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第二章 1年生 1学期
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ラッシュアワーの地下鉄に乗るなど、いつ以来だろう。
会社を始めて3年目までだから、あれから7年も経っていた。
エイジア製菓学校の入学式が、校舎近くのホテルを借りて行われる。
会場入り口は、参加の学生と観覧の保護者でごった返していた。
受付を済ませて会場の大ホールに入ると、カフェ専科の案内ボードが見える。
近づくと声をかけられた。
「おはようございます、香山さん」
「お久しぶりです、武内さんでしたね」
「覚えてくれてたんですね、嬉しい。今日もスーツ姿が素敵です」
まあ高校出たての連中とは、着こなした時間も使っている金額も違うから当然だが。
「武内さんこそ、一人の俺に声をかけてくれた気遣いに感謝です」
「私も一人で来ましたので、香山さんを見つけて安心しました」
立ち話をしているうちに、入学式の準備が始まる。
俺は指定された席に座り、開会を待つ。
入学式は、製菓学科、製パン学科、カフェ専科の合同で行われる。
最初に開会の辞から始まり、国歌斉唱、校長の式辞、新入生の代表による宣誓から2年生代表による歓迎の辞と続く。
来賓のオーナーパティシエやカフェ経営者など祝辞があり、閉会の辞となった。
その後は各学科ごとに50人ずつ壇上に上がって、記念撮影が行われていく。
カフェ専科の撮影が終わり、フロアに降りると若い女子学生たちがスマホで撮りあい始める。
横を通り過ぎようとした時に捕まった。
「一緒に写って下さい」
有無を言わさず、4,5人に囲まれてスマホで撮られる。
「笑って」
理由もないのに笑えるかよ、仏頂面の男が写っているはずだ。
この連中と2年も一緒なのかと考えたら、憂鬱な気分になる。
翌日は、新入生オリエンテーションが開催された。
最初にカフェ専科の担任が挨拶をして、クラスメイトの10秒自己紹介と続く。
その後は注文していたコックコートを受け取り、正しい着方を教わってからロッカールームで着替える。
戻って来た順番に、一人ずつチェックを受けて教室に入った。
全員が揃ったところで、実習中のキッチンルームを見て回る。
実際の実習風景を2年生たちが見せてくれるが、250人分のパンをオーブンに入れていく。
焼きあがったパンが、次々にバゲットサンドに仕上がっていくのは壮観だ。
あまりの手際の良さに、1年間でここまで出来るようになるんだと感動を覚える。
ランチタイムには、2年生たちとの顔合わせ会が予定されていた。
ウエルカムランチが振る舞われるので、コックコートから私服に着替えて会場に入る。
2年生代表から挨拶があり、今日の料理が全て学生の手作りだと発表された。
先ほどの実習で作っていたバゲットサンドにスープとサラダ、各種のケーキ、ドリンクはコーヒー、紅茶、レモネードなどから選んで受け取る。
空席を探していたら、自然にカフェ専科の社会人出身者が集まっている。
俺が席に着いたら、隣には武内凜花が座ってきた。
会社を始めて3年目までだから、あれから7年も経っていた。
エイジア製菓学校の入学式が、校舎近くのホテルを借りて行われる。
会場入り口は、参加の学生と観覧の保護者でごった返していた。
受付を済ませて会場の大ホールに入ると、カフェ専科の案内ボードが見える。
近づくと声をかけられた。
「おはようございます、香山さん」
「お久しぶりです、武内さんでしたね」
「覚えてくれてたんですね、嬉しい。今日もスーツ姿が素敵です」
まあ高校出たての連中とは、着こなした時間も使っている金額も違うから当然だが。
「武内さんこそ、一人の俺に声をかけてくれた気遣いに感謝です」
「私も一人で来ましたので、香山さんを見つけて安心しました」
立ち話をしているうちに、入学式の準備が始まる。
俺は指定された席に座り、開会を待つ。
入学式は、製菓学科、製パン学科、カフェ専科の合同で行われる。
最初に開会の辞から始まり、国歌斉唱、校長の式辞、新入生の代表による宣誓から2年生代表による歓迎の辞と続く。
来賓のオーナーパティシエやカフェ経営者など祝辞があり、閉会の辞となった。
その後は各学科ごとに50人ずつ壇上に上がって、記念撮影が行われていく。
カフェ専科の撮影が終わり、フロアに降りると若い女子学生たちがスマホで撮りあい始める。
横を通り過ぎようとした時に捕まった。
「一緒に写って下さい」
有無を言わさず、4,5人に囲まれてスマホで撮られる。
「笑って」
理由もないのに笑えるかよ、仏頂面の男が写っているはずだ。
この連中と2年も一緒なのかと考えたら、憂鬱な気分になる。
翌日は、新入生オリエンテーションが開催された。
最初にカフェ専科の担任が挨拶をして、クラスメイトの10秒自己紹介と続く。
その後は注文していたコックコートを受け取り、正しい着方を教わってからロッカールームで着替える。
戻って来た順番に、一人ずつチェックを受けて教室に入った。
全員が揃ったところで、実習中のキッチンルームを見て回る。
実際の実習風景を2年生たちが見せてくれるが、250人分のパンをオーブンに入れていく。
焼きあがったパンが、次々にバゲットサンドに仕上がっていくのは壮観だ。
あまりの手際の良さに、1年間でここまで出来るようになるんだと感動を覚える。
ランチタイムには、2年生たちとの顔合わせ会が予定されていた。
ウエルカムランチが振る舞われるので、コックコートから私服に着替えて会場に入る。
2年生代表から挨拶があり、今日の料理が全て学生の手作りだと発表された。
先ほどの実習で作っていたバゲットサンドにスープとサラダ、各種のケーキ、ドリンクはコーヒー、紅茶、レモネードなどから選んで受け取る。
空席を探していたら、自然にカフェ専科の社会人出身者が集まっている。
俺が席に着いたら、隣には武内凜花が座ってきた。
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