6 / 21
第一章 電脳の少女
第06話 女神の手
しおりを挟む
「──夏樹君には、いつか話す時が来ると思ってたわ」
そう言って、亜里沙さんは俺を店内へと招き入れた。カウンター席の一番左……いつも俺が座る、一番奥の席が空いている。俺は、亜里沙さんに促されるままその席に着くと、肩に掛けていたバッグを床に降ろした。
静まり返った店内で、皆の視線が注がれる。彼等は俺から離れる様に隣の席を一つ空け、オカキン、萌くん、希ちゃん、リーさんの順に座っていた。少しずつ顔をずらし、俺の様子を伺っている彼等は、俺と亜里沙さんが何を話すのかが気になっている様だ。
視線に晒されていた俺が、少し居たたまれない様な気持ちになっていると、亜里沙さんが声をかけて来た。
「何か飲む? 珈琲でいいかしら?」
相変わらず、癒し効果抜群の優しい笑顔で問いかけて来る亜里沙さん。しかし、いつもとは何処か雰囲気が違う。俺は直ぐに、その違和感の原因に気が付いた。
当たり前の様に接していたが、今日の亜里紗さんは私服だ。よく見れば、秋菜もメイド服を着ていない。やはり、今は営業中と言う訳では無いらしい。今更ながらに気付いた俺は、どうやら、思わぬ展開に混乱し過ぎて余裕が無くなっていたらしい。
少しだけ落ち着いて来た俺は、カウンター越しに立つ、目の前の亜里沙さんを確認した。
首元が肩の辺りまで開いた、薄いピンクのカットソーにブルージーンズ。いつもの様に、髪を後ろで束ねているだけの亜理紗さんは、何故か普段よりも大人びて見えた。
そして、俺の目を釘付けにしたのは、白い長袖のロンTに、デニムのショートパンツをはいた秋菜だった。袖口から丸めた指だけを、猫の手の様に覗かせている。そんな、ようやく会う事が出来た秋菜の姿は、こないだよりも随分、幼く見えた。
秋菜はカウンターの中でも入口側、丁度俺とは反対側に当たる店の端で、困った様にソワソワしている。やっぱり可愛い……俺は素直にそう思った。
「ちょっと、夏樹君? 聞いてるのかしら?」
暫く秋菜に見惚れていた俺は、亜里沙さんの声にハッとして現実に引き戻された。思わず正面に目をやると、亜里沙さんがニヤニヤしながら俺を見ている。俺は余りの気まずさに、つい不愛想な態度で答えてしまった。
「え? あ、ああ……」
誤魔化す様に咳払いを一つして、俺はカウンターの中の亜里沙さんと改めて向き合った。相変わらず、俺の考えている事なんか見透かした様な目で、優しく微笑んでいる亜里沙さん。
しかし、今日の亜里沙さんはやっぱり何かが違う。服装だけじゃなくて何かこう、雰囲気というか……もっと別の何か。何だろう。どうしても、そんな違和感の様な物が拭い切れない。そんな、俺のモヤモヤした気持ち等はお構い無しに、亜里沙さんが重ねて問いかけて来た。
「珈琲でいいわよね、夏樹君?」
そう言って、俺の返答を待たずに珈琲を淹れ始める亜里沙さん。そして、俺は気が付いた。
──名前だ!
確かに今、亜里沙さんは俺の事を『夏樹君』と呼んでいた。しかし、亜里沙さんは俺の事を普段、そう呼んだ事は一度も無い。俺に声を掛ける時は必ず『ご主人様』だ。
気付いてしまえばどうと言う事は無い。冷静になって良く見てみれば、今日のこの店は違和感だらけだ。勿論、亜里沙さん達の服装の事だけでは無い。
俺の事を『夏樹君』と呼ぶ、いつもよりフランクな口調の亜里沙さん。
俺が来てから一言も喋らないオカキン達。
そして、何か張り詰めた様な店の雰囲気。
はっきりと目に見える違いという訳では無いが、明らかにいつもの『妖精の隠れ家』じゃない! しかも、どうやらその原因は、俺が店に来た事にあるらしい。それぐらいは聞かなくても、俺にだって雰囲気で分かる。
亜里沙さんの口調が違うのは、おそらく、今がプライベートだからと言う理由だろう。どう見ても営業中の店じゃない。
いつもは喧しいオカキンも、ジッと黙って俺の行動を伺っている。俯いたままの萌くんはどこか気まずそうだ。リーさんや希ちゃんに至っては、俺とは目すら合わせようとしない。秋菜だけがさっきから、オロオロと何かを言いたげな素振りを見せている。
──明らかにおかしい。
すると、亜里沙さんが先程より、一段低いトーンで話し始めた。その顔はいつの間にか、真剣な表情に変わっている。
「夏樹君、聞いてもいいかしら?」
口元からはあの優しい笑みが消え、何かを見定めようとする様な目で問いかけて来る亜里沙さん。俺は思わず身構えた。
「……何ですか?」
警戒心を口調に込める。すると、亜里沙さんはそんな俺を見て、少し雰囲気を和らげた。
「そんなに構えないで? 大した事じゃないの……言いたく無かったら話さなくてもいいわ」
そう言って優しく目を細め、いつもの亜里沙さんの雰囲気が顔を覗かせた。そして、亜里沙さんはまるで小さな子供に尋ねる様に、優しく、そしてゆっくりと口を開いた。
「夏樹君……どうして携帯を持たないの?」
──え?
俺は一瞬、自分が何を言われているのか、理解する事が出来なかった。
余りにも予想外過ぎる問い掛けに、俺は思わずキョトンとした。今のこの状況が、俺が携帯を持たない事と何の関係があると言うんだ……意味が分からない。しかし、そんな俺の小さな混乱等、見越していた様に亜里沙さんは続けた。
「夏樹君……いきなり何を言われてるのか、分からないかも知れないけど……これは凄く大事な事なの」
いつになく真剣な眼差しで、俺に語りかけて来る亜里沙さん。その目には何故か、全てを見透かされている様な気がした。どこか俺を哀れむ様な、そして悲しそうな目。おおよそ全て、予想は付いているとでも言いたげなその目で、亜里沙さんは俺を諭して来た。
「話したく無い気持ちは分かるわ……だけど、どうか私達を信じて話してみてくれないかな? きっと力になれると思うわ……」
そう、強い意志が込められた目で、俺の目を見つめて来る亜里沙さん。やはり、俺の事を何か知っているみたいだ……。ふと気付けば、店にいる全員の視線が俺に注がれている。どうやら、私達と言うのはここにいるオカキン達、皆んなの事を指しているらしい。当然、秋菜も含めてだ。
「…………」
何でこんな事を聞くんだろう。単純に、俺には理由が分からなかった。力になれるってどう言う事だ? 何が目的でこんな事を聞くんだ?
だが、亜里沙さんは自分達を信じてくれと言う。これは凄く大事な事なんだと。もしかしたら、何か事情があるのかも知れない。だけど……
俺は悩んだ。
どんな事情かは知らないが、どうしても俺は、何か裏があるのではと考えてしまう。それに、この質問の内容……俺にとっては余り思い出したくない、一番触れられたく無い過去の話だ。出来る事なら話したくは無い。
しかし、亜里沙さんの目は、何故か全て分かった上で俺に話させようとしている気もする。まるで何か、俺を試している様に。
「お、俺は……」
上手く言葉が出て来ない。
まだ、迷っているからだろう。
確かに、自分を理解して欲しいと願う気持ちは俺にもある。受け入れて欲しい、認めて欲しい……そんな渇望。それはきっと、孤独に対する寂しさから来る感情なんだろう。それならここで、亜里沙さん達に全てを話してしまえば、もしかしたら、紛らわせる事は出来るのかも知れない。だけど……。
顔を上げてもう一度店内を見渡す。狭い店内は静まり返り、皆がジッと俺が口を開くのを待っている。
信じていいのか……?
だが、どうしても踏ん切りが付けられない。
しかし、そんな俺の背中を押してくれたのは、他ならぬ秋菜だった。
「話して……くれませんか?」
俺にとっては、まるで慈悲深い女神の様な優しい声。何故か、自分達の仲間になれ、そう言われている様にも聞こえた。少し思い詰めた様な秋菜の表情は、彼女達にも何か事情がある事を安易に物語っている。
少しだけ信じてみてもいいかな……。
少なくとも、秋菜だけには俺の事をもっと知って貰いたい。そんな気持ちも強かった俺は、それだけでも十分、話してみる理由になった。
「そんなに面白い話じゃないですよ……?」
俺は女神に差し伸べられた手を、握り返してみる事にした。
そう言って、亜里沙さんは俺を店内へと招き入れた。カウンター席の一番左……いつも俺が座る、一番奥の席が空いている。俺は、亜里沙さんに促されるままその席に着くと、肩に掛けていたバッグを床に降ろした。
静まり返った店内で、皆の視線が注がれる。彼等は俺から離れる様に隣の席を一つ空け、オカキン、萌くん、希ちゃん、リーさんの順に座っていた。少しずつ顔をずらし、俺の様子を伺っている彼等は、俺と亜里沙さんが何を話すのかが気になっている様だ。
視線に晒されていた俺が、少し居たたまれない様な気持ちになっていると、亜里沙さんが声をかけて来た。
「何か飲む? 珈琲でいいかしら?」
相変わらず、癒し効果抜群の優しい笑顔で問いかけて来る亜里沙さん。しかし、いつもとは何処か雰囲気が違う。俺は直ぐに、その違和感の原因に気が付いた。
当たり前の様に接していたが、今日の亜里紗さんは私服だ。よく見れば、秋菜もメイド服を着ていない。やはり、今は営業中と言う訳では無いらしい。今更ながらに気付いた俺は、どうやら、思わぬ展開に混乱し過ぎて余裕が無くなっていたらしい。
少しだけ落ち着いて来た俺は、カウンター越しに立つ、目の前の亜里沙さんを確認した。
首元が肩の辺りまで開いた、薄いピンクのカットソーにブルージーンズ。いつもの様に、髪を後ろで束ねているだけの亜理紗さんは、何故か普段よりも大人びて見えた。
そして、俺の目を釘付けにしたのは、白い長袖のロンTに、デニムのショートパンツをはいた秋菜だった。袖口から丸めた指だけを、猫の手の様に覗かせている。そんな、ようやく会う事が出来た秋菜の姿は、こないだよりも随分、幼く見えた。
秋菜はカウンターの中でも入口側、丁度俺とは反対側に当たる店の端で、困った様にソワソワしている。やっぱり可愛い……俺は素直にそう思った。
「ちょっと、夏樹君? 聞いてるのかしら?」
暫く秋菜に見惚れていた俺は、亜里沙さんの声にハッとして現実に引き戻された。思わず正面に目をやると、亜里沙さんがニヤニヤしながら俺を見ている。俺は余りの気まずさに、つい不愛想な態度で答えてしまった。
「え? あ、ああ……」
誤魔化す様に咳払いを一つして、俺はカウンターの中の亜里沙さんと改めて向き合った。相変わらず、俺の考えている事なんか見透かした様な目で、優しく微笑んでいる亜里沙さん。
しかし、今日の亜里沙さんはやっぱり何かが違う。服装だけじゃなくて何かこう、雰囲気というか……もっと別の何か。何だろう。どうしても、そんな違和感の様な物が拭い切れない。そんな、俺のモヤモヤした気持ち等はお構い無しに、亜里沙さんが重ねて問いかけて来た。
「珈琲でいいわよね、夏樹君?」
そう言って、俺の返答を待たずに珈琲を淹れ始める亜里沙さん。そして、俺は気が付いた。
──名前だ!
確かに今、亜里沙さんは俺の事を『夏樹君』と呼んでいた。しかし、亜里沙さんは俺の事を普段、そう呼んだ事は一度も無い。俺に声を掛ける時は必ず『ご主人様』だ。
気付いてしまえばどうと言う事は無い。冷静になって良く見てみれば、今日のこの店は違和感だらけだ。勿論、亜里沙さん達の服装の事だけでは無い。
俺の事を『夏樹君』と呼ぶ、いつもよりフランクな口調の亜里沙さん。
俺が来てから一言も喋らないオカキン達。
そして、何か張り詰めた様な店の雰囲気。
はっきりと目に見える違いという訳では無いが、明らかにいつもの『妖精の隠れ家』じゃない! しかも、どうやらその原因は、俺が店に来た事にあるらしい。それぐらいは聞かなくても、俺にだって雰囲気で分かる。
亜里沙さんの口調が違うのは、おそらく、今がプライベートだからと言う理由だろう。どう見ても営業中の店じゃない。
いつもは喧しいオカキンも、ジッと黙って俺の行動を伺っている。俯いたままの萌くんはどこか気まずそうだ。リーさんや希ちゃんに至っては、俺とは目すら合わせようとしない。秋菜だけがさっきから、オロオロと何かを言いたげな素振りを見せている。
──明らかにおかしい。
すると、亜里沙さんが先程より、一段低いトーンで話し始めた。その顔はいつの間にか、真剣な表情に変わっている。
「夏樹君、聞いてもいいかしら?」
口元からはあの優しい笑みが消え、何かを見定めようとする様な目で問いかけて来る亜里沙さん。俺は思わず身構えた。
「……何ですか?」
警戒心を口調に込める。すると、亜里沙さんはそんな俺を見て、少し雰囲気を和らげた。
「そんなに構えないで? 大した事じゃないの……言いたく無かったら話さなくてもいいわ」
そう言って優しく目を細め、いつもの亜里沙さんの雰囲気が顔を覗かせた。そして、亜里沙さんはまるで小さな子供に尋ねる様に、優しく、そしてゆっくりと口を開いた。
「夏樹君……どうして携帯を持たないの?」
──え?
俺は一瞬、自分が何を言われているのか、理解する事が出来なかった。
余りにも予想外過ぎる問い掛けに、俺は思わずキョトンとした。今のこの状況が、俺が携帯を持たない事と何の関係があると言うんだ……意味が分からない。しかし、そんな俺の小さな混乱等、見越していた様に亜里沙さんは続けた。
「夏樹君……いきなり何を言われてるのか、分からないかも知れないけど……これは凄く大事な事なの」
いつになく真剣な眼差しで、俺に語りかけて来る亜里沙さん。その目には何故か、全てを見透かされている様な気がした。どこか俺を哀れむ様な、そして悲しそうな目。おおよそ全て、予想は付いているとでも言いたげなその目で、亜里沙さんは俺を諭して来た。
「話したく無い気持ちは分かるわ……だけど、どうか私達を信じて話してみてくれないかな? きっと力になれると思うわ……」
そう、強い意志が込められた目で、俺の目を見つめて来る亜里沙さん。やはり、俺の事を何か知っているみたいだ……。ふと気付けば、店にいる全員の視線が俺に注がれている。どうやら、私達と言うのはここにいるオカキン達、皆んなの事を指しているらしい。当然、秋菜も含めてだ。
「…………」
何でこんな事を聞くんだろう。単純に、俺には理由が分からなかった。力になれるってどう言う事だ? 何が目的でこんな事を聞くんだ?
だが、亜里沙さんは自分達を信じてくれと言う。これは凄く大事な事なんだと。もしかしたら、何か事情があるのかも知れない。だけど……
俺は悩んだ。
どんな事情かは知らないが、どうしても俺は、何か裏があるのではと考えてしまう。それに、この質問の内容……俺にとっては余り思い出したくない、一番触れられたく無い過去の話だ。出来る事なら話したくは無い。
しかし、亜里沙さんの目は、何故か全て分かった上で俺に話させようとしている気もする。まるで何か、俺を試している様に。
「お、俺は……」
上手く言葉が出て来ない。
まだ、迷っているからだろう。
確かに、自分を理解して欲しいと願う気持ちは俺にもある。受け入れて欲しい、認めて欲しい……そんな渇望。それはきっと、孤独に対する寂しさから来る感情なんだろう。それならここで、亜里沙さん達に全てを話してしまえば、もしかしたら、紛らわせる事は出来るのかも知れない。だけど……。
顔を上げてもう一度店内を見渡す。狭い店内は静まり返り、皆がジッと俺が口を開くのを待っている。
信じていいのか……?
だが、どうしても踏ん切りが付けられない。
しかし、そんな俺の背中を押してくれたのは、他ならぬ秋菜だった。
「話して……くれませんか?」
俺にとっては、まるで慈悲深い女神の様な優しい声。何故か、自分達の仲間になれ、そう言われている様にも聞こえた。少し思い詰めた様な秋菜の表情は、彼女達にも何か事情がある事を安易に物語っている。
少しだけ信じてみてもいいかな……。
少なくとも、秋菜だけには俺の事をもっと知って貰いたい。そんな気持ちも強かった俺は、それだけでも十分、話してみる理由になった。
「そんなに面白い話じゃないですよ……?」
俺は女神に差し伸べられた手を、握り返してみる事にした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
この世界、貞操が逆で男女比1対100!?〜文哉の転生学園性活〜
妄想屋さん
SF
気がつけば、そこは“男女の常識”がひっくり返った世界だった。
男は極端に希少で守られる存在、女は戦い、競い、恋を挑む時代。
現代日本で命を落とした青年・文哉は、最先端の学園都市《ノア・クロス》に転生する。
そこでは「バイオギア」と呼ばれる強化装甲を纏う少女たちが、日々鍛錬に明け暮れていた。
しかし、ただの転生では終わらなかった――
彼は“男でありながらバイオギアに適合する”という奇跡的な特性を持っていたのだ。
無自覚に女子の心をかき乱し、甘さと葛藤の狭間で揺れる日々。
護衛科トップの快活系ヒロイン・桜葉梨羽、内向的で絵を描く少女・柊真帆、
毒気を纏った闇の装甲をまとう守護者・海里しずく……
個性的な少女たちとのイチャイチャ・バトル・三角関係は、次第に“恋と戦い”の渦へと深まっていく。
――これは、“守られるはずだった少年”が、“守る覚悟”を知るまでの物語。
そして、少女たちは彼の隣で、“本当の強さ”と“愛し方”を知ってゆく。
「誰かのために戦うって、こういうことなんだな……」
恋も戦場も、手加減なんてしてられない。
逆転世界ラブコメ×ハーレム×SFバトル群像劇、開幕。
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる