追放されたFランク荷物持ち、ダンジョン管理人になり裏切り者を配信刑に処す。国家権力すら養分にする最強無双

葉山 乃愛

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第46話 クビを宣告された外宇宙の社長がガチギレ。……不法投棄は、俺のカバン(圧縮ゴミ箱)行きだ

「さあ、外宇宙の闇金社長さんよ。……てめえは今日付けでクビだ。荷物をまとめて、俺のインベントリの奥底にある『タコ部屋(懲罰空間)』に引きこもる準備はできたか?」


絶対的な契約の空間を、圧倒的な資金力による敵対的買収で完全に粉砕した俺の宣言。

だが、顔のない社長は絶望するどころか、そののっぺらぼうの頭部を不気味に歪ませ、低いノイズのような笑い声を漏らし始めた。


『……クックック。フハハハハハハッ!』


ピキッ、と。
社長が着込んでいた漆黒のスリーピーススーツに亀裂が走り、中からドロドロとした赤黒い冒涜的な泥が溢れ出した。


『……ナルホド。我々ノ構築シタシステムヲ、金(マナ)ノ暴力デ乗ッ取ルトハ。下等生物ニシテハ、見事ナ盤上遊戯(ボードゲーム)ダッタ』


スーツが完全に弾け飛び、元の人間ほどのサイズだった社長の体が、瞬く間に星系を飲み込むほどの巨大な肉塊と触手の集合体へと膨張していく。


『ダガ、勘違イスルナヨ新経営陣。システムヤ契約トイウノハ、我々ガ食事ヲスルタメノ「上品ナナイフトフォーク」ニ過ギナイ。……ソレヲ奪ワレタナラ、直接手ヅカミデ、貴様ラノ概念ゴト胃袋ニ流シ込ムダケダ!』


顔のない外宇宙のドン――這い寄る混沌が、その真の姿を現した。

物理法則も、時間の概念も、すべてがその圧倒的な狂気と質量の前に崩壊していく。
オフィスビルのようだった空間がドロドロに溶け、ただの混沌の海へと逆戻りした。


「ひ、ひぃぃぃぃぃぃっ! やっぱりこうなるではないかぁぁぁっ!」


後ろで控えていたメイド服姿のゼウスが、涙と鼻水を流しながら俺の足元にすがりついてきた。


「カイト様! 逃げましょう! あれは契約の縛りを捨て、純粋な破壊衝動だけとなった外宇宙の王! いかに無限の収納があろうと、あの巨大すぎる狂気そのものをカバンに収めれば、中身が溢れ出して大惨事になりますぞ!」


「ゼウス、お前は本当に学習能力がねえな」


俺は足元でガタガタ震える元・最高神を蹴り飛ばし、ゆっくりと立ち上がった。


「ミオ。この会社の筆頭株主として確認する。……クビになった元社員が、会社内で暴れて備品を壊した場合のペナルティは?」


ミオがタブレットを素早く操作し、笑顔で答える。


「器物損壊および不法侵入で、即刻強制排除(つまみ出し)の上、損害賠償の対象になるよ!」


「だよな」


俺は上空で荒れ狂う無数の触手と巨大な肉塊を見上げ、大きく息を吸い込んだ。


「おい、這い寄る混沌(元社長)! てめえはもうこの会社の人間じゃねえ! 俺のシマでデカい顔して暴れ回る不法投棄の粗大ゴミは、きっちり『圧縮』して処理してやる!」


俺は両手を天に掲げ、インベントリの対象を『眼前の這い寄る混沌すべて』に設定した。
ただ収納するのではない。
収納する過程で、概念すらも物理的に押しつぶす最強のオプションを発動する。


【スキル:無限収納(インベントリ)・真空圧縮パック(シュリンク・プレス)】


ズガァァァァァァァン!!!


俺の掌から、これまでにないほど巨大な漆黒の渦が発生した。
それはただの引力ではない。
対象を無理やり四角い「箱型」に押し固めながら吸い込む、絶対的な空間圧縮の暴力だ。


『……ナッ!? 空間ガ、我ノ肉体ヲ、折リ畳ンデイルダト……!? ギガァァァァァァァッ!』


星系サイズまで膨張していた這い寄る混沌の体が、見えない巨大なプレス機に挟まれたように、メキメキと音を立てて縮んでいく。
触手が千切れ、肉塊が圧縮され、狂気すらも高密度に固められていく。


『バ、馬鹿ナ! 外宇宙ノ概念ソノモノデアルコノ我ガ、タダノ荷物ノヨウニ、詰メ込マレ……ッ!』


「ダンボールに収まらねえなら、収まるサイズまでへし折って詰めるのが、優秀な運送屋の仕事なんだよ」


俺が両手を勢いよく合わせ、パチンと柏手を打った瞬間。

シュンッ。

アウター・ファイナンス本社を埋め尽くそうとしていた超巨大な混沌は、一瞬にして姿を消した。

後に残ったのは、静寂。
そして、俺の足元にコロンと転がってきた、手のひらサイズの『真っ黒で透明なアクリルキューブ』だった。


俺はそのキューブを拾い上げ、太陽の光(ないけど)にかざしてみる。
透明なキューブの中には、ギュッと四角く圧縮された這い寄る混沌が、窮屈そうにウネウネと蠢いていた。


「よし、梱包完了。これ、社長室の机に置くペーパーウェイト(文鎮)としてちょうどいいな」


《ファッ!?》
《外宇宙の王を文鎮にしやがったwww》
《真空圧縮パック最強説》
《梱包スキル高すぎだろww》
《神々がガチ泣きするレベルの冒涜的ペーパーウェイト》


配信のコメント欄が、この理不尽すぎる結末に大熱狂している。

メイド服のゼウスは、俺の手の中にあるキューブを見て、ついに白目を剥いて完全に気絶した。


「さて、ミオ。これで外宇宙の闇金は完全にうちの傘下に入った。借金帳消しどころか、莫大な資産とインフラが全部俺たちのものだ」


俺はキューブをポケットに突っ込み、破壊されたオフィスの中心で不敵に笑った。


「多元宇宙のホテル経営もいいが……せっかく外宇宙の拠点を手に入れたんだ。次は全次元、全宇宙のバケモノどもを客にした、超絶スケールの『総合エンタメリゾート』でも作ってやろうぜ」


底辺のポーターから始まった俺の下剋上は、神の国を奪い、外宇宙の闇金を潰し、ついにすべての次元を股にかける最強のオーナーへと至った。
だが、俺の『無限の収納(カバン)』が満たされることは、永遠にない。

地球のFランク探索者による、宇宙の理をすべて破壊するリゾート経営は、ここからが本当の始まりだ。
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