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第十七章 飛躍
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3月28日、ついに珈琲加藤 博多駅前店の引き渡しが行われた。
後は4月3日のオープンに向けて、スタッフのトレーニングが続いていく。
「やっと、ここまで来たわ」
店長になる日野かすみも、万感の思いがあるようだ。
「まだ何も成功してません。
そのセリフは、オープンが上手く行ってから言って下さい」
主任バリスタの絵美里が、横から手綱を引く。
「さすが、香山さんの一番弟子ね。可愛がられただけあるわ」
「褒めて頂き、ありがとうございます。
でも、香山さんの顔に泥を塗る訳にはいきません」
「そんなに彼が好き?」
「人として、尊敬しています。
結婚したいとは、思いませんが」
「何で? 条件的に最高でしょう?」
「香山さんって、ハイスペック過ぎます。
3年間一緒にいて、いつも優しいんですけどプレッシャーが半端ない。
本人は無意識ですけど、完璧主義者ですよ」
「確かに厳しいとこあるよね」
「プライベートなら、私は耐えられないです。
花蓮のハートの強さには感心しますよ」
「製パン科でも、二人は有名だったわ」
「似たもの同士っていうか、通じ合うものがあるんでしょうね」
あっという間に5日間が経ち、博多駅前店のプレオープンを迎えた。
日野社長、武内社長、かすみ店長、加藤マスターがテープカットをして、開店を祝う。
招待客を店内に迎えて、試食会が催される。
奈良屋町店を彩音に任せて、俺もカウンター内でお手伝いだ。
絵美里と並んで、ラテアートを仕上げていく。
加藤マスターがドリップでブラックコーヒーを淹れていた。
「初めて君が俺の店に来てから、ざっくり2年でここまで来るとは、夢を見ているようだ」
お客様の列が途切れた時間に、マスターが俺に話してきた。
「マスターの作った土台があったから、2年で出来たんです。
俺一人だったら、自分の店を作るのが精一杯ですよ」
「嬉しいことを言ってくれる。
お祝いの席だから、素直に受け取っておこう」
「ここはまだ中間点です。
マスターには、もっと弟子を鍛えてもらわないと、人が足りません」
「年寄りに期待するな」
「マスターは、博多コーヒーの歴史を背負ってるんです。
自覚してください」
「君は本当に人を使うのが上手いな。
分かった、その気になっておこう」
「お願いします」
5日間の特訓の成果か、混乱も無く試食会は続いている。
営業ではない分、割り引く必要はあるが、まあ合格点をつけていいだろう。
明日のオープンは、絵美里の応援に、彩音と紗彩が来る。
俺は奈良屋町店で留守番をする予定だ。
「なかなかの店だな、大手とは違う雰囲気になっている」
春田先生が来てくれた。
「シドニーのオフィス街にあるカフェをイメージしています」
「オーストラリアスタイルか、他所と差別化は出来ているな」
「天神に殴り込むつもりですから。
差別化は必須条件です」
「やる気だな」
「ええ、優秀な生徒を送ってください」
「インターンさせよう」
「お待ちしてます」
後は4月3日のオープンに向けて、スタッフのトレーニングが続いていく。
「やっと、ここまで来たわ」
店長になる日野かすみも、万感の思いがあるようだ。
「まだ何も成功してません。
そのセリフは、オープンが上手く行ってから言って下さい」
主任バリスタの絵美里が、横から手綱を引く。
「さすが、香山さんの一番弟子ね。可愛がられただけあるわ」
「褒めて頂き、ありがとうございます。
でも、香山さんの顔に泥を塗る訳にはいきません」
「そんなに彼が好き?」
「人として、尊敬しています。
結婚したいとは、思いませんが」
「何で? 条件的に最高でしょう?」
「香山さんって、ハイスペック過ぎます。
3年間一緒にいて、いつも優しいんですけどプレッシャーが半端ない。
本人は無意識ですけど、完璧主義者ですよ」
「確かに厳しいとこあるよね」
「プライベートなら、私は耐えられないです。
花蓮のハートの強さには感心しますよ」
「製パン科でも、二人は有名だったわ」
「似たもの同士っていうか、通じ合うものがあるんでしょうね」
あっという間に5日間が経ち、博多駅前店のプレオープンを迎えた。
日野社長、武内社長、かすみ店長、加藤マスターがテープカットをして、開店を祝う。
招待客を店内に迎えて、試食会が催される。
奈良屋町店を彩音に任せて、俺もカウンター内でお手伝いだ。
絵美里と並んで、ラテアートを仕上げていく。
加藤マスターがドリップでブラックコーヒーを淹れていた。
「初めて君が俺の店に来てから、ざっくり2年でここまで来るとは、夢を見ているようだ」
お客様の列が途切れた時間に、マスターが俺に話してきた。
「マスターの作った土台があったから、2年で出来たんです。
俺一人だったら、自分の店を作るのが精一杯ですよ」
「嬉しいことを言ってくれる。
お祝いの席だから、素直に受け取っておこう」
「ここはまだ中間点です。
マスターには、もっと弟子を鍛えてもらわないと、人が足りません」
「年寄りに期待するな」
「マスターは、博多コーヒーの歴史を背負ってるんです。
自覚してください」
「君は本当に人を使うのが上手いな。
分かった、その気になっておこう」
「お願いします」
5日間の特訓の成果か、混乱も無く試食会は続いている。
営業ではない分、割り引く必要はあるが、まあ合格点をつけていいだろう。
明日のオープンは、絵美里の応援に、彩音と紗彩が来る。
俺は奈良屋町店で留守番をする予定だ。
「なかなかの店だな、大手とは違う雰囲気になっている」
春田先生が来てくれた。
「シドニーのオフィス街にあるカフェをイメージしています」
「オーストラリアスタイルか、他所と差別化は出来ているな」
「天神に殴り込むつもりですから。
差別化は必須条件です」
「やる気だな」
「ええ、優秀な生徒を送ってください」
「インターンさせよう」
「お待ちしてます」
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