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第一章 電脳の少女
第05話 混乱の始まり
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「次のニュースです。先日の国会議事堂爆破事件について、警視庁は国際的なテロ組織による犯行である可能性について──」
点けっ放しのテレビから聞き飽きた内容のニュースが聞こえて来る。全く変わり映えの無い、同じ内容の情報ばかり……昨日から、どの局もずっとこの調子だ。
特に何の期待もせずに、俺はテレビのリモコンを手に取った。革張りの黒いソファにもたれ、適当にザッピングする。
「外遊中で難を逃れた矢部首相は、本日記者会見で──」
次。
「だからこの犯行は、動画とは関係無いF国の工作員がって言っ──」
次。
「暫定政府が発令した非常事態宣言を受けて──」
次。
「あざとさMAX! キュアフェアリー!──」
……プチッ。
「はあ……」
思わず溜息がこぼれた。テレビの電源を切ったリモコンを、無造作にガラス製のテーブルへ放り投げる。静まり返った誰も居ないリビングに、カコンと乾いた音が鳴り響いた。この期に及んでも、この家には両親は居ない。今、一戸建てのこの家に居るのは俺だけだ。
相変わらずテレビは、昨日と似たような番組ばかり。まあ、安定のテレ京以外は、だけど。ここに来て、まさかプリティキュアとはな……流石だ。
そのままソファにゴロンと横になり、俺はこの二日間の出来事を思い返した。
──国会議事堂が爆破されたあの日。
直接被害を受けた訳では無いが、交通機関の乱れや事件の影響を心配した亜里沙さんは、急遽、店を閉めた。とりあえず何があるか分からないから、今日の所は帰った方がいいと言われ、俺達は店を後にした。
亜里沙さんの判断は正しかった。
流石に大きな混乱こそ無かったが、あの日の夜はちょっとしたパニックにこの国は陥っていた。テレビの中はもう大騒ぎだ。国会議事堂が爆破された事は、俺の知らない色んな所に影響を及ぼしていたらしい。
しかし、この国の官僚も大した物だ。政治家なんかが機能しなくても、直ぐに関係各所に手を回して体制の立て直しを図ったそうだ。最低限の治安も今の所、警察と自衛隊が協力して保たれている。お陰でパニックに陥った国民が、暴動を起こしたとかいう事件は今の所起きていない。まあ、K市の救助活動もある自衛隊は、かなり大変な事になっているのかも知れないけど。
「とりあえずカップ麺多めに買っといて正解だったよな……」
俺はテーブルの上に放置された、空になったカップ麺を見て呟いた。爆破事件の翌日、つまり昨日の事を思い出したからだ。
事件の翌日は目に見えて、俺達の生活にも影響が出始めた。週刊誌を買いに何気なく行ったコンビニでは、とんでもない行列が出来ていた。人集りから店内を覗き込むと、商品棚はガラガラだった。特に食料に関してはスナック菓子に至るまで、食べられる物は一切残って無い。
行列に並んでいたおばさんに話を聞くと、スーパーやコンビニ等は日本中が同じ状態なんだそうだ。何でも、政府の非常事態宣言を受けた多くの企業が営業を見送った為、大手の物流網が尽くストップしてしまった事が原因らしい。いつどこでテロに襲われるか分からないという、無責任な不安をマスコミが煽りまくったのも、もしかしたら原因の一つなのかも知れない。
週刊誌を諦めて家に戻った俺は、他にも色々な影響が出始めている事を初めて知った。
よく分からないが株価が軒並み暴落し、金融機関をはじめとした多くの企業が大混乱に陥っているらしい。交通機関にも影響は及び、国外線は全てストップしたそうだ。テレビでは帰れなくなった人達が、空港や駅に溢れ返っている様子が映し出されていた。
たった二日でこの国は随分ダメージを受けている様だ。
流石に民度が高いと言われている日本人だけあって、今の所、国民が互いに協力し合う事で秩序は保つ事が出来ている。
だが、俺は不安だった。
このまま復興を目指すだけなら、大きな混乱は起こらないかも知れない。しかし、今は実質F国との戦争中だ。戦争経験なんて殆ど無い人間ばかりのこの国が、更にこれ以上、テロにまで襲われるなんて事にでもなれば……。もし、警察や自衛隊がまともに機能しなくなった時、本当に今の様な秩序が保てるんだろうか。
既に小競り合い程度なら、一部の人間の食料買い占めや、行列への割込み等が原因で起きている。もし、そいつ等を抑止する様な権力が失われたら……本当にこれ以上の混乱は、何が起こってもおかしく無い。民度が高いなんて言ったって、所詮、自分達の生活が保障されていればの話だ。生活に余裕が無くなった時、人間がどんな行動を取るかなんて想像に容易い。少なくとも俺はそう考えている。
「大丈夫……だよな……」
誰に向ける訳でも無く、不安に押しつぶされそうな意識を振り払う様に呟いた。
不安な気持ちになればなる程、救いを求める様に違う感情が溢れて来る。
──秋菜に会いたい。
一度はっきりと認識してしまったその感情は、膨らみ始めると止める事が出来なかった。どんどん膨らみ続けたその感情は、やがて俺の意識を支配する。気が付けば俺は、いつ動き出すやも分からない在来線の駅を通り過ぎ、秋菜のいる店に向かって歩き始めていた。徒歩で行くには少し遠いが、歩いて行けない距離じゃない。それよりも今は、一歩でも秋菜に近づいているという気持ちだけが、強く俺を動かしていた。
会える筈も無いのに……。
俺は本当は今『妖精の隠れ家』が営業していない事を知っている。亜里沙さんが話してたのを直接聞いていたからだ。フリードのアンケートが行われたあの日、仕入れも不安だし明日から暫く店は閉める──と。
そんな考えを頭から振り払う様に、俺は無心で店に向かった。
供給が難しくなったらしい、ガソリンを求める車の大渋滞を横目にひたすら歩く。二時間程歩き、ようやく見えて来た見慣れたアーケード街は、いつもよりも閑散としていた。所々で出来ている行列は、数少ない営業中の店で商品を求める人達だろう。食料以外にもカセットコンロや日用品を、大量に抱え込んでいる人もいる。
俺はそんな人達を後目にアーケードを抜けると、店のある雑居ビルに辿り着いた。いつもは点いている一階の看板は光が消えている。分かってはいたが……やっぱり落ち込む。
俺は秋菜の痕跡を求める様に、閉まっている事が分かっている店に向かい階段を上った。登り切った階段の目の前に『Closed』とかかれたプレートが見える。それでも俺は、店のドアの前まで止まらなかった。そして、正面に掛けられたプレートを改めて見つめる。
「やってる訳ないよな……」
何気無しに呟いたその時、店の中から僅かに声が聞こえた。
──誰かいる!
秋菜に会えるかも知れない……様子を伺ってからにすればいいのに、興奮と期待に我を忘れた俺は、思わずドアを開けてしまった。
カランコロン……
乾いたドアベルの音が鳴り響き、店内の気配がサッと静まりかえった。思わぬ来客に驚いた様な、警戒した様な張り詰めた雰囲気。店内にいた人間たちが一斉に俺に視線を向けて来る。思ったよりも多い……しかも、知っている顔ばかり。
──店内には見慣れた常連客達が、カウンターに勢揃いしていた。
萌くん、オカキン、リーさん、希ちゃん……そして、亜里沙さんと秋菜。
もしかして普通に営業してたのか?
看板を消して、常連客だけでこっそり集まっていたんだろうか。でも、それなら何故、俺には声を掛けてくれなかったんだ。もしかして俺、ハブられてる?
そんな悲しい気持ちになった俺は、ふと、彼等の雰囲気に違和感を覚えた。いつもの良く知る彼等じゃない。明らかに気まずそうな顔をして、まるで不味い所を見られたと言わんばかりに動揺している。俺に内緒で集まっていたのが、バレただけにしては何かおかしい……。
訳も分からず混乱して来た俺が、どうしていいか分からずに立ち尽くしていると、カウンターの奥から亜里沙さんがこちらに向かって歩いて来た。そして、いつもと変わらない優しい笑顔で俺に言った……。
「──夏樹君にはいつか話す時が来ると思ってたわ」
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直接被害を受けた訳では無いが、交通機関の乱れや事件の影響を心配した亜里沙さんは、急遽、店を閉めた。とりあえず何があるか分からないから、今日の所は帰った方がいいと言われ、俺達は店を後にした。
亜里沙さんの判断は正しかった。
流石に大きな混乱こそ無かったが、あの日の夜はちょっとしたパニックにこの国は陥っていた。テレビの中はもう大騒ぎだ。国会議事堂が爆破された事は、俺の知らない色んな所に影響を及ぼしていたらしい。
しかし、この国の官僚も大した物だ。政治家なんかが機能しなくても、直ぐに関係各所に手を回して体制の立て直しを図ったそうだ。最低限の治安も今の所、警察と自衛隊が協力して保たれている。お陰でパニックに陥った国民が、暴動を起こしたとかいう事件は今の所起きていない。まあ、K市の救助活動もある自衛隊は、かなり大変な事になっているのかも知れないけど。
「とりあえずカップ麺多めに買っといて正解だったよな……」
俺はテーブルの上に放置された、空になったカップ麺を見て呟いた。爆破事件の翌日、つまり昨日の事を思い出したからだ。
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行列に並んでいたおばさんに話を聞くと、スーパーやコンビニ等は日本中が同じ状態なんだそうだ。何でも、政府の非常事態宣言を受けた多くの企業が営業を見送った為、大手の物流網が尽くストップしてしまった事が原因らしい。いつどこでテロに襲われるか分からないという、無責任な不安をマスコミが煽りまくったのも、もしかしたら原因の一つなのかも知れない。
週刊誌を諦めて家に戻った俺は、他にも色々な影響が出始めている事を初めて知った。
よく分からないが株価が軒並み暴落し、金融機関をはじめとした多くの企業が大混乱に陥っているらしい。交通機関にも影響は及び、国外線は全てストップしたそうだ。テレビでは帰れなくなった人達が、空港や駅に溢れ返っている様子が映し出されていた。
たった二日でこの国は随分ダメージを受けている様だ。
流石に民度が高いと言われている日本人だけあって、今の所、国民が互いに協力し合う事で秩序は保つ事が出来ている。
だが、俺は不安だった。
このまま復興を目指すだけなら、大きな混乱は起こらないかも知れない。しかし、今は実質F国との戦争中だ。戦争経験なんて殆ど無い人間ばかりのこの国が、更にこれ以上、テロにまで襲われるなんて事にでもなれば……。もし、警察や自衛隊がまともに機能しなくなった時、本当に今の様な秩序が保てるんだろうか。
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不安な気持ちになればなる程、救いを求める様に違う感情が溢れて来る。
──秋菜に会いたい。
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会える筈も無いのに……。
俺は本当は今『妖精の隠れ家』が営業していない事を知っている。亜里沙さんが話してたのを直接聞いていたからだ。フリードのアンケートが行われたあの日、仕入れも不安だし明日から暫く店は閉める──と。
そんな考えを頭から振り払う様に、俺は無心で店に向かった。
供給が難しくなったらしい、ガソリンを求める車の大渋滞を横目にひたすら歩く。二時間程歩き、ようやく見えて来た見慣れたアーケード街は、いつもよりも閑散としていた。所々で出来ている行列は、数少ない営業中の店で商品を求める人達だろう。食料以外にもカセットコンロや日用品を、大量に抱え込んでいる人もいる。
俺はそんな人達を後目にアーケードを抜けると、店のある雑居ビルに辿り着いた。いつもは点いている一階の看板は光が消えている。分かってはいたが……やっぱり落ち込む。
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「やってる訳ないよな……」
何気無しに呟いたその時、店の中から僅かに声が聞こえた。
──誰かいる!
秋菜に会えるかも知れない……様子を伺ってからにすればいいのに、興奮と期待に我を忘れた俺は、思わずドアを開けてしまった。
カランコロン……
乾いたドアベルの音が鳴り響き、店内の気配がサッと静まりかえった。思わぬ来客に驚いた様な、警戒した様な張り詰めた雰囲気。店内にいた人間たちが一斉に俺に視線を向けて来る。思ったよりも多い……しかも、知っている顔ばかり。
──店内には見慣れた常連客達が、カウンターに勢揃いしていた。
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もしかして普通に営業してたのか?
看板を消して、常連客だけでこっそり集まっていたんだろうか。でも、それなら何故、俺には声を掛けてくれなかったんだ。もしかして俺、ハブられてる?
そんな悲しい気持ちになった俺は、ふと、彼等の雰囲気に違和感を覚えた。いつもの良く知る彼等じゃない。明らかに気まずそうな顔をして、まるで不味い所を見られたと言わんばかりに動揺している。俺に内緒で集まっていたのが、バレただけにしては何かおかしい……。
訳も分からず混乱して来た俺が、どうしていいか分からずに立ち尽くしていると、カウンターの奥から亜里沙さんがこちらに向かって歩いて来た。そして、いつもと変わらない優しい笑顔で俺に言った……。
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