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ご主人様は突然に〜夜の世界編〜7(完結)
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「俺はこれが普通だと思ってた。昔友達と喋った時に周りそんな奴誰もいなくて衝撃受けられたことがこっちも衝撃だった」
何で首を絞めるのかを聞くと返ってきたのがこの言葉だった。
「首絞めたら女の子の中も締まるんだよ」
「そうなんや」
「だからすぐいっちゃうしそれはそれで困るんだよね」
確かに。と言いたくなりそうだったけどさすがに黙っておいた。
「あー明日あゆ帰っちゃうのヤダなー」
甘えた声を出しながら真悠くんがあたしを抱き締める。
真悠くんのあまりの変わり様に戸惑ってしまう。セックス中はあたしのこと痛めつけて、奴隷の様に扱うのに。
綺麗な顔して、穏やかで。服を脱いだら別人だよな…胸に蛇いるし。
「くっついてたらもいっかいしたくなってきた」
「またぁ…?」
「嬉しいくせにっ」
もう一度真悠くんに身体中を噛まれて、首を絞められながらセックスをしてあたしは何度も絶頂した。
ずっと真悠くんの奴隷でいたい…
あっという間に時間は過ぎていき、次の日に真悠くんと離れるのがものすごく寂しかった。1人の家に帰るのがどうしても嫌で美香に連絡して、あたしが大阪に帰ったらお茶をすることになった。
真悠くんに、またホスト戻ったら飲みに行くね。ってメールしたら「また首絞めてあげるね♡」って返ってきて新幹線の中で1人でドキドキしていた。
***
「で?また首絞められたんやろ」
「え、わかる?」
「わかるわ。幸せそうな顔してんもん。もー…普通じゃ満足出来なくなっちゃうし良くないで」
「やめてよー恥ずかしいわ、暑い暑い」
昨日のことを思い出して体が火照ってしまったのか、急に喫茶店の中の暖房が暑く感じてあたしは着ていたニットの袖を捲った。
「…それ何…?」
美香が指差してきた自分の腕のあたりを見ると、くっきりと青い痣が出来ていた。
「あー、痣になっちゃったんや…」
「殴られたとかちゃうやんな!?そんなんされてたらあたし東京まで真悠くん殴りに行くで! 」
「違う違う、噛まれただけ」
「…あゆちゃん。もー真悠くんに会うんやめて!そのうち殺されちゃう!」
「大丈夫やって」
「大丈夫じゃない!これから先も会うんやったらもうあゆちゃんと遊ばへんから!」
美香が半泣きになっていた。本気で心配してくれてるんだ…
「ごめんごめん、わかったから…」
美香となんとなく気まずい空気になってしまったので、喫茶店を出た後解散して家に帰ってお風呂に入ることにした。
「うわー…ドレス着られへんな…」
裸になって自分の体を見てみると、痣が何箇所も出来ていた。肩とか太腿とか、ドレス姿になると目立つ場所も。
容赦なかったもんな…
しばらく休みます、ってキャバクラの店長に連絡したけどどれくらい?とかなんで?ばっかりで休ませてもらえそうにも無かったので昼間の仕事終わりにお店に行って、裸にならなくても見える場所にある痣を店長に見せた。
「ということでちょっと店出れそうにないです。すみません」
「なんやねんそれ!痣だらけやん!男に殴られたんか!?」
「いや男おらんし。噛まれただけ」
「誰に?」
「人に」
「…了解。痣薄くなったら連絡して」
あたしの痣と、そんな体になってもけろっとしているあたしの様子に店長はため息をついて頭を抱えていた。
これいつまで残るのかな…。というよりちゃんと消えるのかな?
消えてくれないと困るけど、消えて欲しくないっていう気持ちもあった。
少しずつ紫色に変わってきたその痣を撫でる度に、真悠くんの奴隷になったあの夜を思い出す。この痣が消えない限りは他の男の前で裸になれないっていうところも「俺にしか見せちゃダメ」って、真悠くんに言われているような気持ちになる。
実際に次の日、昨日はありがとうって電話をくれた真悠くんに痣だらけになってたーって言ったら「じゃ消えるまで他の男とセックス出来ないね」って嬉しそうな声で言われたし。
美香の言う通りあたしってドMだったんだぁ…ってこのあたりでようやく気付いた。
***
というわけで真悠くんに出会ったことで自分がマゾだということに気付き、セックスの時に首を絞められたい、虐められたいっていう性癖が生まれてしまったのでした。
真悠くんとはしばらくの間たまにだけど連絡を取っていた。
もう一度会ってセックスしたけど、やっぱり噛まれた場所は痣になったし、美香には泣かれ、店長にはやっぱりDVやろ!と疑われ、昼間の仕事では夏服を着るシーズンになり薄着になれば痣が見えちゃって自分の店のスタッフはもちろん、他のショップのスタッフの視線まで集めてしまって肌を出せないしでなんか色々大変だった。クールビューティで有名だった向かいのショップの店長のドン引きの表情は何故か未だに覚えている。
それから少しして、あたしには彼氏ができ心配性な彼氏の目を盗んで東京まで行くのは難しくなった。
一方真悠くんはホストに戻り、ネットの掲示板なんかを見る感じではお店でナンバー 1になっている様だった。その頃から連絡が月1になり、3ヶ月に1回くらい「元気?」ってメールが来て、そのうちそれも途絶えた。忙しくなった様で何より。
薄くなるまで少し時間はかかったけど、痣なんて跡形もなく消えた。跡形もなくで思い出したけど、なぜか首筋には痣が一切出来ないのが不思議だった。
それから、痛みに強くなったのか大嫌いだった注射がちょっと好きになった。あとはカッコいいなーって思う芸能人が見事にヘビ顔男子ばっかりなのは真悠くんの胸に蛇がいたから…かな?関係ないか…
あたしはもうじき結婚するし、真悠くんに会う為に東京に行くことはもうない。そもそもこれだけの時間が経てば真悠くんが今生きているか死んでいるかもわからない。さすがに死んではないと思うけど。
ただこれだけ長い時間が経ってもあの頃の記憶がこんなに鮮明だっていうことには我ながら驚いたな。顔はものすごくタイプなイケメンっていうことは覚えているけど、今や顔はなんとなくしかわからないし、声を聞いたとしてもピンと来ないだろうに。
けど、「一生忘れられなくしてあげる」って言われた通りあの頃のセックスははっきり覚えているし、本当に一生忘れられない気がする。
愛情とは違うけれど、心はいつまでも真悠くんの奴隷なのかもね。
-END-
何で首を絞めるのかを聞くと返ってきたのがこの言葉だった。
「首絞めたら女の子の中も締まるんだよ」
「そうなんや」
「だからすぐいっちゃうしそれはそれで困るんだよね」
確かに。と言いたくなりそうだったけどさすがに黙っておいた。
「あー明日あゆ帰っちゃうのヤダなー」
甘えた声を出しながら真悠くんがあたしを抱き締める。
真悠くんのあまりの変わり様に戸惑ってしまう。セックス中はあたしのこと痛めつけて、奴隷の様に扱うのに。
綺麗な顔して、穏やかで。服を脱いだら別人だよな…胸に蛇いるし。
「くっついてたらもいっかいしたくなってきた」
「またぁ…?」
「嬉しいくせにっ」
もう一度真悠くんに身体中を噛まれて、首を絞められながらセックスをしてあたしは何度も絶頂した。
ずっと真悠くんの奴隷でいたい…
あっという間に時間は過ぎていき、次の日に真悠くんと離れるのがものすごく寂しかった。1人の家に帰るのがどうしても嫌で美香に連絡して、あたしが大阪に帰ったらお茶をすることになった。
真悠くんに、またホスト戻ったら飲みに行くね。ってメールしたら「また首絞めてあげるね♡」って返ってきて新幹線の中で1人でドキドキしていた。
***
「で?また首絞められたんやろ」
「え、わかる?」
「わかるわ。幸せそうな顔してんもん。もー…普通じゃ満足出来なくなっちゃうし良くないで」
「やめてよー恥ずかしいわ、暑い暑い」
昨日のことを思い出して体が火照ってしまったのか、急に喫茶店の中の暖房が暑く感じてあたしは着ていたニットの袖を捲った。
「…それ何…?」
美香が指差してきた自分の腕のあたりを見ると、くっきりと青い痣が出来ていた。
「あー、痣になっちゃったんや…」
「殴られたとかちゃうやんな!?そんなんされてたらあたし東京まで真悠くん殴りに行くで! 」
「違う違う、噛まれただけ」
「…あゆちゃん。もー真悠くんに会うんやめて!そのうち殺されちゃう!」
「大丈夫やって」
「大丈夫じゃない!これから先も会うんやったらもうあゆちゃんと遊ばへんから!」
美香が半泣きになっていた。本気で心配してくれてるんだ…
「ごめんごめん、わかったから…」
美香となんとなく気まずい空気になってしまったので、喫茶店を出た後解散して家に帰ってお風呂に入ることにした。
「うわー…ドレス着られへんな…」
裸になって自分の体を見てみると、痣が何箇所も出来ていた。肩とか太腿とか、ドレス姿になると目立つ場所も。
容赦なかったもんな…
しばらく休みます、ってキャバクラの店長に連絡したけどどれくらい?とかなんで?ばっかりで休ませてもらえそうにも無かったので昼間の仕事終わりにお店に行って、裸にならなくても見える場所にある痣を店長に見せた。
「ということでちょっと店出れそうにないです。すみません」
「なんやねんそれ!痣だらけやん!男に殴られたんか!?」
「いや男おらんし。噛まれただけ」
「誰に?」
「人に」
「…了解。痣薄くなったら連絡して」
あたしの痣と、そんな体になってもけろっとしているあたしの様子に店長はため息をついて頭を抱えていた。
これいつまで残るのかな…。というよりちゃんと消えるのかな?
消えてくれないと困るけど、消えて欲しくないっていう気持ちもあった。
少しずつ紫色に変わってきたその痣を撫でる度に、真悠くんの奴隷になったあの夜を思い出す。この痣が消えない限りは他の男の前で裸になれないっていうところも「俺にしか見せちゃダメ」って、真悠くんに言われているような気持ちになる。
実際に次の日、昨日はありがとうって電話をくれた真悠くんに痣だらけになってたーって言ったら「じゃ消えるまで他の男とセックス出来ないね」って嬉しそうな声で言われたし。
美香の言う通りあたしってドMだったんだぁ…ってこのあたりでようやく気付いた。
***
というわけで真悠くんに出会ったことで自分がマゾだということに気付き、セックスの時に首を絞められたい、虐められたいっていう性癖が生まれてしまったのでした。
真悠くんとはしばらくの間たまにだけど連絡を取っていた。
もう一度会ってセックスしたけど、やっぱり噛まれた場所は痣になったし、美香には泣かれ、店長にはやっぱりDVやろ!と疑われ、昼間の仕事では夏服を着るシーズンになり薄着になれば痣が見えちゃって自分の店のスタッフはもちろん、他のショップのスタッフの視線まで集めてしまって肌を出せないしでなんか色々大変だった。クールビューティで有名だった向かいのショップの店長のドン引きの表情は何故か未だに覚えている。
それから少しして、あたしには彼氏ができ心配性な彼氏の目を盗んで東京まで行くのは難しくなった。
一方真悠くんはホストに戻り、ネットの掲示板なんかを見る感じではお店でナンバー 1になっている様だった。その頃から連絡が月1になり、3ヶ月に1回くらい「元気?」ってメールが来て、そのうちそれも途絶えた。忙しくなった様で何より。
薄くなるまで少し時間はかかったけど、痣なんて跡形もなく消えた。跡形もなくで思い出したけど、なぜか首筋には痣が一切出来ないのが不思議だった。
それから、痛みに強くなったのか大嫌いだった注射がちょっと好きになった。あとはカッコいいなーって思う芸能人が見事にヘビ顔男子ばっかりなのは真悠くんの胸に蛇がいたから…かな?関係ないか…
あたしはもうじき結婚するし、真悠くんに会う為に東京に行くことはもうない。そもそもこれだけの時間が経てば真悠くんが今生きているか死んでいるかもわからない。さすがに死んではないと思うけど。
ただこれだけ長い時間が経ってもあの頃の記憶がこんなに鮮明だっていうことには我ながら驚いたな。顔はものすごくタイプなイケメンっていうことは覚えているけど、今や顔はなんとなくしかわからないし、声を聞いたとしてもピンと来ないだろうに。
けど、「一生忘れられなくしてあげる」って言われた通りあの頃のセックスははっきり覚えているし、本当に一生忘れられない気がする。
愛情とは違うけれど、心はいつまでも真悠くんの奴隷なのかもね。
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