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Prologue
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俺と横田先輩が出会ったのは、10年前の事だった。
家が貧しかった俺は、工業高校を卒業して独立系ソフトハウスに就職した。
自信満々で入社した俺の鼻は一月で折られ、周りの屑プログラマー以下の役立たずであることを自覚する。
会社も俺を指導する余裕が全く無い自転車操業中で、何の成長も出来ずに数ヶ月が過ぎていく。
このままでは流石にまずい、生き延びる方策を考えていた時に見えた一筋の光が横田先輩だった。
仕事は天才的だが生きることが壊滅的に下手くそで、上司、部下共に持て余す存在。
自分の値打ちを本人がわかっていなくて、半ば趣味で仕事をしている。
これが俺から見た横田先輩だ。
普通の感性があれば、あの実力でこんな会社にいるはずがない。
どんな大手のIT企業でも通用するはずだが、人間関係で揉めるのは間違いない。
俺は横田先輩に近づき、仕事を教わることから始める。
半年かけて少しだけ関係が良くなり始めた時に、会社が倒産した。
「横田先輩、これからどうします?」
「俺はフリーで仕事をするよ」
その言葉を聞いて、俺は以前から考え抜いた勝負をする事を決めた。
「先輩のマネジメントを俺に任せてくれませんか?
開発以外の雑用は、俺が全部引き受けますから」
「二人で食っていけるかな?」
「今までは先輩の腕を安売りしてたんです。
俺が高く売り込んで見せますよ」
「じゃあ、会社でも作るか」
「先輩が51%、俺が49%の出資にしましょう。
主導権はお渡ししますが、俺が社長でいいですね?」
俺たちはタッグを組んで、二人の会社Giftedを立ち上げた。
折からのITブームで仕事はいくらでもあったが、何でも引き受ければ大手に下請けで使い倒される。
横田先輩にしか出来ない仕事を俺が取ってきて、時間をかければ誰でも出来る仕事はどんなに金になっても断った。
当初の3年間は泥を啜る気持ちで頑張っていたら、俺たちに転機が訪れる。
大手のIT企業 α Systemsが請け負った卸売り会社のNetwork systemが運用テストでトラブルを起こして、開発チームでは手に負えなくなった。
横田先輩の腕を見込んで、我が社に助けを求めてくる。
もちろん相手企業にもプライドがあるので、横田先輩を含めた数人は出向社員として受け入れる条件付きだ。
6カ月にわたる出向の末にトラブルは解決して、当社により安定したシステム運営が構築された。
お陰で、Gifted社は十分な報酬を受け取って安定経営を手に入れた。
対外的にも技術力の高さをアピールする事が出来て、大きい仕事の依頼が徐々に増えていく。
この件以降、横田先輩を慕う若手プログラマーが集まって、ここ5年間は倍々ゲームの成長を遂げている。
だが容赦なく時代は変化して行き、Cloud、AIの時代が到来した。
今まで以上に資金力、技術力が問われていく。
そんな中、α SystemsからGifted社を買収したいと提案を受けた。
向こうは当社の開発力や若手技術者、こちらは相手方の営業力と経営体制が欲しい。
交渉に時間は掛かったが、お互いの利害が一致して買収提案は締結された。
この買収を最後に、俺の仕事は終わる。
自分名義のGifted株を全てα Systemsに売り渡して、一人、会社を後にした。
家が貧しかった俺は、工業高校を卒業して独立系ソフトハウスに就職した。
自信満々で入社した俺の鼻は一月で折られ、周りの屑プログラマー以下の役立たずであることを自覚する。
会社も俺を指導する余裕が全く無い自転車操業中で、何の成長も出来ずに数ヶ月が過ぎていく。
このままでは流石にまずい、生き延びる方策を考えていた時に見えた一筋の光が横田先輩だった。
仕事は天才的だが生きることが壊滅的に下手くそで、上司、部下共に持て余す存在。
自分の値打ちを本人がわかっていなくて、半ば趣味で仕事をしている。
これが俺から見た横田先輩だ。
普通の感性があれば、あの実力でこんな会社にいるはずがない。
どんな大手のIT企業でも通用するはずだが、人間関係で揉めるのは間違いない。
俺は横田先輩に近づき、仕事を教わることから始める。
半年かけて少しだけ関係が良くなり始めた時に、会社が倒産した。
「横田先輩、これからどうします?」
「俺はフリーで仕事をするよ」
その言葉を聞いて、俺は以前から考え抜いた勝負をする事を決めた。
「先輩のマネジメントを俺に任せてくれませんか?
開発以外の雑用は、俺が全部引き受けますから」
「二人で食っていけるかな?」
「今までは先輩の腕を安売りしてたんです。
俺が高く売り込んで見せますよ」
「じゃあ、会社でも作るか」
「先輩が51%、俺が49%の出資にしましょう。
主導権はお渡ししますが、俺が社長でいいですね?」
俺たちはタッグを組んで、二人の会社Giftedを立ち上げた。
折からのITブームで仕事はいくらでもあったが、何でも引き受ければ大手に下請けで使い倒される。
横田先輩にしか出来ない仕事を俺が取ってきて、時間をかければ誰でも出来る仕事はどんなに金になっても断った。
当初の3年間は泥を啜る気持ちで頑張っていたら、俺たちに転機が訪れる。
大手のIT企業 α Systemsが請け負った卸売り会社のNetwork systemが運用テストでトラブルを起こして、開発チームでは手に負えなくなった。
横田先輩の腕を見込んで、我が社に助けを求めてくる。
もちろん相手企業にもプライドがあるので、横田先輩を含めた数人は出向社員として受け入れる条件付きだ。
6カ月にわたる出向の末にトラブルは解決して、当社により安定したシステム運営が構築された。
お陰で、Gifted社は十分な報酬を受け取って安定経営を手に入れた。
対外的にも技術力の高さをアピールする事が出来て、大きい仕事の依頼が徐々に増えていく。
この件以降、横田先輩を慕う若手プログラマーが集まって、ここ5年間は倍々ゲームの成長を遂げている。
だが容赦なく時代は変化して行き、Cloud、AIの時代が到来した。
今まで以上に資金力、技術力が問われていく。
そんな中、α SystemsからGifted社を買収したいと提案を受けた。
向こうは当社の開発力や若手技術者、こちらは相手方の営業力と経営体制が欲しい。
交渉に時間は掛かったが、お互いの利害が一致して買収提案は締結された。
この買収を最後に、俺の仕事は終わる。
自分名義のGifted株を全てα Systemsに売り渡して、一人、会社を後にした。
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