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クッコロ洞窟の冒険者
19「フラグ」の巻
しおりを挟む「薬草はとっても役に立つんだぞ!ダンジョンの中で見つけたら必ず採取しておいた方がいいぞ!」
潤んだ瞳でわざとらしく元気に振る舞う女戦士(健気)。そして、女戦士のカラ元気を熱い目で観察し、舌舐めずりしながら見つめるサキュバス(鬼畜)。
「そんな無理しなくてもいいよっ。スライムに獣○された直後にさっ」
笑顔で女戦士の真新しい傷口に塩を塗る女魔術師(鬼畜2)。
「…おまえら、いい加減にしろ」
オレは、この冒険者パーティー『カフェラテ・モブ』のリーダーとしても、女戦士の幼なじみとしても、ケジメのない二人の仲間に対して警告する。
「…でも、さっきはカフェルちゃんも迂闊だったと思うわ」
真剣な表情で自分の意見を言うサクラ。この中では一番年上で経験豊富な彼女の真剣な表情に、少しオレは気圧される。
「な、なんでだよ…。かわいそうだろ!」
オレは女戦士を庇《かば》う。
しかし、サクラもラッテも真剣な表情である。
「…毎回真っ先に前衛戦士がやられてしまうような体たらくで、パーティーの『盾』として務《つと》まるかしらっ?」
ラッテが冷静な表情でサクラの肩を持つ。
こいつホント容赦ねえな。
「け、けど…」
なおも言い募《つの》ろうとしたオレを、女戦士が片手で制する。
「二人の言う通りだ。前衛が真っ先にやられていては、パーティーの盾として失格だ…」
女戦士は顔を伏せ、力なく言う。いつも元気な女戦士が、こんな顔するなんて…
「そんな…」
オレは、こいつを『盾』なんて思ったことは一度もない。大切な仲間だからだ。しかし、それを言うことはカフェルの『戦士』としての矜持を疵《きず》付けることになってしまう。
「…今度から、わたしが自分の不注意で襲われていても、おまえ達は構わず先に行ってくれ。決して、わたしを足手まといにしないでくれ。…約束だ」
続く…
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