17 / 89
探求編
円卓会議のちゃぶ台返し
しおりを挟む
「それはそうと。ボス、スコープから連絡がない。」
一度張り積めた空気感が、ドクターの優しい声色によってゆるんだ。
「ああ、俺もコールしてるがでないなぁ…」
「敵前逃亡?」
「まさか。」
「おーい、私をよんだ?」
入り口から声がする。顔を向けると、背の小さい少女が立っていた。落ち着いた声の中にあどけなさが残る、ショートボブの髪型もあいまってその容姿はまるでアニメに出てくる魔法少女のようだ。
だが黒を基調とした特殊装備をまとっていて、まるで似合っていない。首をすげ替えてるようだ。
「それでどこから話たの?」
「なんだ猿みたいなやつだか、誰だ?」
「え?ゴリラ?喋るの?」
急なお客に不快を感じたのか、モノはいつもより低いトーンで話す。すると手を後ろに回して、人差し指を窓の方角に合わせた。俺は座席の下に置いていた弓と矢筒をこっそり拾った。
「そうだ。こちら家主のゴリラだ。」
「モノと言う。早く入ってきたらどうだ。後ろのお客様も」
「それではお言葉に甘えて、いいよ!入ってきて!」
スコープという少女は道を後ろに立っているだろう何かに、大袈裟に譲る。
闇夜の中に浮かぶ赤い髑髏。それは歩き、部屋に入ると火の明かりが彼を照らす。
赤い髑髏のマスク、黒いパンツとパーカーを着てフードを深く被っている。ユーリスやドクターのような、特殊装備を来ていない。まるでジョギング帰りのコスプレイヤーだ。
「まるでジョギング帰りのコスプレイヤーか?とでも思ってるんだろう。」
「すご…」
「大輔君の表情筋から思考を予測した。怖がることはない。ドーベルマンならできて当然。ニートくん」
意表を突かれた。呆気にとられて思考が一瞬途切れる。あとこいつ俺の事ニートって言ったか?
「マスター…どこにいたんだ。」
「君たちと同じヘリキャリアさ。気づかない方がおかしいな。」
「大輔、さっき言ったフェーズ2だ。」
マスターと呼ばれた男は袖口から何かを取り出した。その瞬間を逃さなかった。矢はすでに、彼の髑髏マスクを狙っていた。ユーリスとモノの間を縫って、矢が真っ直ぐにマスクへと飛んで行く。
それを腕一つで受け止めた。
何故かそんな気がして驚きは無い。だが逆にマスターと呼ばれた赤髑髏は大変楽しそうに笑っている。
「ユーリス!お前ニート野郎に負けたぞ!良く表情も見ずに仕掛けるとわかったな。」
すると彼の掌にはピンの抜かれた手榴弾が握られていた。
「これはプレゼントだ。」
「逃げろ!」
ユーリスが一番に声を出すが遅すぎた。
音ともに熱が炸裂した。すべてが光で弾け飛ぶ。
僕は言葉を話さない。だが種類の違う者と会話をする時は英文を使う。洞窟の中で対面して座っているのは僕より何倍も大きいペンタ。
「スティックと言ったな。大義ご苦労だった。」
大輔に知るすべてを彼に話した。彼は失った左手を特に意に介さず、右手と右足で器用にバナナの皮を剥いていた。
「これで確信が持てた。彼はこの島にいる人間の中で、唯一パスコードを開けられる男だ。」
木の枝を使って地面に英語を書こうとすると、ペンタは止めた。
「解っている。妹は任せろ。このパスが開けば、すべてが元通りだ。」
その時だった。地面が小刻みに揺れた。僕は地震かと思ったけど、鼻の効くペンタは空気を嗅いでいる。
「木が燃える匂い、土も舞い上がってるな…」
洞窟の出口まで駆け抜ける。僕にもわかるほど匂いが濃くなって、鼻の奥をつついてくる。
ここはどこよりも高い場所にある洞窟で、外に出れば眼下に広がるのは色んな者が生きてる青と緑の世界。綺麗な景色の筈だった。
所々に煙が立っている。森は焼けた所が数ヵ所で、火の手が大きく上がってるところもあった。
「どういう事だ。」
ペンタは咆哮をあげる。背後からゴリラたちが波のような列作って走ってきた。
「スティック。お前は親父のところに戻れ。これからは戦争だ。」
一度張り積めた空気感が、ドクターの優しい声色によってゆるんだ。
「ああ、俺もコールしてるがでないなぁ…」
「敵前逃亡?」
「まさか。」
「おーい、私をよんだ?」
入り口から声がする。顔を向けると、背の小さい少女が立っていた。落ち着いた声の中にあどけなさが残る、ショートボブの髪型もあいまってその容姿はまるでアニメに出てくる魔法少女のようだ。
だが黒を基調とした特殊装備をまとっていて、まるで似合っていない。首をすげ替えてるようだ。
「それでどこから話たの?」
「なんだ猿みたいなやつだか、誰だ?」
「え?ゴリラ?喋るの?」
急なお客に不快を感じたのか、モノはいつもより低いトーンで話す。すると手を後ろに回して、人差し指を窓の方角に合わせた。俺は座席の下に置いていた弓と矢筒をこっそり拾った。
「そうだ。こちら家主のゴリラだ。」
「モノと言う。早く入ってきたらどうだ。後ろのお客様も」
「それではお言葉に甘えて、いいよ!入ってきて!」
スコープという少女は道を後ろに立っているだろう何かに、大袈裟に譲る。
闇夜の中に浮かぶ赤い髑髏。それは歩き、部屋に入ると火の明かりが彼を照らす。
赤い髑髏のマスク、黒いパンツとパーカーを着てフードを深く被っている。ユーリスやドクターのような、特殊装備を来ていない。まるでジョギング帰りのコスプレイヤーだ。
「まるでジョギング帰りのコスプレイヤーか?とでも思ってるんだろう。」
「すご…」
「大輔君の表情筋から思考を予測した。怖がることはない。ドーベルマンならできて当然。ニートくん」
意表を突かれた。呆気にとられて思考が一瞬途切れる。あとこいつ俺の事ニートって言ったか?
「マスター…どこにいたんだ。」
「君たちと同じヘリキャリアさ。気づかない方がおかしいな。」
「大輔、さっき言ったフェーズ2だ。」
マスターと呼ばれた男は袖口から何かを取り出した。その瞬間を逃さなかった。矢はすでに、彼の髑髏マスクを狙っていた。ユーリスとモノの間を縫って、矢が真っ直ぐにマスクへと飛んで行く。
それを腕一つで受け止めた。
何故かそんな気がして驚きは無い。だが逆にマスターと呼ばれた赤髑髏は大変楽しそうに笑っている。
「ユーリス!お前ニート野郎に負けたぞ!良く表情も見ずに仕掛けるとわかったな。」
すると彼の掌にはピンの抜かれた手榴弾が握られていた。
「これはプレゼントだ。」
「逃げろ!」
ユーリスが一番に声を出すが遅すぎた。
音ともに熱が炸裂した。すべてが光で弾け飛ぶ。
僕は言葉を話さない。だが種類の違う者と会話をする時は英文を使う。洞窟の中で対面して座っているのは僕より何倍も大きいペンタ。
「スティックと言ったな。大義ご苦労だった。」
大輔に知るすべてを彼に話した。彼は失った左手を特に意に介さず、右手と右足で器用にバナナの皮を剥いていた。
「これで確信が持てた。彼はこの島にいる人間の中で、唯一パスコードを開けられる男だ。」
木の枝を使って地面に英語を書こうとすると、ペンタは止めた。
「解っている。妹は任せろ。このパスが開けば、すべてが元通りだ。」
その時だった。地面が小刻みに揺れた。僕は地震かと思ったけど、鼻の効くペンタは空気を嗅いでいる。
「木が燃える匂い、土も舞い上がってるな…」
洞窟の出口まで駆け抜ける。僕にもわかるほど匂いが濃くなって、鼻の奥をつついてくる。
ここはどこよりも高い場所にある洞窟で、外に出れば眼下に広がるのは色んな者が生きてる青と緑の世界。綺麗な景色の筈だった。
所々に煙が立っている。森は焼けた所が数ヵ所で、火の手が大きく上がってるところもあった。
「どういう事だ。」
ペンタは咆哮をあげる。背後からゴリラたちが波のような列作って走ってきた。
「スティック。お前は親父のところに戻れ。これからは戦争だ。」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる