かっぱ戦記

hisaho

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登山と再会

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本国より500km西に位置するカパヤカ山
カッパが山を登るのは命懸けだ
大抵は干からびてしまうのだ
なのでカッパが山を登る時は当然のことながら水分補給が出来るようにまず川を探す
もし大佐がこの山の頂上で占い屋を営んでいるという噂が真実ならカッパがこの山を登るということは不可能では無いはずであった

僕の読みは当たり昼頃には川を見つけることができた
秋とはいえ日差しの強い日中なので僕は泳いで山頂を目指すことにする
気を抜けば河童の川流れになってしまう
だが川の中を泳げば少なくとも人間の山賊に襲われる心配もないだろう

僕は川の中を慎重に泳いだ
夕方になる頃にはなんとか頂上までたどり着くことが出来た
カッパでも有り得ないほどの進行速度だがこれは流石に王族の血筋といったところか
僕は泳ぐのが優れて早かったのだ

滝を迂回して少し山道を歩いたところに大きめの山小屋があった
暗くなるのを待ってから中をのぞき込む

いたよ
本当にいたよ大佐
店じまいをしたあとなのか1人で水晶を覗き込んでいた大佐がこちらに気づく
「あなたが来るのは水晶をで分かっていました」
絶対嘘だった
めちゃくちゃ驚いて焦っている大佐に呆れながらズカズカと小屋に入り込む
大佐が警戒して剣をつかんだが僕を構わずに座り込み大佐に話しかける
「国を救うためゴールデンきゅうりを探している君の力が欲しい」と

そこからは夜通しの話し合いとなった
戦争のこと亡命のこと僕の身の上彼の身の上

色々不満はあったが彼はどうやら僕と一緒に旅に出るということは承知らしかった
彼がまだ僕をしたっていたこと
彼が占い好きで戦士をやめたがっていたこと
彼の上官が大佐の退役を認めなかったこと彼がそのために命懸けで亡命をして憧れの占い屋をやったいたこと心から慕っている王への罪悪感
そしてそろそろまた剣も懐かしくなってきたこと
また国を守るために僕に協力したいこと

色々言いたい事はあるが彼は剣の腕のみで大佐までのし上がった男
人間的にはそこらの下級民にはるかに劣る脳みそと性格だ
なにより今さら僕が人間性の選り好みを出来るほど悠長な時間を持っているわけでもない
僕達は体を休めてから下山することにした
国のために【ゴールデンきゅうり】を探し求めるために

もうすぐ僕達の冒険の夜が明ける




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