにない。どうすれば兄の助力が得られるのか。まったく動じないアルフレッドの厄介さを、マリアヴェルは痛感した。
「失意のどん底なのも、今だけだ。フローリア嬢が懸念する親友の婚約騒動に関しても同じ。いずれアンネローゼ嬢は周囲の声に押され、話を進めることになるよ」
やけに確信的な物言いだった。アルフレッドが意味ありげに笑む。
「マリィはすっかり失念しているみたいだけれど。君はアンネローゼ嬢に一杯食わされ、破談計画の進行に一役買った。といっても、これに関しては君がしくじったわけじゃないよ。マリィはやるべきことはきちんとやっていたからね。アンネローゼ嬢に協力する前、僕に意見を求めただろう?」
先見の明に優れたアルフレッドが反対するなら、アンネローゼに協力はできないと思っていた。
「僕がアンネローゼ嬢の行動を視野に入れていなかったと思うかい?」
「お兄様は、アンネ様が強行するとわかっていた……?」
「そうだよ。そして、アンネローゼ嬢がどれだけ抵抗しても破談には至らないであろうことも、わかっていた」
どういう意味だろう。
アルフレッドが首を傾げる。
「根も葉もない僕の記事だけれど、フローリア嬢が単独でできたと思うかい? 僕はその手の噂とは無縁なのに、新聞社も随分と危険を冒したものだ。フローリア嬢個人に、それだけの権力があるものかな?」
「公爵家が、フローリア様に手を貸しているの……?」
マリアヴェルの回答に、アルフレッドが満足げに微笑む。あっ、と気づいた。
「だからお兄様は、フローリア様がお兄様との交際をご両親に打ち明ける気でいるって聞いた時、困惑していたのねっ」
「そういうことだね。僕の不興を買うだけで不発に終わる脅し文句を公爵が容認したのは意外だったから。シュタットノイン公は人格者だけれど、愛娘は別格らしい」
情報量が多くて、話についていくのがやっとだ。自分の意見を述べる隙もない。これもアルフレッドの術中なのだろうか。
「婚約の解消が現実味を帯びたら、公爵家が両家の仲を取り持つよ。アンネローゼ嬢とカイン殿の婚姻がフローリア嬢の望みである限りはね。フローリア嬢が抱えている悩みをどこまで打ち明けているのかは知らないけれど、社交を免除している時点で娘をかなり気遣っているのは察せる。公爵家に仲裁されたら、伯爵家も子爵家も婚約を白紙になんてできない」
アンネローゼがどんなに躊躇しても、カインとの結婚は決定事項ということ。
「放っておけば、この件は収まるところに収まるよ。二人の友情が戻るかどうかは別として、ね。アルバレス家の次男坊が少々不憫だけれど……これまで随分とフローリア嬢に割を食わせていたようだし、多少苦労した方が天秤の釣り合いも取れるんじゃないかな」
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