わたしがわたしをわすれるひ【R18】

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「あ…、っや…」

「気持ちいい？」

「ん…きもちいいよ…あ、あっ…」

「腰動いてるじゃん…おっぱい大きい子って不感症っぽいのに菜々は違うよな」

さっきの将くんは出したくて仕方ない！って感じでいつも以上に前戯がおざなりだったけど、2回目は将くんが散々あたしの胸を愛撫した。…というか胸だけをしつこく攻めてきた。

あたしを気持ちよくしたい以上に自分が触りたいからしてるって感じだけど。

何回も胸を揉んで、あたしの胸を寄せて間に顔を押し付けたりとか。寄せたまま両方の乳首を舐めたり吸ったり…指で何度も転がされてずっと乳首を弄られるからあたしの乳首はずっと硬くなっていた。

「あー…幸せ」

ちゅっ、ちゅって音を立てながら赤ちゃんみたいにあたしの乳首を夢中で吸う将くんが可愛くて、あたしも興奮して息が荒くなってきた。

「はぁ、はあっ…将くんってほんとにおっぱい好きだねっ…」

「うん。あいつは全然胸ないけど…」

「あ…そういうとこ好みと違くても結婚するんだ」

「ほんとに好きになる女はそういうの関係ないから」

本当に好きになる女はそういうの関係ないから、か。体だけの関係に納得しているとは言えど、あまりに正直すぎてちょっと寂しい気持ちもある。

そんなあたしの気持ちを掻き消すかの様に、あたしの胸を心ゆくまで堪能して満足気な将くんが正常位で入れてきて、腰を振った。

「あ、あっ」

「おっぱいだけじゃなくて菜々の中も大好きだよ。締まりいいなマジで…」

「あ、んんっ！や、まさくん…っ、きもちい…やぁんっ」

「結婚してからもたまに会ってセックスしようよ」

「はぁ、はぁ…何言って…」

「だめ？」

「ダメ…」

「えー…愛人になって欲しかったのに」

「もぉっ、最低っ、あ…！絶対、嫌だからねっ」

結婚する前からそんなこと言って…彼女が知ったら泣いちゃうよ。

ベッドに寝転がっているあたしの胸を鷲掴みにしながら将くんは激しく腰を動かした。

あ…やばい、気持ちいい。

入れられながら胸を揉まれるとあたしはものすごく興奮する。

いっちゃうかも…

「あー菜々、出る…」

「あっ…」

2回目だからさっきよりはちょっと持ったね…

あーあ。また将くんだけいっちゃって…

将くんに中出しされながら、ぼーっと考えていた。

「あー…」

将くんに抱きしめられてしばらく繋がったままでいるうちに将くんのものがあたしの中でだんだん小さくなっていくのがわかった。それにつれあたしの中から、将くんが出した少しずつ温度が低くなってきた精液が流れてきた。

「…将くん…シーツ汚れちゃうよ…」

「うわ、やべ」

将くんがあたしの上から退いて、枕元のティッシュを何枚か取り出して自分のモノを吹き始めた。

自分の処理で精一杯で、放置されたあたしも自分でティッシュを何枚か取り出して入り口のあたりに流れてきている精液を拭った。

もしピル飲んでるっていうのが嘘で、あたしが妊娠でもしたらどうするんだろ。ただのセフレなのにそんなにあたしのこと信用して大丈夫なのかな？警戒心なさ過ぎ。

＊＊＊

裸のまま2人で一緒に寝て、起きたら時計は12時を回っていた。

「ん…帰るの？」

布団から抜け出し、ベッドの下に落ちた下着と服を拾っては着て…としていると将くんが目を覚ました様で布団の中からあたしに声をかけた。

「うん。将くん夕方から仕事でしょ？」

「あー…そうだった。俺のパンツどこ？」

「えー、知らないよ」

「そっかー…まぁシャワー浴びるしいいや」

将くんがベッドから降りて、バスルームの方に歩いて行った。シャー…とお湯の流れる音がしたかと思うと、将くんが戻ってきて自分の財布をごそごそと触っていた。

ハイブランドの高そうな財布。稼いでるんだなー、将くん。人気は出るわお金は稼ぐわ、今日本で最強にいい女と結婚するわで前世でよっぽどいいことしたんだろうね。

きっとこれからも女の子に困ることは無いだろうし。

結婚相手の女優さんの事務所はかなり大きいところだし、不倫なんかバレたらあたしの事務所ごと潰されそうだからあたしは絶対愛人にはなりたくないけどね。

「これタクシー代」

将くんがあたしに一万円札を2枚差し出した。

「こんなにいいの？ありがとう」

「だって家遠いじゃん」

実際はめちゃくちゃ近いことを2人とも知っているけどあえてそのボケに乗っておいた。

「そうだね。足りないかもしれないもんね」

「だな」

将くんがニヤリと笑ったのであたしも同じ様に笑い返した。結婚前の大事な時期だから、口止め料込み？別に誰にも言うつもりないんだけどな。警戒心なさすぎると思いきや急に警戒しだすんだから…

「ここ引っ越すよね？」

「うん。新しい家もう借りてるし」

「そっか。言い忘れてたけど結婚おめでとう」

「ありがとう。愛人する気になったら言ってね」

「だから嫌だってば」

「えー…はい。菜々も早く落ち着けよ」

「余計なお世話ですー。こっちのセリフだし。じゃあ行くね。バイバイ」

将くんがゴミ箱から昨日の晩のせいでティッシュだらけになったゴミ袋を取り出し口をしばった。

「バイバイ。あ、菜々ごめん、コレ捨てといて！」

あたしにここの住民を装わせる為なのか、それともただめんどくさいだけなのか将くんにゴミ袋を持たされマンションのゴミ捨て場に捨ててから、何食わぬ顔で外に出た。

今日将くんは自宅のゴミと一緒にあたしのことも捨てた。あたしも将くんを捨てた。

捨てた捨てられたって言う程お互い執着してないし、ただ楽しんでただけなんだけど。もしどこかでまた会っても、次は2人とも知らない人のふりをするだろう。